2021年09月24日:最新の情報をもとに更新
ディスプレイ広告を配信する上で、クリエイティブ・入札と並んで重要な要素であり、運用者の頭を悩ませるのが、ターゲティングです。数あるWEBサイトの、どこで、誰に、広告を出すかによって、広告成果は大幅に変わってきます。
Yahoo!ディスプレイ広告(以下、YDA)のコンテンツキーワードターゲティングをうまく活用することができれば、広告でターゲティングしたいユーザー層が、その商品を購入しやすいようなタイミングを狙って広告表示することができ、より広告成果を伸ばすことが期待できます。
この記事では、コンテンツキーワードターゲティングの仕様、メリットから、具体的な設定方法までわかりやすく解説していきます。
目次
コンテンツキーワードターゲティングとは?
コンテンツキーワードターゲティングは、システムから提供されたキーワードを選択して、それに関連するウェブページやアプリに広告を配信するターゲティング手法です。
YDAには他にもさまざまなターゲティングが用意されていますが、コンテンツキーワードターゲティングにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
コンテンツキーワードターゲティングのメリット
まずは、コンテンツキーワードターゲティングがどのような位置づけのターゲティング手法になるか整理しておきましょう。
配信先となるコンテンツを柔軟に調整できる
コンテンツをターゲティングする手法には「サイトカテゴリ」や「プレイスメント」がありますが、キーワードに基づきより柔軟に掲載先を指定できるため、その中間に位置づけられます。
関連性のあるコンテンツを閲覧しているタイミングを狙える
もうひとつのメリットは、顧客となりうるユーザーが商品やサービスに関連するコンテンツを見ているタイミングを狙って広告配信ができる点です。
たとえば、サーチターゲティング・オーディエンスカテゴリなどに代表されるオーディエンス向けのターゲティングでは、あくまでターゲットは人となるため、広告が表示されるタイミングはさまざまです。
一方、コンテンツキーワードターゲティングを活用すれば、ユーザーが商品やサービスに関連するWEBページを閲覧しているときを狙って広告表示が可能です。全く関係ないコンテンツを見ているときに表示するときに比べて、関連性の高い広告の内容には興味を持ってもらいやすくなりますよね。
発想の転換によってリーチを拡大できる
コンテンツキーワードターゲティングで成果を出すために重要となるのは、「何を売るか?」ではなく、「誰に売るか?」を想像する発想の転換です。
つまり、売りたい商品自体のカテゴリをそのままキーワードとして活用するだけではなく、その商品を活用する人がどのようなユーザーなのかを考えて、そのユーザーが持つ興味関心に合わせて狙うコンテンツを選ぶことが成果拡大の鍵となります。
具体例をあげると、知育玩具を販売するのであれば、ターゲットは幼児の子育て中の母親、または父親になると考えられます。
直接的に考えるのであれば「知育玩具」などのコンテンツを狙うことになりますが、もう一歩ユーザーがどんな人なのかを想像して、「子育て」や「家事」などの間接的に関連するコンテンツも併せて狙うのも良いかもしれません。
コンテンツキーワードターゲティングで成果を出すための基本的な考え方は、Googleのコンテンツターゲットと同じですので、以下の記事もご参考にしてみてください。
配信先から除外するコンテンツの指定にも利用可能
また配信対象のコンテンツをターゲティングするだけではなく、配信先から除外するコンテンツを指定する方法としても利用が可能です。
例えば、知育玩具を販売している広告主が、「幼児教育」や「育児」というキーワードをコンテンツキーワードターゲティングで指定します。
一方で、「育児」に関連するコンテンツとはいえ「育児ノイローゼ」「育児ストレス」「虐待」などネガティブなコンテンツへの広告配信を控えたいこともありますよね。このような場合には、広告配信から除外したいコンテンツを、コンテンツキーワードリストとして設定することができます。
(キーワードはシステムによって提供されるため、これらは選択できない可能性もあります。)
選択できるコンテンツキーワードが限られていることもあり、コンテンツキーワードリストの除外も使いながら広告配信の対象を調整していくのがいいでしょう。配信するコンテンツキーワードでYahoo!ニュースなどを実際に検索してノイズとなるコンテンツが含まれないかチェックしておくのがおすすめです。
コンテンツキーワードターゲティングの設定方法
ここからは、実際に管理画面上でコンテンツキーワードターゲティングを使う方法、レポートの確認方法をご紹介します。
コンテンツキーワードリストの作成
管理画面の[ツール]から[コンテンツキーワードリスト]を選びます。
