Google 広告のキャンペーンのテストとは?設定方法から注意点まで解説

Google 広告のキャンペーンのテストとは?設定方法から注意点まで解説

リスティング広告には日々の運用調整が必要不可欠ですが、アカウントに変更を加える前に、試そうとしている施策が本当に効果的なのか?を確かめたいと思ったことはないでしょうか?

現状のアカウントに変更を加えた場合、その前後のパフォーマンス分析は、アカウント内で経過を確認したり、レポートを発行して分析したりすることで行うケースが多いと思います。この流れだと、各テストを実行する時期が異なるため、同一条件での平等な比較がしにくいというデメリットが出てきてしまいます。

そんな時に便利なのが、Google 広告のキャンペーンのテストという機能です。


キャンペーンのテストとは?

キャンペーンのテストは、Google 広告の検索キャンペーンとディスプレイキャンペーンで使えるテスト機能です。

例えば、入札戦略を手動から自動へ変更することや目標コンバージョン単価の変更などの効果を検証したい場合に、現在配信を行っているキャンペーンを複製してテスト用のキャンペーンを作成することで元のキャンペーンに影響を与えることなく、良し悪しをテストできます。

こうして元のキャンペーンとテストキャンペーンを並行に配信することによって、パフォーマンスをより平等に比較できるため、テストしたい新しい施策を実行すべきか否か判断しやすくなることが期待できそうです。

応用できるシチュエーションは沢山ありますが、例えば、次のようなテストシナリオを考えられます。

  • デバイスの入札単価を変更(例:スマートフォンの入札単価調整比を+50%→+100%にした場合)
  • 入札戦略を適応した場合(例:目標コンバージョン単価制の設定、手動から自動に変更した場合)
  • 配信時間の調整
  • マッチタイプの変更
  • キーワードの追加・除外
  • クリエイティブのABテスト
  • リンク先のABテスト
  • プレースメントの追加・除外

テストしたい施策に合わせて試してみるとよいでしょう。

キャンペーンのテストの始め方

まずテストを始める準備として、キャンペーンの「下書き」というものを作成します。下書き?と聞くと、何のことか分かりにくいかもしれないのですが、キャンペーンに変更を与えても実際には影響を及ぼさない既存のキャンペーンを複製したものと思っておくと分かりやすいでしょう。

下書きを作成するには元となる作成済みのキャンペーンが必要ですので、テストを行いたい任意のキャンペーンを選択しておきます。

下書きの作成方法

①Google 広告にログインし、下書きとテストをクリックします。

②「キャンペーンの下書き」を選択し、「+ボタン」から作成します。

③ テストしたいキャンペーンを選択し、下書きの名前を入力します。どのような内容かが分かる名称がよいでしょう。もし必要であれば、詳細を説明文に記載しておくと管理が楽になります。

④ 「保存」ボタンを押して下書きの作成が完了です。

キャンペーンのテストの設定方法

下書きの作成、または編集を終えたら、テストの作成・設定を行うことができます。

①Google 広告にログインし、下書きとテストをクリックします。

②「キャンペーンのテスト」を選択し、「+ボタン」から作成します。

③テストの名前を任意で入力します。テスト内容が分かりやすいように名前を付けるとよいでしょう。

④計測したい期間を任意で選択します。(テスト実施期間の途中でもテストの終了は可能です。)

⑤ テストに割り当てるキャンペーンの予算とテストが広告オークションに参加できる配信割合を設定することで完了します。均等に配信すると比較もしやすいため、50%と設定すれば問題ないでしょう。
※また、テスト用のキャンペーンと元のキャンペーンの配信ボリュームやインプレッションシェアは、常に同じ値になるとは限りません。

⑥検索キャンペーンの場合、テストへの分配比率のオプションを選択します。

テスト用のキャンペーンと元のキャンペーンの配信を、Cookieベースで分けるか、またはユーザー関係なく検索数で分けるかを決定できます。

それぞれの詳細は以下になります。

項目 説明
検索ベースのテスト用の分割データ 検索が行われるたびに、テストのキャンペーンと元のキャンペーンのいずれかにユーザーをランダムに割り当てることができる機能
Cookie ベースのテスト用の分割データ 検索した回数に関わりなくユーザーにテストのキャンペーンと元のキャンペーンのいずれか 1 つのみを表示する機能

