【よくわかる】Facebook広告とは?費用やターゲティングの種類、効果や仕組みを解説

【よくわかる】Facebook広告とは?費用やターゲティングの種類、効果や仕組みを解説
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Facebook広告とは

Facebook広告は、高精度なターゲティングと配信最適化機能を持つ、Facebookの広告配信プラットフォームです。

友達や家族とつながり、写真や動画、近況を共有(シェア)できる世界最大のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)であるFacebookを基盤とした、高いターゲティング精度やリーチ数の多さが特徴です。

本記事では、Facebook広告って何ができるの?という方向けにFacebook広告の特徴、配信面、ターゲティング、費用感について分かりやすく解説します。


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Facebookの概要

Facebookは全世界で26億を超えるユーザーが利用しており、ユーザー数はソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、SNS)の中で世界最大規模を誇ります。日本でのFacebookの月間アクティブユーザー数は2,600万人に登っています。また、無料で作成できるFacebookページは、多くの企業でも活用されています。

参考:Facebook - Facebook Reports First Quarter 2020 Results

参考:フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」-- 独占ロングインタビュー - CNET Japan

Facebook広告の4つの配信先

Facebook広告を利用することでFacebookをはじめ、Instagram(インスタグラム)やMessenger(メッセンジャー)、Audience Network(オーディエンスネットワーク)といった、大きく4つの掲載先への広告配信ができます。

配信先 詳細
Facebook 友達や家族とつながり、世界で何が起きているか発見したり、自分に関連することをシェアしたり表現することができるSNSです。
Messenger Facebookで利用できる人々と連絡を取ることのできるメッセージアプリです。
Instagram InstagramはFacebookが提供する写真や動画メインに投稿し共有できるアプリです。
Audience Network Audience Networkとは、Facebook広告のプラットフォームを利用してFacebookが提携しているモバイルアプリや携帯サイト内での広告掲載を可能にする仕組みです。

とくにInstagramは国内月間アクティブアカウント数が3,300万以上とFacebookを超える規模にまで成長しており、これらを横断して最適化できることもFacebook広告の大きな魅力の一つです。

参考:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3,300万を突破【プレス向けセッション開催】:MarkeZine(マーケジン)

また、Audience Network(オーディエンスネットワーク)というFacebook社が提供するアドネットワークを利用することで、FacebookやInstagramのユーザーデータをFacebook社のサービス外でも活用することもできます。配信先はグノシーや東洋経済ONLINEなどのニュースメディアや食べログ・Rettyといった有名グルメサイトをはじめとした非常に大きなネットワークとなっています。

Facebook広告の4つのメリット

多くのユーザーが利用する巨大なサービスという以外にも、Facebook広告には多くのメリットがあります。

実名制による高いターゲティング精度

Facebookが他のSNSや広告媒体と大きく異なる点は、実名制を基本とした正確なデータベースによるターゲティング精度の高さです。性別や年齢などのユーザー自らの登録情報、趣味・関心(いいね、などのアクティビティ)などをもとに詳細なターゲティングまで精度高く指定することが可能です。

人ベースの正確なトラッキング

ログインして利用するサービスですので、従来ウェブサイトのトラッキングに利用されているcookieによるウェブブラウザごとの計測ではなく、FacebookのユーザーIDをもとにしているため、デバイスをまたぐ場合(PCとモバイルなど)でも人をベースにした計測が可能となり、ユーザーの行動をより正確に捉えることができます。

認知から購買まで、あらゆる目的に対応できる

SNSは通勤途中やカフェの順番待ち時間、テレビを見ながらなどスキマ時間に細切れに利用されている傾向があり、一日に何度もサービスが利用されます。そのため、一般的な購買の過程のあらゆるタイミングでユーザーにアプローチすることができます。

魅力的な広告フォーマット

画像引用元:Facebookクリエイティブプラットフォームパートナー

購買の段階ごとや写真や動画などの広告素材、広告配信先に適した広告フォーマットや最適化手法が豊富に用意されているため、広告主の目的に応じた広告配信が行えるソリューションが提供されています。

Facebook広告が掲載される場所

こちらは各サービスにおける広告掲載面の一覧です。

ひとくちにFacebookやInstagramといっても、デバイスによって広告の形式や広告フォーマットが異なり、各サービスにおいても広告の配信先は多岐にわたります。

どの配置に広告を配信すればいいの?

