Yahoo!ディスプレイ広告(YDA※旧称:YDN)を運用していて、新たな画像や広告文を追加する際に変更や追加する広告文や画像の数が多く、対応にとても時間がかかってしまうという経験は無いでしょうか。
もし広告管理画面で作業をしているなら、「キャンペーンエディター」を利用することで、作業時間が短縮されるかもしれません。
今回は、そんなキャンペーンエディターでのキャンペーン作成方法と基本的な操作方法をご紹介いたします。
目次
キャンペーンエディターとは
キャンペーンエディター(以降、エディター)とは、Yahoo!広告 ディスプレイ広告の編集や入稿を行える無料の入稿支援ツールです。
キャンペーンや広告グループなどの広告データを編集し、広告管理画面に編集内容を反映することができます。
検索広告向けには別のエディターが用意されています。
入稿作業の効率をアップする、Yahoo!検索広告向けキャンペーンエディターの使い方
キャンペーンエディターでできること
もちろん広告管理画面から入稿作業はできますが、エディターを使うと下記のメリットがあります。
- オフラインでの設定の追加や編集ができる。
- 一括編集で、同時に複数の変更を加える。
- 管理画面上よりもコピー&ペーストが容易にできるようになる。
- CSVファイルでのエクスポートやインポートにより、あらかじめ入稿したい内容を整理した上で一括で登録できる。
エディターを使うための事前準備
エディターをインストールしていない場合は、次のURLからアプリをダウンロードします。
参考:キャンペーンエディター ディスプレイ広告 | Yahoo!広告
ダウンロードしたエディターを起動し、Yahoo!JAPANビジネスIDを入力してログインします。
アカウント情報のダウンロード
エディターにログインしたら、アカウントマネージャーで編集したいアカウントにチェックを入れ、対象のアカウント情報をダウンロードします。
基本的に、エディターで作業する場合は、エディター上のデータが必ず最新の情報となるようにしましょう。管理画面で編集を行った後に、最新のアカウント情報をダウンロードせず、古いデータの状態で編集してエディターからアップロードしてしまうと、意図しない反映がされる可能性があります。
キャンペーン追加の手順
まずは、実際にキャンペーンを新しく追加していきましょう。広告を配信するまでの手順はこちらです。
- キャンペーンを追加して、キャンペーン設定を行う。
- 広告グループを追加して、広告グループ設定を行う。
- 広告グループにターゲティングの設定を行う。
- 広告グループに広告を追加する。
今回は一例としてサイトリターゲティングのキャンペーンをエディターで設定していきます。例として想定するキャンペーンは次の構成です。
想定キャンペーン構成
今回は一例として、以下のキャンペーン構成をエディターで作成していきます。
種別 | 内容 |
---|---|
ターゲティング | サイト訪問30日のユーザーに広告配信をする |
デバイス | スマートフォンのみ |
キャンペーン予算 | 10,000円 |
入札戦略 | 手動入札(CPC) |
入札価格 | 50円 |
広告 | ディスプレイ広告(バナー画像) |
リンク先URL | https://anagrams.jp/blog/ |
キャンペーンの目的 | コンバージョン |
エディターの画面構成
まずは、エディターの全体構造をご紹介します。データをダウンロードした後の画面構成は次のようになっています。
(A)メニューバー
- アップロード:編集内容をアップロードしてアカウントに反映します。
- 最新の状態にする:エディター上の情報を最新のものに更新します。
- インポート:外部で編集したCSV形式のファイルを読み込んで、キャンペーンに編集内容を反映します。
- エクスポート:エディター上のアカウント情報をCSVファイル形式で保存します。
- パフォーマンスデータ:広告のパフォーマンスデータをエディター内に取得・表示させる。
- 最適化提案:アカウントの広告運用状況に合わせて最適化提案を表示させる。
●最適化提案:アカウントの広告運用状況に合わせて最適化提案を表示させる。
(B)キャンペーンセクション
キャンペーン一覧が表示されます。キャンペーン以下の階層を見たい場合には、該当のキャンペーンの「▶」ボタンを押すと、プルダウン式に広告グループを確認することができます。
(C)管理セクション
(B)で選択しているキャンペーンに登録されているコンポーネント(広告グループ、広告、ターゲティングなど)の構成状況を確認することができます。
(D)コンポーネントの一覧表示セクション
(B)(C)で選択しているコンポーネントの一覧が確認できます。
(E)コンポーネントの詳細セクション
(D)で選択したコンポーネントの詳細が表示されます。また、新規追加されたコンポーネントの編集も可能です。
(F)共有ライブラリ
広告グループに紐づけたいリスト(プレイスメントリスト、オーディエンスリスト、サーチキーワードリスト)、または画像ファイルの管理・追加が行えます。
※以降、(A)~(F)は上記のエディターの領域を表します。
実際のキャンペーン追加手順
1.キャンペーンを追加する
(C)管理セクションでキャンペーンを選択します。
すると、(D)コンポーネントの一覧表示セクションの上部に「キャンペーンの作成 」と出てきます。今回はキャンペーンの目的がコンバージョンなので、コンバージョンを選択します。
