あっという間に6月もおしまいですね。さて、5月は連休もあり営業日数も少なかったはずですが、そんなことはお構いなしにアップデートが盛りだくさんです。注目のアップデートをピックアップしてお届けしていきます。
Google広告の注目アップデート
5月はなんといっても年に1回の大型イベントでの発表に注目です。今後、どのような方向性で機能を開発していくのか要チェックです。
Google Marketing Live 2023が開催
毎年恒例の大型広告イベント「Google Marketing Live」の10回目が開催されました。今回のイベントでは「AI」をキーワードにさまざまな新機能の発表や今後の開発の方向性が示されました。
- 生成型AIを搭載したキャンペーン作成フロー(2023年7月から開始、年内に多くのアカウントで利用可能に)
- Search Generated Experience(SGE)での広告掲載
- P-MAXのアセット作成に生成型AIを採用(英語圏から年内に展開へ)
- AIを活用した自動作成アセット(ACA)
- Product Studio(AIによる商品画像の編集機能)
ご覧の通り、生成AIがこれまでのフローの多くへ組み込まれていくことが示されています。
広告の分野に限らず、これまでも機械学習などAIの分野で長い歴史をもつGoogleがどのように動いていくのか注目ですね。
Google、レスポンシブ検索広告の分析情報(ベータ版)の提供を開始
クリエイティブの自動化の活用を進めようとすればするほど、どのような広告が表示されパフォーマンスはどうだったのか、その効果を知る手がかりは限られてしまっていました。これまでクリエイティブのコントロールによって高い成果を出せていた場合ほどもどかしさを感じる方も少なくないでしょう。
今回のアップデートにより、広告ごとの検索カテゴリの確認が可能になり、これまでよりも広告の改善の糸口となるより詳細なデータの可視化がされるようになりました。
参考:レスポンシブ検索広告の分析情報について - Google 広告 ヘルプ
どのようにレスポンシブ検索広告を活用したり改善すればいいのか困ったりしている方はぜひ一度確認してみてください。
Yahoo!広告の注目アップデート
Zホールディングス(ZHD)のグループ再編により、「LINEヤフー株式会社」2023年に10月に誕生しますが、広告に関しては先立って相互配信の取り組みも進んでいます。
YDAからLINE広告枠への配信が拡大、トークリスト最上部やLINEファミリーアプリ・LINE広告ネットワークにも
トークリスト最上部へと配信範囲が広がり、5/17からはLINEファミリーアプリ・LINE広告ネットワークへもその配信範囲が拡大されました。
参考:【ディスプレイ広告(運用型)】LINEとの取り組みによる配信先拡大について - Yahoo!広告
LINE広告経由の配信に対し、まだまだ配信ボリュームのシェアは大きくない印象ですが、LINEとヤフーIDやPayPayとのID連携など、それぞれの強みを活かした取り組みが進められるとより魅力的な広告プラットフォームとなるのではないでしょうか。
YDA、自動入札「拡張クリック単価」をベータ版として提供開始
通常、クリック単価のコントロールをしたい場合は、指定した入札価格が上限となる手動入札(クリック単価)を利用していますよね。一方、クリック単価の上限はコントロールできるものの、入札価格を上げられればコンバージョンに繋がりそうな場合に広告を表示できない可能性や、コンバージョンやクリックに繋がりにくい場合でも設定している金額で入札がされている可能性がありました。
ベータ版での提供ですが、今回の拡張クリック単価の導入により、クリック単価をある程度コントロールしつつも、コンバージョンやクリックの獲得見込みに応じて自動的に入札価格を調整できるようになりました。
【検索広告】キーワードアドバイスツールの提供終了
5/31をもってキーワードアドバイスツールの提供が終了となっています。同様のツールであるキーワードプランナーを提供するGoogleとは一味違うキーワードを調べられたりすることもあっただけに残念ではあります。
今後は最適化提案における「新しいキーワードの追加」の利用が推奨されていますので、つ確認したことが無いという方はぜひ一度チェックしてみましょう。
参考:【検索広告】キーワードアドバイスツールの提供終了について - Yahoo!広告
LINE広告の注目アップデート
LINE広告も着々と広告プラットフォームとしての仕組みや機能の充実が図られています。
LINE広告、ランディングページおよびクリエイティブの再審査における変更を実施
