今更聞けない?検索連動型広告の掲載順位と実際のクリック単価の決まり方

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検索連動型広告の運用を行っていると、日々の入札単価の調整や入稿作業、レポート作成などについつい時間を取られ、最も根本的な仕組みの部分である広告掲載順位の決まり方や、1クリックにかかった実際のコストを意識する機会が少なくなったりしていませんか?

この記事をご覧になっている方からすると「何を今さら・・・」と思われるかもしれませんが、検索連動型広告においては「クリックが発生した際に発生するコスト=入札した金額」という訳ではありません。そんなわけで、今回は「今さら聞けない?検索連動型広告の掲載順位と実際のクリック単価の決まり方」をお届けします。既に頭のなかに入っている方々はスルーして頂いても良い内容です。

広告掲載順位は単純な入札単価の大小では決まらない

検索連動型広告の広告掲載順位の決定要因は、入札価格のみで決定されるような単純なオークションではありません。

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では、具体的にどのようなロジックで検索連動型広告の掲載順位は決まっているのでしょうか?

検索連動型広告の掲載順位は広告ランクで決まる

検索連動型広告の広告掲載順位は”広告ランク”で決まります。この広告ランクは以下の式で成り立っています。

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ここの広告の品質はアドワーズ管理画面上から確認できないため、広告の品質を表すバロメータとしてシンプルに数値化された品質スコアと置き換えると次の式になります。

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ここでもう一度、先ほど図で挙げた4社の品質スコアが以下のような場合に、各社の広告掲載順位がどのようにして決まるのかを見てみましょう。

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この時の各社の広告ランクと実際に広告が表示される順位は以下のようになります。ここでは計算式をわかりやすくする為、広告フォーマットは計算式からは外してます。

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ここでA社に注目していただきたいのですが、4社の中で最も高い入札単価を設定していたにも関わらず、広告の掲載順位は最下位の4位となっています。この結果を見ると、品質スコアの重要性が分かりますね。

このように、広告ランクの決定には品質スコアが大きく関わってくる訳ですが、品質スコアについて詳しくお知りになりたい場合は以下の記事をご参照ください。

参考:元Google社員が語る、AdWordsの品質スコアで知っておきたいこと

さて、さきほど広告の掲載順位の決まり方を確認しました。冒頭で入札単価≠実際のクリック単価であることは記載しましたが、次は実際にクリックされた時に広告主が支払うコストについてご説明します。

入札単価と実際にかかるコストは異なる

検索連動型広告において、実際に広告主が支払うコストは以下の式に基づいて決定されます。

20151130-05※計算を分かりやすくするために、自身の広告の品質を自信の品質スコアと置き換えています

上の公式に基づいて、先の表で挙げたそれぞれの広告主が支払う1クリックあたりのコストを見ていきましょう。

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先ほどの表を広告の掲載順位順にソートしてみました。1位のB社の条件を、公式に当てはめて実際に掛かるクリック単価を算出すると以下のように表せます。

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C社、D社についても同様に算出すると、以下のようになります。

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表を見て頂ければ分かるように、広告主が実際に支払う1クリックあたりのコストは、入札単価よりも低くなる傾向が強い事がわかります。(※必ずしも1クリックあたりのコストが入札価格よりも低くなるとは限りません。)

尚、この表では4社しか取り上げていませんが、本来のオークションはA社のあとに続く広告主が存在していることが考えられますので、自動的に上の式に当てはめられてA社のクリック単価も決まってきます。

このように、実際のクリック単価は決して自分が入札した金額で決まっているわけではなく、自社よりも1つ下の順位に位置している広告ランクに依存しています。

更に細かく広告ランクを分解すると、前述のとおり、広告ランク=入札単価×品質スコア(+広告設定オプション) となりますので、実際のクリック単価は1つ下の順位の広告主の入札単価や品質スコアに大きく影響を受けることになります。

仮に「自社の掲載順位・入札単価ともに変わらず、キーワードマッチが完全一致(もしくは検索語句が同一)であり、さらに比較対象のデバイスが同一である」という条件のもとで実際のクリック単価だけが上昇している場合は、自社の1つ下の順位に掲載されている広告主が入札単価を上げてきている、もしくは何かしらの対策を練ってきている、といった可能性があることも視野に入れることができますね。

Google アドワーズでは競合の広告出稿状況を確認できる

前項の最後に、クリック単価は競合する広告主の入札単価によって左右されることを説明しました。では、競合する広告主は実際どのくらい存在して、それらが自社を含めてどのような出稿状況となっているかといった状況は把握はできていますか?

