YouTube広告の獲得向け動画広告で押さえておくべき5つのポイント

YouTube広告の獲得向け動画広告で押さえておくべき5つのポイント
この記事は最終更新日から約2年が経過しています。

動画広告の実施を検討するとき、最初に想起されやすいのは、最も身近な動画プラットフォームへ出稿できるYouTube広告かと思います。

しかし、以下のような理由でやりたくても出稿出来ずにいるケースも多いのではないでしょうか?

「過去にYouTube広告を実施したものの、成果が悪く停止してしまった…」
「YouTube広告を出稿したいけど、クリエイティブをどう作ればいいのか分からない…」

YouTube広告のパフォーマンスは、入札やターゲティング、競合の出稿状況、季節性などにも左右されますが、最も影響度が高いのはクリエイティブです。

そこで今回は、YouTube広告の獲得向け動画広告の概要と、成果を上げるためにクリエイティブで押さえておきたいポイントを解説します。



YouTube広告の獲得向けキャンペーン「動画アクションキャンペーン」とは?

YouTube広告には、動画アクションキャンペーン(Video Action Campaign – 以降、VAC)という獲得向けキャンペーンがあります。

VACは、ユーザーに行動を促進することを目的とした動画広告を設定できる機能で、YouTube ホームフィード、YouTube 動画再生ページ、Google 動画パートナーに広告を掲載できます。

また、広告はレスポンシブフォーマットになっており、YouTubeの動画の再生前や再生中に表示されるインストリーム広告やYouTube検索ページ、YouTube ホームフィードに表示されるインフィード動画広告(旧:ディスカバリー広告)が1つのキャンペーンで配信可能です。

動画アクションキャンペーンの詳しい開設や設定方法は、以下の記事を参照して下さい。

YouTube広告の獲得向け広告で押さえておきたいポイント

VACでは獲得に特化したフォーマットで広告が配信され、機械学習も獲得に向けて最適化していきますが、動画自体が獲得に特化したものでなければパフォーマンスを十分に発揮することができません。

以下のポイントを押さえて、獲得に繋がる動画を制作しましょう。

まずはターゲットとメッセージを明確に定める

同じ商材の広告でも誰に向けて配信するのかによって、効果の高い訴求やトンマナは異なります。伝えられる情報にも限りがあるため、まずは誰に伝えるのか考え、それを軸に何を優先して伝えるべきかを考えましょう。

事例を交えながら、具体的にどう考えれば良いのかを解説します。

  • 誰に伝えるのか

獲得目的の動画広告の場合は、似た商材を比較検討していたり、商材そのものに既に興味を持っていて利用するかどうか悩んでいるユーザーなど、購入意欲が高いと思われるユーザーがターゲットになります。その中でも、過去の配信データやサイトのアクセスデータ、アンケート結果などを参照して、「人数が多い」「その商材を利用する必要性が高い」など、ボリュームとコンバージョンする確率が高いユーザー層を検討しましょう。

  • 何を伝えるのか

次に、上記で定めたユーザーに対して何を伝えるのかを考えます。

ユーキャンの事例では、野菜スペシャリスト講座の動画広告の視聴者を以下のように定め、「20~40代 子あり」のユーザーに対しては子供のために、「料理・美容関連」に関心があるユーザーに対してはキレイのために、とターゲットに合わせて訴求を変えています。

参考:ストーリーで興味喚起する「動画広告シーケンス」を使って新規ユーザー拡大、ユーキャン - Think with Google

同じ内容でも、ターゲットはどんなところに惹かれるのか、それらを通して何を得たいのかなどは変化するので、ターゲットの目線に立って商材を魅力を洗い出し、他の手段では代替できない強みを訴求の軸にすることで、効果的なメッセージを作りましょう。

最も重要なのは冒頭5秒以内に引きとなる要素を入れること

VACで使える「スキップ可能なインストリーム広告」では、再生開始から 5 秒が経過すると、ユーザーは広告をスキップできるようになっています。そのため、動画を最後まで見てもらい、メッセージをしっかり伝えるには5秒以内に動画を見続けようと思われるような要素を入れる必要があります。

具体的には以下のような要素を入れましょう。

興味喚起する内容を盛り込む

人は自分と関係のなさそうなものには、あまり意識が向きません。

例えば、「アミノ酸10,000g配合!累計100万本突破のドリンクが初回限定980円」のようなメッセージではどういう商品かは分かるものの、自分にとってどんな価値があるのか分からずスルーしてしまいますよね。

そのため、動画の冒頭では商材で解決できるターゲットの悩みを提起したり、ペルソナとなるキャラクターや人物が視聴者に語りかけたりするなど、ターゲットが興味を持ったり、自分事化できる魅力的な内容を入れる必要があります。

以下の例では、冒頭でペルソナとなるタレントがフリマアプリでよくある悩みについて語ることで興味喚起をしています。

参考:コンバージョンを促す動画広告に必要な「ABCD フレームワーク」で TrueView アクション広告を分析する - Think with Google

もし、この動画がいきなりサービスの紹介から始まる動画であれば、一定数のユーザーには見てもらえる可能性がありますが、多くの人には「また広告か…」と思われてしまいスキップされやすいものになってしまいます。

しかしこの動画では、有名なタレントのアップから動画を始めて注意を引き、他のサービスでよくある悩みを素早く提示することで見続けてもらいやすい動画になっています。

素早く伝える

ゆっくりしたテンポでは、興味喚起するのに必要な情報がすべて伝えられないまま5秒が過ぎてしまうのでなるべくテンポよく伝える必要があります。ただし、テンポが早すぎると怪しかったり、安っぽい印象を与えてしまうこともあるため、商材との相性が悪い場合はシンプルでもインパクトが大きい要素を入れるなど工夫しましょう。