これだけ配信先が多岐に渡ると、一体どこに広告を掲載すればいいのか迷ってしまいますよね。

Facebook広告には広告の配置を自動的に調整してくれる「自動配置」という機能が用意されています。(広告セット単位で設定可能)

FacebookとInstagramを併用するユーザーも多く、すべての配信面を選択することで、リーチを広げることが可能になりますし、媒体を横断して最適化の調整が行われることも期待できます。

ただし、最適化に必要なデータが足りなければ最適化が上手く働かないケースもあるため、まずは広告主の商材がどのプラットフォームを使うユーザーと相性がいいのかを考え、特定の配信先に絞って配信するのもおすすめです。ある程度の配信実績ができたあとであれば、自動配置の恩恵も比較的受けやすいでしょう。

Facebook広告のおもな広告フォーマット

Facebook広告では、広告主の商品やサービスの魅力をより効果的に伝えられるよう、様々な広告フォーマットによる表現が可能です。以下に広告フォーマットごとにどんな特徴があるのかまとめました。

広告フォーマット 特徴
写真 もっともシンプルで、ビジュアルを伝えやすい。素材の手配が比較的かんたん。
動画 動きと音声で注目を集められ、写真では伝わらない商品の特徴などを紹介できる。
カルーセル ひとつの広告で最大10の画像や動画を表示できる。商品ラインナップや複数のサービスをまとめて伝えられる。
スライドショー 動きや音声、テキストを使ってストーリーを伝えられる。動画は用意のハードルが難しいが動きをつけたい場合にもおすすめ。
コレクション ユーザーごとのサイトでの行動や興味関心に合わせて、製品カタログのアイテムを表示できる。
※製品カタログとは、Facebook側に商品情報を送るためのデータフィードです。

ひとつの広告フォーマットに必要以上にこだわらず、商品やサービスにあったさまざまな表現を試してみることが重要です。

なお、Facebook広告のクリエイティブを作成する際に広告運用者を悩ますのが、同じ広告フォーマットでも配置によって画像の大きさだったりテキストの長さだったり、クリエイティブの推奨値が異なることです。それぞれの仕様は以下のサイトで公開されています。

参考:配置にFacebookフィードを、広告の目的にリーチを使用した場合の、Facebook動画広告の仕様 | Facebook広告ガイド

ただ、これをすべて網羅するのはとても骨が折れますよね……。まずはどのサイズの画像やどのくらいの長さのテキストが必要なのか、最大公約数的にまとめた記事をアップしていますので、こちらも確認してみてください。

もう迷わない!Facebook広告の画像サイズとテキスト文字数の推奨要件にみるクリエイティブの基本の「き」

完璧を目指すよりまずは一歩前に進めることが重要なケースは少なくないですよね。(完璧にしたとしても推奨事項はまた変わってしまう可能性は常にあります)

広告画像のテキスト量に注意

Facebook広告では画像内のテキスト量が20%を超えると配信量が減ります。
事前チェックが可能な「画像テキストチェック」があるので心配な方は確認しましょう。

参考:画像テキストチェック

2020年10月追記: こちらのルールは段階的に廃止されてます。

参考:Facebook Is Removing Its Restrictions on Text Content in Facebook Ad Images | Social Media Today

Facebook広告のターゲティング

Facebook広告では、大きく以下の3つのターゲティング手法があります。それぞれの手法ごとにより詳細な条件でターゲティングが可能です。

ターゲティング 詳細
コアオーディエンス

利用者がプロフィール上で公開している情報や、Facebookのプラットフォーム上で 見せる行動などに基づいて抽出。 

例:利用者データ (年齢/性別/学歴/職場など)、場所、興味関心、行動など

カスタムオーディエンス

既存の顧客データやウェブサイトにアクセスしたことのあるユーザーに、プライバシーを守りつつリーチ。

例:既存顧客(顧客リストやピクセルのデータなどから作成)、ウェブサイト訪問者、 動画覧ユーザー、アプリの利用者など

類似オーディエンス カスタムオーディエンスから類似オーディエンスを作成。既存顧客やウェブサイト訪問者 などに特性や行動が似ているユーザーにリーチ。類似1%10%まで作成可能。 

例:既存顧客類似、ウェブサイト訪問者類似、FacebookやInstagramページでアクションを起こした人の類似、 アプリの利用者類似など

なお、詳細なターゲティング方法については、以下の記事を参照いただければと思います。

【すぐわかる】Facebook広告のターゲティングの種類と使い方

ターゲティングで重要なポイントは、「誰にどんな目的で広告を見せるか」を明確にすることです。「広告を出す目的は新規ユーザーの獲得なのか?既存のユーザー向けに新商品の宣伝をするのか?」など問いかけていくと、狙うべき人が見えてくるでしょう。

