YouTube動画広告用の新しいCTA表示オプション|マイクロコピーの大きな効果と改善例

YouTube動画広告用の新しいCTA表示オプション|マイクロコピーの大きな効果と改善例

Google 広告の動画広告フォーマットに動画をインタラクティブにする機能として「新しい CTA 表示オプション」が2019年1月より追加されました。

参考:新しい動画広告用 CTA 表示オプションをご利用いただけます - Google 広告 ヘルプ

YouTubeで、目的の動画を見始める前に流れる広告。内容は気にはなったけど、特にクリックするボタンもないので、そのまま目的の動画を見始めることはありませんか?

新しいCTA表示オプションでは、動画の終了画面などに行動を促すフレーズを記載することで、動画視聴者にウェブサイトへの遷移を促すことができます。

本記事ではこの新機能のご紹介に加え、サイト遷移のラストワンマイルで成果に大きな影響力を持つCTA、そしてそのCTAに記載する短い文言であるマイクロコピー(ボタンや入力フォームのラベルなど、 ユーザーにアクションを促すための短めのコピー)の事例について解説します。


CTA(Call To Action)とは

CTA(Call To Action)とは、コンバージョンやページ遷移などの具体的にとってもらいたい行動に誘導する、ボタンやリンクのことです。

たとえば、会員登録をしてもらうことが目的のサイトであれば、「いますぐ会員登録」「無料で資料を読む」といったボタンですね。コンバージョンに直接関係するユーザー行動に大きな影響を与えるという点で、ウェブサイト、広告において非常に重要なポイントとなります。

動画広告用の新しいCTA表示オプション

YouTube、TrueView動画広告の新しいCTA表示オプションは、動画再生中の画面や終了画面などに行動を促すフレーズ、つまりCTAを任意で設定でき、「見積もり」、「今すぐ予約」、「登録」など、目的に合わせてマイクロコピーをカスタマイズできます。

広告動画の閲覧中か後にこれをクリックすると、指定したウェブサイトに遷移します。
顧客のニーズに合わせ、工夫したCTA、マイクロコピーを導入することで遷移率、ひいてはコンバージョン率を上げることが可能になります。

TrueView アクション キャンペーンのCTAとの違い

既存のTrueView アクションキャンペーンでは、以前よりCTAの設定は可能でした。紛らわしいのですが、今回の新しい動画広告用CTAとではCTA自体の仕様に違いはなく、目的に応じて利用するキャンペーンを使い分けるかたちとなります。

 

新しいCTA表示オプションの対象キャンペーン

TrueView アクション キャンペーン

目的

認知度や比較検討など

見込み顧客の獲得、またはウェブサイトのトラフィックなど

使用可能な動画フォーマット

TrueView インストリーム広告

バンパー広告(※)

インフィード動画広告(旧:TrueView ディスカバリー広告)(※)

TrueView インストリーム広告でのみ利用可能

自動入札

なし

あり

※対応予定ですが、2019年3月現在はまだ実装には至っていません

コンバージョンやクリック数がKPIになっている場合は、TrueView アクションキャンペーンを設定しましょう。

参考:Google、ユーザーにアクションを促す動画広告「TrueView アクション(TrueView for action)」

CTA、マイクロコピーの改善事例

CTAには文字数の少ないテキストを配置できます。申し込みボタンの文字やフォームまわりのCTAの殆どには「見積もり依頼」、「今すぐ予約」、「登録」などの短いコピーが記載されています。この、非常に細部な箇所のコピーのことを「マイクロコピー」と言います。目標のラストワンマイルに存在するマイクロコピーは、ビジネスの成果に非常に大きな影響力を持つと言われています。

CTAの変更や工夫により大きな成果に繋がった実際の例をいくつかみていきましょう。

オバマ元大統領を勝利に導いたCTAのコピー変更


CTAのマイクロコピーで特に有名な成功事例は、大統領選挙の際のオバマ氏のウェブサイトでしょう。

参考:How Obama Raised $60 Million by Running a Simple Experiment | Optimizely Blog

元Googleでオバマ陣営の分析ディレクターを務めたダン・シロカー氏は当時、メールマガジンへの登録を目的としたこのサイトのトップページのメインビジュアルと、コンバージョン手間のボタンの違いにより成果にどう違いが出るのかを検証しました。最も多くの成果を上げたのが以下のパターンです。


CTAの変更点は「SIGN UP(会員登録)」を、「LEARN MORE(もっと詳しく)」にした事です。

最終的にこの施策により、メールマガジンのコンバージョン率は変更前のものと比較して、40%近く改善。約1,000万人ものメールマガジン読者を獲得することに成功しました。寄付金の額も6,000万ドル(1ドル100円換算で60億円)近く増えたとされています。なお……もし従来のパターンで実施していたと仮定した場合の推定機会損失は288万人に及ぶとも。凄まじいですね。

もう一つ、今度はもう少し身近な事例を見ていきましょう。

CTAのコピー変更で資料ダウンロードページへの誘導数が4倍に

株式会社ガイアックスが、リード獲得ダウンロードのボタンクリックをゴールとして、バナーの文言を変更したA/Bテストを行いました。
参考:ABテスト事例-バナー内文言の変更で資料ダウンロード数4倍 | サイト改善、マーケティング支援のマーケイット(MARKEiT)

結果として、元バージョンのクリック率は0.35%、バリエーションパターンのコンバージョン率は1.41%だったとのこと。ダウンロードページヘの誘導数、資料ダウンロード数共に4倍になったとのことで、ビジネスの成長に大きく貢献しました。

申し込みボタンの文言変更でコンバージョン率が+1%アップ

アメリカのサイトM&A企業「Empire Flippers」はコンバージョン数の改善を目的に、以下赤枠の部分の新規会員登録時の申し込みボタンのA/Bテストを実施しました。
参考:Empire Flippers Tests Changes On Their Home Page To Achieve A 33% Boost In Click-Throughs
※資料閲覧には登録が必要です。

結果として、元バージョンのコンバージョン率は2.88%、バリエーションパターンのコンバージョン率は3.84%だったとのこと。コンバージョン率は+1%ポイント近くも向上し、ビジネスに大きなインパクトを与えました。

効果的なCTAに共通する3つのポイント

これらの事例に共通していることとしては、次の点が上げられます。

  • マイクロコピーの内容でクリックの障壁をできる限り下げる
  • クリック後に何があるかを、シンプルにわかりやすく表現する
  • 先入観に囚われず、データから正否を判断する

よくみる定番のCTAにとらわれず、ユーザーは何を望んでいてどのタイミングでどんな情報が適切なのかを突き詰めて考えて、短いフレーズに凝縮しましょう。

小さいコピーにも、情熱と工夫を込めよう

「資料請求」や「お申込み」といった、よくあるマイクロコピーのYouTube広告やウェブサイトのCTAをたびたび見かけます。分かりやすいですし悪くはありませんが、商品の特性やユーザーの気持ちを理解した表現に変更するだけで、さらに効果が出る可能性があります。

ユーザーは意思決定の最後のタイミングでどんな情報がほしいのか?どんな言葉で背中を押してほしいと考えているのか?どんな不安要素があるのか?を深く思考し、短いコピーに凝縮しましょう。

マイクロコピー、CTAの改善はコストも工数も非常に小さい施策です。にもかかわらず、改善効果の幅が大きく効果がすぐに現れる費用対効果に優れた施策と言えます。すぐに取り掛かれる施策として、ぜひ皆様チャレンジしてみて下さい。

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