Yahoo!広告、2021年の主要アップデートまとめ

Yahoo!広告、2021年の主要アップデートまとめ
この記事は最終更新日から約2年が経過しています。

2021年もYahoo!広告は広告運用者にとってより扱いやすく管理もより便利になるようなアップデートが多くありました。機能の拡充や広告管理ツールの使い勝手の向上は、広告運用者としてありがたい限りです。

また、「広告品質のダイヤモンド」というフレーズを掲げ、ユーザーやメディア、広告主の3方良しを目指す取り組みも精力的に行われていますよね。

参考:広告品質のダイヤモンドの取り組み - Yahoo!マーケティングソリューション

この記事では、2021年のYahoo!広告における主要なアップデートを振り返っていきます。今年一年の振り返り、また来年はどのような変化が起こるのか想像しながらご覧いただければと思います。

Google 広告のまとめはこちらをご確認ください。

Facebook・Instagram広告のまとめはこちらをご確認ください。



Yahoo!広告全体のアップデート

ヤフーでは、広告サービス品質向上のための取り組みを強化していきました。その中でもユーザー体験を向上させ、広告の価値や信頼度をも向上させていく取り組みをご紹介します。

過去の違反実績をふまえた広告審査を2021年2月8日より開始へ

広告審査において「重大な違反表現」が認められた場合、該当広告内で訴求された商品は広告の掲載ができなくなりました。

Yahoo!広告のみに限りませんが、広告表現の規制は年々強化されています。広告運用者のひとりとして、広告主やユーザー、メディアにとって不利益な広告や不快感を与えるような広告は作らないことを心がけましょう。

「ユーザーからの意見に基づく広告掲載停止」の取り組みを開始へ

ユーザーからの意見数などの複数の要素を加味して算出した閾値が一定の値を超えた場合、その広告の掲載ができなくなりました。ネガティブな意見が多いPCブランドパネルから適用を開始し、2021年4月以降はその他のディスプレイ広告にも適用されています。

過去の違反実績をふまえた広告審査に引き続き、広告の品質を高めるべく、広告表現の厳格化が進んでいますね。「その広告が誰かを不快にしていないか」「傷つけていないか」というユーザー視点を忘れずに取り組んでいきましょう。

検索広告のアップデート

検索広告はユーザーの検索語句や意図に沿った広告を配信や管理をしやすいようなアップデートが多くありました。検索語句にあった広告文が配信しやすくなったり、ユーザーの求めているタイミングで広告が配信されるような自動入札が追加されたりなどありましたのでいくつかご紹介します。

新しい自動入札タイプ「ページ最上部掲載」が追加

目標とする割合で検索結果のページ上部に広告が表示されるよう自動的に入札価格を調整する「ページ最上部掲載」という自動入札タイプが追加されました。検索ユーザーの目に留まりやすいページ最上部に表示したいときに活用できます。

たとえば水道修理や鍵開けなど、緊急性が高く、サービスや商品の比較検討対象が少ない商材の場合は、検索結果で一番に目にしてもらえる可能性の高いページ最上部掲載の重要性が高いため、より活用できそうですね。

自動入札の設定がよりシンプルに

新たに「コンバージョン価値の最大化」という自動入札タイプが追加され、これまでの「広告費用対効果の目標値」は「コンバージョン価値の最大化」のオプション機能として統合されました。

また、これまでの「コンバージョン数の最大化」と「コンバージョン単価の目標値」は、「コンバージョン数の最大化」の1つの自動入札タイプに統合されるなど、目的にあわせてどの自動入札を選択すればいいか分かりやすい、よりシンプルな構成へと変更されています。

価格の異なる商品を扱う多品目ECや、費用対効果よりも予算に応じた売上の最大化を目指したいケースでは、「コンバージョン価値の最大化」はとても重宝されますね。

レスポンシブ検索広告が追加へ

複数パターンのタイトルや説明文を入稿することでアセット(タイトル、説明文)を自動的に組み合わせて、最適な広告文が掲載されるレスポンシブ検索広告が、検索広告でも使用可能になりました。

Google 広告ではすでにレスポンシブ検索広告がデフォルトの広告タイプになっており、2022年6月30日からは拡張テキスト広告の新規作成や編集が不可になるなど、レスポンシブ検索広告が主流となる可能性も高いため使用されてない方は早めに試していくことをおすすめします。

検索連動型ブランディング広告が登場

指定した検索キーワードに連動してYahoo! JAPANのウェブ検索結果の広告掲載位置の最上部にバナー広告を掲載できる予約型のプロダクトが発表されました。

主な活用シーンは、テレビCMや新聞、雑誌など他媒体での露出があるなど、ブランド名の検索数を意図的に増やしているタイミングとの相性が抜群です。ただしすべての広告主が使用できるわけではなく、指定したいキーワードが必ず指定できるわけではないので注意したいですね。

検索クエリーデータの表示基準変更と2020年8月31日以前のデータ提供を終了へ

検索クエリー(ユーザーが実際に検索した語句)のデータ表示に2つの仕様変更が発表されました。プライバシー保護の観点から、多くのユーザーに検索されたクエリーのみ表示されるようになり、2020年8月31日以前の検索クエリーデータが確認・取得できなくなります。

2022年2月1日以降、プライバシー基準を満たしていない2020年8月31日以前の検索クエリーはデータが取得できなくなるので、データをさかのぼり詳細な分析を行いたい場合は2022年1月末までに必要な検索クエリーのレポートをダウンロードしておましょう。

ディスプレイ広告のアップデート

ディスプレイ広告は、機械学習を活用した自動入札をデータをまとめることでさらに成果に期待できたり、管理自体も他の媒体と同様な設定で簡単になるようなアップデートがいくつかありました。