基本的には、Cookieベースの設定をお勧めします。理由としては、ユーザーごとにテストと既存のキャンペーンを分けて配信することによって、どちらのキャンペーンが高い成果を上げられるかの精度をより高く判別することが可能だからです。

参考:Google 広告、キャンペーンのテストの対象をCookieベースで分割可能に

Cookie ベースのテスト用のキャンペーンと元のキャンペーンの分割データを利用時の注意点

Cookieベースのテスト用の分割データを選択し、オーディエンスリストを使う場合は、対象リストのサイズが 10,000人を下回ると結果の精度が落ちてしまう可能性があるため、注意が必要です。

参考:キャンペーンのテストを設定する – Google 広告 ヘルプ

作成完了後に、設定したテスト期間どおりに元のキャンペーンとテストキャンペーンが、ランダムにオークションに振り分けられるようになります。

キャンペーンのテスト結果を確認する

テストを実施したら、その掲載結果を確認しましょう。

「キャンペーン」から結果を確認したいキャンペーンのテストを選択できますが、以下の確認方法でも可能です。

①「下書きとテスト」の項目から「キャンペーンのテスト」を選択します。

②結果を確認したいテストをクリックします。

すると、テストキャンペーンの上部に、テストと元のキャンペーンとの掲載状況をスコアカード(比較データ)で確認できます。これを参考にテストを終了するか、テストを元のキャンペーンに適用するか、テストを新しいキャンペーンに変換するかの判断を行います。(上記の掲載結果はキャンペーン全ての合計値ですが、広告グループレベルでも確認が可能です。)

表示される指標に関しては、以下にようになっております。

項目 指標
元から
表示される指標
クリック数
クリック率
費用
インプレッション数
すべてのコンバージョン
選択できる指標 平均クリック単価
コンバージョン率
(コンバージョン トラッキングを設定している場合のみ使用可能)
コンバージョン
(コンバージョン トラッキングを設定している場合のみ使用可能)
コンバージョン単価
(コンバージョン トラッキングを設定している場合のみ利用可能)
ビュースルー コンバージョン
(コンバージョン トラッキングを設定している場合のみ利用可能)

また掲載結果の中にはテストとキャンペーンの掲載結果の見積もりの差異が表示されます。

主に2つの値で構成されていて、それぞれの説明は以下になります。

項目 説明
テストと元のキャンペーン
との比較データ
その指標で見られた掲載結果の差異を示しています。
95% の信頼区間 テストと元のキャンペーンとの間に発生する掲載結果の差異の可能性範囲です。

結果が統計的に有意であれば、青いアスタリスクも表示されます。統計的有意性に関する説明は、Google 広告の公式ヘルプ内で以下のようになります。

※横へスクロールしてご覧ください

項目 説明
統計的有意性 統計的に有意です データの精度は高く、キャンペーンに変換した後も
引き続き同様の掲載結果を得る可能性が高い
統計的に有意ではありません データが統計的に有意ではない理由として以下が考えられます。
  • テストが十分な時間実施されていない。
  • キャンペーンに十分なトラフィックがない。
  • トラフィックを小さく分割しすぎて、テストに十分なトラフィックがない
  • 加えた変更によって、統計的に有意な差異が生じていない。
信頼区間 掲載結果差異の信頼区間の詳細

参考:キャンペーンのテスト結果を確認する – Google 広告 ヘルプ

このような表示がされることで、テストキャンペーンの結果を元のキャンペーンと比べて優劣を判断するのに十分なデータがとれたか確認できるので、とても効果的です。その結果を元に、テスト内容の方が成果がよいと判断し、取り入れる場合は下記二つの設定方法があります。

テスト内容を適用させる2つの方法

テスト結果からテスト内容を配信に取り入れようと判断した際は、テストのキャンペーンを選択します。

①上の図にある赤枠の「適用」ボタンをクリックします。

②クリックすると、「元のキャンペーンを更新する」または「新しいキャンペーンに切り替える」の2つの方法があります。いずれかを選択し「適用」をクリックします。

それぞれの設定の詳細は以下となります。

適用方法 説明
元のキャンペーンを
更新する
元のキャンペーンに下書きで変更した内容がそのまま
適用されます。
新しいキャンペーンに切り替える 元のキャンペーンが一時停止され、元のキャンペーンと
同じ予算と日付が設定された新しいキャンペーンの追加ができます

