検索連動型広告の効果を最大化させる除外キーワード徹底攻略

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検索連動型広告のアカウント運用において、入札したキーワードのマッチタイプは広告の成果を大きく左右する要素の1つである事は言うまでもありません。

その中でも「部分一致」は、入札したキーワードが検索語句(検索時に実際に使われた語句やフレーズのこと、検索クエリとも呼ばれます)に含まれる、または、入札したキーワードに関係がある検索語句まで幅広くマッチさせることができるという便利なキーワードマッチの一つです。

しかしながら、部分一致は意図しない検索語句にまで拡張して広告を表示させてしまうようなことが数多く見受けられるケースがあり、ビジネスの成果に結びつきにくい検索語句に対しても広告が表示されてしまうことがあります。

検索連動型広告では、除外キーワードを設定することで、そのようなビジネスの成果に結びつきにくい検索語句で意図せず広告が表示される事を防ぐことが可能になります。

今回は「検索連動型広告の効果を最大化させる除外キーワード徹底攻略」と題して、除外キーワードの必要性から除外キーワード選定方法まで、つまり、除外キーワードの全てをお伝えいたします。

1.除外キーワードの必要性

検索連動型広告において、除外キーワードの設定がなぜ必要なのでしょうか?

その理由は単純明快で、「意図しない検索語句での広告表示を防ぎ、ビジネスの成果に繋がりにくい検索語句による広告クリックを抑えるため」というものです。広告が成果に繋がりにくい検索語句に対して露出しているのであれば、それを取り除くことでその予算を良い検索語句に投資することが出来るようになるでしょう。

2.広告が表示されたきっかけとなった検索語句を確認する

2-1.検索語句レポートのダウンロード

どのような検索語句で広告が表示されたかを確認するには、Googleアドワーズの場合、[キーワード]タブ>[詳細]>[すべて]の順にクリックします。

Yahoo!プロモーション広告スポンサードサーチ(以下、スポンサードサーチ)では、表示内容を[キーワード]選択>[検索クエリーを表示]>[すべてのキーワード]の順にクリックします。

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このとき、管理画面上で検索語句レポートを確認するのも良いですが、CSV形式などオフラインで確認できるようにダウンロードをしておくと作業がしやすくなります。

また、Excelなどの表計算ソフトを使うことで、検索語句順や費用順、キャンペーンまたは広告グループ順にデータをソートしたり、フィルタリングしたりすることが可能なため、効率よく作業を行うことが可能です。

2-2.検索語句の確認

検索語句レポートをダウンロードしたら、いよいよ内容の精査を行います。

内容の精査を行うに当たっては、ここで色々な見方があると思いますが、概ね、次の視点や順番で見ていくと良いでしょう。

  1. 費用(合計コスト)を降順にソートして、コンバージョンが無いか、コンバージョンが少ない上に費用がかかりすぎてしまっている検索語句を確認する
  2. クリック数降順にソートして、表計算ソフトのフィルタ機能でコンバージョンが0、クリック数が1以上ある検索語句に絞り込んで広告主の意にそぐわない検索語句が無いか確認する
  3. インプレッション数降順にソートして、表計算ソフトのフィルタ機能でクリック数が0の検索語句に絞り込んで確認する

優先順位が高い順にご紹介しておりますので、作業にとれる時間や作業ボリュームを鑑みながらどの順位まで作業を行うか検討すると良いでしょう。

この確認は、週初めの月曜日と週終わりの金曜日などに時間を作って、定期的に作業を行うと効率的です。特にこういったルーチンワークのような部分はタスク化してしまうことで無難にこなせるようになります。

広告掲載開始直後は、除外キーワードの設定もされていないか、設定されていてもあまり多くない状態の場合が多いかと思いますので、初回の作業時は精査すべき検索語句が多くなりがちですが、回数を重ねるにつれて精査すべき検索語句は少なくなっていくケースがほとんどです。

広告掲載開始直後の検索語句の精査や除外キーワードの設定はきっちりと時間をかけて作業をしておくことで、より良いアカウントに育ちます。

また、リスティング広告の管理画面上に検索語句レポートとしてデータが反映されるまで数日程度(原則として2日間ほど)を要しますので、アカウント掲載開始直後は、Googleアナリティクスなどのリアルタイム性のあるツールを用いて確認するとより高速に対処することが可能になります。

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2-3.除外するべき検索語句を見極める

先の手順でダウンロードした検索語句レポートの内容を精査する中で、どういった視点で除外すべき検索語句を見極めるかということになりますが、次の2つの視点を基準に精査するのが基本です。

  • 無駄な費用がどの程度発生しているか
  • 広告主の意に反していないか

無駄な費用がどの程度発生しているか

例えば、高級スイーツのECサイトが検索連動型広告を出稿していたとします。検索語句レポートをダウンロードしたところ、「スイーツ 通販」という部分一致の入札キーワードが「スイーツ 激安」「お菓子 わけあり」といった検索語句で非常に多くのクリック、費用も発生している割にはコンバージョンが0だったということが分かりました。

