6月が終わったということで、早くも2023年の半分が過ぎました。
「大人になるとあっという間に時間が過ぎるのはなぜ?」と思ったことのある方も少ないと思いますが、以前この疑問に答えている番組をみたところ、その理由になるほどなぁと思わされました。
それは「人生にトキメキがなくなったから」というものです。
時間を短く感じる理由は諸説ありますが、子どものころは、日常の些細なことにもワクワクしたり何かを発見したりしていたのに、いつしか毎日同じことの繰り返しで失われてしまった時間があるのかもしれません。
幸いにも広告運用の世界は絶えずアップデートや新しい展開があって、トキメキを失わずに感じられているのかもしれませんね!
さて、今月も6月を振り返っていきましょう。
Google広告の注目アップデート
ワクワクの代表格のGoogleですが、毎年一度、Google Merchant Centerの商品データの仕様変更が発表されています。また、注目の集まるP-MAXも着々とアップデートがなされています。
2023年のGoogle Merchant Center 商品データ仕様の変更点が発表
今年の発表でも、より商品データベースとしてのMerchant Center上の情報がより充実するような項目の追加や利用状況に合わせた仕様変更が発表されています。
すでに適用されているものもありますので、チェックしておきましょう。
参考:2023 年 Merchant Center 商品データ仕様の更新のお知らせ - Google Merchant Center ヘルプ
すでに適用された変更点
- ローカル在庫広告および無料ローカルリスティングにて、在庫の設定が大幅緩和。在庫数 [quantity] 属性が任意になって在庫状況 [availability] 属性が必須に
- ランディングページでの複数の価格表記に関するガイダンスを更新
- 省エネ性能などを示す認証 [certification] 属性が新たに追加
- 送料設定が必須の国が追加
2023年7月18日以降に適用される変更点
- クロールにもとづき商品アイテムの有効期限を自動で更新
2023年9月1日以降に適用される変更点
- 在庫があるのに在庫なし [out_of_stock] としている場合は不承認に
新型コロナウイルス感染症による関連コンテンツに関する制限が解除
ショッピング広告や無料リスティングでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関わるさまざまな制限が課されていましたが、いよいよこれらが解除となっています。
参考:Google の COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関するポリシーとデリケートな事象に関するポリシーの更新 - Google Merchant Center ヘルプ
参考:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する Merchant Center のポリシー変更について - Google Merchant Center ヘルプ
ただし、ユーザーにとって有害なコンテンツとみなされるものはポリシーによって禁じられているため、これによって大きく掲載状況が変化するということはなさそうです。
購買行動にはさまざまな変化がありましたが、アフター・コロナに向けて、どのような変化がありそうか、振り返っておくのもよさそうです。
アプリキャンペーン改善:リーチの拡大、新しい分析情報の提供
Google広告の中で真っ先に自動化が適用されていたアプリキャンペーンですが、配信先の変化にあわせて広告フォーマットが改善や新しいアセットの効果測定が可能になったりとより使い勝手が良くなるよう変更がなされています。
- 検索で広告フォーマット改善
- YouTube ショート向けの縦向き動画アセットの活用
- 最適化スコアとオークション分析
- プロモーションアセットの追加
- 季節性の調整
参考:アプリ キャンペーンの継続的な改善 - Google 広告 ヘルプ
参考:小売店向けの新しいアプリ ソリューションでビジネスの成長を後押しする - Google 広告 ヘルプ
活用できていない機能がないか、いま一度仕様をチェックしてみましょう。
P-MAXで店舗販売状況レポートと店舗販売重視入札の提供が開始
オンラインと実店舗を行き来する購買行動、いわゆるオムニチャネルへの対応が引き続き重要性を増しています。
そのような環境に対応するように、P-MAXにおいて店舗での販売状況のレポートと店舗販売を重視するよう入札価格を調整できる機能の提供が開始されています。
参考:P-MAX キャンペーンで店舗販売状況レポートと店舗販売重視入札の提供が開始される - Google 広告 ヘルプ
