現場のコンサルタントが裁量を持って意思決定するための組織と仕組み

現場のコンサルタントが裁量を持って意思決定するための組織と仕組み

アナグラムでは、案件やマネジメントといった場面で挙手性を採用し、現場のクルーが多くの裁量を持って仕事を進めています。

それは『アナグラムはなぜ挙手制を採用しているのかの全貌』でご紹介した通り、自己決定をすることで臨場感を醸成し、仕事を自分事化するため。さらには所得や学歴よりも「自己決定」が幸福度を上げるというデータもあります。

では全ての組織が挙手性を取り入れるべきなのか、取り入れることができるのか?と問われれば、組織にはカルチャーというものがあり、決して表面だけ真似をしてもうまくいきませんよね。

この記事ではアナグラムにどのような土台があり、どのように「仕組み」として今の体制を取っているのか、そこをご紹介できればと思います。

まずは、土台にあたる組織の設計について。

仕組みについてお話する前に、まずは土台となる組織設計について。アナグラムでは「逆ピラミッド」の考え方を取り入れています。逆ピラミッドとは、クライアントと接する現場のコンサルタントが意思決定を行い、マネジメント側は意思決定できるように環境を支える、要望に応えることを意味しています。

運用型広告で成果を出すためには、刻一刻と変わる状況を考慮した「素早い意思決定」が必要です。意思決定を社内に持ち帰らず現場で判断することで機動力のあるクライアントの支援を実現できます。

組織ピラミッドを逆さまに

ただ、”完全な組織” はありません。会社のフェーズや時代背景に合わせて形状を変えていくことが、成果を出し続ける組織であるために必要だと考えます。アナグラムでも人が増えてきたタイミングで、ひとつの逆ピラミッドだけではコンサルタント一人ひとりの仕事のサポートが難しくなる局面がでてきました。そのための解決策として、"アメーバ状の組織体制" を取るようになっていきます。

具体的には、複数の逆ピラミッドを作る「ユニット制」を取り入れました。

ユニット制にしたことで、情報共有の仕方やチームミーティングの運営においても、各ユニットで創意工夫してそれぞれのカラーが出ています。例えば、普段はオンラインで業務を進めますが、週に一度以上の推奨出社日や、月に一度は全員出社して、顔を合わせたときにしか出来ない勉強会やディスカッションなどに時間を充てているところもあります。(リモートワークを活用し、地方在住の方も複数所属していますが、アナグラムでは交通費として宿泊込みで月に10万円まで支給しているのでその制度を使って出社しています。)

ユニット制によって全体の人数は増えても、クライアントの課題解決にフォーカスできる環境としては変わらない体制になっています。

このような組織の土台がある上で、一人ひとりのコンサルタントが裁量を持って意思決定するための仕組みについて紹介していきます。

営業と実行を分けない「一気通貫の体制」

一気通貫の体制とは、一人のコンサルタントが一社のクライアントに対して、仕事の最初から最後まで担当する体制のことです。一人が専任で担当することで、コンサルタントが直接クライアントの目標や課題を訊き、課題に対して適切な打ち手を提示することができます。クライアントとの間に介在する人が多ければ多いほど「本当の課題はなんなのか」とピントがずれてしまうこともありますが、一人が担当することでそれを解消できます。

アナグラム一気通貫の体制
アナグラム一気通貫の体制

また、運用型広告の仕事は意思決定のスピードが成果を左右するため、現場でスピード感のある判断をすることが直接成果に繋がるのです。

役割毎に分業して仕事を進めたほうが適しているケースもあります。
役割毎に分業して仕事を進めたほうが適しているケースもあります。

もちろん、分業をすることで効率よく仕事を進めることができる一面もあります。そのような体制を当てはめたほうが良い仕事もあるので、分業する・分業しないにはそれぞれに違った良さがあります。

クライアントに誠実に向き合うための環境

売上目標がない

アナグラムでは、コンサルタントに売上目標はありません

もし、自身に売上のノルマがあったら、その売上目標達成のための提案や仕事になってしまうかもしれません。時に、課題解決にはならないことを提案しないといけないジレンマもあるのではないでしょうか。

私たちは、クライアントの課題解決になることを一番に重視しているため自社の売上目標を置いていないという背景があります。企業として売上・利益を増やすことは大事ですが、順番としてはクライアントの課題解決をして貢献した先に利益はついてくると考えます。

※売上目標がない、というと多少の誤解が生まれるかもしれませんが、実際には売上目標は役員陣の仕事として存在しています。正確にはその目標が現場のクルーに降ろされることが無い、という表現が正しいかもしれません。

一人あたりの担当社数を3~5社に制限

分業制を採用していない分、業務範囲は広くなります。そのため、一人のコンサルタントが担当する社数を3~5社程度に制限することでクライアントに向き合う時間をしっかり取れるようにしています。しかしこうした場合、どうしても一人が立つ打席の数を増やすことが容易ではないため、次にご紹介するグロースハックの取り組みでカバーしています。

お互いに学び合うカルチャー

グロースハック

アナグラムのグロースハックとは、直接関わっていないクライアントのアカウントを、実際の運用者とは異なる視点で分析を行い、改善案をプレゼンテーションする取り組みを指します。毎週木曜日の午後に2~3時間のまとまった時間を使い、全コンサルタントで行っています。

