5月もゴールデンウィークや母の日などさまざまなイベントがあり、あっという間に過ぎていきますね。
遅ればせながら先月の運用型広告まわりのアップデートをまとめました。
※アナグラムのブログ読者がどんな記事をよく読んでいるか、こちらのランキングもぜひチェックしてみてくださいね!
目次
Google広告の注目アップデート
すでに公式Twitterアカウントではかんたんにご紹介していますが、毎年行われるGoogleの広告・コマース関連プロダクトに関するアップデートが発表されるイベント「Google Marketing Live 2023」が5月23日に開催されましたね!(近々、ブログも出します)
これを控えてか、4月のアップデートは少なかったように思います。
Google 広告・GA4で利用できるアトリビューションモデルを「データドリブン」「ラストクリック」のみに変更へ
ユーザーはコンバージョンに至るまでに、さまざまな広告との接点を持ちますが、それらをさまざまな切り口で評価する方法のひとつとして「アトリビューション」という考え方があります。
Googleにおいても6つのアトリビューションモデルが提供されていましたが、これらのうち4種類を廃止し「データドリブン」「ラストクリック」の2つのみの提供となることが発表されました。
以下ではどうして今回のような変更に至ったのか、その背景と変更までのスケジュールについて解説しています。
サードパーティCookie を使用しないインタレストベース広告のテスト結果を発表
2024年末に迫るChromeのサードパーティCookieのサポート廃止に向けて、GoogleはGoogle 広告とディスプレイ&ビデオ 360を使ってインタレスト・ベース・オーディエンス(IBA)のテストを行い、その結果を発表しました。
テスト結果
- 広告費 :2〜7%減少
- 広告効果 :1〜3%低下
- クリックスルー率:90%以内で維持
ディスプレイ&ビデオ360でも同様のパフォーマンスとのことで、サードパーティCookieに頼らないインタレスト・ベース・オーディエンス広告の有効性を示しています。
参考:Results from Google Ads’ interest-based advertising testing
Yahoo!広告の注目アップデート
Yahoo!広告では引き続き機能の整理やアップデートが着々と進められていますね。予約型についても新商品の導入がありましたのでご紹介していきます。
Yahoo!検索広告、広告表示オプションの配信優先度が変更に
キャンペーンと広告グループの両方に広告表示オプションを関連付けしている場合における広告表示オプションの配信優先度が変更になりました。
参考:【検索広告】広告表示オプションの配信優先度の仕様変更について - Yahoo!広告
これまで
- 広告グループと関連付けした広告表示オプションを優先して配信
これから
- 関連付けた階層にかかわらず、ユーザーの検索意図により適した広告表示オプションを優先して配信
- 広告グループとその上位のキャンペーンに関連付けた広告表示オプションの両方を配信に利用
知らなかった!という場合は、意図しない表示となっていないか、いま一度確認をおすすめします。
Yahoo!ディスプレイ広告の「オーディエンスリスト(カスタム)」の自動移行
2023年4月19日(水)、Yahoo!ディスプレイ広告のオーディエンスターゲティング刷新に伴い、顧客データを利用した「オーディエンスリスト(カスタム)」を新しいリスト種別の「オーディエンスリスト(Yahoo! Audience Discovery)」、または「オーディエンスリスト(顧客データ)」に自動移行が実施されました。
参考:【ディスプレイ広告】オーディエンスリスト(カスタム)の自動移行について - Yahoo!広告
データ連携が停止したオーディエンスリストは自動移行の対象外になっていますので、思わぬ間に対象のオーディエンスリストへの配信が無効となっていないか確認してみてください。
【予約型】ヤフトピ下に広告枠が誕生
2023年4月3日より、Yahoo!広告 ディスプレイ広告(予約型)で、スマートフォン版Yahoo! JAPANトップページの「Yahoo!ニュース トピックス」直下の広告枠「Yahoo! JAPAN トップページ トピックスPR SP」の提供が開始されています。
