検索広告の掲載順位とクリック単価はどう決まる?広告ランクの仕組み

検索広告の掲載順位とクリック単価はどう決まる?広告ランクの仕組み

入札単価を引き上げたのに掲載順位が変わらない。そんな経験はないでしょうか。

検索広告の掲載順位は、入札単価の高さだけで決まる単純なオークションではありません。「広告ランク」と呼ばれるスコアが順位を左右し、実際のクリック単価にも影響を与えています。この記事では、Google広告の公式ヘルプに基づいて広告ランクの決定要因とクリック単価の仕組みを解説します。読み終えたあと、打ち手の優先順位を整理できる状態がゴールです。

なお、本記事はGoogle広告の仕組みを中心に解説しています。Yahoo!検索広告やMicrosoft広告も類似のオークション方式を採用していますが、要因の名称や詳細は媒体ごとに異なります。


掲載順位は入札単価の大小では決まらない

検索広告の掲載順位は、金額の高い順に並ぶわけではありません。掲載順位を決めるのは「広告ランク」というスコアです。広告ランクはユーザーが検索するたびにリアルタイムで算出されます。

入札単価が最も高い広告主が最下位に沈む一方、低い入札で上位に掲載されるケースも珍しくありません。この挙動を理解するには、広告ランクが何で構成されているかを知る必要があります。

掲載順位を決める「広告ランク」の6つの要因

広告ランクはオークションのたびに、以下の6つの要因から算出されるスコアです。Google広告ヘルプでは「広告の掲載可否と掲載位置を決定するために使用される数値」と定義されています。

1つ目は入札単価。クリック1回に対して支払う上限金額です。

2つ目は広告とランディングページの品質。広告がユーザーにとって有用か、検索意図に合っているかがリアルタイムで評価されます。推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性などが含まれる要素です。

3つ目は広告ランクの下限値。広告が表示されるために満たすべき最低基準で、ユーザー体験を保つ役割を果たしています。

4つ目はオークションにおける競争力。競合する広告との相対的な広告ランクの差が影響します。

5つ目はユーザーが検索に至った背景(コンテキスト)。検索キーワードだけでなく、所在地、デバイス、時刻なども加味される要因です。

6つ目は広告アセットやその他の広告フォーマットの効果。サイトリンクや電話番号といった追加情報が、どの程度クリック率を高めるかの見込み効果が評価対象になります。

入札単価はあくまで6つの要因のひとつにすぎません。

参考:広告ランクについて(Google 広告 ヘルプ)

品質スコアとオークション時の品質は別物

広告ランクの説明として「広告ランク=入札単価×品質スコア」という計算式を目にしたことがある方もいるかもしれません。しかし、この式はGoogleの公式ヘルプには記載されていません。

品質スコアはGoogle広告の管理画面でキーワードごとに確認できる1~10の数値です。推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性の3つから算出される診断指標にあたります。

ここで押さえておきたいのは、Googleが「品質スコアはオークションでの評価材料ではなく診断ツールである」という趣旨の説明をしている点です。

実際のオークションでは、デバイスやユーザーの所在地、時間帯なども加味した「広告の品質」がリアルタイムで評価されます。品質スコアにはこれらの要因が反映されないため、同じ品質スコアのキーワードでもオークションごとに広告ランクは変わり得ます。

品質スコアは改善の方向性を把握するうえで有用な指標です。ただし、品質スコア自体をKPIとして追いかける必要はありません。推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性を個別に改善する手がかりとして活用してください。

参考:品質スコアについて(Google 広告 ヘルプ)

実際のクリック単価はどう決まるのか

掲載順位の仕組みがわかったところで、次は実際に支払う金額の話です。検索広告では、入札した金額がそのままクリック単価になるわけではありません。

Google広告のオークションは「次点価格方式」を採用しています。広告ランクの下限値を満たすことが前提です。そのうえで、1つ下の順位の競合の広告ランクを上回るために最低限必要な金額だけが請求されます。結果として、実際のクリック単価は入札単価よりも低くなる傾向があります。

ただし、必ずしも低くなるとは限りません。競合の広告ランクが高ければ、入札単価に近い金額が請求されるケースもあります。

参考:実際のクリック単価(CPC)(Google 広告 ヘルプ)