これまで上限のなかったランディングページの再審査に連続10回までの上限が設けられました。また、クリエイティブ単位での再審査も可能となっています。
必要以上に審査やサーバーなどに対する負荷を上げないと同時に、広告品質の底上げを図るための取り組みであるように思われます。
LINE広告、トークリストの広告サイズ(Middle size)のABテストを実施へ
トークリストにおいてSmall Imageに加え「Middle size」の導入テストが行われています。
トークリストは友人や家族などをはじめプライベートなやり取りが行われる場所であるため、ユーザー体験を損なわないよう、より慎重な広告の取り扱いが必要となると思われます。
広告枠の拡大に応じて見出しに表示できるテキストの分量も増えるため、これまで2行に分かれていた長いタイトルもひとつづきになるよう移行処置が取られています。
これまで利用していた方は移行後の表示が違和感のないものになっているか、確認をおすすめします。
Meta広告の注目アップデート
MetaにおいてもAIの広告への活用は要注目です。
広告ツールへの生成AIの活用を加速
Metaも生成AIを利用した広告ツールの展開を今後さらに推進していくことが発表されています。その一歩として次の3つの機能を一部の広告主向けに提供しテストを開始しています。7月にはさらに提供範囲が広がるとのことです。
- テキストバリエーション
- 背景生成(テキストから背景画像を生成)
- 画像の外向きクロッピング(アスペクト比の異なる複数アセットへの自動調整)
参考:広告主向けにAIサンドボックスを導入、Meta Advantageツールセットを拡張 | Meta for Business
Advantageの新機能
Meta広告の自動化ソリューションのラインナップであるAdvantageにおいても新機能が次々に導入されています。
- 手動キャンペーンからAdvantage+ ショッピングへ切り替えをワンクリックで
- カタログ広告での動画クリエイティブの利用(一部広告主のみ、今後後半に拡大へ)
- 手動とのパフォーマンス比較機能の導入
Advantage製品でのパフォーマンス向上事例も増えてきており、今後の機能拡張へも期待が高まります。
Advantage+ ショッピングキャンペーン(通称、ASC)については以下も確認してみてくださいね。
リール広告の下部セーフゾーンの推奨値が縮小
縦型短尺動画はSNSにおいていまもっとも注目される広告フォーマットのひとつですよね。Instagramの利用時間の2割を占めるといわれるリールですが、広告フォーマットを効果的に使うために把握しておくべきセーフゾーンの範囲の推奨値が変更されました。
参考:テキストオーバーレイとセーフゾーンについて | Metaビジネスヘルプセンター
ストーリーズと比べてもアカウント情報からCTA(コールトゥアクション)など媒体側から提供される情報が多いため、注意しておきたいですね。
Instagramリール広告については以下もご参考ください!
Pinterestアドの注目アップデート
Pinterest自体の機能のアップデートや広告の取り組みに関して大きな動きが見られています。
無料で広告の知識を学べる 「Pinterest Academy」を公開
比較的新しい広告プラットフォームであるがゆえ、体系的な知識をつけるのが難しい傾向のあったPinterestアドですが、無料で広告の知識を学べるeラーニング形式の学習プラットフォーム「Pinterest Academy」の日本版が公開されました。
参考:Pinterest、広告主がキャンペーンの効果を最大化する方法を学べる「Pinterest Academy」の国内提供を開始 | Pinterest Newsroom
これからPinterestアドを始めようとしている方も、すでに取り組んでいるけれどもっとよく知りたいという方も、ぜひ利用を検討してみてくださいね。
Pinterest でのコンテンツ作成がより簡単に。分析機能や公開後の編集も
これまで、リンクの追加や公開後の編集、フレキシブルなアスペクト比などの高度なコンテンツ作成機能は特定のピンフォーマットやビジネスアカウントユーザーにしか提供されていませんでした。今回のアップデートによりすべてのユーザーがこれらの機能を利用可能となっています。
また、動画品の再生回数や指標時間などの指標も確認できるようになっており、すべてのタイプのピンでパフォーマンスの分析も可能です。
参考:Pinterest でのコンテンツ作成がさらに簡単に | Pinterest Newsroom
ではまた!
(6月のアップデートまとめはきっと早めにお届けできるかと……あ、でもGA4もあるし…嗚呼)