【よくわかる】除外キーワードとは?効果的な選び方や設定方法

【よくわかる】除外キーワードとは?効果的な選び方や設定方法
除外キーワードを使えば、検索広告で特定の検索語句に広告を表示させずに、広告主のビジネスに重要なキーワードのみに広告を表示することができます。

検索広告において、キーワードのマッチタイプを正しく理解することは広告の成果を大きく左右する要素のひとつですが、なかでも「部分一致」の理解は重要です。音声検索の浸透、次々生まれる造語、ユーザー志向が多様化する状況で、関連語まで幅広くカバーしてくれる部分一致の役割は年々大きくなっています。

しかしながらときには、部分一致によりビジネスの成果に結びつきにくい検索語句に対しても広告が表示されてしまうこともあります。そのようなビジネスの成果に結びつきにくい検索語句で意図せず広告が表示される事を防ぐために重要なことのひとつが「除外キーワード」を設定することです。

本記事では検索広告のパフォーマンスを引き上げるために必要不可欠な除外キーワードの使い方を分かりやすくご紹介します。


除外キーワードの必要性

検索広告に除外キーワードが必要な理由。

それは、意図しない検索語句での広告表示とクリックを防ぎ、ビジネスの成果に繋がりにくい検索語句への投資を抑えるためです。成果に繋がりにくい検索語句を取り除くことで、より投資対効果の良い検索語句へ注力できるようになるでしょう。たとえば以下のような例があります。

[例]バレンタインの本命用チョコレートを販売している通販サイト

「バレンタイン」の部分一致キーワードに入札
  • 表示したい検索語句…「バレンタイン 本命」「チョコ 彼氏」
  • 表示したくない検索語句…「バレンタイン 義理」「徳用チョコ」

→「義理」「徳用」を除外キーワードとして登録

ビジネスの成果に結び付きにくいもの、投下した広告費に対し、コンバージョンや売上が大幅に見合っていないものを除外していくのが基本です。ビジネスのターゲットではないユーザーには最初から広告を出さない方が、費用対効果も高まりやすくユーザーにとってもいいですよね。

検索語句を確認する

ここからは具体的な除外キーワードの仕様や効果的な選び方を解説していきます。

広告が表示された検索語句の確認方法

まずどのような検索語句で広告が表示されたか確認していきましょう。入稿したキーワード=実際にユーザーが検索した語句ではないため、どのキーワードを除外するかは、ユーザーが検索した語句を可視化する「検索語句(クエリ―)レポート」を参照します。「キーワードレポート」ではありませんのでご注意ください。


Google 広告の場合、[キーワード]>[検索語句]タブ>[検索語句]の順にクリックします。


Yahoo!広告では、[キーワード]>[検索クエリーを表示]>[すべてのキーワード]の順にクリックします。

一覧を表示したあとは、管理画面上で並び替えをするもよし、検索語句の数が多ければレポートをダウンロードするのがおすすめです。

除外キーワードの選び方

検索語句の一覧を手に入れたら、いよいよ除外するべきキーワードを選んでいきましょう。

状況によって色々見方はありますが、まずは以下2つの視点を押さえておくのをおすすめします。

  • 無駄な費用が発生していないか
  • 広告主の意に反していないか

たとえば、高級スイーツのECサイトで検索広告を出稿していたとします。


広告が表示された検索語句を、費用(合計コスト)順に並び変えてみましょう。すると「スイーツ 通販」という部分一致キーワードが「スイーツ 激安」「お菓子 わけあり」といった検索語句まで拡張して広告表示されていることがわかりました。「スイーツ 激安」「お菓子 わけあり」の2つの検索語句は、多くの費用が発生しているもののコンバージョンは1件も上がっていません。

「高級スイーツ」の通販ではあるものの、「スイーツ 激安」という検索語句で購入してくれる可能性も0ではありません。しかし、実際にコンバージョン0件で損益分岐ラインを超える費用が発生している上、ビジネスとの関わりも薄そう、という材料が揃っていれば、「スイーツ 激安」という検索語句は除外キーワードの設定対象としてしまって良さそうです。

