あなたのディスプレイ広告はなぜうまくいかないのか?

あなたのディスプレイ広告はなぜうまくいかないのか?
この記事は最終更新日から約3年が経過しています。

「ディスプレイ広告のCPAが合わない!」「リマーケティング以外、全く獲れない!」といった声を聞く一方で、ディスプレイ広告で成果をガンガン伸ばしているアカウントもあります。両者の差はいったい何なのか?あなたのディスプレイ広告はなぜうまくいかないのか?今回はそのうまくいかない理由をいくつか挙げてみたいと思います。


そもそもディスプレイ広告に向かない商材だから

出だしからすみません……。ディスプレイ広告にそもそも向かない商材というものが存在します。その場合はディスプレイ広告であまり獲得できていなくても仕方がないのです。検索とディスプレイ、ディスプレイでもその中のメニューなど、それぞれの最適な予算配分(弊社ではポートフォリオと呼んでいます)は商材によって変わってくるのは必然です。したがってディスプレイ広告の予算割合が著しく低い(コンバージョンの獲得比率が少ない)こともあり得るのです。

ディスプレイ広告に向かない商材は、例えば水漏れ工事や引越しなど、緊急性の高いものや検討期間の短いものがあります。なぜ向かないかというと、ユーザーはその瞬間に自分のニーズを満たしたいのでとても急いでいます。急いでいる人間を引き止めて衝動買いさせるのは非常に難しいですよね。そのため、問題解決方法を提示してあげるには検索連動型広告が一番向いているからです。

リマーケティングのユーザーリストやYDNのサーチターゲティングの有効期間を短くしたりするなどで少しは獲得できることもありますが、ディスプレイ広告を検索連動型広告並みにスケールさせていくことは難しいでしょう。

※勿論、一部の商材では例外もあります。

クリエイティブがコンテキストに沿っていないから

クリエイティブ(テキスト広告やイメージ広告など)は、コンテキストにちゃんと沿っていますでしょうか?何か意図を持って検索した検索結果画面でみる広告と、どこかのメディアで何かのコンテンツを閲覧している片隅でみる広告とでは、ユーザーの受け入れ体制に天と地ほどの差があります。

ユーザーが能動的に情報を探しているときに表示させる検索連動型広告とは違い、ディスプレイ広告ではまずはユーザーに振り向いてもらう必要があります。そのためコピーを考える際には検索連動型広告とは違ったアプローチが必要となります。問題提起をしたり、共感させたり、ときには煽ったり、理性よりも感情に訴えたり。「いま忙しいの」っていう人に対して足を止めて話を聞いてもらうにはどんな言葉を投げかけたらよいか、という視点で考えていくのがよいでしょう(ある人は、ディスプレイ広告はナンパだ、と言っていました)。

またディスプレイ広告の各種広告フォーマットでも、クリエイティブで表現すべき内容は変わってきます。例えばYDNのインフィード広告など、フィード上に表示される広告フォーマットであれば、記事風のタイトルやサムネイルを設定する。Gmail広告であればメールボックスを見ているユーザーの目に留まるような見出しを考える。フォーマットや掲載先によっては、“広告臭”がより強調されてしまう場合があるため注意が必要です。

ディスプレイ広告では、ユーザーはどんなコンテンツを見てどんな状態か、また広告はどんな形で掲載されるのか、それらをしっかり頭の中でシミュレーションし、コンテキストに沿ったクリエイティブを考えていきましょう。それができていないと単なる“ノイズ”として扱われてしまう可能性が高いです。

ターゲティングの方法がイケてないから

ディスプレイ広告のターゲティング方法は、検索連動型広告以上に複雑といっても過言ではありません。ターゲットとするユーザーを捉えるには、どのターゲティング機能を使い(時には掛けあわせたりして)、どのような設定をすれば良いのか。“面”で狙うのか、“人”で狙うのか。検索連動型広告とは別の頭で考えていかねばなりません。ディスプレイ広告では広告運用者としてのターゲティングの腕がより試されるのです。

いくつか例をあげましょう。

①キーワードを指定して関連するページに広告を配信するコンテンツターゲット。
これはコンテンツを狙うというよりは、ユーザーがそのコンテンツへどのような意図を持ってたどり着くかを考えてターゲティングしてあげるほうが良いです。

例えば「本田圭佑」といったワードで設定してサッカーに興味関心のある人をターゲティングすることは難しいと予想されます。というのは、本田選手はそのメンタリティや社会的な活動からビジネス寄りの記事で紹介されることも多く、その際のユーザーの興味の度合いとしては「ビジネス>サッカー」といった風になってしまいます。またサッカー日本代表といった軸で本田選手が語られる際には、日本国民のほぼ全員に注目されたり、ポータルサイトやニュースアプリからの流入が多くなったりと、これまたサッカーという色は薄くなってしまいます。