[コンテンツキーワードリストを作成]から、配信するコンテンツを指定する[標準リスト]か、コンテンツの除外に使う[除外専用リスト]を選択します[コンテンツキーワードリスト名]をつけて、[コンテンツキーワード]欄に広告表示させたいコンテンツ内容を記載し、[候補を表示]を選択すると、指定可能な関連するキーワードの候補が表示されます。
例えば、「育児」で候補を表示すれば、下記の用にさまざまなコンテンツキーワード候補が過去7日間の合計広告表示回数と、コンテンツキーワード候補に追加された日付とともに表示されます。
実際に指定したいキーワードにチェックを入れて、[作成]すれば完了です。
広告グループにコンテンツキーワードターゲティングを設定する
作成したコンテンツキーワードリストは広告グループ単位でターゲティング設定可能です。
まず、紐付けしたい広告グループを選択して、[コンテンツキーワード]を選択、[編集]をクリックします。
[コンテンツキーワードリストを指定して配信]にチェックをいれて、先程作成したコンテンツキーワードリストにチェックを入れます。
チェックを入れると右側に表示されるので、そのリストを配信対象にしたいのか、除外対象にしたいのかを選択し、[設定]を押して完了です。
配信の成果を確認する方法
コンテンツキーワードターゲティングを使って配信ができたら、次は実際にどのサイト・ページに広告が出ているのか、またコンバージョンに繋がっているかなど、広告成果を確認したいですよね。
キーワードリストごとの数値を見る方法と、[レポート]から配信先URLごとの数値を確認する方法がありますので解説していきます。
※2021年9月現在、キーワードごとの数値を確認することはできません。
キーワードリストごとの数値を確認する方法
管理画面で、コンテンツキーワードターゲティングを使っているキャンペーン・広告グループを選択して、「コンテンツキーワード」から確認できます。
配信先ごとの数値を確認する方法
レポート画面から[レポート・テンプレートの作成]を選択。
プリセットで[配信先URLレポート]の中の、[広告グループ]を選択してレポートを作成します。
これで広告グループごとに、配信されたページURL単位で成果指標が確認できます。
コンテンツキーワードターゲティングの注意点
配信に利用する場合にも除外に利用する場合にも、以下の仕様を把握していないと意図とは異なった広告配信となってしまう可能性があるため注意が必要です。
キーワードを自由に指定できるわけではない
Google 広告のコンテンツターゲットと異なり、YDAのコンテンツキーワードターゲティングは自分で選んだキーワードを全て自由に設定できるわけではありません。
あくまでYDAではコンテンツキーワード候補として登録されているキーワードしか指定できない点に注意が必要です。
例えば、先ほど例を挙げた「教育」では多くの候補がありますが、「通信教育」では候補が出てこないということもあります。
ただし、候補となるキーワードは随時追加されているため、一度候補が表示されなかった場合でも期間を空けてチェックしてみるのがおすすめです。
配信先はYahoo!JAPANの一部サービスのみ
対象掲載面は、Yahoo! JAPANの下記サービスのみです。
- Yahoo!ニュース
- スポーツナビ
- スポーツナビDO
- Yahoo!映画
- Carview!
- Yahoo!テレビ
- GYAO
- Yahoo!ファイナンス
- Yahoo!不動産 おうちマガジン
また、現状では以下の広告枠は配信の対象外です。
- タイムラインの広告枠
- 提携パートナーサイト面
- ディスプレイ広告(予約型)
除外されるのはYahoo!JAPANの一部サービスのみ
除外ターゲティングとして利用する場合には、コンテンツキーワードターゲティングに対応していない掲載面には広告が表示されます。
また、あくまでコンテンツの解析が可能な掲載面のうち、キーワードとマッチした場合のみが対象となるため、あらかじめ理解しておきましょう。
コンテンツキーワードリストの数には上限がある
コンテンツキーワードリストは、配信と除外を合わせて1,000件まで作成できます。除外専用のリストも提供されるため上手く利用しながら、必要以上にリストを作りすぎないように注意したいですね。
まとめ
さまざまなテクノロジーの進歩により、サイトリターゲティングを始めとする人をターゲティングする手法がよく利用されるようになりました。一方で、行き過ぎたターゲティングはプライバシー保護の観点から規制の対象になっているのが現状です。
今回ご紹介したコンテンツキーワードターゲティングは、広告配信面のコンテンツをターゲティングする手法のため、プライバシー保護の観点からも比較的扱いやすい広告手法のひとつではないでしょうか。
現在は配信先も限定的ではありますが、ぜひ取り組んでおきたい施策のひとつですね。