参考:ヤフトピ下に広告枠誕生!注目度の高いポジションで企業PR
圧倒的なリーチ力を誇るYahoo!ニュースのトピックス内に表示されるメニューですので、時事性や新規性の高い内容の広告訴求により多くのユーザーの興味を引くことが期待できますね。
予約型には馴染みがなくてよくわからない、という方は以下の記事もチェックしてみてください。
Yahoo!広告 タグチェッカー、およびタグインスペクターの提供終了へ
Yahoo!広告関連のタグのチェックに無料で利用できるChromeブラウザの拡張機能の、Yahoo!広告 タグチェッカー、およびタグインスペクターの提供終了が発表されました。
参考:【Yahoo!広告】タグチェッカー、およびタグインスペクターの提供終了について - Yahoo!広告
期間 | 概要 |
2023年4月17日(月) | Yahoo!広告 タグチェッカー、およびタグインスペクターの新規インストールを終了 |
2023年6月以降順次 | Yahoo!広告 タグチェッカー、およびタグインスペクターの利用不可へ |
2023年5月現在、すでにYahoo!広告 タグチェッカーとタグインスペクターの新規インストールは終了しています。
2023年6月以降はインストール済みの場合も利用できなくなるため、アンインストールすることが推奨されています。
以下の記事では廃止後のタグの確認方法も含めてご紹介していますので、これまで利用していた方はぜひチェックしてみてください。
Yahoo!の検索広告にて地域ターゲティングの地域判定が一部廃止に
2023年4月19日に地域ターゲティングにどのようなユーザーが含まれるのか、という判定条件の変更が発表されました。
参考:【検索広告】地域ターゲティングの地域判定条件の一部廃止について - Yahoo!広告
配信地域設定
配信地域設定では下記の3つの判定条件が選択可能でしたが、その中の「検索キーワードに含まれる地域、ユーザーが関心を示している地域」が廃止となります。
- ユーザーの所在地、検索キーワードに含まれる地域、ユーザーが関心を示している地域
- ユーザーの所在地
- 検索キーワードに含まれる地域、ユーザーが関心を示している地域(廃止予定)
除外地域設定
除外地域設定では下記2つの判定条件が選択可能でしたが、その中で「ユーザーの所在地、検索キーワードに含まれる地域、ユーザーが関心を示している地域」が廃止となり、「ユーザーの所在地」のみが選択可能となります。
- ユーザーの所在地
- ユーザーの所在地、検索キーワードに含まれる地域、ユーザーが関心を示している地域(廃止予定)
Twitter広告の注目アップデート
新CEOの発表もあり、引き続き話題が多いTwitterです。
参考:マスクが選んだツイッター新CEO、リンダ・ヤッカリーノの人物像 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
広告配信に認証済みチェックマークの取得が必須に
2023年4月21日より、Twitter広告を掲載するために認証済みのチェックマーク取得が必須になりました。広告主は次のいずれかの条件を満たしている必要があります。
毎月1,000米ドル以上利用するビジネスアカウントは、サブスクリプションへの登録がなくともゴールドのチェックマークが付与されています。
ただし、この条件も急に変更となる可能性もあるため、可能であれば比較的安価なTwitter Blueへの加入を検討するのもひとつでしょう。
LINE広告の注目アップデート
10月にヤフー社との合併が発表されたLINEですが、今月にはYahoo!ディスプレイ広告からLINEアプリやファミリーアプリ、LINEネットワークへの配信が可能にと、今後はどのようになっていくかにも注目ですね。
参考:【ディスプレイ広告(運用型)】LINEとの取り組みによる配信先拡大について - Yahoo!広告
「友だち追加広告」に動画フォーマット追加と手動入札でCPM課金が可能に
これまで、友だち追加広告で使用可能な広告フォーマットは画像のみでしたが、今回新たに動画フォーマットが追加されました。
また、友だち追加広告で手動入札を使用している場合、新たに「CPM課金」を選択可能になりました。これまで友だち追加広告で使用可能な課金方法は、自動・手動の入札方法を問わず、友だち追加ごとに課金する「CPF課金」のみでした。
