Google 広告(旧 アドワーズ)の世帯収入ターゲティングが日本国内からも設定可能に

Google 広告(旧 アドワーズ)の世帯収入ターゲティングが日本国内からも設定可能に
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Google アドワーズ管理画面のリニューアル版がアクセスできるようになって以来、運用型広告の広告運用者が中身を見れば見るほど、今までなかった新機能が増えたことにしばしば気づくことがあるでしょう。先日ご紹介したプロモーション表示オプションもそのひとつです。

参考:Google アドワーズ、プロモーション表示オプションが日本語に対応

今回は、Google アドワーズ管理画面リニューアル版の新機能である、世帯収入ターゲティングをご紹介していきます。とはいえ、厳密に言うと正真正銘の新機能ではありません。実は米国限定では2014年に登場していたのですが、今回、日本を含め対象となる国の数が増えた機能なのです。


世帯収入ターゲティングとは?

さて、世帯収入ターゲティングの説明ですが、こちらはその名の通り、Google アドワーズの検索、ディスプレイ、動画キャンペーンの中で、(想定の)世帯収入を基にした広告ターゲティングのことです。

これが今、日本、オーストラリア、ニュージーランドからも利用できるようになりました。(2017年11月時点)

参考:ユーザー属性ターゲティングについて - リニューアル版 - AdWords ヘルプ

なお、リニューアルされたもう一つの点は設定方法自体です。

 

日本では以前、肝心なターゲティング設定こそできなかったものの、「世帯収入」の選択肢そのものは実は昔から「見る」ことができました。キャンペーンの地域設定から「地域グループ」>「ユーザー属性」>「世帯収入」でアクセスする流れでしたが、かなり煩雑で存在にすら気づいていない方も結構いたことでしょう。

従来の管理画面では、依然としてアメリカ以外の地域を指定して世帯年収ターゲティングを設定できない仕様となっています。設定しよう取ると上図のようなエラーとなります。

一方、今後は「地域設定」経由ではなく、「ユーザー属性」から直接アクセスできるようになったのは便利になりました。つまり検索広告に導入する際は、検索広告向けデモグラフィックターゲティング(DFSA)の一環として考えるのが良さそうですね。

参考:Google アドワーズ、DFSA(検索広告向けデモグラフィックターゲティング)を全アカウントへ提供開始

世帯年収に基づく「地域」ターゲティングである点に注意

 

“Target locations by demographics to reach groups of people based on their location’s approximate average household income. Based on publicly available data from the US Internal Revenue Service (IRS), advertisers are able to target ads to certain areas according to their average household income.

訳:「米国内国歳入庁(IRS)の公的利用可能なデータに基づいて、平均所得に応じて特定の地域に広告をターゲティングすることができます。

参考:How to target high-income consumers with AdWords | Search Engine Watch

 

ただし、一点注意しておきたい点があります。デモグラフィックターゲティングと言いながらも実際はユーザー個々の属性によるターゲティングではなく、平均所得に応じた特定の地域のターゲティングであることが Search Engine Watch の記事から読み取れます。

“For Search Network and Display Network campaigns: Location targeting based on household income is being automatically migrated from location targeting into demographic targeting. This change shouldn't affect the way your ads show. To make changes or see your reports, go to the Demographics page in your account.“

訳:「世帯年収に基づく地域ターゲティングは自動的に地域ターゲティングからデモグラフィックターゲティングへ移動されました。この変更による広告掲載方法への影響はありません。

参考:About demographic targeting - New - AdWords Help

 

現在、公式のヘルプで上記の記述は確認できませんが、世帯年収ターゲティングの項目が「地域設定」から「ユーザー属性」に移動されたのみであり、広告掲載の仕組み自体は根本的には変わっていないことが英語のGoogle アドワーズヘルプが示唆されており、日本語版提供においても同様な仕様であることが考えられます。

世帯収入ターゲティングの設定方法

では、まずはパフォーマンスデータを世帯収入ベースで確認しましょう。そのために、(新しい)管理画面で「ユーザー属性」の項目を選びます。

すると、「年齢」「性別」「子供の有無」に加え、「世帯収入」という新項目が見えます。

こちらを選択すると、パフォーマンスデータがユーザーの想定世帯収入「上位10%」「11~20%」「21~30%」「31~40%」「41~50%」「下位50%」の6段階で表示できるようになります。年齢、性別などの他のユーザー属性と同様に、特定できなかったユーザーが「不明」というグループに分類されます。そこで、各「世帯収入」のグループをベースにパフォーマンスを確認したり、必要に応じてチューニングしたりすることができます。

 

例えば、下記の画像のように「上位10%」と「下位50%」にコンバージョン率・コンバージョン単価に大きな違いが見えてくる場合、パフォーマンスの良い「上位10%」への入札を強化し、コンバージョンが比較的獲りにくい「下位50%」への入札を抑える、という風に調整するのがよさそうですね。

①各種ターゲットへの配信ステータスを変えること(有効または除外)
②入札単価調整比の設定

最後に

世帯収入のユーザー属性の日本解禁でGoogle アドワーズに人口統計をもとにしたターゲティング方法が一つ増えました。Googleが蓄積しているデータ量もその確度も今後さらに上がることが期待できるため、ターゲットをインパクトがない単位まで絞り込みすぎない限り、属性ベースで得られるデータを施策に導入することが非常に有効だと言えます。

ただ、「世帯収入の上位10%」「女性」「30代」などという属性カテゴリーの概念にとらわれすぎないことも大事です。Googleが扱っているデータの量と質が上がるとともに、信憑性が年々増しているとはいえるものの、「属性」と実際のターゲットを必ずイコールで考えるのも危険な場合はあります。例えば、富裕層の女性向けの商材では、管理画面で見ると「女性」と「世帯収入の上位10%」と思われるユーザーのパフォーマンスがダントツに良い場合もあれば、まったく期待に応えない場合もあります。後者の場合、無理にこのユーザーへの入札強化で粘るより、「属性」以外の要因を考える視点も持つことが大切ですね。

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