運用型広告における”時間”との付き合い方

運用型広告における”時間”との付き合い方

いつ・どこの・誰に対して広告を配信するのか柔軟にコントロールできる運用型広告。配信する・しないのオンオフはほぼリアルタイムに反映されますし、平日の営業時間だけ配信するといった設定も可能です。このように”時間”はターゲティングのイチ要素でありますが、他の観点でも”時間”を適切に扱えるようになれば、さらに広告運用が捗るでしょう。

今回は運用型広告と”時間”について考えていきます。

1.ターゲティングとしての時間

運用型広告において”時間”は重要なターゲティング要素です。Google 広告などでは、キャンペーン設定で配信する曜日や時間帯をターゲティングすることが可能です。キャンペーンの開始日や終了日も特定の期間に配信するためのターゲティングといえるでしょう。このように意図的に設定できる機能としての”時間”のターゲティングもあれば、媒体・キャンペーンタイプそれ自体がユーザーの特定の時間(タイミング)をターゲティングしているとも言えます。

たとえば検索広告ではユーザーがなにかを検索した時に、ディスプレイ広告やソーシャルメディア広告では何かしらのコンテンツを視聴している時に、広告が表示されます。前者はユーザーが能動的に情報を探しているタイミングであるのに対し、後者は他の目的でメディアに接しているタイミングです。そのため広告に対する態度も大きく変わってくることが予想されます。同じ商材だったとしても媒体毎に広告で訴求するメッセージは変えていくべきでしょう。

また継続的に広告を配信しているとつい忘れがちになってしまうかもしれませんが、配信しているからにはその時々の瞬間・時代をターゲティングしているとも言えます。春夏秋冬や近くの年中行事、世の中のトレンドなどです。

たとえば転職サービスの広告でイメージしてみましょう。一年の中のそれぞれのタイミングでもユーザーの関心事は変わってくると思われます。3・4月や異動や人事評価、新卒◯年目といったタイミングかもしれない。12月の忘年会で大学時代の友だちの話を聞いて影響を受けたり、1月には一年の目標を考え決意を新たにしているかもしれない。たとえ管理画面上、同じターゲティング設定をしていたとしていても、時期によってユーザーの頭の中は常に変化していると考えたほうが良いでしょう。

このように運用型広告では、機能として存在する時間帯や曜日のようなターゲティングを設定せずとも、何かしらの意味合いでユーザーの特定の時間・タイミングをターゲティングしているのです。いま配信している広告はユーザーのどんな時間(時期・時間帯・閲覧タイミング)に配信されるのか、またその時間にユーザーはどんなことを考えているのか想像しながら、適切なコミュニケーション方法(訴求方法)を見つけていきたいですね。

2.時間軸と広告運用

時間はずっと流れています。今この記事を読んでいる瞬間にも人々は検索をし、メディアを視聴している合間に広告が表示されています。流れてしまった時間(とその時に発生した広告表示機会)は取り戻すことができません。

ある期間の目標と成果について考えてみましょう。施策実行前の獲得ペースと、施策実行後の改善獲得ペースが同一とすると(傾きが同一)、早めに施策を実行した場合、目標は達成できますが、実行が遅く後半になってしまうと達成はできません。また施策を早く実行すればするほど目標からの改善幅は大きくなることがわかります。”はやいこと”はそれだけで価値なのです。現実では日々成果は変動するため例で出したようなキレイなグラフになることはないですが、移動平均線のような傾向線は見えてくるはずです。定の常に頭の中で時間軸と成果をグラフをイメージしながら運用していけると良いでしょう。

運用型広告の特徴は即座に入札・ターゲティング・クリエイティブを変更していくことができる点です。成果の悪い広告は変更や停止が即・可能ですし、新たな施策の実行も特定の日を待たずに反映していけます。時間軸と経過を意識しながら、1秒でもはやく改善していけるかが成果の出す秘訣といえるでしょう。

※一方で24時間365日働くことを是としてしまう側面もあるため適度なバランス感覚が肝要となります

また時間軸の設定についても注意が必要です。時間軸をあまりに短期でとらえてしまうと、小粒な施策に終始してしまったり、短期的には成果は出るが大きな反動を伴う施策(必要以上の安売りや攻め過ぎた表現など)を優先してしまうかもしれません。そのため長期の時間軸でも同時に考え、時間がかかるが大きなインパクトが期待できる施策に取り組んだりするなど、バランスをとるようにしていきましょう。

3.広告運用者と時間配分

運用型広告で成果を上げるには適切なお金(広告費)の配分が必要不可欠です。どの媒体にいくら使うか、また媒体内でどんなメニューやターゲティングにいくら使うのか、より細かい単位であれば1クリック・1インプレッションあたりいくら投下するのか、そうしたお金の配分で成果が決まると言っても過言ではありません。

お金のように目には見えず、配分が重要なものがもうひとつあります。それは「時間」です。

どんな仕事(業務)に対してどう時間を使うのか、そうした”時間の配分”が成果に直結するのです。時間はお金(広告費)以上に限られた資源であるため、どの業務に優先順位を置くかがとても重要です。

広告運用者の業務は入札調整や広告の追加などの運用業務からクライアントとのミーティング、資料作成など多岐に渡ります。たとえばレポーティングや提案のための資料作成は広告運用者の役務の一つではありますが、レポートや資料それ自体が直接成果を生むものではありません。そのためレポーティングはツールなどを使って可能な限り自動化していきたいですし、資料作成も必要以上に重厚な資料を作るよりはしっかり実行部分に時間を割けるようにしていきたいです。施策の実行に関しても、小さな効果しか期待できない施策に過度に時間を割くべきではなく、大きなインパクトを生む施策に優先的に投資するべきです。

また過去や今だけではなく未来の機会に対しても時間を使えていますでしょうか。ミーティングの場では過去の説明ばかりに時間を使わず、未来の施策についてしっかり話す時間をとっていきましょう。また日々の業務だけではなく今後のより良い施策立案のための知識習得や情報収集など、広告運用者としての自己研鑽の時間も確保しておくことが重要です。

名著ドラッカーの「経営者の条件」の第2章「汝の時間を知れ」でも、自身の時間の使い方を計測・管理し、成果を出すための業務に時間を投下することが大事であることが書かれています。知識労働者たる広告運用者ならば、”時間”をどのように使えば成果につながるのかいま一度考えていきたいですね。

時間を味方につけよう

ターゲティングとしての観点はもちろん、どのような時間軸でみていくか、自身の時間を各業務にどのように割り振っていくかといった仕事への取り組み観点でも、”時間”との付き合い方は重要です。”時間”という身近過ぎてつい見落としがちな存在に改めて向き合ってみると成果改善のヒントが見つかるかもしれませんね。

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