なぜ均等配信設定で広告のインプレッション数は均等にならないのか

なぜ均等配信設定で広告のインプレッション数は均等にならないのか

A/Bテストで広告の優劣を測りたい。そのため、テストを行う広告A・Bとも、まったく同じインプレッション数(表示回数)を確保したい。

だからこそ、広告のローテーション設定(広告表示の最適化)を均等に設定したのに、インプレッション数がバラバラでそろわない! なぜ! Why AdWords people!? とつい厚切りジェイソン化してしまったり、上司・クライアントから理由を質問されたことがある方も多いはず。

この疑問は、「均等」の意味を正しく理解することで解決可能です。

本日はタイトル通り、なぜ均等配信設定で広告のインプレッション数は均等にならないのか、について解説していきます。


広告のローテーション設定についておさらい

Google アドワーズやYahoo!プロモーション広告には、意図に沿った広告配信を行うためのさまざまな機能があります。冒頭にあげた広告のローテーション設定(広告表示の最適化)もそのうちのひとつ。キャンペーン単位で設定でき、同じ広告グループ内にある複数の広告を、重視したい指標に基づいて優先的に配信したり、均等に配信したりできる機能です。

Google アドワーズの広告のローテーション設定画面

Yahoo!スポンサードサーチの広告表示の最適化設定

デフォルトだとGoogle アドワーズ・Yahoo!プロモーション広告ともに、「クリック重視で最適化」「最適化して配信」となっており、クリック率の高い広告が優先的に表示されていきます。

コンバージョンを計測しているアカウントであれば「コンバージョン重視で最適化」で配信したり、人の目でしっかり実績を追いながらA/Bテストをしたい場合は「均等にローテーション(均等に配信)」をしたりと、状況に応じてさまざまな使い方ができるこの機能。

今回取り上げるのが、このなかの「均等」という言葉の意味合いです。よくよく管理画面やヘルプを読むと気が付くのですが、広告のインプレッション数を均等にしてくれる機能ではないんです、コレ。

次章で、広告が表示されるまでの仕組みについて振り返ったのち、結論に行ってみたいと思います。

オークションの発生と広告が表示されるまでの仕組み

そもそも広告が表示されるには、何が必要でしょうか。

そうです。当然ながら、まずオークションに勝つ必要があります。「均等」配信で、インプレッション数がバラバラになるのは、このオークションシステムが深く関係しています。以下、Google アドワーズヘルプからの引用です。(完全に理解してるよ!という方は読み飛ばしていただいて大丈夫です)

※Yahoo!プロモーション広告もGoogle アドワーズと同じ仕組みでオークションが発生します。

AdWords 広告は、検索で掲載候補となるたびに広告オークションにかけられます。オークションでは、その広告を実際に掲載するかどうかとページ上での広告の掲載順位が決まります。オークションの仕組みは次のとおりです。

1.ユーザーが検索を行うと、その検索内容と一致するキーワードが設定された広告がすべて検出されます。
2.これらの中から、掲載対象とならない広告が取り除かれます。たとえば、別の国をターゲットに設定している広告や不承認の広告などです。
3.残った広告の中で広告ランクが十分に高いものだけが表示されます。広告ランクとは、入札単価や広告の品質、広告表示オプションやその他の広告フォーマットの見込み効果に基づく指標です。

引用元:オークション – AdWords ヘルプ

均等になるのは広告がオークションにかけられる機会のみ

ここまでで、ほぼお察しいただけたかもしれませんが、要はあの設定で均等になるのは、【広告が表示される回数】ではなく、【広告が表示される機会】だということですね。だから均等に設定しても、インプレッション数はバラバラになるということですね。

【広告が表示される機会】とは、オークションに参加する機会のこと。※以後、オークション機会と呼んでいきます。

例えば、広告Aと広告Bを無期限にローテーション(無期限で均等に配信)したとしても、2つの広告の品質(広告ランク)に差があった場合……実際の配信結果は、以下のようなイメージとなります。

均等なオークション機会が与えられたものの、広告Bは広告ランクが低く、そのためインプレッション数も少なくなってしまったという形ですね。リスティング広告を例に取ると、広告ランクが低い広告は、同じ入札単価でも低い掲載順位になりやすいので、広告が表示される回数が少なくなるイメージもつきやすいのではと思います。

なぜインプレッション数ではなくオークション機会を均等にするのか

仮に媒体側が、インプレッション数を均等にする設定を導入してしまうと、広告ランクの高い広告と低い広告のインプレッション数を無理やりそろえなければいけないケースが発生し、オークションシステムの根幹にひずみが生じるためです。

媒体システムがインプレッション数を均等にしようと強引に調整すると、広告ランクの低い広告は、それより高い広告ランクを持つ広告より多くのオークション機会が必要となります。こうなると、ユーザーにとって有益な広告のオークション機会を奪ってしまうことになり、広告の表示機会損失にもつながってしまいます。

一定の金額を支払えば、どんな広告でも必ず決まった数が表示される広告モデルではないので、ユーザーに受け入れられづらい質の悪い広告のインプレッション数をいたずらに増やさないよう、あくまで機会は均等に。オークションに勝てば表示されるという公平性の担保されたシステムとなっているのです。

まとめ

以上、均等配信設定にしても、広告のインプレッション数が均等にならないワケについてでした。

運用型広告運用者たるもの、時にはすべての数値を思い通りにし、広告配信をコントロールしたいという誘惑にかられることもあるかもしれませんが、忘れてはならないのは、その広告を誰が評価しているかです。

均等に表示されたキレイな数字でのA/Bテストの結果にこだわるよりも、少しでもユーザーに受け入れられる広告作りを心掛けていれば、プロモーションの成果もついてきやすいのは間違いありません。

あくまでユーザーファーストに。どうせ届けるなら、真にユーザーの役に立つ広告を届けられるよう、精進していきたいですね。

Shigero Morino

Shigero Morino

アナグラム株式会社 運用型広告エキスパート。編集者、商社マン、ECサイトマネージャーを経て、運用型広告の世界へ。某広告代理店にて、月額数万円~数千万円まで、さまざまな業種・業態の運用型広告を100案件以上改善に導く。2014年7月から現職。ボトルネックの見極めと成果にコミットする運用が信条。アナグラム株式会社2015年上期MVP受賞。

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