さて、ビジネスを振り返ってみますと「高級スイーツ」の通販ですから、「スイーツ 激安」という検索語句で高級スイーツを購入してくれる可能性は0であるとは言い切ることはできませんが、仮にクリック数が多く、更にはコンバージョン0で多くの費用が発生しているということであれば、「スイーツ 激安」という検索語句は除外キーワードの設定対象としてしまっても良いといえます。

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同様に「お菓子 わけあり」という検索語句も「わけあり」という語句は、安い、激安など幅広い意図を含むことが容易に想像できますので、前述と同様の考え方で除外キーワードの設定対象としてしまっても良いでしょう。

※仮に上記のようなキーワードでコンバージョンが発生しているのであれば、積極的に露出しても構いません。この辺りの判断は案件によって、状況などによって柔軟に変化させるべきです。

また、検索語句レポートを精査していると、検索語句の中に頻出する「wiki」「画像」といったインフォメーショナルクエリ(情報探索のための語句)の類いが含まれた検索語句は、一般的に成果に繋がりにくいケースが多いので、除外キーワード設定の対象としてしまっても良い可能性が高いです。

ただし、「2ch」「ブラック」「返品」といったネガティブととらわれがちな検索語句については、「2ch」であれば2chで話題という意図かもしれませんし、「ブラック」であれば本当にブラックなのかを調べているかもしれませんので、頭ごなしに除外キーワード設定の対象とするのでは無く、実際の掲載データを見ながら良し悪しの判断をすることをおすすめします。

※インフォメーショナルクエリの全てが成果に繋がりにくいというわけではありません。「リスティング広告で成果が出ない」、と叫ばれるクライアントの大多数がインフォメーショナルクエリとうまく付き合うことができていない、という傾向もあります。つまり、リスティング広告の成果を最大化するにはインフォメーショナルクエリと如何に共存するか、が肝とも言えますね。

広告主の意に反していないか

広告主の意向にもよりますが「競合名」「競合商品名」などの語句やネガティブな語句など、広告主から広告表示をさせたくない語句として指定を受けたもので、実際に広告表示がされていないかどうかという点です。

広告主の意向は最大限尊重しつつ、ビジネスインパクトの観点での良し悪し判断の情報共有などをした上で、最終的にどのような検索語句を除外キーワード設定の対象とするかを決めると良いでしょう。

3.除外キーワードのマッチタイプについて

除外キーワードも入札キーワードと同様に、キーワードマッチタイプ「完全一致」「部分一致」「フレーズ一致」のうちから指定が可能です。尚、絞り込み部分一致は指定できません。

以下の図は前項同様、「スイーツ 通販」という部分一致の入札キーワードに対して、除外キーワードを指定のキーワードマッチで登録した場合の解説です。

完全一致の例

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部分一致の例

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フレーズ一致の例

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ここで注意すべきは[部分一致]で除外キーワードを設定する場合です。

Googleアドワーズヘルプによると、

部分一致除外キーワードを使用した場合、類義語や表記が異なる用語(英語の場合は単数形/複数形など)でユーザーが検索すると広告は表示される可能性があります。

とありますので、除外キーワードを設定するときは[完全一致]と[フレーズ一致]でカバーできるようにすると、[部分一致]で除外キーワード設定した事による意図しない機会損失を防ぐことができます。

尚、上図に関してはあくまで可能性の話でもあるので、確実に除外したいキーワードは[完全一致]や[フレーズ一致]で確実に登録することをお薦めします。「激安」関連の掛け合わせで確実に広告を表示させたくないのであれば、「激安」をフレーズ一致で除外キーワードとして登録するなどがよい対処法となるでしょう。

4.除外キーワードの設定できる単位

原則的に除外キーワードの設定は、「キャンペーン」または「広告グループ」単位で設定することが可能です。

「キャンペーン」に除外キーワードを設定した場合は、キャンペーン内全ての入札キーワードにマッチする検索語句が対象となり、「広告グループ」に除外キーワードを設定した場合は、広告グループ内全ての入札キーワードにマッチする検索語句が対象となりますので、基本的には次のように使い分けをすれば良いです。

キャンペーンで設定するケース

キャンペーン内全ての入札キーワードにマッチする検索語句に共通して除外を行いたい検索語句がある場合に設定します。

広告グループで設定するケース

特定の広告グループ内の入札キーワードにマッチする検索語句のみを除外したい場合に設定します。

例)キャンペーン内に、「マンション」完全一致、部分一致のそれぞれの入札キーワードがあった場合

「マンション」(部分一致)という入札キーワードに対し、検索語句が「マンション」だった場合に広告を表示させたくないために「マンション」(完全一致)という除外キーワードを設定したい場合、キャンペーン単位で除外キーワードを設定してしまうと、「マンション」(完全一致)という入札キーワードに対して「マンション」という検索語句でも広告が表示されなくなってしまいます。

このような場合はキャンペーン単位ではなく広告グループ単位で除外キーワードを設定する必要があります。

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5.「形態素解析」を知って、少ない打ち手で大きな効果を得る

