※2019年8月26日:最新の情報をもとに更新
プレースメントターゲットはGoogle 広告初期の頃からあるプロダクトの1つです。Google ディスプレイネットワーク内の特定のウェブページや動画、アプリを指定して広告掲載できるため、今でも使い勝手の良いプロダクトとして重宝されています。
この記事では、そんなプレースメントターゲットの仕組みや設定方法、考え方についてご紹介します。
目次
プレースメントターゲットとは?
プレースメントターゲットとは、広告を出したい任意のウェブページや動画、アプリを指定して配信できる手法です。
少し紛らわしいですがGoogle 広告の「プレースメント」は2種類あります。
自動プレースメント | 指定したキーワードやトピックに基づいて広告配信先をある程度自動で選定してくれる配信 |
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手動プレースメント | Webページやアプリ、動画など、広告配信先をURLやIDなどの単位で指定配信できる |
この記事で解説していくのは「手動プレースメント」です。
広告主は広告を配信したいウェブページやアプリ、動画を任意で指定することができます。ウェブページは「URL単位」、You Tubeは特定の「動画やチャンネル単位」、アプリは「アプリやカテゴリ単位」で指定することが可能です。
どのような場合にプレースメントターゲットは効果的なのか?
プレースメントターゲットは自身の商材との相性が良さそうな広告配信先がある場合や、ターゲットとなるユーザーが明確に想定できる場合、コンバージョンに結びつく可能性が高い配信先などがある場合に使うと効果的です。
例えば「価格.com」を見ているユーザーに向けて広告を配信したい場合は、配信先となるURL「kakaku.com」を設定することで、「価格.com」の扇風機やサーキュレーターのページに広告を配信できる可能性があります。
初めは効果の出るサイトを検証するためにも、コンテンツターゲットやトピックターゲット、インタレストカテゴリなどの「自動プレースメント」の配信結果をみて、効果が出やすいサイトを検証していくとよいでしょう。
プレースメントターゲットの設定方法
コンテンツターゲットやリマーケティングと同様に、プレースメントターゲットは運用方法やチューニングが検索連動型広告とは異なるため、キャンペーンは専用に作成します。
新規にGoogle ディスプレイネットワーク(以下、GDN)関連のキャンペーンを作る場合は、以下の手順です。
①広告管理画面の左メニューで「キャンペーン」を選択
②「+」ボタンをクリックして「+新しいキャンペーンを作成」を選択
③キャンペーンで達成したい目標で「目標を指定せずにキャンペーンを作成する」を選択
④キャンペーンタイプは「ディスプレイ」を選択
⑤キャンペーンのサブタイプは「標準のディスプレイキャンペーン」を選択
⑥「続行」をクリック
⑦広告グループ名を入力
⑧コンテンツで「+コンテンツターゲット」をクリック、「+プレースメント」を選択
ちなみに、広告グループ名は配信サイトのURLやサイト名、関連テーマなどにしておとくと管理しやすいです。おすすめは配信先のプレースメント毎に広告グループを分けるか、「ブログ関連」「ニュース関連」「ガジェット系サイト」といった具合に、配信先が分かるようにグルーピングにすると、レポーティングがしやすくなります。
プレースメントの編集画面が表示されますので、引き続き以下を設定していきます。
⑨検索枠に指定して配信したいサイトの名前またはURL、もしくはサービスに関連するキーワードを入力して検索
⑩プレースメント候補の件数がウェブサイト、動画、アプリなどのカテゴリごとに表示される
以下の手順で配信対象にしたいプレースメントを選択していきます。
⑪指定したい対象のプレースメントにチェックを入れる
⑫選択した全てのプレースメントが表示されるので、選択漏れがないか、または誤ったプレースメントを選択していないか、しっかり確認
⑬「完了」ボタンを押して保存
ここで注意したいのは、⑭のターゲットの拡張の設定です。スライダーを右に動かしてリーチを拡大すると、ここで指定した配信面だけではなく追加で成果が見込めそうな配信面にも広告が掲載される可能性があります。プレースメントターゲットで特定の配信先のみを指定するのであれば、オフを選択しましょう。
