
リスティング広告ってなんだか難しそうですよね。知らないのにいきなりやってと言われても、どこから手を付けたらいいかわかりません。経験者でも「リスティング広告ってなに?」と聞かれてもすぐに答えられなかったりします。
今回は、Web担当者としてこれからリスティング広告に携わろうとしている方やはじめたばかりの方、基礎をしっかりと理解しておきたい方に向けて、「リスティング広告ってなに?」と聞かれてもすぐに答えられるよう、リスティング広告でできることをわかりやすく解説します。
※この記事では、広告を出稿されるあなたを「広告主」と表記しています。
Contents
リスティング広告とは
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果にユーザーが検索したキーワード(検索語句)に連動して掲載される広告です。検索連動型広告(検索広告)やPPC(Pay Per Click)とも呼ばれ、広告がクリックされると費用が発生します。日本では、Google 広告やYahoo!広告(旧称:Yahoo!プロモーション広告)が代表的です。
いままさに答えを探している検索行動に対して広告を掲載されるため、見込みの高いユーザーへのアプローチができ、他の広告手法と比べても費用対効果が高く、優先的に取り組むべき重要な施策のひとつです。
リスティング広告でできること
リスティング広告を使えば、パソコンやスマートフォンで検索して探し物をしている人を広告主のWebサイトへ誘導することが可能です。おおむね以下のようなことができます。
- 誰でもかんたんにアカウント(管理画面)を発行できる
- 月1,000円程度からでも出稿できる
- 設定すれば、今日から広告を出すこともできる
- 広告を表示するユーザーの検索する語句を自分で決められる
- 掲載する広告文を自分で作成できる
- 支払えるクリックあたりの料金の上限を自分で決められる
- 1日あたりの予算や目標獲得単価(CPA)を自由に設定できる
リスティング広告の魅力は、いつでも誰でもスタートできて、広告文から費用まで柔軟に運用できることが挙げられます。それではまず、リスティング広告が検索結果のどこに表示されるのかを見ていきましょう。
リスティング広告が掲載される場所

左がGoogle、右はYahoo!の検索サービス
これらは検索連動型広告や検索と呼ばれ、それぞれGoogle 広告(旧称:Google AdWords[アドワーズ])、Yahoo!広告(旧称:Yahoo!プロモーション広告)というサービス内で提供されています。
Google検索の検索エンジンシェアは世界1位で、日本国内においても70%ほどを占めています。一方、Yahoo!検索は日本国内の25%ほどを占めており、この2大検索エンジンで日本国内の9割以上をカバーしています。国内が対象であれば、この2つの検索エンジン上でのリスティング広告を押さえておけばまず問題ないでしょう。
リスティング広告の掲載フォーマット
検索連動型広告の場合、広告フォーマットはテキストが主体です。
大きく、「広告見出し」「説明文」「表示URL」の3つで構成されています。それぞれに文字数の制限などもありますのでくわしくはこちらの記事をご覧ください。
また、広告に利用できる記号にも制限があります、以下の記事にまとめていますので、広告文を作成する際に参考にしていただければと思います。
なお、最近では広告文に画像が合わせて掲載されているケースもあります。
こちらは「画像表示オプション」と呼ばれる広告表示オプション機能のひとつです。まだ利用できないアカウントもありますが、テキストだけでは訴求できなかった内容や広告の見せ方を工夫することで、伝えたい内容を伝えやすくなり、広告パフォーマンスにもよい影響が見込めます。
自然検索(オーガニックサーチ)とリスティング広告の違い
なお、検索結果にはリスティング広告とは別に「自然検索(オーガニックサーチ)」と呼ばれるものも表示されます。
自然検索に表示されたサイトのリンクをユーザーがクリックしても料金は発生しません。これに対し、費用を掛けて行うリスティング広告は「有料検索」とも呼ばれます。
では、「有料検索」と「自然検索」はいったい何が違うのでしょうか。もっとも大きな違いは、コントロールのしやすさです。
有料検索(リスティング広告・PPC) |
自然検索(オーガニックサーチ・SEO) |
|
表示する内容の自由度 |
○ |
△ |
表示対象キーワードのコントロール |
○ |
△ |
運用にかかる費用・手間 |
△ |
◯ |
掲載までにかかる時間 |
○ |
☓ |
掲載する・しないの調整 |
○ |
△ |
