Google 、広告主の情報を公開する「広告の透明性について」の提供を開始

Google 、広告主の情報を公開する「広告の透明性について」の提供を開始
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Google は2023年3月29日(現地時間)、「広告の透明性について(Ads Transparency Center)」をグローバルに立ち上げたと発表しました。

画像引用元:広告の透明性について

「広告の透明性について」を使用すると、ユーザーはGoogle で表示される広告について詳しく調べることができます。たとえば広告主が過去に掲載した広告、特定の地域で表示された広告、広告が最後に表示された日など……。

今回は、Google が「広告の透明性について」を開始した背景と、その利用方法を紹介していきます。



Google が「広告の透明性について」を開始した背景

Google は、ユーザーにとって良い広告体験を提供するために、様々な取り組みを行っています。その一つが「透明性向上とユーザー自身による管理の強化」です。

広告の透明性とは、ユーザーが表示される広告について、その内容やターゲティングの理由、広告主の情報などを確認できるようにすることです。これにより、ユーザーは自分に関連する広告を選択したり、不要な広告をブロックしたり、信頼できる広告主かどうかを判断することができます。

具体的には、過去に以下のような取り組みを行ってきました。

2020年4月 | 「身元確認プログラム(現:広告主適格性確認プログラム)」の開始を発表

Google 広告を利用しているすべての広告主に対して、事業内容、所在地、販売・宣伝する製品に関する情報の確認を求めるもので、ユーザーが広告主について信頼できる情報を得られるようにすることを目的としています。

参考:適格性の確認について - Google 広告ポリシー ヘルプ

2021年9月 | 「See more ads by this advertiser(この広告主の広告をもっと見る)」機能を発表

ユーザーにYouTubeとGoogle 検索で広告が表示された際、身元確認済みの特定の広告主が過去30日以内に配信したGoogle 広告を確認したり、興味のない広告の掲載をミュートしたりできるようになる機能です。

2022年10月 | 「マイアドセンター」機能をリリース

Google 検索やYouTubeなどで表示される広告に関する情報や設定を、ユーザー自身がより細かく管理できる機能です。興味のない広告を制限できるだけでなく、自分が気になる広告を表示するように設定することも可能になりました。

参考:マイ アド センター の提供を開始 - Google Japan Blog

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公式ブログによると、毎日3,000万人以上のユーザーが、Google が提供する広告の透明性に関する情報確認と管理方法のメニューを利用しているとのこと。こうした背景を踏まえて、今回の「広告の透明性について」の開始があったと考えられます。

参考:透明性を高める「広告の透明性について」- Google Japan Blog

ユーザーに提供する情報と利用方法

「広告の透明性について」では、ユーザーは気になる広告主の名前やキーワードを入力するだけで、その広告主についての情報を見ることができます。

具体的には、以下のような情報が確認できます。

  • 広告主が過去に掲載した広告 
  • 特定の地域で表示された広告
  • 広告が最後に掲載された日や広告フォーマット

例えばGoogle LLCで検索すると、以下のような情報が表示されます。

これらの情報は、「広告の透明性について」で直接確認できるほか、下図のように広告の横にある3つの点のメニューから「マイ アド センター」に入り、「他の広告を表示」というリンクをクリックしてアクセスすることもできます。

ユーザーと広告主に与える影響

「広告の透明性について」によって、ユーザーは、自分が見ている広告やその広告主について以前よりも簡単に知ることができるようになりました。

たとえば、気になる広告を見かけたものの、そのブランドには見覚えがなかったり、他の広告を見たことがあるかどうか確認したいとします。その時に「広告の透明性について」を利用すると、実際にサイトを訪問したり購入したりする前に、広告主について調べ、詳細を確認することができます。

それにより、ユーザーは以下のようなメリットを得られます。

  • 関心のある商品やサービスを見つけやすくなる
  • 信頼できる広告主を選ぶことができる
  • 関心がなかったり、不適切な広告を遠ざけやすくなる

一方、広告主にとっても、以下のようなメリットがあります。

  • 適切な広告を配信をしていれば、そうでない広告主と比較された際に信頼を得やすい
  • クリエイティブを制作する際に競合のクリエイティブを確認して参考にすることができる

広告が表示されないケース

広告が配信されていても、「広告の透明性について」に情報が表示されないことがあります。

特定の広告主が見つからない

特定の広告主のページが「広告の透明性について」に表示されないケースは、以下の2つがあります。

  • 過去 30日間に広告を掲載していない
  • 広告主の適格性確認を完了していない

適格性確認とは、Google 広告を利用している広告主に対してGoogle 側から広告主が本人かどうかを確認するプロセスです。

グローバル先行で行われており、日本でも一部のアカウントに順次適用されています。確認が必要な広告主にはメールと広告管理画面上での通知でお知らせが届く予定です。

詳細や実際の本人確認の手順は下記ヘルプページを参照してください。

参考:広告主適格性確認プログラムと広告開示情報に関するよくある質問 - Google 広告ポリシー ヘルプ

特定の広告のみが見つからない

特定の広告のみが表示されない場合は、以下のような原因が考えられます。

  • その広告の年齢制限のあるコンテンツを表示するためにログインする必要がある
  • その広告がポリシー違反で後から削除された
  • その広告のフォーマットが技術的制約のために Google でまだサポートされていない
  • その広告の情報が表示されるまでに 48~72 時間かかる場合がある
  • その広告が過去 30 日間配信されていない
  • その広告が広告主によって削除された

また、広告が掲載されてから、広告に関する情報が表示できるようになるまでは、48~72時間ほどかかるようです。

まとめ

近年、SNSでのステルスマーケティングやデジタル広告の複雑化などにより、ユーザーが適切な購買判断をできずに不利益を被るケースが増えてきました。さらに、自分の行動データに基づいた広告が表示され、「自分の情報が把握されているようで怖い」と感じるユーザーも多いようです。そういった背景から、デジタル広告における広告の透明性がより求められるようになりました。

今後もさらに、広告の透明性への取り組みは広がっていくと予想されます。オンライン広告全体の品質や信頼性の向上、ユーザーと広告主の双方にとって有益な情報源やマーケティングツールとして認識されるようになるなど、ポジティブな影響が大きいと考えられます。

この機会に改めて、ユーザーにとって不快な広告になっていないか?不誠実な広告になっていないか?を考えた広告配信ができているか、確認しておきましょう。

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