また元のキャンペーンの成果が良い場合、そのままテストを終了すれば、テストで行った変更の影響は受けません。いずれかの判断を下した後のテストキャンペーンは役目を終えるため、「完了」ステータスとなり停止されますが、掲載結果は終了後でも確認できます。

注意事項

ここまで下書きやキャンペーンのテストの作成方法から結果の確認方法までを説明してきました。ただし、上記の設定や操作を行う上で注意しなければならない点もありますので、

こちらでご紹介します。

下書きの注意事項

①テストする変数はできるだけ一つに絞る

下書きが作成されたら、テスト用に設定を行う際、変数を1つに絞ることをお勧めします。なぜかというと、どの変数が成果を改善・悪化させたかを判断しやすくするためです。

例えば、下書きで広告文と入札戦略を変更しテストした結果、クリック率(CTR)が改善したとします。その場合、広告文のみか入札戦略、もしくは両方がクリック率(CTR)に影響を及ぼしたかの判別がしにくくなってしまいます。また、仮に双方が改善に貢献したとしてもどちらの方が影響度が大きく、具体的な数値に関して推測でしか判断できなくなってしまいます。

②下書きでは使用できない機能が存在する

下書きキャンペーンは、元のキャンペーンと同様の見栄えのため、一見使える機能も一緒のように見えますが、下記の一部の機能やレポートは使用できません。

  • 広告のスケジュール レポート
  • カテゴリ&検索語句
  • オークション分析
  • ディスプレイ プレースメント レポート
  • メール配信スケジュール レポート
  • 入札単価状況
  • 「ターゲット キャンペーン」や「ターゲット広告グループ」を使った広告カスタマイザ
  • キーワード診断
  • 共有予算

キャンペーンのテストの注意事項

①テストできるキャンペーンは検索広告とディスプレイ広告のみ

テストは検索広告とディスプレイ 広告のキャンペーンでのみご利用いただけます。動画、アプリ、ショッピングのキャンペーンにはテストを作成できませんので、ご注意ください。

今回ご紹介しているキャンペーンのテストとは仕様が異なりますが、動画キャンペーンでは動画テストという項目を選択できます。動画テストとは、動画広告の YouTube でのパフォーマンスを相互に比較できる機能です。できることとしては、複数の動画広告を同じオーディエンスに向けて表示し、その結果をもとに、オーディエンスと相性のいい広告を割り出すことです。

参考:動画テストを作成する – Google 広告 ヘルプト

②一度に実施できるテストは一つのみ

1 つのキャンペーンに 5 つのテストのスケジュールを設定できますが、一度に実施できるテストは 1 つだけです。

③キャンペーンの下書きの設定は、数日に余裕を持って完了させておく

テストの広告の審査手続きが完了して広告が実際に配信されるには、多少時間がかかることがあります。かかる時間は元のキャンペーンの大きさによります。広告の審査が完了する前にテストが始まらないよう、テストの開始日を数日後に設定することをおすすめします。

④キャンペーンのテストを設定する際の例外

尚、テストは一般的にキャンペーンと同じ機能をサポートしていますが、以下は例外として行うことができないので、ご注意ください。

  • キャンペーンの下書きに対して更に下書きを作成してテストすることはできない
  • 「ターゲット キャンペーン」や「ターゲット広告グループ」を使った広告カスタマイザ
  • ホテル キャンペーンの場合:                             
    • ホテルキャンペーンの場合のみ、入札戦略としてコミッション(宿泊課金型)を使用してテストを開始できます。
    • 複数のキャンペーンはサポートされていません
    • ホテルグループが変更された場合、基本のキャンペーンと下書き / テスト間で自動同期は行われません

まとめ

キャンペーンのテストを活用することで、アカウントに対して実際の変更を加えることなく仮説検証を行うことができるようになりました。これまで時間のかかっていたアカウント変更後の結果概要もスコアカードという形で表示されるので、スピーディーに効果の判断を下すことができるようになります。

なかなか目立たないツールではありますが、利用しないと公平なテスト自体が難しい設定も多数あります。ぜひ積極的に活用してみてくださいね。

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Eiki Kitamura

Eiki Kitamura

アナグラム株式会社 クルー。勝ちパターンを見つけ仕組み化するのが好きで、塾講師や100種類以上のボードゲームに打ち込む。常に勝ちパターンが変わる変化の激しい環境でクライアントの成長により深く関わりたいと思い、一気通貫で支援できるアナグラムに興味を持つ。一番好きなお笑い芸人はなかやまきんに君。

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