自然検索は検索エンジンのアルゴリズムによってランキングされるため、表示する内容や表示対象の検索語句、掲載内容は直接的にコントロールすることは非常に難しいです。また、検索ユーザーの役に立つコンテンツを用意するためには相応の時間や労力がかかります。一方、リスティング広告は、すぐにでも広告の配信を開始でき、変更も随時可能です。スピード感を重視して成果を求めるのであれば、リスティング広告が向いています。
「ディスプレイ広告」もリスティング広告の手法の一つ
リスティング広告といえば、検索連動型広告を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は「ディスプレイ広告(コンテンツ向け広告)」もリスティング広告に含まれます。
ディスプレイ広告は、たとえばサイトの上部や文章の間、下部などに表示される広告です。ディスプレイ広告には大きく2種類あります。ユーザーの興味・関心などで「ひと」をターゲティングする手法とユーザーのみているサイトの属性で「コンテンツ」をターゲティングする手法です。「リマーケティング広告、リターゲティング広告」とよばれる広告主のサイト上の行動履歴をもとに後追いで表示するは「ひと」をターゲットとする代表的な広告手法です。
Googleの提供するGDN(Google ディスプレイネットワーク)とYahoo!JAPANの提供するYDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告 ※旧:YDN)とが代表的です。同じディスプレイ広告でもそれぞれに特徴が異なり利用するシーンにも違いがありますので、GDN、YDAについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
リスティング広告の費用
では次に、必要なお金の話です。自然検索とは違い、リスティング広告の実施には費用がかかります。
リスティング広告の費用は、次の2つの仕組みによって決定されます。
1. クリック課金制
リスティング広告では、ユーザーが関心を示して広告をクリックした場合にのみ料金が発生します。検索結果に表示されただけでは費用は発生しません。
クリック単価やCPC(Cost Per Click)と呼ばれる課金形態です。この課金形態によりリスティング広告はPPC(Pay Per Click)広告と呼ばれることもあります。
では、クリック単価はどのように決まっているのでしょうか?
2. 入札によるオークション制
広告主は、「このキーワードで検索されたときに広告を出稿したい。クリック単価は最高いくらまで支払う」という形で「入札」を行い、同様に入札した企業によりオークションが実施されます。オークションの結果、何位に広告を表示するか(もしくは広告をしないか)が決定されます。
リスティング広告の掲載順位の決まり方
では、掲載順位はどのように決まるのでしょうか。
入札価格と広告の品質で広告ランクが決まる
検索結果の順位はおもにクリック率やキーワードと広告の関連性、ランディングページの品質などによって評価される「広告の品質」と、上限クリック単価の掛け合わせによる「広告ランク」に基づいて決定されます。
広告ランクの高いものから順に広告が並びます。
リスティング広告を始めるのに必要な費用の目安は?
また、リスティング広告をはじめるのに必要な費用の目安はどれくらいなのか、誰しもが悩むのではないでしょうか?どれくらい費用を用意しておくのがいいのか、予算の目安の立て方を以下の記事で分かりやすく解説していますので、あわせて確認してみてください。
リスティング広告の効果とメリット・デメリット
リスティング広告はさまざまなコントロールが容易なため、多くのメリットがあります。一方で取り組む前に把握しておいたほうがいいデメリットも存在しています。
メリット |
デメリット |
・少額から始められる ・確実に掲載結果に表示できる ・即効性とメンテナンス性が高い |
・コストがかかる(広告費・人件費) ・運用に知識が必要 ・運用に手間と時間がかかる |
リスティング広告は確かに少額から始められますが、コストがかかることは避けられません。また、オークション制であるがゆえ固定金額ではなく、他の企業の入札などの要因で相場が変わります。また、高い即効性とメンテナンス性は、裏を返せば運用に手間と時間がかかるということです。
メリットとデメリットを天秤にかけ、デメリットが勝るようであれば、我々のようなリスティング広告専門の運用代理店へ広告運用を委託するのも選択肢のひとつです。
広告運用を任せる広告代理店をどのように選べばよいのかは、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
最後に
ここまで読んでいただいた方であれば、リスティング広告の基本がすでに理解できたのではないでしょうか。 「なんだか難しそう」「どこから手をつければいいか分からない」と考えていたWeb担当のあなたもまずは一歩踏み出せましたね。