目的に合わせたキャンペーンの種類と課金方法

配信の目的は下記の12に区分されており、ビジネスの目的にあった配信が可能です。

目的 利用シーン 課金方法
リーチ 新製品の販売や実店舗への宣伝に伴いリーチを増やしたい CPM
ブランド認知度アップ 効率よくブランドの認知をアップさせたい CPM
トラフィック目的 リンク先URL (LP)への質の良いユーザーを誘導したい CPM/CPC
動画の再生数アップ 動画コンテンツの視聴回数を最小限のコストで増加させたい
ストーリーを伝える、ブランド認知度を高める、また製品デモを見せたい
CPM/ThruPlay
リード獲得 ユーザー情報(名前/電話番号/Eメールアドレスなど)を獲得したい CPM
メッセージ メッセンジャー上でリードや問い合せ、コンバージョン獲得をしたい CPM
コンバージョン 購買や登録などユーザーに起こしてほしいコンバージョンアクションがある場合 CPM/CPC
カタログからの販売 E-コマース/ホテル/不動産など、複数商品を扱っている場合 CPM/CPC
来店数の増加 複数の実店舗の宣伝や、来店促進の場合 CPM
アプリのインストール アプリのインストールを最大化したい アプリインストール/CPM/CPC
アプリのトラフィック インストール済みユーザーへアプリの利用を促したい CPM/CPC
アプリのコンバージョン 購入やゲームのレベル達成など、アプリで特定のアクションの実行を促したい  CPM

Facebook広告は一部を除き、基本的にCPM制での課金方式が採用されています。いくつかのキャンペーン目的では、最適化指標を「リンクのクリック」とした場合のみCPC制が利用可能です。

なお、キャンペーンの目的に対応している広告配置は以下よりご確認いただけます。まずは利用したい目的でどの広告配置があり、どの広告フォーマットが利用可能かを把握しておくのがオススメです。

【入門】Facebook広告の「広告の目的」の種類や特徴、選び方

Facebook広告のオークションの仕組み

Facebook広告では広告が表示される度にオークションが発生します。これはFacebookに出稿している広告がお互いに競争し最も効果があると判断されたものがユーザーへ表示される仕組みです。

  1. 入札単価
    広告主が広告枠に配信するために設定した費用。
  2. 推定アクション率
    ユーザーに表示した際に目標アクション(購入やいいね!など)を起こす確率。
  3. 広告の品質
    広告とリンク先の関連性やユーザーのいいね!など様々なソースを元に広告を見た利用者が否定的な感情を抱かないかを判断される品質指標。
指標名 概要
品質ランキング 同じオーディエンスに対して競合している広告と比較した、広告の品質の評価
エンゲージメント率ランキング 同じオーディエンスに対して競合している広告と比較した、予想エンゲージメント率
コンバージョン率ランキング 最適化目標が同じで同じオーディエンスに対して競合している広告と比較した、予想コンバージョン率

なお、広告の品質については、広告関連度診断で3つの要素に分解して、改善ポイントの参考とすることができます。広告のパフォーマンスが不調であったり、実績に変動が見られる場合にはこちらをチェックしておきたいですね。

Facebook広告の関連度スコアを3つに細分化し、より実用的な指標に変更へ

Facebook広告の予算

機械学習による広告配信が特徴であるFacebook広告でコンバージョンを獲得する場合、一定以上のコンバージョン数を継続的に獲得することが重要です。

そうなると、気になるのが月々の予算です。

1ヶ月あたりどのくらいの予算が必要なのか簡単に算出する式として「目標または上限のコンバージョン単価」×「50」×「4」をお勧めします。50は「最低50件のコンバージョン」を、4は「1ヶ月=4週間」をそれぞれ示します。

あくまでFacebookが推奨するコンバージョン数と目標とするコンバージョン単価から単純に計算した結果ですが、おおまかな金額は把握できるでしょう。この見積もりに対して十分な予算を確保できない場合は、広告セットに設定するコンバージョンを予算内で必要な数が確保できるもの(ECサイトであればカート追加など)にしてみましょう。

その場合の目標コンバージョン単価は、広告セットに設定するコンバージョンからゴール(購入など)への転換率から算出しましょう。たとえばカート追加からの購入率が10%程度だと分かっていれば、上図のようにカート追加にコンバージョンを設定しても購入1件あたりの広告費は5,000円程度になることが期待できます。 広告訴求や入札などに応じて広告セットを分割したとしても、そもそも必要なコンバージョン数が予算の都合で確保できていなければ破綻してしまいます。簡単なシミュレーションで解決できる問題なので、是非取り入れてみてください。

以下より抜粋

Facebook広告でコンバージョンを獲得するためのアカウント設計ガイド

まとめ

まずはFacebook広告でなにができるのか、その全体像が理解できましたね。

Facebook広告は高機能な広告配信プラットフォームゆえ、慣れていないと設定一つとってもかなり複雑に感じてしまいますよね。そのため、すべてを理解するには多くの経験がものをいうのも事実です。いざアカウントを設計しようとする場合には、以下の記事が助けになってくれると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

Facebook広告でコンバージョンを獲得するためのアカウント設計ガイド

まずは広告主の目的を明確にし、それにあったキャンペーンの目的や最適化指標を検討するところからはじめて見るのがオススメです。

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