同様に「お菓子 わけあり」という検索語句も「わけあり」という語句は、クオリティや見た目よりも価格を重視する意図を含むと容易に想像できますので、除外キーワードの対象としてしまって良いでしょう。

[例]CPA目標¥3,000の高級スイーツ店の場合

ただ、サービスや商材によっては検索語句の種類や数は膨大なため、すべての検索語句をチェックするのは現実的ではありません。内容の精査を行うに当たっては、色々な見方があると思いますが、概ね次の視点や順番で見ていくと良いでしょう。

  1. 費用(合計コスト)を降順にソートして、コンバージョンが無いか、コンバージョンが少ない上に費用がかかりすぎてしまっている検索語句を確認する
  2. クリック数降順にソートして、表計算ソフトのフィルタ機能でコンバージョンが0、クリック数が1以上ある検索語句に絞り込んで広告主の意にそぐわない検索語句が無いか確認する
  3. インプレッション数降順にソートして、表計算ソフトのフィルタ機能でクリック数が0の検索語句に絞り込んで確認する

優先順位が高い順にご紹介しておりますので、作業にとれる時間や作業ボリュームを鑑みながらどの順位まで作業を行うか検討をおすすめします。

一口に除外キーワードといっても、機械的に除外するだけではイケてる運用とは言えません。単なる機会損失とならないよう、コンバージョンや売上へのインパクト、予算、目標、実績、商材との関連性、損益分岐となる撤退ラインを加味して、的確な判断を下すことが重要です。

一方、会社の方針によって判断が分かれる競合名・競合商品名・ネガティブワードなどは、あらかじめ出稿の是非を議論しておきましょう。ビジネスインパクトや競合との関係性、ブランドへの考え方も判断の一助としていただければと思います。

【重要】除外キーワードのマッチタイプについて

除外キーワードのマッチタイプは、本当に、ものすごく誤認されることが多い仕様です。今日、声を大にしてお伝えしたいのは、入稿のマッチタイプと、除外のマッチタイプは、仕様が異なるということです。

除外と入稿では、2020年2月現在で以下の2点が異なります。

  • 除外の場合、類似拡張がされない
  • 除外の場合、絞り込み部分一致がない

検索キャンペーンでは、部分一致、完全一致、フレーズ一致の除外キーワードを使用できますが、除外キーワードのマッチタイプの機能は、通常のキーワードのマッチタイプとは異なります。主な違いは、類義語、単語の単数形や複数形、表記のゆれや誤字などの関連パターンも除外の対象に追加する必要があることです。

参考:Google 広告ヘルプより抜粋

[例]「スイーツ 激安」を除外した場合の広告表示

上表のように、除外キーワードの場合、入稿キーワードでは拾ってくれる打ち間違いやひらがなカタカナ変換はもちろん、部分一致であろうと、関連語・類語への拡張もされません。

よく、「部分一致で除外してしまうと出稿したい関連ワードでも広告が出なくなるから、フレーズ一致や完全一致で除外している!」という方を見かけますが、これは誤りです。部分一致=めっちゃ拡張する!というイメージがあるので気持ちは分かるのですが、これを機に正しい理解が世に広まるととてもうれしいです。

上記の仕様により、徹底的に除外するには、複数のパターンを追加する必要があります。「スイーツ」の場合、「すいーつ」「スウィーツ」「スゥイーツ」…など、様々なパターンをカバーするイメージ。だいたいは検索数の多い2~3パターンで事足ります。

除外キーワードの設定方法

Google 広告、Yahoo!広告ともに「キャンペーン」および「広告グループ」単位で除外キーワードを設定できます。キャンペーン単位で設定した除外キーワードは配下の広告グループすべてに適用されます。

特定の広告グループだけに除外キーワードを適用したい場合などは広告グループ単位で設定を行います。ただし、あまりにも細かく除外する単位をわけてしまうと管理も難しくなります。共通で除外する場合にはキャンペーン単位を使い、対応が難しい場合は広告グループ、といった具合に必要に応じて管理する単位を使い分けしましょう。