グロースハックを通じて「もし自分がこの案件の担当だったら」と、毎週擬似的に様々な課題解決について考える機会を持つことができます。異なる業界のクライアントであっても、ビジネスモデルや課題が似ていることがあるため、多くのケース(事例)を経験していることに損はありません。

また、一人の頭で考え抜いた解決策には限界があり、ほかのコンサルタントの知恵を借りながら解決策を講じていくことでさらに成果をのばすこともできます。

一気通貫で仕事をするというと、業務のすべてを一人で担うと思われることもありますが、そうではありません。「アナグラムというリソースを使ってクライアントの課題解決をしていく」ことをしてほしいと思っています。

私たちの仕事の本質は「クライアントの課題解決のために何ができるのか」を常に考えて、学んで、解決していくことです。そのため、グロースハックを通じてお互いに学び合うカルチャーを組織としてとても大切にしています。

グロースハックを「フォーラム」という形に変えてアップデート

リモートワークが取り入れられるようになった頃、ふと社内から「さみしい……。」という声が聞こえてくるようになったのです。リモートワークだとちょっとした雑談や相談へのハードルも上がります。かつユニット制を敷くことで、所属外のユニットの人とコミュニケーションも取りにくくなりました。それらが、さみしいという声に繋がったものと考えます。コミュニケーションが限定される感覚は思考の幅も狭める事になりかねないので、それを補うために、フォーラムという取り組みを開始しました。

毎回異なるグループを組んで実施していたグロースハックに対し、フォーラムでは毎週固定メンバーでクライアントの分析をしたり、ひとつのテーマについて話し合うなどの取り組みを行います。所属チームとは別のコミュニティに参加しているようなイメージですね。グループの分け方は、なるべく普段の所属ユニット・チームのメンバー以外の人と組めるように意図しています。そうすることで、いつもと違うコンサルタントの思考に触れることができる環境になります。

リモートワーク導入初期にオンライン上で有志が集まり雑談タイムを設けたりもしましたが、業務に取り組む中でのさみしさの解消方法にはなり得ないのではと感じました。コミュニケーションの場として、共通のテーマを持って集まる場をつくることでちょっとした相談などがしやすくなり、人とのつながりを感じることができると考えています。

コンテキストを揃えたコミュニケーション

共通のテーマを持った場を作る取り組みとして、社内限定のMeetupを開催しています。このMeetupでは、テーマを用意して外部ゲストを招待し、公開インタビューを行っています。

アナグラムでは、Marketeer(マーケティア)というメディアも運営しており、このインタビューを社員限定に公開するというものです。最近は、jigenさんをお招きして「今後のメディアとコミュニティビジネスの未来」についてお話していただきました。

参加者はオンライン配信も含めて60人を超え。Meetup後には出社している方を対象に、ケータリングの軽食や飲み物を用意して懇親会も実施しました。ひとつのテーマについてリアルタイムで聞いた人たちが集まりその後の時間を共有するため、「さっきの話ではこう言っていたが、私はこう思う。」など共通のテーマで話しやすくなるのではないかと思います。

このように、グロースハック、フォーラム、社内公開Meetupを通じて、コンテキストを揃えたコミュニケーションの場を作ることで、より密度の高いコミュニケーションを取れるようにしています。

何でも聞けるヘルプセンター

学び合う仕組みのうち、気軽に相談できる場として「#ヘルプセンター」をSlackに設けています。一気通貫で仕事をするといっても、最初から全てができるスーパーマンはいません。みな、日々わからないことに遭遇します。そんな時、このチャンネルに質問を投稿すると必ず誰かがすぐに反応してくれますし、衆目の中で質問する勇気は、どこかの誰かを必ず助けます。

マネージャーもヘルプチャンネルを利用してクライアントの課題解決をします。

また、得意分野ごとにユーザーグループを作っているため、例えば@creativeをつけて質問すると、クリエイティブチームのメンバーからのアドバイスを貰うことができます。

クリエイティブチームのメンバーが入っているユーザーグループ宛に相談できる。

投稿される質問数は、約80~100件/月で1日4件強の質問が投稿されます。回答までの時間は平均20分ほどで、最短だと質問投稿から1分で回答しているものも……!自分だけで考えて進めていくより、人にうまく頼ることでクライアントの課題解決スピードが遥かに上がります。

コンサルタント同士も日々の疑問をヘルプセンターを使って解決しています。

まとめ 仕事を楽しむために。

現場のコンサルタントが裁量を持って意思決定するための組織設計と仕組みについてご紹介しました。自分で意思決定をして物事を進めることは幸せに繋がりますが、「意思決定」には思ったよりカロリーがかかります。自分一人で解決しようとするのではなく、自分で決めることができるように、周囲の力に頼れる仕組みを作っていきたいと思っています。

それぞれの仕組みが繋がりカルチャーとなり、それが、一人ひとりのコンサルタントが自律して周囲の人を巻き込みながら楽しんで仕事に向き合える組織につながるはずです。

せっかく仕事するなら楽しんでいきたいですよね。

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