【運用型広告アップデートまとめ】2022年9月

【運用型広告アップデートまとめ】2022年9月

先日、中古車の価格が新車よりも高くなっているというニュースが流れてきました。

コロナ禍により新車の生産台数を絞っていること、半導体不足等に伴う部材の不足などにより新車の納品も遅くなったために、中古車の供給が追いついていないようです。

値段は基本的に需要と供給で決まるものですが、先月の冒頭でもお話していたように「コロナ禍による働き方改革で何が起こるか」の『連想ゲーム』はこれからも様々な業種で起こっていくことでしょう。

さて、今回も2022年9月に運用型広告の界隈であったアップデート情報をピックアップしてお届けします。見逃してしまったアップデートや仕様変更がないかぜひチェックしてみてくださいね。


Google 広告の注目アップデート

ショッピングに関連したアップデートの発表が毎年恒例のSearch Onイベントで発表されました。いくつかの機能は日本でまだ公開されていませんが、かなり訴求力が上がるとともにショッピング体験が大きく変わる機能ですので、実装が待たれます。

参考:9 new features and tools for easier shopping on Google

その他アップデートも以下よりご確認ください。

Merchant Center 無しでも Google 検索でリッチな商品表示が提供できるように

Google は現地時間2022年9月13日に、Webページのコンテンツを理解するために利用している構造化データのうち、「product」に関する構造化データで利用できる属性(property と type)の種類を拡大し、Google Merchant Center を利用しなくても Google 検索結果のリッチリザルト、人気商品、ショッピングナレッジパネルへの掲載資格が得られるようになったことを発表しました。

今後は Google Merchant Centerなしに構造化データのマークアップのみでこれらのプレースに掲載できる資格が与えられるようになります。

画期的なアップデートで便利になったと思う一方、すでにGoogle Merchant Centerを利用している広告主の方が大半だと思うので、恩恵を受ける事業者さんは少ないかもしれませんね。

是非以下のブログも一読ください。

P-MAX で最終ページURL機能が有効の場合、広告文も動的に生成されるように

2022年10月1日より、キャンペーンのパフォーマンス改善が見込まれる場合に、広告内の説明文および他のアセットが動的に生成されるようになりました。これは、最終ページ URL の拡張機能がオンになっているキャンペーンにのみ影響します。

また別のランディングページが自動的に選択されないように、特定のURLを除外することも可能です。

参考:P-MAX キャンペーンでの最終ページ URL の拡張機能 - Google 広告 ヘルプ

Google 広告、最適化案の自動適用がより柔軟に管理可能に

2022年9月13日(火)、最適化案の自動適用をより柔軟に管理できるようにアップデートがありました。変更箇所は以下の3点です。

  • 広告配信の目的ごとに最適化案を確認できるように
  • 最適化案の詳細が追加に
  • クイックヘルプへのリンクが追加

詳細は以下の記事にて解説しています。

参考:Making it easier to manage automatically applied recommendations - Google Ads Help

Google アナリティクスの検索クエリ基準に関する変更

Googleのサービス全体で検索回数が多かった語句についてのみレポートすることで、ユーザーの匿名性を確保することを目的とされ、Googleアナリティクス4のデータ探索ツールで使用されるGoogle広告の検索語句、ユーザーの最初のGoogle広告の検索語句、セッションのGoogle広告の検索語句のディメンションが更新されました。

この更新によって、ユニバーサル アナリティクスの検索クエリレポートは Google 広告レポートよりも限定的なものになります。

この変更はGoogleアナリティクス4の利用を推進する部分もあると思いますが、ユニバーサルアナリティクスでの検索クエリの確認が難しくなることで困る方も多いかもしれません。

今後もどの検索語句でコンバージョンに至ったのかというデータは詳細に確認しにくくなると考えられますので、自動入札と上手に付き合っていくことが求められていくでしょう。

参考:新機能 - アナリティクス ヘルプ

Yahoo! 広告の注目アップデート

今月はディスプレイ広告でのアップデートが中心ですね。10月末までに対応が必要なものも再度掲載していますので、まだの方は急いで対応しましょう。

【ディスプレイ広告 運用型】リンク先URL形式広告の強制変換完了と提供終了に注意

【運用型広告アップデートまとめ】2022年5月でもお伝えしていましたが、リンク先URL形式の広告が終了に伴い、11月には順次配信が停止となります。

引用:【ディスプレイ広告(運用型)】ディスプレイ広告(運用型)リンク先URL形式広告の強制変換完了と提供終了に向けた今後の予定 - Yahoo!広告 内PDF資料

引き続き配信を行う場合は2022年10月31日までに最終リンク先URLへ変更しましょう。

強制変換によりエラーとなった広告を最終リンク先URL形式へ移行するには、「最終リンク先URL形式への変換」画面からダウンロードしたエラーファイルを編集し、インポート機能を利用することで変換ができます。