「検索結果を見れば競合を把握できる。」、確かにその通りかもしれませんが、実はそれだけでは不十分な場合もあります。なぜならば人の目で見える範囲には限度があるからです。例えば、運用担当者が管理画面をあまりみないような時間帯、例えば夜間から深夜だけ入札を非常に高めてくる競合がいるといったことは意外と日常茶飯事だったりします。

そこで活躍するのがオークション分析レポートです。オークション分析レポートを用いることにより検索連動型広告の競合他社の出稿状況を確認することができます。Google アドワーズのみの機能となりますが、キャンペーン単位・広告グループ単位・キーワード単位でそれぞれのデータを確認することができ、データを蓄積していくことでベンチマークしている競合の広告出稿状況の推移などもウォッチすることができます。

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オークション分析レポートの閲覧方法は、データを見たいキャンペーン(or 広告グループ orキーワード)にチェックボックスを入れて①「詳細▼」→②「選択」 をクリックします。キャンペーン(or広告グループ orキーワード)全体でオークション分析レポートを見たい場合は、「詳細▼」→「すべて」をクリックします。

オークションレポートで確認できる項目は以下の通りです。

  • 表示URLドメイン:広告を出稿しているサイトのドメイン
  • インプレッションシェア:登録しているキーワードが広告表示オークションの対象となり、その後実際に広告が表示された割合
  • 平均掲載順位:広告が表示された際の順位の平均
  • 重複率:表示URLドメインのサイトと自社の広告が重複して表示された割合。この割合が高ければ高いほど、同じキーワードに入札している割合が高くなり、自社が展開しているビジネスの競合先である可能性が高くなります。
  • 上位掲載率:表示URLドメインのサイトが、自社の広告よりも上位に掲載された割合
  • ページ上部掲載率:表示URLドメインのサイトが、自然検索結果の上に表示された割合
  • 優位表示シェア:(自社の広告が他の広告よりも上位に表示された回数 + 他の広告が表示されなかった際に自社の広告が表示された回数) ÷ 広告オークションの合計数

さらに、「分割▼」の箇所からデバイスや期間を分けて見ることが出来ます。特にデバイスについては、PCとスマートフォンで広告を出稿している企業が全く違う!なんてことはよくありますので、必ずデバイスは分割してチェックするようにしてみてくださいね。

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オークション分析レポートを活用する際に注意しなければならない点が1点あります。それは、該当キーワード(またはキャンペーン、広告グループ)のすべてのデータが用いられているわけではない、という点です。

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このレポートは上図の例で表示されているメッセージのように、選択したキーワードの全表示回数のうち、一定割合のデータを用いて作成されているものです。ですので、オークション分析レポートを利用する際には、必ずしも正確なデータが表示されている訳ではない、という事に留意しておきましょう。あくまで一つの目安として参考にするようにしましょう。

まとめ:外部要因のせいにする前に

検索連動型広告の平均掲載順位やクリック単価の算出方法、つまり、原理原則を理解しておくことは検索連動型広告に限らず、リスティング広告及び、運用型広告を運用する上で必要不可欠な要素です。

また、オークション分析レポートは自社サイトと競合サイトの比較データを直に反映してくれる優れたツールであることは間違いありません。

しかし、成果が悪くなっているときに「競合の広告出稿状況が・・・」といきなりアカウント外部の悪化要因を主張するのではなく、まずはご自身で運用されているアカウントの中に成果が悪化している要因はないのかを先に疑うことが重要です。それでも要因が見つけられない場合に初めて外部要因を考えるべきであり、この思考の順序は大事にしていきたいですね。

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Koichiro Hayashi

Koichiro Hayashi

アナグラム株式会社 運用型広告エキスパート。 大学卒業後、金融機関にて融資・渉外業務に従事。その後、ウェブコンサルティング会社にて宿泊施設に対するリスティング広告の新規導入・運用業務に従事した後、2014年よりアナグラムにて様々なプロジェクトに携わる。広告運用はもちろん、新規のお問い合わせ対応、時には打ち合わせと称した飲み会などを行っている。