以下の例では、開始3秒で、「楽天スーパーSALE」、「増税前の購入者数No.1」の文字を連続してアップで流し、テンポよくインパクトのあるフレーズを見せることで、引きを作っています。

参考:コンバージョンを促す動画広告に必要な「ABCD フレームワーク」で TrueView アクション広告を分析する - Think with Google

途中で離脱されない工夫をする

教科書をただなぞるだけの授業が苦痛なように、伝えたいことを一方的に伝え続けるだけでは、ユーザーは途中で離脱してしまいます。そのため、以下のような点を意識して制作しましょう。

訴求を絞って分かりやすく端的にメッセージを伝える

動画広告では伝えられる情報量がバナーと比べて多いため、多くのことを伝えたくなりますが、ユーザーが認識できる情報量には限りがあります。なので、最低限CTA(Call to action)をクリックしたくなるような訴求は入れながらも、詳細な情報は省いて遷移先で把握してもらうようにするなど、遷移先とのつながりを意識して訴求を絞り、なるべく端的にメッセージを伝えましょう。

続きが気になる構成にする

上記の通り情報が多いと認知負荷が上がり離脱される可能性が高まりますが、金融系や認知度の低い商材など、魅力を伝えるにはある程度の説明と尺が必要になる商材もあります。そういった商材の場合は、ストーリー仕立てにしたり、速いテンポで飽きさせないようにするなど、長くても最後まで見てもらえるような構成にしましょう。

以下の例では、「何歳に見える?」と視聴者に問いかけて視聴のモチベーションを上げ、期待感や集中力が高まった状態で商品説明に入るような構成になってます。

参考:コンバージョンを促動画広告に必要な「ABCD レームワーク」で TrueView アクション広告を分析する - Think with Google

CTAで今すぐ行動を促す

VACは、ユーザーが視聴しようと思っている動画の前後や間に流れるため、それをわざわざ中断して行動を起こしてもらうにはCTA(Call To Action)の工夫が必要です。

具体的に工夫するべきポイントを紹介します。

限定性・緊急性のあるオファーを訴求

動画に限りませんが、「期間限定」「数量限定」「無料モニター」など、切迫感やお得感を与えるオファーは有効な手段です。商材やターゲット、オファー内容によっては冒頭の引きになる要素としても活用できます。

ただし、以下の例のように表示時間が短かったり音声がないなど、認識がしづらいとオファーの効果が薄れてしまうので見せ方には注意しましょう。

参考:YouTube 広告 1,000 本以上の分析でわかった「アクション」につながる広告、つながらない広告 - Think with Google

具体的なフレーズで行動を促す

クリックすることで得られるメリットを、より具体的に示すことでユーザーは行動を起こしやすくなります。

たとえば「詳細はこちら」ではなく「今すぐ購入」なら、これをクリックするだけですぐ購入できるというメリットが伝えられますし、「今すぐ試してみる」なら、購入よりも気軽な印象になるのでクリックのハードルを下げて、より多くのユーザーを誘導することができます。

VACのCTA表示オプションを使えば、動画再生中の画面や終了画面などに行動を促すフレーズを任意で設定できるため、商材や対象ユーザーのニーズに合わせてフレーズを工夫しましょう。

様々な視聴環境に対応する

YouTubeはテレビ、パソコン、スマートフォン、タブレットなど、幅広いデバイスで視聴されていますよね。

視聴するシーンも外出時に音声なしで視聴している時もあれば、何か作業をしながら音声だけ聴いている時。様々な視聴環境を想定した動画にするために、押さえておきたいポイントをご紹介します。

BGMやナレーションを入れる

YouTubeの動画の95% は、音声をオンにした状態で再生されているというデータがあります。TwitterやInstagram、Facebookなど他のプラットフォームと比較すると、動画を見るために訪れるユーザーが多いため、より音声の重要度が高いと考えられます。そのため、BGMやナレーションを入れて視覚、聴覚の両方にアプローチできるようにしましょう。

音声なしでも伝わるようにする

上記の通り、YouTubeは音声をオンにした状態で再生されることがほとんどですが、ぼーっと視聴していたり、周囲が騒がしくて上手く聞き取れないなど、必ずしも音声を集中して聴ける状況とは限りません。また、限られた尺の中で伝えられる情報の密度を上げるためにも、テロップやアニメーションを入れて音声なしでも伝わる動画にしましょう。

テレビ画面への配信は注意が必要

テレビ画面でYouTubeを視聴する方も増えており、今回ご紹介した広告も配信可能です。ダイレクトレスポンス向けビデオ広告のテストも行われていますが、現時点ではウェブサイトへそのまま誘導してコンバージョンしてもらうのは難しい可能性があります。

とくに獲得向けの動画広告での活用では、必要に応じて配信先の取捨選択を行うのがおすすめです。

広告はスキップされることを前提に、少しでも多くのターゲットに視聴してもらえる工夫を

一人のユーザーとしてYouTubeを利用しているとき、広告をすぐにスキップしている方が多いのではないでしょうか?

動画広告の制作はバナーと比べると時間もコストもかかるので、制作する側としては最後までしっかり観てもらいたいですが、自分が観たいコンテンツの合間や前後に入る広告は基本的に邪魔なもので、少し興味を持って視聴したとしても、途中でつまらないなと思ったらすぐに離脱されてしまいます。

上記では、そんな動画広告を少しでも多くの人に視聴してもらい、コンバージョンにつなげるために押さえておきたいポイントを解説しましたが、これはあくまで一部に過ぎません。

YouTube広告で成果を出すためには、一人のユーザーとして、どうすればターゲットに興味を持ってもらえるか、最後まで見てもらえるか、コンバージョンしてもらえるのかを常に意識して動画を制作しましょう。

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