除外キーワードの設定を行うときに、広告を表示したくない検索語句を、その検索語句のままに1つ1つ除外する事も可能ですが、そのように設定を続けて行く方法をとると、イタチごっこのように検索語句レポートを確認から除外設定を行うといった作業が発生してしまい、あまり効率が良いとはいえません。

実は、できるだけ少ない打ち手で、できるだけ多くの検索語句を除外の対象にできる除外キーワードの選定と設定方法があります。

検索語句レポートの不思議な空白

検索語句レポートを普段から見られている皆様におかれましては既にお気づきの方もいらっしゃる方も多いと思いますが、検索語句の中には不自然な位置にスペースが入っていることが多々あります。

例えば、地名である「目黒区中目黒」という検索語句は「目黒_区_中_目黒」(_はスペースの意)といった感じに表記がされます。

これは形態素解析という物で、Googleアドワーズのシステムが、検索語句を最小単位まで分解して、そのうえで検索語句の意図をシステムが理解するために利用するものになります。

上記の例では「目黒」「区」「中」「目黒」と分解した上で、システムがこれは地名の検索語句だなと判断します。

検索連動型広告では、形態素解析後の検索語句と、形態素解析後の除外キーワード、キーワードマッチタイプから、その検索語句が除外の対象となるかどうかを判断します。

(※:形態素解析に当たってはどのようなシステムまたは辞書機能を使って行うかにより、形態素解析の結果が異なりますので、実際は検索語句レポートの結果を見ながら除外キーワードを選定しましょう)

例えば、検索語句レポート上の検索語句が次のような場合があったとします。

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例1)「自由が丘」を含む検索語句に対して除外キーワードを設定したい場合

この場合は、形態素解析後の最小単位となる語句「自由が丘」(フレーズ一致)を設定することで、「目黒_区_自由が丘」と「東京_都_目黒_区_自由が丘」の2つの検索語句両方を除外する事が可能です。

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例2)「自由が丘」を含む検索語句の場合は広告を表示、それ以外の場合は除外したい場合

この場合は、「目黒」「中目黒」で除外をすれば良いのでは無いかと思いがちですが、「目黒_区_自由が丘」「東京_都_目黒_区_自由が丘」といったように、形態素解析後の検索語句の中に「目黒」という語句が含まれているため、「目黒」という除外キーワードを設定してしまうと、これら4つの検索語句全てで広告が表示されなくなってしまいます。

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例2の場合は機会損失を防ぐために「目黒 区 中 目黒」「目黒 区 目黒」(フレーズ一致)という除外キーワードを設定してあげます。

「目黒区中目黒」「目黒区目黒」といったようにスペースなしで除外キーワードに設定することでもこの場合は問題ありませんが、意図しない機会損失が心配なようであれば検索語句レポートと同じ表記で除外キーワードを設定すると良いでしょう。

6.Googleディスプレイネットワークにおける除外キーワードの扱い

Googleアドワーズの場合、Googleディスプレイネットワークに広告を配信しているキャンペーンや広告グループにも除外キーワードを設定することが可能です。

Googleディスプレイネットワーク向けキャンペーンや広告グループに除外キーワードを設定した場合は、その除外キーワードを含むコンテンツのディスプレイ広告枠で広告が表示されにくくなります。

コンテンツターゲットやプレースメントターゲットなど、広告のコンテンツを狙って広告配信するメニューの場合、配信面のセグメントという意味で除外キーワードを設定することで、不要なコンテンツへの広告配信を抑えることが可能ですが、検索連動型広告ほど神経質になる必要はありません。

リマーケティングなど人に紐付く広告の場合は、除外キーワードを設定することでただただ機会損失を生むことになりかねませんので、除外キーワードを設定したい場合は注意をしましょう。

また、Googleディスプレイネットワーク向けキャンペーンの場合、設定した除外キーワードのキーワードマッチタイプは全て「部分一致」となりますのでこちらも注意が必要です。

7.まとめ

検索連動型広告において、決められた予算の中で大きな成果を上げるためには、不要な露出を繰り返す検索語句への予算配分をできるだけ減らすことが非常に重要となります。また、意図しない検索語句による広告主のブランド毀損を防ぐという意味では、除外キーワードの設定は運用者にとって必須の作業となります。

除外キーワード選定の考え方、キーワードマッチタイプ、形態素解析まできっちり理解した上で設定に取り組むことで、できるだけ少ない打ち手で不要な検索語句による広告表示を抑えることが可能になりますが、仕組みがきちんと理解できていないまま除外キーワードを設定してしまうと、意図しない機会損失でむしろマイナスのインパクトを与えかねなかったりします。仕組みをきっちりと理解した上で作業に取り組みましょう。

NO 除外、NO LIFE!

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Koichiro Hayashi

Koichiro Hayashi

アナグラム株式会社 運用型広告エキスパート。 大学卒業後、金融機関にて融資・渉外業務に従事。その後、ウェブコンサルティング会社にて宿泊施設に対するリスティング広告の新規導入・運用業務に従事した後、2014年よりアナグラムにて様々なプロジェクトに携わる。広告運用はもちろん、新規のお問い合わせ対応、時には打ち合わせと称した飲み会などを行っている。