運用型広告とは?仕組みや種類、効果的な活用のポイントを分かりやすく解説

運用型広告とは?仕組みや種類、効果的な活用のポイントを分かりやすく解説

「広告を出すなら運用型広告がいいらしいけどよくわからない」「運用型広告を使って集客をしたいけど、どうやったら成果が出るの?」

運用型広告ってなんだか難しそうですよね。”運用”って何をどうすればいいのか迷ってしまいますし、どこから手を付けたらいいかわかりません。

今回は、Web担当者としてこれから運用型広告に携わろうとしている方やはじめたばかりの方、基礎をしっかりと理解しておきたい方に向けて、運用型広告の基本を分かりやすく解説していきます。

運用型広告とは?

運用型広告とは、目的や成果に応じて予算やターゲット、広告クリエイティブなどを広告主側で変更・調整などの”運用”することのできる広告出稿の方法です。

広告を出稿して終わりではなく運用を通して改善ができるため、継続的にビジネスの拡大に貢献できる魅力的な広告手法です。

運用型広告のメリット

運用型広告には以下のようなメリットがあります。

掲載内容や出稿条件をリアルタイムで調整できる

運用型広告は、広告主側でリアルタイムに広告クリエイティブの内容やターゲット、予算などを調整できるのが大きな特徴のひとつです。これにより、広告の効果を最大化するために必要な改善や調整を素早く行えます。

たとえば、広告が思ったような反応を得られない場合、すぐに広告コピーや画像を変更できます。他にも広告の費用を増やしたり減らしたり、あるいは広告を掲載したくないサイトへの配信をすぐに止めることも可能です。

このように、リアルタイムに広告の最適化が行えるため、効果的な広告展開ができます。

サービスや商品に関連性の高いユーザーを狙ってアプローチが可能

運用型広告を提供しているプラットフォームやサービスが所有する、ユーザーの性別や性別などの属性やサイト・コンテンツの閲覧状況などのユーザー行動などに基づいてさまざまなターゲティング機能が提供されています。

たとえばプラットフォームに登録している年齢や性別、女性向けアパレルの商品を頻繁に見ている方は、ファッションに興味のある女性という条件を指定すれば広告を掲載する対象とできます。

このように、ウェブ上のさまざまな情報を用いて、サービスや商品に関連性の高いユーザーを狙ってアプローチが可能です。

またこれに加え、広告主が保持している顧客情報などの広告配信への活用も可能です。

予算を柔軟にコントロールできる

運用型広告では、広告主側で広告の予算を細かくコントロールできる特徴があります。

たとえば「テストマーケティングを目的としてまずは少額だけ広告を配信する」であったり、「今月は固定費を抑えたいので予算下げる」「キャンペーンを行う期間だけ予算を増やす」といった具合です。さらに、広告をクリックされた場合のみ課金されるクリック課金型や、広告が表示された回数に応じて課金されるインプレッション課金型など、広告の目的に応じてさまざまな課金方式が選択できます。

以上が運用型広告のおもなメリットです。リアルタイムでの調整や広告主の自由度の高さ、予算の柔軟なコントロールにより、広告主の状況や目的に合わせた効果的な広告展開を実現することができます。

運用型広告と純広告の違い

運用型広告と純広告との違いは、広告主側の自由度が高いかどうかです。

純広告では、広告主が広告の一定期間を定めて掲載する広告枠を購入します。また、一般的に広告クリエイティブはあらかじめ入稿した内容から変更ができません。一方、運用型広告では、広告主が広告枠に対して入札し、希望の条件を満たした広告が配信されます。広告クリエイティブも任意のタイミングで変更ができます。