自動ターゲティング機能(β)の追加
ターゲティングの自動化は他の運用型広告のプラットフォームでも普及していますが、LINE広告においてもベータ版として自動ターゲティングが提供開始となりました。
広告グループの「ターゲット設定」より「ターゲティングモード」>「自動ターゲティング(β)」を選択
配信により収集されたイベント(クリック)を学習し、設定したターゲティング条件内でさらにイベントの実行が見込めるユーザーを探し最適なオーディエンスが自動で生成されます。
現在はCPCの自動入札を利用している場合のみ設定が可能となっています。
Microsoft広告の注目アップデート
生成AI周りの話題には事欠かないMicrosoftですが、つい先日、ChatGPTにMicrosoftの検索サービス「Bing」を用いた検索機能が追加されることが発表されました。
参考:「Bing」のAIチャットに3つの重要なアップデート ~Microsoftが「Build 2023」で発表 - 窓の杜
直接的に広告との関連性は今のところなさそうですが、GoogleのSGE(Search Generative Experience)による会話にテキスト広告とショッピング広告を表示へなどの動きもあり、生成AIの検索への活用は今後さらに進んでいきそうです。
さて、着々と広告プラットフォームとしての機能の充実が図られるMicrosoft広告ですが、4月も少なくないアップデートが行われていますので、いくつかピックアップしてご紹介します。
参考:Professional Service Ads and other updates for April - Microsoft Advertising
プロフェッショナルサービス広告が全広告主で利用可能に
画像引用元:Professional Service Ads and other updates for April - Microsoft Advertising
Microsoft広告では業種や職種などに応じてカスタマイズされた「バーティカル広告」が展開されていることも大きな特徴です。
今回リリースされたのは「保険や不動産、医師・クリニック、税務サービス」などの専門家のための広告です。日本ではまだ利用できないサービスが多いですが、該当する広告主はぜひ押さえておきたいですね。
参考:プロフェッショナル サービス広告を使用して、専門的なサービスを紹介する
バーティカル広告のひとつとして自動車広告もご紹介しています。
オーディエンスキャンペーンにおける手動CPCを廃止し拡張クリック単価へ移行
これまでオーディエンスキャンペーンで利用できた入札戦略の手動CPCが廃止され、2023年4月28日には拡張クリク単価(eCPC)へ自動的に移行となりました。
参考:Upgrading to eCPC on the Microsoft Audience Network - Microsoft Advertising
もし、手動CPCを利用していた場合は、パフォーマンスの変化が出ている可能性がありますので、いま一度確認してみましょう。
絞り部分一致で登録のキーワードの扱いをフレーズ一致から部分一致へ変更
検索広告のマッチタイプのうち、絞り込み部分一致はすでに廃止されていましたが、絞り部分一致で登録されていたキーワードはこれまで「フレーズ一致」として扱われていました。今回の変更により、これらは部分一致として扱われるよう変更がなされています。
意図しない検索キーワードへの露出やパフォーマンスの変化などにつながっている可能性もありますので、検索語句レポートを含め確認してみるのをおすすめします。
その他の注目アップデート
その他、気になったアップデートやできごとを少しだけ取り上げていきます。
PinterestがAmazonと広告事業のパートナーシップ契約を締結
日本での広告事業開始がまだ記憶に新しいPinterestですが、広告事業においてAmazonとのパートナーシップの締結が発表されました。
これまでもショッピング体験の向上に尽力してきたPinterestは、今回のパートナーシップによりフォーム入力、支払い情報登録の手間を省くことでシームレスな購買体験を実現しようとしているようです。
Amazon広告の統合の実施は、今年後半から複数の四半期にわたって行われるとのことで、どのようなプラットフォームに育っていくか今後も注目ですね。