ここまで設定が完了したら広告を追加すればプレースメントターゲットの配信の準備がすべて整います。以上がGDNのプレースメントターゲットの設定方法になります。
プレースメントターゲットの配信先の選定方法
プレースメントターゲットは、まず“効果が出そうなサイトを設定する”というのがセオリーです。ただし、“効果が出そうなサイト”というのは初めはわからないことも多いでしょう。その場合はやはり仮説をもとに検証していく必要があります。
プレースメントターゲットの配信先の選定方法としては、下記の3つが基本的な方法になります。
- 過去の配信実績から効果の出ている配信先を選定
- 狙っているターゲット層がよく見ているであろうメディアを選定
- プレースメントの編集画面で検索して配信先を選定
過去の配信実績から効果の出ている配信先を選定
プレースメントターゲットをいきなり始めるよりもコンテンツターゲットやトピックターゲットなどの自動プレースメント関連の配信レポートを参考に、効果がありそうな配信先の傾向を掴むことでリスクを抑えてチャレンジができます。
①過去に実施してきたGDNのキャンペーンの中から広告グループを選択し、メニューより「プレースメント」をクリック
②「広告が表示された場所」を選択
③配信先ドメイン別のレポートを確認
ドメイン単位ではなく詳細な配信先を確認したい場合は、以下の手順で確認いただけます。
④プレースメントのチェックボックスにチェックを入れる
⑤「詳細を表示」をクリックして確認
⑥過去の配信実績をみて効果の高そうな配信先を選定しプレースメントターゲットとして登録
リマーケティングや類似ユーザー、インタレストカテゴリなどの配信手法は配信面ではなく人を見ているため、ユーザーの傾向をつかみにくい配信先が多くなる傾向にあります。繰り返しになりますが、自動プレースメント関連の配信先レポートを参考にしましょう。
狙っているターゲット層がよく見ているであろうメディアを選定
アピールしたい商品やサービスのターゲット層に広告を見てもらいたいので、そのターゲット層がよく見ていそうなメディアを選びましょう。ターゲット層が絞られるメディアを選定できれば、効果的な配信先を発見できる可能性が高くなります。
狙っているターゲット層がよく見ているであろうメディアは、以下の方法で探します。
- コンバージョン実績があった、またはコンバージョンにつながりそうな検索語句で検索した時にオーガニックの検索結果で上位表示されるメディアを探す
- 「○○といったらこのメディア」とターゲット層のユーザーで第一想起されるメディアを探す
- ターゲット層のユーザーがTwitterやInstagramなどのSNSでシェアをしているメディアを探す
- WEBメディアの特性が記載されている媒体資料から探す
上記以外にも、ターゲット層が見ているであろうメディアを探す方法はいくつかあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
参考:リスティング広告運用者がプレースメントに指定したくなるメディアとその探し方
プレースメントの編集画面で検索して配信先を選定
配信先の選定に以前は「ディスプレイ キャンペーン プランナー」を使っていたという方は多いと思います。GDNにおけるターゲット設定の候補や見積もりを確認できる「ディスプレイ キャンペーン プランナー」は、配信先候補の選定には使い勝手の良いツールでした。惜しくもGoogle 広告のリニューアル版で廃止となりましたが、独立したツールとしてなくなっただけで一部機能はそのままターゲット設定に取り込まれています。
ここでは、新しいキャンペーンや広告グループの作成時、またはターゲット設定を変更する際のプレースメント編集画面で検索して配信先を探す方法をご紹介していきます。
プレースメントの編集画面を開いたら、
①検索枠に商品やサービスに関連するキーワードまたはURLを入力して検索
②検索したものと関連したプレースメント候補の件数がウェブサイト、動画、アプリなどのカテゴリごとに表示
③カテゴリをクリックしてプレースメント候補を確認
例として今回はウェブサイトを選択します。
④検索したものと関連したウェブサイトのプレースメント候補が表示
この中から配信先を選びます。
