Google アドワーズの広告のローテーション設定がよりシンプルに

Google アドワーズの広告のローテーション設定がよりシンプルに
この記事は最終更新日から約2年が経過しています。

2017年8月29日(日本時間の8月30日)にGoogle アドワーズが公式ブログにて、広告のローテーション設定に関するアップデートを行うと発表しました。

参考:Inside AdWords: Introducing a better, simpler ad rotation

Googleより一部のアカウントに対して送られているお知らせのメールに記載されている内容によると、本アップデートは2017年9月25日より適応されるとのことです。


最適化するかしないかの2択へシンプル化


画像引用元:Inside AdWords: Introducing a better, simpler ad rotation

アップデートにより広告のローテーション設定は「最適化」「無期限にローテーション」の2種類となり、最適化をするかしないかを選択するのみとなります。(設定項目の名称はGoogleからの2017年8月に届いたお知らせのメールのものです。実際に管理画面での表記と異なる場合がありますのご了承ください。)


現在はクリック、コンバージョンとそれぞれ重視する指標による最適化とローテーションの期間を90日間とするか無期限とするかの計4種類から選択が可能です。

最適化

Google の機械学習により、広告グループ内でより優れた掲載結果が期待できる広告を優先的に配信します。

より多くのコンバージョンの見込める広告を特定できるだけの十分なデータが蓄積されていない場合やコンバージョン計測を行っていない場合は「クリック」、十分なコンバージョンデータがあれば「コンバージョン」と自動で判別されます。これまでも、「コンバージョン重視で最適化」を選択している場合は同様に機能していました。

無期限にローテーション

最適化は行われず、各広告が均等にオークションの機会が与えられます。

「無期限にローテーション」を選択している場合はアップデート後も特に変更はなく、それ以外の設定の場合すべて「最適化」に変更されるとのことです。なお、スマート自動入札を使用しているキャンペーンでは、広告ローテーションの設定を問わず、「最適化」が適用されます。

設定できる項目さえ変更となりますが、広告のローテーションの最適化と付き合うコツは、今までと変わりありません。以下の記事もあわせてご参照ください。

参考:Google アドワーズの広告のローテーション設定のベストプラクティス

広告グループ単位で指定可能に

これまでの広告のローテーション設定はキャンペーン単位でのみ設定が可能でしたが、アップデート後は広告グループ単位でも設定が可能となります。この変更により、スマート自動入札を使用しない場合、1つのキャンペーン内に複数の広告ローテーション設定を指定できることになります。

これまではキャンペーン単位でのみ広告ローテーション設定が可能であったため、ある特定の広告グループの広告のみを無期限にローテーションさせたい場合、新たにキャンペーンを作成し、広告ローテーション設定を変更するしか方法がありませんでした。今回のアップデートにより、一つのキャンペーン内で柔軟な設定が可能となります。同じキャンペーン内の特定の広告グループ(キーワード)に対して広告配信のA/Bテストを行いたい場合などに有効ですね。

いずれの場合でも、「無期限にローテーション」を選択する場合は、設定を変更しない限り成果の悪い広告も無期限に配信がされるため、予めテスト期間や判断基準を明確にしておくことが重要です。

まとめ

これまでもGoogleが広告のローテーションを「最適化」する方向へ機能を変更するたびに強い反対の声が上がり、それが現在も「無期限にローテーション」という設定が残り続けている所以でしょう。反対のおもな理由は広告のA/Bテストが正確に行えない、というものですが、果たして広告の均等なローテーションが正確なテストにつながるのでしょうか?

これはよくある誤解ですが、「均等にオークションの機会が与えられる」は「インプレッション数が均等になる」ことではありません。

参考:なぜ均等配信設定で広告のインプレッション数は均等にならないのか

複数の広告文を設定しているだけで延々と均等に配信される、テストとは形ばかりのキャンペーンも少なくありません。意図のない広告の均等配信は、ユーザー体験、広告のパフォーマンスとどちらにとっても良いものではありませんよね。

なお、広告文の改善を目標にするのであれば、「キャンペーンのテスト」機能の利用も検討することをおすすめします。「キャンペーンのテスト」はテストや変更対象のトラフィックの割合や期間指定ができるため、広告のローテーションに比べ柔軟に正確なテストが行えます。

参考:変更内容の影響を事前に確かめて元のキャンペーンの掲載結果と比較できる、Google アドワーズ キャンペーンテスト完全ガイド

今回の広告ローテーションの変更をきっかけに、A/Bテストのやり方を含め現在の広告運用を見直してみることをおすすめします!

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