続いて(E)コンポーネントの詳細セクションにて、キャンペーン名、1日の予算、入札単価、スケジュール設定(開始日・時間)を入れましょう。入札戦略はデフォルトで手動入札が入力されています。
またここでは、最適化に使用するコンバージョンを「アカウント単位のコンバージョン設定を使用する」で設定していますが、「キャンペーン単位で使用するコンバージョン設定を使用する」を選択すと、キャンペーン単位で異なったコンバージョンを計測することができます。
2.広告グループを追加し、広告グループの設定を行う。
さきほど新しく作成したキャンペーン配下に広告グループを作ります。
まず、新しく作成したキャンペーンを(B)キャンペーンセクションで選択します。その後、(C)管理セクションで「広告グループ」を選択します。
するとキャンペーンの追加の時と同様に、「広告グループの作成」が表示されるので選択します。
(E)コンポーネント詳細セクションで設定する必須の項目は、広告グループ名のみです。入札価格に関しては、入力しない場合、自動的にキャンペーンの入札価格で配信されます。
今回はスマートフォンのみの配信なので、デバイス(OS・キャリア)/ウェブ/アプリの一括編集をクリックし、スマートフォンの部分にチェックをつけ設定ボタンを押します。
3.広告グループにターゲティングの設定をする。
今回はサイトリターゲティング機能を使って、サイトを訪問してから30日以内の訪問者に広告配信をするケースを例として説明していきます。(ターゲットリストは事前に作成済みとします。)
新しく作成した広告グループを(B)キャンペーンセクションで選択します。その後、(C)管理セクションで「オーディエンスリスト」を選択します。
すると、(D)のコンポーネントの一覧表示セクションに「オーディエンスリストの設定」が表示されるので選択します。
事前に作成したターゲットリストの中から、適切なものを選択して「設定」として追加をクリックします。
4.広告グループに広告を追加する
ターゲティングが設定できたら広告を登録します。
広告グループを選択後、(C)の管理セクションの「▶広告」を選択すると、バナー画像、バナー動画、レスポンシブ画像、レスポンシブ動画、テキスト、動的ディスプレイ、カルーセルが表示されるので、追加したい広告の種類を選択します。広告で使う画像に関しても、次の手順によってエディターからアップロードすることも可能です。
画像の登録
①左下の「共有ライブラリ」を選択します。
②「画像ファイル管理」→「画像」を選択します。
③「画像の追加」のボタンが出てくるので、クリックして登録したい画像を選択します。
※バナーの画像サイズに関しては、下記のブログをご参照ください。
画像の登録が終わったら、共有ライブラリを閉じて(C)管理セクションから「広告」→「バナー画像」の項目を選択して①「広告(バナー画像)の作成」をクリック。このとき、(B)キャンペーンセクションでキャンペーンを選択している場合は、広告を作成する対象の広告グループを選ぶ必要があります。
②必要事項を入力していきます。(エラーが発生している場合は、エラーの発生している項目名の後ろに「!」マークが表示されます)
今回の例ではバナー画像を追加しますので、次のように入力します。
- 画像:登録した画像で、広告として使いたい物を選択
- 広告名:広告を判別しやすいような名前を入力
- 最終リンク先URL:広告をクリックし、ユーザーが最終的に遷移するページのURLを入力
- 表示URLの形式:広告に表示されるURLの形式を選択
これで、一通りの設定は完了しました。
エラーがない場合には編集した項目の横に青のペンマークが表示されます。エラーの場合には赤い四角で数字が出ます。またこの数字が、エラー箇所の個数を示しています。
次に、(E)コンポーネントの詳細セクションにエラーの件数と理由が記載されているので、修正しましょう。ここではバナーの画像がアップロードされていないことが理由なので、バナー画像をアップロードします。
データのアップロード
編集した内容をいま一度確認したら、いよいよアップロードです。
①メニューバーの[アップロード]をクリック
②アップロード内容が正しければ[アップロード]をクリックして、アカウントへ送信完了
入稿が終わったあとのチェックポイント
アップロードが完了したら、必ず広告管理画面でも意図通りの設定内容となっているか確認することを推奨します。
最低限以下のものは確認するようにしましょう。
- キャンペーン予算は設定されているか。
- 広告グループの入札単価・デバイス設定は、意図したものになっているか。
- ターゲティングの設定は、意図した通りのオーディエンスリストを設定しているか。
- 広告は、意図した画像・リンク先になっているか。
- キャンペーンや広告グループで設定しているURLオプション(トラッキングURL)は正しいか。
以上が、エディターでの入稿方法となります。
終わりに
Yahoo!ディスプレイ広告向けキャンペーンエディターは、新たな画像や広告文を大量に入稿するときに大変役立つツールになります。
エディターによって便利になった分、入稿の時間の短縮にはつながりますが、設定のミスには十分に気を付けましょう。アップロード前にしっかりとチェックを行い、入稿後も広告管理画面でチェックする習慣も身につけましょう。
また作業時間の短縮によって確保できた時間は、広告運用者として大事な仕事であるクライアントの商材・業界理解、広告の投資効果を最大化させるための運用戦略や施策作り、顧客のインサイトに基づくクリエイティブの作成などに時間を充て、クライアントの良きビジネスパートナーになりましょう。