この時、プレースメント候補のサイトまたは動画、アプリを実際に表示させて商品やサービスに関連するページやチャンネル、または、狙っているターゲット層が集まりそうな広告枠に広告表示できそうか、確認することをおすすめします。
他にも、次のようなデータをご確認可能ですので、配信の予測を立てる際の参考にしましょう。
⑤各プレースメントの1週間あたりの表示回数
⑥複数のプレースメントにチェックを入れた場合は、指定したプレースメントに一致する⑦1週間あたりのリーチ数(ユーザー数)も確認できる
参考:ディスプレイ ネットワークの推定表示回数について - Google 広告 ヘルプ
配信先を選定したら、指定したいプレースメントにチェックを入れて⑧「完了」をクリックで設定完了です。
ターゲット設定にディスプレイ キャンペーン プランナーの機能を組み込むことで、プレースメントの編集画面で検索から選定、保存まで完結することができ、より便利な仕様となっています。プレースメントの編集画面の検索機能を使って配信先を探してみると、思わぬ新しい配信先が見つかるかもしれません。ぜひ使ってみてくださいね。
プレースメントターゲットの効果的な使い方
プレースメントターゲットは配信先の指定に加え、様々なターゲティングとの組み合わせを行うことで本来のポテンシャルを発揮します。
例えば、「教えて!goo」を筆頭とする「QAサイト」や「はてな」など、カテゴリーが複数分かれているような大規模サイトへプレースメントターゲットを配信すると、配信対象となるウェブサイトが広すぎて関連性が低くなってしまうことが考えられますよね。
そこでお勧めなのがプレースメントターゲットとキーワードの組み合わせです。プレースメントターゲットに加えてキーワードの組み合わせを行うことにより掲載対象ユーザーを絞り込むことが可能になります。
「プレースメントターゲット」の配信
※例:プレースメントターゲットで「教えて!goo」全域に配信
指定したプレースメント全体を捉えるイメージとなります。そのため、仮にダイエット関連の商材を扱っている場合に、ダイエットに関するコンテンツを見ている特定のユーザーだけに広告を届けるのは難しくなります。
「プレースメントターゲット+キーワードターゲティング」の組み合わせによる配信
※例:「教えて!goo」の中で、更に「ダイエットの要素」を含んだページへ配信
プレースメントターゲットにキーワードを組み合わせることで、より配信対象となる要素を絞り込んだ配信が可能になります。これにより、余分な配信を抑える効果が期待できるので、より的を絞った配信が可能になります。
また、キーワードターゲティングの以外にも組み合わせられるターゲティングがあります。
「プレースメントターゲット+ユーザー属性(デモグラフィックターゲティング)」の組み合わせによる配信
※例:「教えて!goo」のページを見ている特定のユーザーだけに配信
これはプレースメントターゲットに性別や年令、子供の有無などのユーザー属性(女性、年齢は25~34歳、子供有など)を組み合わせた配信方法で、商品のターゲット層が明確な場合に有効な手法です。
また、少々変則的ではありますが「プレースメントターゲット+キーワードターゲティング+ユーザー属性」といった形で絞り込むことも可能です。
このようにプレースメントターゲットは様々なターゲティングとの組み合わせによって、更に掲載対象を絞り込んだ配信も可能になり、より効果的に利用することができます。
プレースメントターゲットの注意点
自動プレースメントからプレースメントターゲットへ配信を移行した場合、これまでの入札単価よりも高めの入札を行わないと配信されない場合があります。これはその枠を買い付けるという為に起こる現象で、競合が多く、入札を競り合うほどに高騰する傾向がため、ある程度の余裕を持って入札を行うことが重要になってきます。設定後、インプレッションが出ないなどの状況が続けばまずはインプレッションを確保できるまで入札を上げるなどの対応が必要になってきます。
まとめ
プレースメントターゲットはコンバージョンを継続的に獲得できる配信先を早々に見つけ、競合他社にその優れた広告配信先を渡さないつもりで張り付くことが成功への鍵です。そのためにも、「何を売るのか?」よりも、「誰に売るのか?」を意識しながら、仮説を立てて配信先を選定していくことが重要です。