アナグラムの文化、グロースハック(Growthhack)とは?

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素直さの欠如は放っておくと機能不全な環境を生んでしまう可能性があります。その為、素直でないことは褒められることではありませんし、安易に見逃すことは良い行動ではありません。私たちはクルー(※アナグラムではメンバーをクルーと呼びます)がアイデアや意見、批評を気兼ねなく交換できる環境こそが、健全な自由で創造的な文化の証だと考えています。

では、どうしたら私たちはそれぞれのチームやグループ、会社に率直な意見交換をさせることができるかと長い時間考えました。その結果、「素直さには価値がある」とはっきりと伝わるような仕組みを敷いて制度化し、半ば強制的に組織としての”文化”とすることにしました。その仕組こそがグロースハックです。

グロースハック(Growthhack)という言葉にはさまざまな意味合いがあるかと思いますが、私たちにとってのグロースハックとは、毎週木曜日午後13時-16時までの時間を半強制的に実務から切り離し、それぞれのメンバー自身が関わっていないビジネスのアカウントを、実際の運用者とは異なる視点で分析を行い、皆の前で改善案をプレゼンテーションする取り組みです。

クルーが忌憚なく話し合いをするための要となる制度で、運用中、または作成中のリスティング広告やFacebookなどのアカウントを分析し、評価します。その仕組はいたってシンプルです。熱意や経験のあるクルーに声をかけ、問題の発見と解決という課題を持ち、率直に話し合うよう促します。

アカウント内の問題点を特定するのは比較的簡単です。ただし、その根本的な要因を探るのは極めて難しいといえるでしょう。運用開始後の不可解な展開や、想像もしない外部要因が関わっているケースもありますし、現実味のないチューニングなどは、アカウント内とはどこか別のところに潜む些細な問題による場合が多いからです。こういった状況を打破するには、根本的な原因を見つけて対処する必要があります。したがって、グロースハックの指摘は、特定の解決法を要求するものではなく、問題の本当の原因を浮かび上がらせるためにあります。

私たちはここでの指摘を建設的な批判と呼んでいます。

謙虚さ、素直さ、自尊心、思いやりなど、何を重要視するかはその環境や状況によっても異なるでしょうけれど、常になくてはならない要素が”素直さ”です。指摘は絵に描いた餅ではだめで、素直な議論、つまり、建設的な批判という要素なしでは、信頼は生まれません。そして信頼なしでは創造的な共同作業はできないと考えています。

これらを踏まえると、グロースハックでは聞き手側にも本音を聞く覚悟ができていることも重要だといえます。素直な意見はそれを受け取る側が耳を傾け、いざとなれば思い切った決断を甘んじて受け入れる覚悟があって初めて役に立つものだからです。その為、最終的に最も賢明な判断を決定するのは聞き手側のクルーです。

建設的な批判の目的はただ一つ、皆で知恵を出し、より良いアイデアを実行し、決して現状に満足することなく、更なる成果を出すことです。グロースハックは、クルーが常に「もっと良い方法があるはずだ」という考え方を持ち続けていることに基づいて成り立っています。

本音で語れる環境こそが、良いものを創る、良い発想をする唯一の方法

グロースハックで最も大事なことが、作り手ではなく、アカウントそのものが精査されるということの認識です。この原則を理解して貰うには非常に時間がかかりますが、非常に重要であり、不可欠な要素です。人とその人の作成したアカウントやアイデアは別物です。アカウントを自分のことのように考えてしまう人は、アカウントを批判されると決して良い気分にはなりませんよね。健全なフィードバック体制を築くには、そのイコールの関係を排除する必要があるのです。人ではなく、問題そのものを見るようにすることが重要と言えます。

その為、グロースハックでは全ての仕組み(広告プロダクトやグロースハックの導入意図など)を理解したファシリテーターの存在が必要不可欠であり、他社に簡単に模倣が出来ないのはファシリテーター自体の準備や心構えそのものが最も重要だからです。

グロースハックはアナグラムで最も重要な伝統の1つです。勿論これは今後も絶対的で確実な仕組みではありません。定期的に集まり、素直な話し合いをするだけで自動的に問題点が治ると思うのは間違いです。どんなチームでも一定の信頼関係を築き、心の底から素直に話せるようになるには時間がかかりますし、これから先も微調整が必要になってくることを私たちは理解しています。

だからこそ、グロースハックを機能させるため、つまり本音で語れる環境をつくり上げる為に目を光らせ、更に進化させていくよう取り組んでいます。

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