今年も残りわずかとなりました、みなさんにとってどんな年でしたか?
1年を振り返ってみると、今年も様々な媒体でアップデートがいくつも行われてきました。媒体ごとに日々アップデート情報を注視していても完全に把握しきるのはなかなか難しいですよね。
この記事では1年の振り返りとして、Facebook広告とInstagram広告の主要なアップデートについて改めてまとめていきます。
目次
Facebook・Instagram広告共通のアップデート
Facebook広告においては、iOSをはじめとするCookieの利用制限に対する対策に追われた一年だったのではないでしょうか。ここでご紹介するアップデートも、ポストCookie時代に備えるための仕様変更やアップデートが多くを占めています。
iOS14以降、次のようなこれまで利用していた機能からの仕様変更を余儀なくされています。
- ターゲット設定の制限
- レポートの制限
- 広告作成の制限
詳しくは下記の記事で記載してありますので、チェックしてみてください。
では実際にどのようなアップデートがあったのか振り返っていきましょう。
1 アトリビューション設定の変更
2021年1月19日に新しい広告セットレベルのアトリビューション設定を導入しました。
これまで「クリック28日、ビュー1日」だったデフォルトのアトリビューション設定が、「クリックから7日間のみ」と変更となりました。
参考:1月19日にアトリビューション設定に対して行った変更点 | Facebook Businessヘルプセンター
ビューの効果が数字上できなくなり、計測対象となる期間も大きく短縮されたことにより、把握できる成果が減少し目標設定の見直しを迫られた広告アカウントも少なくなかったことと思われます。
2 合算イベント測定が登場
合算イベント測定はウェブ側の新たなプライバシーポリシー(App Tracking Transparency = ATT)対策として最低限のトラッキングを行えるようにする機能です。
iOS14.5のリリースに伴い、App Storeで公開されているアプリはATTにより利用者にデータのトラッキングの許可を求めるようになりました。ユーザーがトラッキングを許可するしないにかかわらず測定イベントが制限されるので、ウェブ側のATT対策として最低限のトラッキングを行えるようにするために「合算イベント測定」の設定が必要です。
取得できるイベントは制限されますが、合算イベント測定を設定することでATTの影響を受けつつも最低限の広告配信の効果測定・最適化を行えるので目的に応じて適切な設定を行いましょう。
3 コンバージョンAPI(CAPI)の導入が本格化
Cookieの制限が強化されていくにつれ、コンバージョンの計測漏れ(欠損)の割合が拡大していく事で機械学習を活用した自動入札が機能しづらくなり広告の費用対効果が下がる可能性がでてきました。この事象を回避するためCookieに依存しない計測方法のコンバージョンAPが以前より提供されていましたが、いよいよ導入の本格化が始まりました。
広告運用者がコンバージョンAPIの仕組みを理解し導入をしようとなるとどうしてもエンジニアリングに関する知識がないと難しいと感じることは少なくありません。導入することを目的とはせずに、知識を身につけ自身のビジネスにとって導入するべきなのかどうかを判断できることが近道かもしれません。
コンバージョンAPIについて知識に不安がある方は、紹介した2つの記事に目を通してみることをおすすめします。
Instagram広告のアップデート
2021年のInstagram広告の主要アップデートでは、新たに2つのタブで広告の配信ができるようにアップデートされました。広告の配信先が増えたので、新たな顧客獲得につながるなど期待ができます。
1 縦型動画のリールタブに広告配信するリール広告が登場
6月27日にリール広告を始めると発表しました。
画像引用元: Instagram、リール広告の提供開始を発表 – Facebookについて
リールは、タブを開いたユーザーに対して、はじめからアルゴリズムによって選択された動画が表示されるので、リールを開くユーザーは「なにか気になるものないかな」と新しい情報を求めている状態です。
リール広告はリールコンテンツの間に表示されるので、ユーザーに違和感なくスマートフォンの画面全体で広告を見てもらうことができます。また、広告に対してユーザーがいいねやコメント、保存、シェアできるのも特徴です。
2 ショップ専用タブ内での広告配信を開始
2020年7月にローンチされたInstagramショップ。今年の8月24日より、Instagramショップの専用タブ内で広告の提供を開始されています。配信面を選択するだけで簡単に出稿できます。
画像引用元:Instagram、Instagramショップのタブ内で広告の提供を開始
Instagramショップはオンライン版のウィンドウショッピングのように使われており、新しい商品を探して閲覧しているユーザーが多くいます。自社商品を知らないユーザーに対して広告を出して商品に興味を持ってもらうには、有効な配信面となるでしょう。
また、広告の設定も広告セットの配置からInstagramショップをチェックするだけで簡単に配信できるので、Instagram広告で自社商品を販売していてまだショッピング広告を配信していない方ははじめてみてはいかがでしょうか。
まとめ
Facebook広告ではiOS14以降のプライバシー関連のポリシー変更への対策について、Instagram広告では広告の配信先の拡大について主要アップデートを基にまとめました。引き続き計測回りが制限されていく可能性が高いので合算イベント測定やコンバージョンAPIなど対応できることは行っていきましょう。
今後は、リード獲得広告のようにCookieの利用制限を気にせずにプラットフォーム内で完結しコンバージョンまで計測ができる機能が充実してくるかもしれません。日本ではまだリリースされていませんがアメリカではInstagramアプリ内で購入まで完結する機能がリリースされており、日本へのリリースや広告へのアップデートにも期待が高まりますね。