つまり、運用型広告では広告主側が広告を柔軟にカスタマイズできるため、広告の効果を最大化しやすいと言えます。

純広告運用型広告
広告の掲載箇所固定(純広告でのみ配信できる枠や運用型広告よりも優先される枠)様々なウェブサービス上に掲載される(指定も可能)
課金方法あらかじめ決まっている予約購入型広告配信によって実際に発生したインプレッション数やクリック数などの成果に応じて課金
表示回数の保証ありなし
独自のクリエイティブあり(商品により)なし
掲載開始後のターゲティングやクリエイティブ等の変更不可
掲載期間あらかじめ配信する期間を決めて予約。停止はできる場合もあるが延長は不可。停止や延長など、柔軟に変更が可能。
掲載決定広告枠を予約して買い取る事前予約制入札によるオークションの結果決定

もちろん、純広告にしかないメリットもあります。純広告には広告を配信したい枠に配信したい期間や分量だけ確実に掲載が可能で運用も必要がないためプランニングしやすく、商品によってはリッチな広告表現でインパクトが出せるため、印象に残りやすいという効果もあります。目的や用途によって使い分けることが大切です。

運用型広告に必要な費用

運用型広告は広告主が広告の配信ターゲットや予算などをリアルタイムに変更できるため、広告主にとって効果的な広告運用が可能です。では、運用型広告を利用するためにはどのような費用が必要でしょうか。

運用型広告の課金方式

運用型広告にはさまざまな課金方法が用意されています。広告の目的に合わせて課金方法を選ぶことができます。効果的な広告運用を行うために適切な課金方式を選択しましょう。

運用型広告の課金方式には、以下のようなものがあります。

  • クリック課金(CPC型):広告をクリックしたユーザー数に応じて課金されます。
  • インプレッション課金(CPM型):広告が表示された回数に応じて課金されます。    
  • 視聴課金(CPV型):動画広告などの場合、広告が視聴された回数に応じて課金されます。
  • フォロー課金(CPF型):SNS広告などの場合、アカウントがフォローされた回数に応じて課金されます。
  • コンバージョン課金(PFC型):Google広告ではコンバージョンの回数に応じた課金形式も提供されています。

クリック課金は、広告に興味を持ったユーザーにのみ課金されるため、費用対効果よくサイトなどへ集客を行いたい場合に有効です。一方、インプレッション課金は広告の露出を重視し、広告の知名度を高めたい場合に適しています。

また、運用型広告の費用は入札金額を設定することによって決定されます。入札金額が高ければ広告の露出が増えますが、その分費用も上昇します。広告主の予算や目標、広告のパフォーマンスに合わせて入札金額を調整することが重要です。

運用型広告の種類

ひとくちに運用型広告といっても配信方法や配信先などによってさまざまな種類があります。ここでは代表的な4つの種類について説明します。

検索連動型広告(リスティング広告)

検索連動型広告は、検索エンジンの検索結果ページに表示される広告です。キーワードに関連する広告が表示されるため、ユーザーの関心が高いタイミングでの広告が表示できます。そのため他の広告手法と比べても費用対効果が高いのが特徴です。見込みの高いユーザーへのアプローチするために、優先的に取り組むべき重要な施策のひとつです。

ディスプレイ広告(アドネットワーク)

ディスプレイ広告は、ウェブサイトやアプリなどのコンテンツ上に表示される広告です。広告ネットワークを通じて、広告主のターゲットに合わせた媒体への配信が可能です。豊富な広告枠や広告形式があり、画像や動画など多様な視覚的表現やメディアへの掲載が可能です。

SNS広告

InstagramやX(Twitter)、LINE・TikTok・YouTubeなど、情報収集にはさまざまなSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用していますよね。SNS広告はこれらのSNSが提供している広告配信のプラットフォームです。SNSのプロフィール情報や行動履歴をもとに、ターゲットのニーズや関心に応じた広告を配信できます。

SNSは気になる場所や飲食店、商品など身近な情報を探す情報検索ツールとしても使われているため、広告の活用が増えている広告媒体のひとつです。

動画広告

SNSを中心に短尺動画の投稿や視聴が一般的なものとなり、広告運用においても動画の活用シーンが増えています。動きのある映像や音声を組み合わせた動画は、静止画と比べてより多くの情報を伝えられます。また、静止画バナーとは違い視覚的に目を惹くことができ、短い時間でユーザーに対して伝えたいメッセージを直感的に伝えられるのが大きな特長です。

