
- 春から広告代理店で働き始めた。
- 異動で自社の広告運用をすることになった。
- マーケティング部門で自社のWeb広告を担当することになった。
このような状況にあるみなさんは今、分からないことがたくさんあって混乱しているのではないでしょうか。
GDNとはGoogle ディスプレイネットワークの略称、YDNとはYahoo!ディスプレイアドネットワークの略称で、どちらもディスプレイ広告を配信する広告ネットワークのことを指します。なお、2020年7月からはYahoo!広告 ディスプレイ広告(YDA)の提供が開始され、2021年春にはYDNは提供を終了予定です。
しかしながら「検索連動型広告と違いは?」であったり「YDNとGDNの違いは?」、「どちらへ出稿するべき?」などのように迷う方も少なくありません。
今回はGDN・YDNについて、それぞれの違いや活用方法をお話しします。
ディスプレイ広告とは
まずは実際の掲載イメージを見てみましょう。

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上の広告スペースに掲載される広告のことです。広告の見た目や掲載場所はフォーマットの種類によって様々ですが、画像が表示されるバナー広告は見たことがある人も多いのではないでしょうか。
検索連動型広告と何が違うの?
検索連動型広告とディスプレイ広告では、大きく以下のような違いがあります。
- 掲載されるタイミングが違う
- 目的やニーズが明確でないユーザーにアプローチできる
- 画像や動画を使った視覚的な訴求ができる

ユーザーが検索エンジンで検索をしたときに表示される検索連動型広告と、ユーザーが他のコンテンツを見ている時に表示されるディスプレイ広告とでは、商品の購入など最終的なコンバージョンまでに広告がもたらす効果が異なります。検索連動型広告(Search)は、すでに商品に興味を持っている・数ある商品からどれを買うか検討しているユーザーの購買(Action)と近くユーザーを後押しする効果が大きいですが、ディスプレイ広告では、商品を知らないユーザーやニーズがはっきりしていないユーザーにまずは商品を知ってもらったり((Attention)興味(Interest )を持ってもらうことができます。
1つの商品の広告を出す場合でも、アプローチしたいユーザーの状況や特性に合わせて検索連動型広告とディスプレイ広告を使い分けられると効果的です。
※ただし、広告主のサイトに訪問済みのユーザーに向けて広告を配信するリマーケティング・リターゲティング広告は、何かを探しはじめた後のユーザーへの配信となるため、ユーザーの購買に非常に近いところに位置します。「ディスプレイ広告」と一括りにせずに、配信されるユーザーの状況は常に気にしておきたいですね。
GDNとYDNとは?
冒頭でもご説明した通り、GDNとYDNは、アドネットワークの代表的な2つです。
GDNとYDNは、Google、Yahoo!JAPANそれぞれのサービスおよびディスプレイネットワークに参加しているパートナーサイト内に表示されます。
配信先の違い
GDNとYDN、どちらのネットワークを使って広告を配信するかによって、利用するプラットフォームは「Google ディスプレイ ネットワーク(GDN)」と「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」とに分かれます。
具体的な配信先の例として、GDNであればライブドアブログや食べログなどのパートナーサイトのほか、YouTubeやGmailなどGoogleが提供するサービスに広告を掲載することができます。
YDNであれば、クックパッドやNAVERなどのパートナーサイトのほか、Yahoo!ニュースやYahoo!知恵袋などYahoo!JAPANが提供するサービスなどがあります。

ニュースサイトなど普段使っているサイトによってもユーザー層が異なりますよね。また、広告クリエイティブや商材、サービスによっても配信先との相性もあります。それぞれのネットワークでどこに広告が配信されるか、まずは代表的なものを掴んでおきましょう。
広告のフォーマットの違い
GDN、YDNで掲載可能な広告フォーマットは、いずれもテキスト、画像、動画と利用できる素材の種類こそ同じですが、画像のサイズやテキストの文字数など仕様には違いがあります。
参考:
[随時更新] Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)/Google ディスプレイネットワーク(GDN)で使える最新バナーサイズ一覧
[随時更新] リスティング広告、広告テキストの文字数マニュアル
たとえばGDNの広告素材をYDNにも用いようと思ったら文字数が違くて調整しなおさなければならないなど、2度手間になりやすいところですので、広告作成前にチェックしておくのがオススメです。
ターゲティング方法の違い
ディスプレイ広告のターゲティングには大きく次の2種類があります。
- ユーザーの特徴でターゲティングする方法
- 配信先のコンテンツの特徴でターゲティングする方法
YDN・GDNどちらも、ユーザーと配信先のコンテンツそれぞれをターゲティングすることができます。ですがプラットフォームごとにターゲティングの手法は異なり、それぞれ以下のような種類があります。
ユーザーを軸にターゲティングする
ピンチアウトしてご確認ください。

GDNにはカスタム インテント オーディエンスのような自由形式のターゲティング手法があり、目的のユーザーをより詳細に指定することが可能となっています。一方でYDNのサーチターゲティングはYDNのみで利用可能な、実際の検索履歴を用いた強力なターゲティングです。
掲載面のコンテンツを軸にターゲティングする
ピンチアウトしてご確認ください。

両者大きな違いはないものの、GDNはキーワードによってコンテンツをより柔軟に指定可能になっています。
YDNとGDN、どちらを使えばいい?
結論からいえば、予算が許す限り両方の媒体に出稿することをオススメします。
媒体によって配信されるサイトが異なるため、できるかぎり多くのユーザーに商品やサービスを知ってもらうためには、YDN・GDNともに押さえておきたいところです。
ですが、ご予算の都合やリソースの問題もありますよね。まずはターゲットとなるユーザーが普段どんなサイトを訪れていそうかを考えてみるのがおすすめです。それらのサイトへ広告を配信できるのはどの媒体か、また、それらのユーザーへアプローチするターゲティング方法が用意されているのかどうかから出稿プランを検討してみてはどうでしょうか。
最後に
自分がインターネットを利用する時間のうち、検索をしている時間はどれくらいでしょうか?よほどの検索マニアで無い限り、きっと1割の時間にもみたないのではないかと思います。
ディスプレイ広告の強みは、検索している以外にインターネット利用の多くを占める、コンテンツを閲覧している時間に見込みユーザーと接触できることです。
ディスプレイ広告の仕組みやGDN・YDNの違いを押さえたうえで、適切なユーザーによりよい広告で訴求できるよう、広告フォーマットの細かな規定やターゲティングの設定方法などに学びを進めて、ディスプレイ広告を作成・運用できるようになっていきましょう!