具体例で考える

広告の品質が掲載順位とクリック単価に与える影響を、簡略化したモデルで見てみましょう。実際のオークションでは6つの要因がリアルタイムで評価されます。ここでは概念理解のために「入札単価」と「広告の品質」の2軸に絞った仮想スコアで考えてみましょう。

4社が同じキーワードに入札しているケースを想定します。

企業入札単価広告の品質広告ランク(概念スコア)掲載順位
A社200円3804位
B社100円7201位
C社120円6002位
D社80円4503位

この表のスコアは6つの要因を総合した概念的な数値であり、品質スコアを掛け算したものではありません。管理画面で確認できる数値でもなく、あくまで品質が広告ランクに大きく影響する構造を理解するためのモデルです。

A社は入札単価が最も高いにもかかわらず、広告の品質が低いため4位にとどまっています。一方でB社は入札単価100円でも、品質の高さによって1位を獲得しています。

クリック単価にも差が生まれます。B社は1位ですが、課金されるのは2位のC社を上回るために必要な最低金額のみ。100円を大きく下回るクリック単価で運用できる可能性があります。広告の品質を高めることは、掲載順位の改善だけでなくクリック単価の効率化にも直結するのです。

広告ランクを高めるために取り組むこと

広告ランクの6つの要因を踏まえると、改善の打ち手は入札単価の調整だけではないことがわかります。ここでは自社でコントロールしやすい要因に絞って整理します。

まず、広告の品質を構成する3つの柱から見ていきましょう。

推定クリック率を高めるには、検索意図に合った広告文の作成が基本です。見出しに具体的なベネフィットや数値を含めると改善が期待できます。広告の関連性を高めるには、広告グループ内のキーワードと広告文のテーマを揃えることが出発点になります。

ランディングページの利便性も重要な評価ポイントです。ページの読み込み速度、モバイル対応、広告文との内容の整合性が影響します。

もうひとつコントロールできるのが広告アセットです。サイトリンクや構造化スニペットなど、利用可能なアセットは一通り設定しておくことをおすすめします。アセットの見込み効果は広告ランクの6つ目の要因として評価されるためです。

なお、競争力やユーザーのコンテキスト(所在地・デバイス・時刻)は自社で直接コントロールできない要因です。だからこそ、コントロール可能な品質面の改善に注力することが合理的な戦略と言えるでしょう。

品質スコアはこれらの改善の方向性を確認する診断指標として使えます。スコアの数字そのものではなく、推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性の3軸を個別に改善していくのが確実な方法です。

オークション分析レポートで競合の状況を把握する

自社の改善に取り組んだうえで、競合の動向も把握しておきましょう。実際のクリック単価は1つ下の順位にある競合の広告ランクに影響されます。自社の設定に変化がなくても、競合の動きによってクリック単価が上下することは日常的に起こります。

こうした外部環境の変化を捉えるために活用したいのが、Google広告のオークション分析レポートです。キャンペーン、広告グループ、キーワードの各単位で、競合の表示URLドメインやインプレッションシェア、重複率、上位掲載率などを確認できます。

▼検索

▼ショッピング

なお、検索とショッピングキャンペーンとでは確認できる項目にも違いがあります。基本的には横並びで検索結果の上部に掲載されるショッピング広告には「上部」や「上位」など掲載位置に関する指標はありません。

活用にあたって押さえておきたいポイントが2つあります。ひとつは、PCとスマートフォンで競合が大きく異なるケースが多いため、必ずデバイスを分割して確認すること。もうひとつは、十分なデータがある場合にのみ表示されるレポートである点です。絶対的な数値ではなく、傾向を読むための参考情報として扱ってください。

まとめ

検索広告の掲載順位は、入札単価を含む6つの要因から算出される広告ランクで決まります。品質スコアは診断ツールであり、オークションの直接的な評価材料ではない点は正しく押さえておきたいポイントです。

実際のクリック単価も入札額そのままではなく、競合の広告ランクとの関係で決まります。入札単価だけに目を向けるのではなく、広告の品質やランディングページ、アセットの改善にも目を配ることで、より効率的な運用につながるはずです。

成果が悪化したときにいきなり外部要因を疑うのではなく、まず自社の改善余地を確認する。この思考の順序は運用の基本として大切にしたいものです。

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