参考:
Google アドワーズ史上、最強のプロダクト、コンテンツターゲットの仕組みと設定、考え方までのスベテ
※2016年9月、一部の仕様が変更となっています。
Google アドワーズ、コンテンツターゲットの仕様変更をロールアウト。キーワードのマッチ方法が選択可能に。

②ウェブサイト・ページのURLを指定して広告を掲載するプレースメントターゲット。
ここでは指定するそのウェブサイトが特定の興味・関心・属性のユーザーをちゃんと集められているかどうかをしっかり見極めていくことが重要となってきます。

例えばBtoB商材だからといって東洋経済オンラインのドメインをプレースメントで指定してもあまりうまいターゲティングとは言えません。というのも記事のランキングを見てもらえばわかるのですが、上位の記事は日常的な話題の記事がランキングされている場合が多く、そうした状況ではビジネスマンを濃くターゲティングすることは難しいのです。

狙ったユーザーをしっかり切り取れるかどうか、ディスプレイ広告では検索連動型広告以上に多面的に考えていく必要があります。また狭めるばかりがターゲティングではなく、ときにはデモグラや興味関心のみで広く浅くターゲティングしたほうがよい場合もあります。ちゃんとターゲティングできていないと火傷しちゃうのです。

ターゲティングの考え方についてはこちらの記事もご参考ください。
参考:ターゲティング論基礎

プレースメントターゲットについては、次の記事もご参考ください。
参考:プレースメントターゲットの仕組みと設定、考え方までのスベテ

ユーザーリストの作り方がイケてないから

リマーケティングでさえもCPAが合わない!時にはそんな方もいるかと思います。その原因も前項目の内容と同様にターゲティング方法に問題があるかもしれません。

リマーケティングでいうターゲティングとは何か?それはユーザーリストになります。検索連動型広告でキーワードを追加したり除外キーワードの設定を行ったりしてターゲティングをコントロールするのと同様に、リマーケティングもユーザーリストを調整してターゲティングの精度を高めていくのです。

ではどのような考えでユーザーリストを構築していけば良いか?それにはまずサイトに訪れた人たちについて知る必要があります。そうです、アクセス解析をベースに考えていくのです。

サイトに訪れている人たちのモチベーションは均質でしょうか?おそらくノーだと思います。

集客経路でいえば、ブランド指名ワードで来たユーザーと、その他のワードで来たユーザーのモチベーションは一緒でしょうか?サイト内の行動でいうと、ランディングページ直帰ユーザーと、カゴ落ちユーザーは同価値でしょうか?初回訪問からコンバージョンまでの日数(≒検討期間)はどのくらいでしょうか?リストの期間はそれに対応するように組み立てられていますか?また純広告やバズなどで一気にアクセスが増えた(リストが増えた)期間はありませんか?その人たちはこれまでのユーザーと同質でしょうか?

このように離脱場所による見込み度の違いや、訪問時の動機・経路など、何かしらの軸で訪問者をいくつかのグループに分けられると思います。それらをユーザーリストに反映していけば良いのです。リマーケティングのターゲティングの肝はユーザーリストです。サイトに訪問したユーザーをモチベーション毎にどのように分けられるか。もう一度、調べてみてはいかがでしょう。

参考:リマーケティング、サイトリターゲティングの仕組みと設定、考え方までのスベテ

しっかり運用していないから

「あー、コスト一気に使っちゃった!全然CPA合わない!もうディスプレイ広告なんて未来永劫、停止だ!」なんてことはありませんでしょうか。

ディスプレイ広告が合わないと決めつけてしまう前に、ちゃんと運用型広告として、入札・ターゲティング・クリエイティブの調整(コレすなわち“運用”)はできていましたでしょうか?

入札単価や各種入札調整比率はしっかりコントールできていますか?検索とディスプレイではコンバージョン率が、1ケタ変わることもザラです。実際の配信先はどんなところですか?検索連動型広告で検索語句レポートを調べるのと同様に、ディスプレイ広告でもプレースメント(配信先)レポートを見て、しっかり狙った配信先(≒ユーザー)をターゲティングできているかチェックしましょう。調べてみると想定していたものとは、まったく違う配信先に掲載されていたりする場合があります。

レポートや設定内容を見直し、入札・ターゲティング・クリエイティブをしっかり調整していけば(そう運用!)きっとあなたのディスプレイ広告もきっとうまくいくはずです。

ディスプレイ広告、いまこそ再考してみませんか?

why-your-display-ad-is-not-working_footer

関連記事