運用型広告が配信できるメディアの多くは動画広告の配信にも対応しており、広告運用において動画への取り組みは欠かすことのできないものになっています。

運用型広告で成果を出すポイント

ここまでご覧いただいた通り運用型広告にはメリットが多く、パフォーマンスを高めたい広告主にとって魅力的な広告手法です。

しかしながら、変更や調整できる要素も多く、運用型広告を利用したからといって必ずしも成果に繋げられるわけではありません。効果的に利用するには、専門的な知識やスキルが必要となります。

ここでは最低限押さえておきたい、運用型広告で成果を出すためのポイントを5つご紹介します。

1. 達成したい目標を設定する

まず運用型広告を始めるにあたってもっとも大切なのが「運用型広告で何を達成したいのか」を明確にすることです。たとえば、売上を増やしたい、ブランド認知度を高めたい、リードを集めたいなど、達成したい目的によって事前の準備も改善の方法も変わってきます。まずは達成したい目的を明確にしましょう。

2. ターゲットとするオーディエンスを考える

運用型広告は、広告主の商品やサービスに興味を持っている可能性のあるユーザーにリーチするために使用されます。広告をターゲットオーディエンスに正しくターゲティングすることで、広告費を無駄にせず、より効果的に広告を配信できます。

3. 適切な広告配信先の選定

限られた予算・期限で結果を出すために、広告媒体の選定や広告手法の選択は非常に大切です。

しかしながらここまで見てきたように広告媒体も広告手法も多岐に渡るため、もっとも難しいポイントのひとつです。ここではどのように選定すればよいか、その考え方をいくつかピックアップしました。

  1. ユーザー数から優先度を把握する
  2. 商材に合ったユーザーに絞ってリーチできるか?
  3. その広告媒体でしか出稿できない配信面か?
  4. 商材に合ったクリエイティブの表示フォーマットか?
  5. 競合他社がやっているか?
  6. 工数やコストに対して成果が見合うか?

広告主の商品やサービスに興味を持ってくれそうな方が普段どのようなメディアに触れているのか、考えたり該当する方に話を聞いてみたりするのもおすすめです。

さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。

4. 目的に合わせた広告クリエイティブの作成

運用型広告は、テキスト広告や画像広告などさまざまな形式で表示されます。広告クリエイティブの働きを最大化するために、各フォーマットに適したクリエイティブを作成しましょう。

誰に何をどのように伝えるのかは広告を通したコミュニケーションにおいて、成果を大きく左右するもっとも重要な要素です。ターゲットとなるユーザーの課題に対して、広告主の商品やサービスがどのように価値を提供できるのかを十分に考えていくことが重要ですね。

5. 継続的なテストと改善

運用型広告の成果を最大化するためには、継続的なテストと改善が欠かせません。効果が出ている広告を継続し、改善が必要な広告を早期に見極めて改善することが重要です。

運用型広告を最大限に活用するためには、上記のポイントをしっかりと押さえながらの広告運用が求められます。成果を出すためには、日々の広告運用を丁寧に行い、効果を最大化するための改善策を継続して実施していくことが不可欠です。

広告運用って具体的に何をしているの?という方はこちらの記事をチェックしてみてください。

まとめ

運用型広告は種類も多く”運用”という要素があるため、なかなか取り組みをはじめられなかったという方も、まずは一歩踏み出せましたね!

まずは成果が上げられやすい検索連動型広告(リスティング広告)から始めるのもおすすめですし、すでにSNSの公式アカウントなどを運用しているのであれば、相性のいいSNS広告から開始するのも効果的です。

最初から上手くいかずとも”運用”を通して、ぜひビジネスの成果を高めるための方法になるよう継続的に取り組んでいけるといいですね。

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