【よくわかる】リスティング広告で商標の利用を第三者から守る方法

【よくわかる】リスティング広告で商標の利用を第三者から守る方法

※2019年6月17日:最新の情報をもとに更新

リスティング広告を運用していると、自社のブランドネーム(社名・商品名・サービス名など)を広告文に用いた他社広告を目にする機会があるかもしれません。

これらの他社広告が広告枠にひしめきあった光景は、検索ユーザーにとっても、ブランドネームの所有者である自社にとっても、健全な状態とは言い難いものがあります。本記事では、そんなときに取るべき具体的な対策――商標用語の使用を制限するための申請方法や留意点などをまとめてみました。

ブランドネームでのリスティング広告出稿については、状況・方針によっていろいろスタンスが分かれるところかと思いますので、こちらの記事(永遠の課題に終止符!?検索連動型広告において「ブランドネームやサービス名」、または「オーガニック検索で1位のキーワード」には入札するべきなのか?)も合わせてご覧いただけますと幸いです。

1. 商標用語の使用を制限するための申請ができるケース、できないケース

他社のブランドネーム出稿に対し、もっともポピュラーな対策が、媒体社(Yahoo!社・Google社)への商標用語の使用を制限するよう申請することです。100%ではありませんが、他社広告のブランドネーム使用をある程度制限できる仕組みが用意されています。

ただ申請ができるのは、自社が商標権(文字商標)を有するキーワードが、他社の広告文の中で使用されていた場合です。

意外と誤解の多い部分かもしれませんが、あくまで広告文の中で使用されている場合に申し立てができるだけで、自社キーワードで検索した際に他社が広告出稿しているケースは対象外となります。この場合は、対媒体社間ではなく、広告主(もしくは代理店)と他社間での直接やり取りによる、アナログなブロック依頼となります。

ちなみに、所有している商標権が文字商標ではなく図形商標のみの場合や、商標権を未所有な状態であっても申し立て自体はできますが、経験上、承認の可能性がぐっと低くなる印象ですので、文字商標の有無は事前に確認しておきましょう。

商標権所持の有無や、申請に必要な商標番号・商標種類の確認は、「特許情報プラットフォーム」の商標検索ページが便利です。

商標(検索用)の検索キーワード欄(①)に、調べたいブランドネームを入力し検索ボタンをクリック。

商標登録があれば、検索結果に商標(②)が表示されるので、テキストリンクをクリック。

クリック後、商標の情報が表示されます。商標の登録番号や商標種類(文字商標、図形商標など)は後ほど申請時に使うので、控えておきましょう。

2. Google 広告で商標用語の使用を制限するための申請方法

Google 広告の場合、広告主もしくは代理人のいずれかであれば、商標権侵害の申し立てフォームからネット申請が可能です。

基本は入力フォームに沿って必要情報を埋めていけばOKですが、1点だけ重要なポイントがあります。

それは、「商標使用の許諾」です。ここで自社のGoogle 広告のアカウントIDを入れておかないと、自社の広告文内で自社ブランドネームが使えないなんてことにも。入力必須項目ではなく漏れがちな部分ですので、必ず入力しておきましょう。

他にも、リスティング広告でのブランドネーム使用を許諾したいパートナーサイトがある場合は、パートナーのGoogle 広告アカウントIDをいただいて、一緒に許諾設定を行うことをお勧めします。

以上、漏れなく記載が終わったのち、フォーム最下部の送信ボタンをクリックし、滞りなく審査が終われば、申請した商標名を広告文内で使用しており、かつ商標使用を許諾されなかったアカウントの広告が掲載停止となります。体感ではだいたい送信後1週間程度でGoogle社から、フォームに記載したメールアドレスへ審査完了の連絡が来るという印象です。