検索広告と P-MAX に 2 つの新しいブランド コントロールを展開
P-MAXが注目される一方で、検索広告との兼ね合いによりブランドキーワード(いわゆる指名キーワード)のコントロール性には課題がありました。今回のアップデートにより、ブランドをコントロールするための2つの機能が発表されています。
・部分一致のブランド制限
部分一致キャンペーンで、ブランドに関する検索語句のみをターゲットにできる機能(来週より展開)
・P-MAXのブランド除外
アカウントレベルの除外リストでブランド除外が可能に(すべての広告主へ展開済み)
ブランドコントロールが課題でP-MAXを前向きに検討できていなかったという場合は、ぜひ確認してみてください。
Yahoo!広告の注目アップデート
Yahoo!広告では引き続き機能性の向上のため、さまざまな取捨選択が行われていますね。
MCCアカウント 複数階層構造での設定に対応
Google広告と同様に、Yahoo!広告でも複数アカウントを一元的に管理する仕組みの「MCC」が提供されていましたが、MCC配下には広告アカウントのみが紐づけ可能でやや柔軟性に欠ける仕組みでした。
今回のアップデートによりMCCの配下にさらにMCCを連携可能となり、管理の柔軟性向上がなされる予定です。変更は今年の秋とのことです。
参考:Yahoo!広告 MCCアカウント 複数階層構造での設定に対応 │ Yahoo!広告 API │ Developer Center - Yahoo!広告
YDA、レスポンシブディスプレイ広告のタイトル別・説明文別レポートの提供を開始
レスポンシブディスプレイ広告は、広告主が提供するアセット(画像、動画、ロゴ、タイトル、説明文など)を元に、Yahoo! JAPANが自動的に最適な組み合わせを生成する広告フォーマットです。
これまでレスポンシブディスプレイ広告の実績のレポート出力はメディア(画像)単位でのみ可能でしたが、今回の変更により、メディアに加えてタイトルや説明文単位のパフォーマンスも確認可能となりました。
組み合わせによるパフォーマンスの分析などが困難だった場合にはぜひ試していただきたい変更です。
Yahoo!タグマネージャー、2024年6月にサービス提供終了へ
Yahoo!が提供するタグマネジメントツール「Yahoo!タグマネージャー」のサービス終了が発表されました。
参考:Yahoo!タグマネージャーのサービス終了について - Yahoo!広告
サービス終了は2024年6月30日の予定です。
米国Signal社の提供するタグマネジメントツール「Signal Tag」をベースに開発されたYahoo!タグマネージャーですが、代替機能の提供はないとのことです。現在Yahoo!タグマネージャーを利用されている方にとっては、タグの移行を1年以内に行う必要があり、影響が大きいですよね。
LINE広告の注目アップデート
LINE広告ではYahoo!ディスプレイ広告経由の配信の拡大もありながら、独自の広告フォーマットの導入やさらなる配信面の拡大がありました。
Talk Head Viewに動画自動再生の新広告フォーマット「Auto play video」を提供開始
LINEのトークリストの最上部に限定して広告が出稿できる配信メニュー「Talk Head View」と「Talk Head View Custom」に、新たに動画自動再生の広告フォーマット「Auto play video」が追加されました。
従来の広告フォーマット(「動画+静止画」や「静止画のみ」)よりも約1.5倍大きなサイズ(ミドル)で表示されるため、トークリスト上でより存在感が出ていますね。
「オープンチャット」へ広告配信先を拡大
知り合いや家族同士のコミュニケーションアプリであるLINEですが、不特定多数とのコミュニティ機能として「オープンチャット」が提供されています。
今回このオープンチャットも広告配信先として追加されています。
まとめ
広告にのみ関わることだけではなく、ヤフーの検索エンジンの技術契約をGoogleから変更するという報道も出ており、今後の検索まわりの環境も大きく変化する可能性がありそうです。
参考:ヤフーの検索エンジン技術契約、Googleから変更検討 - 日本経済新聞
また、現状は広告には直接関連していませんが、米Metaがテキストベースの新たなSNS「Threads(スレッズ)」を7月6日から提供を開始しています。
参考:Meta、Twitter対抗の新SNS「Threads(スレッズ)」を7月6日開始 Instagramが基盤 - ITmedia Mobile
検索まわりだけでなく、SNSを取り巻く環境も今後の変化があるかもしれませんね。
引き続きトキメキながらアップデートをチェックしていきましょう。