Yahoo!スポンサードサーチの入稿作業の必須ツールといえばキャンペーンエディター(以下、Yahoo!キャンペーンエディター)ですが、AdWords Editorの内容をそのまま流用できたら便利なのに、と思ったことはありませんか?
実はYahoo!キャンペーンエディターの便利な機能としてAdWords Editorのデータを流用して効率的に入稿することができる機能があります。
今回はこの便利な機能を使ってYahoo!スポンサードサーチの入稿スピードを劇的に短縮する方法を解説します。
AdWords EditorとYahoo!キャンペーンエディターって何?という方はこちらを参考にしてください。
参考:リスティング広告運用者には欠かせない!AdWords Editorの基本的な使い方
参考:スポンサードサーチ入稿ツールキャンペーンエディター
目次
流用できるデータとできないデータ
流用できる主なデータ
- キャンペーン、広告グループ
- キーワード、除外キーワード(※除外キーワードリストは対象外)
- キャンペーン、広告グループ、キーワードのステータス
- 広告文、最終URL、トラッキングURL、カスタムパラメータ
- 入札金額、入札単価調整比(※自動入札は対象外)
- キャンペーン予算
- 開始日(当日以降)、終了日
- 広告ローテーション設定
- 配信方法(一日の中で均等に広告表示させるか集中化配信させるか)
流用できないデータ
- キャンペーンタイプ
- 広告表示オプション
- 地域ターゲティング
- RLSA(検索広告向けリマーケティング)
- DFSA(検索広告向けデモグラフィックターゲット)
入稿データ流用の仕方
まず初めにYahoo!キャンペーンエディターへの流用元となるAdWords Editorの入稿データをCSVデータとしてエクスポートします。
前提として、新キャンペーン入稿時を想定しています。また、流用できるGoogle アドワーズのキャンペーンタイプは「検索ネットワークキャンペーンのみ」もしくは「検索ネットワーク(ディスプレイネットワーク対応)」に限ります。検索ネットワークのモバイルアプリインストールキャンペーンは対象外です。
流用元となるAdWords Editorにログインしたら、①「最新の変更を取得」した上で、画面上部の②[アカウント] > [エクスポート] > [選択したキャンペーンと広告グループをエクスポート]と進んでCSVデータとしてエクスポートします。
今回の例では[選択したキャンペーンと広告グループをエクスポート]を選択してエクスポートしましたが、[アカウント全体をエクスポート]や[現在のビューをエクスポート]などを選択しても同様にエクスポート可能です。
Yahoo!キャンペーンエディターへの入稿方法
①Yahoo!キャンペーンエディターにログインし、画面上部の[インポート]ボタンを押します。
②先ほどエクスポートしたGoogle アドワーズのCSVファイルを選択し、入稿するアカウントを選択したら[プレビュー]ボタンを押します。CSVファイルを開いたままだとインポートできないためあらかじめ閉じておきます。
文字エンコードはAdWords EditorのCSVファイル(スプレッドシート)を選択した場合、自動的に「UTF-16LE」が選択されるためそのままにします。
③プレビュー画面に移動したらそのまま[データのインポート]を行います。見出しは対応するものが自動的に取得されるため特にプルタウンから選択する必要はありません。
④インポート確認画面に移動したら[実行]ボタンを押しインポートを完了させます。
この時「不明」となるデータがありますが、これはYahoo!キャンペーンエディターではインポート対象外のGoogle アドワーズで設定している広告表示オプションのデータや地域ターゲティングのデータなどが含まれるためです。それが原因で、インポート実行後にエラーファイルが出力されますが基本的に無視して問題ありません。
以上で一旦インポート完了になりますが、このままだと一部のデータがエラーとなるので修正を加えます。
入稿したエラーデータの修正方法
まず基本的にエラーとなる部分は「キャンペーンタイプ」「開始日」「広告名」の3つの項目です。
キャンペーンタブ内のエラー箇所:「開始日」と「キャンペーンタイプ」の修正
「開始日」と「キャンペーンタイプ」はインポート後、空白のままなのでそれぞれ修正します。
①開始日はGoogle アドワーズで当日以降のスケジュールで設定していた場合だと、そのまま開始日が引き継がれますが、開始日が作業日以前の場合はエラーとなるため開始日を設定しなおします。
②キャンペーンタイプは「標準キャンペーン」に設定します。
広告タブ内のエラー箇所:「広告名」の修正
インポートされた広告データには“広告名”が入っていないため全て任意で設定する必要があります。
広告の量が多い場合は、一旦上記でインポートした該当部分のデータをエクスポートし直し、エクセルで効率よく広告名を付け直す方が早いケースが多いです。
Yahoo!キャンペーンエディターからデータをエクスポートする方法
①画面上部で[エクスポート]とう項目があるので、ここから該当部分のキャンペーンデータを選択しエクスポートします。
②エクスポートされたCSVファイルを開き“広告”以外のコンポーネントメントの種類のデータを作業しやすいように全て削除します。
③広告のデータのみに絞ったら「広告名」の列から全ての広告に任意の広告名を付け保存します。
また、GoogleアナリティクスでYahoo!スポンサードサーチからの経由の流入を計測したい場合には最終URLにパラメータを振る必要があるため、この場面で作業しておくと効率がよいでしょう。既にキャンペーンか広告グループ単位でトラッキングURLを設定している場合は不要です。
参考:GoogleアナリティクスでYahoo!プロモーション広告を計測するための計測パラメータ完全版
④保存したデータをインポートすれば広告名を付けた広告の入稿が完了です。
AdWords Editorのデータ流用時に注意すること
AdWords EditorのデータをそのままYahoo!スポンサードサーチの入稿に流用できるのはとても便利ですが、いくつか注意するべき点があります。
一部の設定は流用できないため、手動設定を
前述で説明しましたがGoogle アドワーズで設定した「広告表示オプション」と「地域ターゲティング」などの一部の設定は流用できないため、必要な場合はYahoo!側で改めて設定し直す必要があります。
入札金額は媒体ごとの傾向に適したものを設定
入札金額やデバイスごとの入札調整比率は、そのまま引き継ぐこともできますが、それぞれ媒体に合った入札調整をおこないましょう。
広告文の記号は媒体間のレギュレーションの違いに注意
広告文はそのまま引き継がれるため、Yahoo!スポンサーチで使用できない記号をGoogle アドワーズ側で設定している場合には訂正が必要。
参考:[随時更新] リスティング広告の広告文で使える記号一覧
最後に
AdWords Editorのデータを流用したYahoo!キャンペーンエディターへの入稿方法を知っておくと、一部Yahoo!の仕様に合わせて流用データをカスタマイズする必要はありますが、基本的な必要項目はそのまま流用することができるため、作業ミスが減り、入稿スピードも格段にアップすることは間違いないのでお薦めです。