8月に開催された「LINE BIZ DAY BREAKOUT BRAND&DIRECT」にてLINE広告とYahoo!広告の間で相互配信がされると発表されるなど期待が高まるアップデートもありましたのでいくつか紹介します。

「自動運用ルール」機能の提供を開始

設定した条件にもとづいてキャンペーン・広告グループ・広告に対して、指定したスケジュールで広告配信のオン・オフを自動で実行する機能が提供されました。

自動運用ルールは必ずしも完璧ではないのでルール実行後も目視の管理を行いつつ活用していくことで運用者を助ける便利なツールです。

自動入札で最適化するコンバージョンの選択とコンバージョングループの作成が可能に

自動入札の最適化に利用するコンバージョンをキャンペーン単位で選択できるようになりました。併せて、複数のコンバージョンを束ねるコンバージョングループ作成機能も提供されました。

広告アカウントを分割せずともキャンペーン単位で自動入札の最適化対象を選択できるようになり、自動入札のコンバージョン率予測の精度向上も見込まれます。

コンバージョン数の最大化など新たな自動入札タイプを提供開始

3つの目的アクションに沿った最大化を実現できる自動入札タイプが提供されました。提供された自動入札タイプは下記の3つです。

  • コンバージョン数の最大化
  • クリック数の最大化
  • 動画再生数の最大化

これらの自動入札タイプは指定した予算内で目的アクション数を最大化するように自動で入札価格を調整する入札戦略です。

運用管理にかかる時間の削減や目的に合わせたパフォーマンスの最適化が行えるようになったので、広告の目的を考えたうえで積極的な活用を検討していきたいですね。

複数リストの指定やリストごとの入札価格調整率の設定が可能に

ひとつの広告グループごとに配信または除外リストがそれぞれ1件づつしか設定できませんでしたが、配信と除外リスト合わせて10件まで設定可能となりました。

アカウントの構造をよりシンプルにまとめることができるようになり、データを分割せずに蓄積することができ、広告のパフォーマンスの比較や自動入札の学習期間の短縮にも繋げられます。

リンク先URLを効率的に管理する新形式の設定項目を提供へ

4つの設定項目(最終リンク先URL形式)が提供開始となりました。

  • 最終リンク先URL
  • スマートフォン向けURL
  • トラッキングURL
  • カスタムパラメータ

2022年5月までは旧形式と新形式の並行利用期間で5月から強制的にURLの変換がはじまるので、意図しないリンク先に変更がされる前に移行を済ませて置きたいですね。

なお、旧形式から新形式にスムーズに移行を行えるデータ変換機能や最適化案に変換対象の広告が表示がされ確認しやすくなる機能が提供予定ではあるのでこれらのツールを活用しながら新形式へ移行を済ませておきたいですね。

コンテンツキーワードターゲティングの提供を開始

ユーザーが商品やサービスに関連するコンテンツを見ているタイミングを狙って広告配信が行えるターゲティング手法のコンテンツキーワードターゲティングが提供されました。システムから提供されたキーワード候補からコンテンツキーワードを指定して、それに関連するウェブページやアプリに広告を配信することができます。

掲載面はYahoo! JAPANの一部サービスのみで指定できるコンテンツキーワードも限られていることから、配信するコンテンツキーワードを実際にYahoo!ニュースなど検索してみてノイズになるコンテンツがあるかどうかチェックしながら広告配信の対象を調整していくことをおすすめします。

年齢・性別ターゲティングの年齢レンジの変更および推定ユーザーを統合へ

従来では10歳間隔の年齢区分を基本とした年齢ターゲティングでしたが、指定できる年齢が5歳間隔の年齢区分(新形式)に変更されます。また年齢および性別ターゲティングの「推定ユーザー」を指定できる機能がなくなり、自動的に「推定ユーザー」を含むターゲットへの配信が行われるようになりました。

リリース期間を跨いだ期間の集計では、新旧形式レンジどちらのレポートも閲覧可能となりますが、条件によっては新旧のレポートが混在してしまう可能性があるため注意しましょう。

複数枚の画像を組み合わせて表示するカルーセル広告の提供を開始

7月に広告フォーマットの1つとして複数の画像(カルーセルカード)を組み合わせて表示するカルーセル広告が提供されました。ユーザーは広告をスワイプすることによって複数のカルーセルカードを見られます。

商材やサービスにより異なりますが、商品の種類を紹介したり商品の使い方を時系列で紹介したり、ストーリー性のある訴求によってクリエイティブの幅が広がり、ユーザーの興味関心をより惹きつけることができるようになりました。

LINEアプリ上への配信を開始へ

LINEアプリ上へ広告が配信を開始すると発表がありました。配信ボリュームは順次拡大していくとのことで、すでにLINEアプリ上に配信されるアカウントもでてきています。

Yahoo!のデータを利用してLINE面に広告配信が行えるため、LINE広告とは違ったセグメントや機械学習の活用も行えそうですね。

さらなる機能拡充とデータ活用に期待

機能の拡充が中心でしたが、ヤフーとLINEが経営統合したことによるLINE広告との相互配信や、Yahoo! DMP単体の新規申し込みが12月24日(金)15時に停止されることに伴い、Yahoo! DMPがYahoo!広告に統合されるなど発表もありました。

Yahoo! DMPの機能を活用した高精度でのセグメントを活用した広告配信が行えたりと、広告主の持つデータやYahoo!JAPANのメディアデータなど、より多くのデータ連携が進み、広告主にとっても新しい選択肢が増えていくのではないかと期待しています。

細やかなアップデートではありますが、どれも重要なアップデートなので2021年の振り返りになれば幸いです。

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