2021年5月31日、Yahoo! 広告のディスプレイ広告(以下、YDA)にて年齢および性別ターゲティングの仕様変更が発表されました。
参考:【ディスプレイ広告】年齢、および性別ターゲティングの仕様変更について
リリース内容は大きく分けて以下の2点です。
- 年齢ターゲティングの年齢レンジの変更
- 年齢および性別の「推定ユーザー」設定機能の提供終了
それぞれの変更内容・注意点について見ていきましょう。
実施スケジュール
いつまでに変換が発生するのかを知るため、まずはスケジュールを確認しておきましょう。
2021年6月9日から新形式の年齢ターゲティングが利用可能となり、以降10月までの数カ月間は旧形式と新形式が共存する並行利用期間となります。10月中より順次、新形式の年齢ターゲティングへの強制変換が始まると同時に、年齢・性別共に推定ユーザーのターゲティングを指定できる機能が提供終了となります。
新形式のリリースから強制変換までは約4ヶ月間の猶予がありますが、後手に回してしまうといざ推定ユーザーが統合された際に意図せず配信が広がってしまうなどの懸念が発生する可能性があるため、なるべく早めの切り替えをおすすめします。
年齢ターゲティングの年齢レンジの変更
従来のYDAでは10歳間隔の年齢区分を基本とした年齢ターゲティングが設定可能ですが(旧形式)、今回のアップデートでは指定できる年齢が5歳間隔の年齢区分(新形式)に変更されます。
加えて、年齢レンジ変更にあたり「13歳~14歳」の年齢区分が廃止されることになったため、YDAにて指定可能な年齢の範囲は15歳以上となります。
年齢および性別ターゲティングにて「推定ユーザー」が統合へ
YDAの年齢・性別ターゲティングにおいて「推定ユーザー」を指定できる機能が終了となります。
「推定ユーザー」とは、広告掲載先の配信実績やユーザーの行動データを利用した機械学習により、特定の性別や年齢であると推定されるユーザーを指します。
これまでは「推定」にチェックを入れることで、選択した年齢・性別以外にも「選択された年齢・性別であると推定されるユーザー」にも広告が配信される仕様でしたが、2021年10月より提供終了となります。
提供終了後は自動的に「推定ユーザー」を含むターゲットに対しても配信が行われるため、従来の年齢・性別ターゲティングと「推定ユーザー」の統合となります。したがって、今まで推定ユーザーを除外して配信を行っていた場合は、配信が意図せず広がってしまうなどの懸念が予想されます。
なお、仕様変更後は意図的に推定ユーザーを除外することはできなくなるので、利用している場合はパフォーマンスの変化に注意が必要です。
仕様変更にあたっての注意事項
最後に、今回の仕様変更にあたり特に重要な注意事項として下記が挙げられます。
パフォーマンスレポートの注意点
広告グループのターゲティングを新形式に切り替えた後は、旧形式での年齢レンジや推定ユーザーのレポートは閲覧不可になります。ただし、過去の配信実績は引き続き閲覧可能です。
リリース期間を跨いだ期間の集計では、新旧形式レンジどちらのレポートも閲覧可能となります。条件によっては新旧のレポートが混在してしまう可能性があるため注意しましょう。
入札価格調整比率の注意点
並行利用期間中の手動での変更および10月からの強制変換にあたり、旧形式年齢レンジの入札価格調整率が新形式年齢レンジに引き継がれます。
しかし、複数の旧形式年齢レンジが新形式年齢レンジに変換される場合は、入札価格調整率の低い方が適用されます。また、推定ユーザーへの入札価格調整率は変換対象から除外されます。
その他の注意点
・ノンターゲティング(全ての年齢が配信対象となっている)場合、配信対象は変わらないが2021年6月9日以降の配信実績は新形式での実績となります
・新形式年齢レンジへの変換後は旧形式年齢レンジに変更はできません
新形式年齢レンジへの変更手順
旧形式から新形式の年齢レンジに変更する手順を見ていきましょう。
①広告管理画面の[年齢]タブを選択
②[編集]をクリックし、新形式年齢レンジに切り替えたいキャンペーンや広告グループを選択後、③[適用]をクリック
④設定対象が正しく指定されているかを確認し、⑤[新形式に切り替える]を選択
⑥警告が表示されるので[OK]をクリック
⑦チェックされた年齢レンジに問題がないかを確認し、[設定]をクリック
以上で、新形式年齢レンジへの変換完了です。
まとめ
今回のアップデートでは年齢ターゲティングが細分化されたと同時に、推定ユーザーへの配信がデフォルトの仕様となりました。
比較的配信が広がりやすい推定ユーザーには上手く調整をかけながら運用をされていた方も多いとは思います。特にアクションを起こさずとも仕様は強制的に変更されますが、条件によっては新旧のレポートが混在して実績を管理しにくくなる場合もあるため、余裕を持った変換をおすすめします。
設定状況を見直す良い機会にもなりますので、ぜひ今一度確認してみてください。