除外キーワードリストを使用し効率的に管理しよう

キャンペーン単位の除外キーワードの管理に便利なのがリストを利用する方法です。Google 広告とYahoo!広告それぞれ、以下の箇所から除外キーワードリスト(対象外キーワードリスト)を作り、任意のキャンペーンへまるっと適用することができます。


キャンペーンごとに適用しているリストを可視化でき、除外キーワードの追加も簡単に行うことができます。著者も基本はリストを愛用していますが、新キャンペーンを作った際に適用を忘れてしまうと当然除外はされませんので、そこだけご注意ください。

除外キーワードの注意点

では成果につながってなければどんどん除外していけばいいかといえば必ずしもそうではありません。ここでは除外キーワードを設定するときの注意点をご紹介します。

インフォメーショナルクエリは除外するべき?

検索語句レポートを精査していると、検索語句の中に頻出する「wiki」「画像」といったインフォメーショナルクエリ(情報探索のための語句)の類いが含まれた検索語句は、一般的に成果に繋がりにくいケースが多いので、除外キーワード設定の対象としてしまっても良い可能性が高いです。

ただし、「2ch」「ブラック」「返品」といったネガティブととらわれがちな検索語句については、「2ch」であれば2chで話題という意図かもしれませんし、「ブラック」であれば本当にブラックなのかを調べているかもしれませんので、頭ごなしに除外キーワード設定の対象とするのでは無く、実際の掲載データを見ながら良し悪しの判断をすることをおすすめします。

※インフォメーショナルクエリの全てが成果に繋がりにくいというわけではありません。「リスティング広告で成果が出ない」という場合にインフォメーショナルクエリとうまく付き合うことができていない、ことも少なくありません。つまり、リスティング広告の成果を最大化するにはインフォメーショナルクエリと如何に共存するか、が肝とも言えますね。

除外しているはずなのに広告が表示される?

ややマニアックな話ですが、Googleは17語以上、Yahoo!は11語以上の語句で構成された語句で検索されたとき、除外設定が適用されないことがあります。そういう仕様です。ほとんどの案件で全体の1%以下でしか起こらないレアケースですが、豆知識として覚えておくと、除外しているのに表示された!?とパニックにならず冷静に事象を認識できます。

Google 広告

17 語以上から成るフレーズを検索しているユーザーが、17 番目以降の語に除外キーワードと同じ語句を使用した場合も、広告が表示される可能性があります。

参考:除外キーワードについて - Google 広告 ヘルプ

Yahoo!広告

インターネットユーザーが11語以上の語句で検索した際、検索した語句の11語目以降に対象外キーワードが入っている場合は、配信対象外とならず広告が配信されることがあります。

参考:対象外キーワードについて - ヘルプ - Yahoo!広告

Googleディスプレイネットワークにおける除外キーワードの扱いに注意

ここまで、検索広告における除外キーワードについて書いてきましたが、Google 広告の場合、Googleディスプレイネットワーク(GDN)にも除外キーワードを設定できます。

GDNに除外キーワードを設定した場合、除外したキーワードに関連するコンテンツページに広告が表示されなくなる可能性があります。

コンテンツターゲットやプレースメントターゲットなど、広告のコンテンツを狙っていく際は、不要なコンテンツへの広告配信を抑えられる可能性もありますが、リマーケティングなど人に紐付く広告で除外キーワードを設定してしまうと単なる機会損失を生むことになりかねないためご留意を。

まとめ

決められた予算の中で大きな成果を上げるためには、ビジネスに結び付きにくい検索語句への予算配分をできるだけ減らすことが非常に重要となります。

しかし、考えなしにバシバシ除外しまくるのはいただけません。見えない機会損失は、誰もそれに気づきにくいという特性をもつため、ビジネスの成長にとって想定以上の障害になり得るためです。たかが除外、されど除外。仕組みをきっちりと理解した上で、データと向き合い、商材と向き合い、ユーザーと向き合って運用に取り組めば必ず道は開けます。

最後に……大事なことなので二回言いますが、入稿キーワードと除外キーワードのマッチタイプは性質が異なります。除外キーワードの部分一致は、拡張されたりしませんので、ゆめゆめお忘れなきよう、よろしくお願いいたします。

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