【ディスプレイ広告】掲載制限カテゴリーの追加および名称変更 

2022年9月5日(月)に掲載カテゴリーの追加と名称の変更が実施されました。

引用:【ディスプレイ広告】掲載制限カテゴリーの追加と一部名称変更について 内PDF資料

これまで少し定義がわかりにくかったカテゴリーなどが整理されていますので、対象になりそうなサービスが含まれるかは以下のヘルプページからご確認ください。

参考:掲載制限カテゴリー定義 - ヘルプ - Yahoo!広告

【ディスプレイ広告】詳細マッチングとコンバージョンAPIの登場

2022年10月5日(水)よりディスプレイ広告のコンバージョン設定において、詳細マッチングの提供が開始されました。

詳細マッチングとは、コンバージョンタグと広告主が持つ顧客情報を連携することで、顧客が発生させたコンバージョンを測定できる機能です。リアル店舗への来店歴や購入歴などを持つ顧客によるコンバージョンを把握でき、リピート購入などの測定に活用できます。

詳細マッチングには以下の情報が利用可能です。

  • メールアドレス
  • 電話番号
    ・ただし、電話番号は連携のみ。コンバージョンデータの取得は不可
    ・今後アップデート予定

情報の送信はいずれも暗号化が必須となっており、どちらかの方法で連携が必要となります。

  • 広告管理ツールを利用して、コンバージョンタグに項目を追加
  • コンバージョンAPIのご利用

O2Oの動きはこの数年で加速していますので、実店舗からオンラインでの購入の動きを捉えるには非常に有用な機能です。実店舗が多くオンラインショップも展開されている広告主の方は導入を検討されてもよいかもしれません。

参考:【ディスプレイ広告】コンバージョンにおける詳細マッチングの提供などについて

【ディスプレイ広告】100日間実績がないオーディエンスリスト(カスタム)のデータ連携停止

以下のいずれかの条件に該当するオーディエンスリスト(カスタム)は、2022年10月3日以降、データの連携を停止する場合があります。

  • 100日間実績(広告の表示)が発生していない
  • 100日間広告グループに関連付けされておらず、広告配信に利用されていない

ディスプレイ広告(予約型)の広告グループに関連付けされている場合、過去の実績の有無にかかわらずデータの連携は停止しません。また、条件に合致したオーディエンスリスト(カスタム)のうち、一部のリストのみデータ連携を停止します。

約3ヶ月の期間利用していないオーディエンスリストがデータの更新されなくなってしまいますので、四半期単位で使っているオーディエンスリストなどがある広告アカウントは要注意です。

参考:【ディスプレイ広告】100日間実績がないオーディエンスリスト(カスタム)のデータ連携停止について

LINE広告の注目アップデート

LINEにてコンバージョンAPIが登場しています。

これまで計測周りに不安のあった広告主の方もLINE広告に目を向けやすくなったのではないでしょうか。

LINE Conversion API提供開始

2022年9月28日にLINE Conversion APIの提供が開始されました。

「LINE Conversion API」は広告主が取得したデータを、直接LINEへ送信を可能にする機能です。

Conversion APIを通して広告主のサーバー経由で直接LINEにデータ送信が可能になるため、より信頼性の高い計測が実現可能になります。この機能により、コンバージョン計測や最適化の精度向上にも期待できます。

他社でも同様なサービスが開始されていますので、それに追随する形でLINEも Conversion APIが提供開始されました。LINE Conversion APIの利用には、ビジネスマネージャーの発行が必要となりますので、ご注意ください。

参考:LINE Conversion API

参考:ビジネスマネージャー|LINE DATA SOLUTION

LINE広告、グラフ表示の充実やレポート項目の指定を簡易化など、4つのアップデート

管理画面でのグラフの表示やレポート周りにて複数のアップデートがありました。

  1. グラフの指標が最大2つから4つに
  2. 画面に表示している項目でレポートをダウンロード可能に
  3. 「小サイズの画像」が一括アップロード機能に対応
  4. 新規キャンペーン作成時に「キャンペーン予算の最適化」がデフォルト設定に

詳細は以下のブログ記事にて解説しています。

詳細ターゲティングが追加

以下の詳細ターゲティングが追加されました。

「行動」タブ > 住宅展示場を訪れた可能性が高い

  • 半径100m以内に滞在(直近約3ヶ月以内)
  • 半径50m以内に滞在(直近約3ヶ月以内)
  • 半径50m以内に滞在(直近約1ヶ月以内)

不動産などの一部業種では非常に有効的なターゲティングですね。来場後のユーザーにリーチできるターゲティングですので、新居を検討している・引っ越しするユーザーに向けて配信を行いたい方にとっても利用価値が高いかもしれません。

まとめ

Yahoo! 広告、LINE広告からコンバージョンAPIが登場しています。計測に不安のあった広告主の方にとっては非常にありがたいアップデートだと思います。

なかなか技術的な側面で導入が難しい場合もありますが、今後Cookie規制は拡大されていくことも予想されていますので、広告運用者においても技術面の情報のキャッチアップはできるようになりたいですね。

では、次回のアップデートまとめもお楽しみに!

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