3. Yahoo! スポンサードサーチで商標用語の使用を制限するための申請方法

Yahoo! スポンサードサーチの場合も、広告主もしくは代理人のいずれかであれば、商標権者による商標の使用制限の申請ページからネット申請が可能です。

※2019年5月15日(水)より、スポンサードサーチにて、広告文での商標の使用を制限する取り組みの正式提供が開始されました。

参考:スポンサードサーチ、広告文への商標の使用制限を提供開始

Yahoo!への申請に必要な資料

1. 申請者の名刺

代理人による申請の場合は、代理人の名刺を用意してください。

※スキャンデータまたは写真も可能。
※ファイル形式はjpg、pdf、bmp、pngのみ添付可能。
※文字がすべて読み取れるようにする。

2. 商標登録証、もしくは商標原簿

特許庁が発行した商標登録証、もしくは商標原簿の写しを用意してください。

※スキャンデータまたは写真も可能。
※ファイル形式はjpg、pdf、bmp、pngのみ添付可能。
※画像が見切れないようにする。

3. 使用制限または、許諾する広告主の情報

・広告主名 ※広告遷移先のサイトの企業情報や運用者情報などをご確認ください。
・広告の表示URLのドメイン部分

その他詳細は、公式ヘルプの内容を参考に、申請を進めていただければと思います。

参考:「商標権者による商標の使用制限の申請について」の内容

商標使用の許諾

スポンサードサーチの場合、「使用制限の対象とする広告主」で「商標使用の許諾」を設定します。自社の広告文内で自社ブランドネームが使えないという事態を引き起こさないためにも、自社またはリスティング広告でブランドネーム使用を許諾したいパートナーサイトの広告主情報を例に漏れず入力しましょう。

以上を留意しながら申請フォームにて必要事項を入力の上、申請して下さい。無事に受理されたら商標の使用を制限できます。

4. 商標用語の使用を制限するためのアナログな方法

Yahoo!、Googleなど媒体社を通さず、直接他社とコンタクトを取って交渉する方法です。

エネルギーはかかりますが、誠実に対応することで、応じていただける場合も多いように思います。

ただ、新規出稿広告の監視やそのたびに連絡を取る労力など、継続的なリソースが必要となるため、永遠に終わらないもぐら叩き化するリスクをはらんでいます。監視頻度を週1から月1に下げるなど、適当なところでめどをつけ、あまりここにばかり力をかけず、新規施策やプロジェクトに力を注いでいくほうが建設的かと思います。

なお、広告文内での使用だけでなく、自社キーワードでの出稿停止をお願いする際は、キーワードの停止と合わせて、フレーズ一致で除外キーワード登録していただくのもお勧めです(部分一致での表示を防ぐため)。連絡の際は、除外対象のブランドネーム一覧も送ると、対応確度・スピードともに高まると思われます。

5. まとめ

ここまで、自社のブランドネーム出稿を制限する手段をご紹介してきました。

ブランドネームは自社の大事な財産ですし、ブランドネームを検索してサイトに訪れるユーザーは、当然、非常に成約までのモチベーションも高い優良顧客です。この優良顧客を自社サイトへ導いてくる確率を上げるのも、広告の重要なミッションのひとつだとは思います。

ただ、少し視野を広げると、比較サイトやランキングサイトなど、他社が自社とは異なるアプローチで広告展開をしており、気付かないうちにビジネスの販路を広げてくれている場合もあります。

自社ではできないアプローチだったからこそコンバージョンしたユーザーがいるのであれば、そのサイトは抑制せず、ウェブマーケティングの営業部長として、引き続き共存していく道も十分選択肢に入ってくるかと思います。

いずれにせよ、画一的な全方位殲滅を行う前に、本当にその広告文やキーワードでの他社出稿を止めることが自社のプラスになるかを、実際のデータを元に、場合によってはGoogleアナリティクスなどの解析ツールで参照サイト別のコンバージョンデータなども調査・検証した上で、慎重に判断することをお勧めします。

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Shigero Morino

Shigero Morino

アナグラム株式会社 マネージャー。編集者、商社マン、ECサイトマネージャーを経て、運用型広告の世界へ。某広告代理店にて、月額数万円~数千万円まで、さまざまな業種・業態の運用型広告を100案件以上改善に導く。2014年7月から現職。ボトルネックの見極めと成果にコミットする運用が信条。アナグラム株式会社2015年上期MVP受賞。

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