Twitterのタイムラインで新しい情報を知り、気になる商品やサービスを購入したり、実際に店舗へ足を運んでみたりしたことのある方も多いのではないでしょうか?
日本においてTwitterは非常に多くのユーザー数を誇ります。そのため企業によるTwitterの活用において重要な取り組みのひとつとなっているTwitter広告ですが、なかでも通常のツイートと同様の形式で掲載される「プロモ広告」はTwitter広告を実施するのであれば欠かせない広告メニューです。
この記事では、Twitterのプロモ広告についてその概要から仕組み、効果的な使い方までを紹介していきます。
目次
Twitterプロモ広告とは
Twitterプロモ広告とは、通常のツイートと同様の形式で配信可能な広告フォーマットです。
ユーザーが広告であると判断できるように「プロモーション」というラベルが表示されますが、通常の投稿と同様に、広告に対するリツイートや返信、いいねなども可能です。
プロモ広告のメリット
では、Twitterのプロモ広告にはどのようなメリットがあるのでしょう。以下ではTwitterの特徴を踏まえ、プロモ広告の3つのメリットを挙げています。
話題のリアルタイム性と優れた拡散力
匿名性のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)という特性上、見知らぬ者同士でも気軽につながることができ、20代30代を中心に日常のあらゆるシーンでアクティブに利用されています。そのため、他のSNSにくらべて話題がリアルタイムで素早く拡散される傾向があります。広告においてもこの拡散力をうまく活用することで費用対効果を高めた広告運用が可能です。
リツイートされた分は課金の対象外
リツイートで拡散されたインプレッションは、課金対象には含まれません。そのため、必ずしも広告をクリックされない場合でも、拡散されれば費用対効果よく多くのユーザーにリーチすることも期待できます。
他の媒体にはないユニークなターゲティング
Twitterでは、たとえば「お腹が空いた」といった「感情」や「思考」「趣向」などのツイートを中心とした情報を活用し、検索エンジンに入力するキーワードとはまた違ったターゲティングが行なえます。
また、フォローという仕組みを利用することで、ユーザーが能動的に抱いている興味や関心の情報を活用してターゲティングを行うことも可能です。
これらのユニークなターゲティングを利用することで、他の媒体ではアプローチできないユーザーやタイミングに広告を掲載されることも期待できます。
積極的に情報収集をしているユーザーが多い
アライドアーキテクツ株式会社による「Twitter企業アカウント利用に関する意識調査」によれば、Twitterは情報収集を目的として利用されているケースは7割近く、積極的に新しい情報や興味のある情報を探していることが読み取れます。
そのため、広告であっても適切なターゲティングやユーザーに興味のある内容であれば、関心を持ってもらえる可能性も高い傾向があります。
上手にプロモ広告を活用することで、これらのメリットを受けることができます。
Twitterプロモ広告の配信面
プロモ広告はTwitterのメインであるタイムライン上に広告を表示できます。縦にスクロールして利用されるため、自然と目に入る場所に表示されるのは大きなメリットです。
また、タイムラインの他にも次のようなさまざまな場所に表示できます。
- 検索結果ページ
- アカウントのプロフィール
- 公式Twitterクライアント
Twitterプロモ広告のターゲティング
Twitterプロモ広告では広告主のビジネスとマッチしそうな新規ユーザーへの広告配信に加え、プロモーション対象となる広告主のTwitterアカウントのフォロワーに対しても広告を配信することも可能です。
■オーディエンス特性
地域ターゲティング | 地域ターゲティングブランドが重視している国、地域、都市圏、都市、郵便番号に絞り込んで利用者にリーチします。 |
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言語ターゲティング | ツイートや反応したトピックから判断した、オーディエンスが使用していると考えられえる第一言語でターゲティングをします。 |
端末、プラットフォーム、Wi-Fiターゲティング | 携帯電話のモデル、新しい端末または携帯電話会社、Wi-Fi接続の端末などでターゲティングをします。 |
年齢ターゲティング | 年齢ターゲティングの年齢の範囲を調整して、特定の年齢層にターゲティングします。 |
性別ターゲティング | 男性または女性のみをターゲットするか、性別を問わずに配信をします。 |
■オーディエンスタイプ
会話トピック | 25を超えるカテゴリー、10,000種類以上のトピックについて、普段の会話に基づいてターゲティングできます。 |
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イベント | Twitter上で登録されているイベントに関して、そのイベントの会話に参加しているユーザーをターゲティングできます |
ツイートエンゲージャー | 過去に広告主のオーガニックツイート、もしくは広告に反応した利用者をリマーケティングします。 |
キーワードターゲティング | 特定のキーワードを使って検索した、ツイートした、あるいは反応した利用者をターゲティングします。 |
映画とTV番組 | 特定のマーケットの映画やテレビ番組についてツイートした、または反応した利用者をターゲティングします。 |
興味関心 | 25カテゴリーで事前に選んだ350種類以上の項目に興味関心を示した利用者にターゲティングします。 |
フォロワーが似ているアカウント | 登録したTwitterアカウントのフォロワーと似た反応を示す利用者をターゲティングします。 |
■既存のオーディエンス
自身のアカウントのフォロワー(オプション) | 指定したターゲティングにおいて、自身のTwitterアカウントのフォロワーをターゲットオーディエンスに含めるか選択できるオプション機能です。 |
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カスタムオーディエンス | 広告主の保有データを使い作成したオーディエンスをターゲティングします。 |
広告を配信する際には、これらのターゲティングを組み合わせることもできます。ただし、組み合わせの条件によってターゲティングの範囲が変わりますので注意が必要です。
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
参考: 【すぐわかる】Twitter広告のターゲティングの種類と使い方
Twitterプロモ広告の設定方法
それではいよいよ、キャンペーンの設定をおこなっていきましょう。
キャンペーン設定
Twitter広告アカウントの構成は、大きくキャンペーン、広告グループ、クリエイティブで構成されています。まずは、キャンペーンを作成しましょう。
1.管理画面左上の「キャンペーン」タブから、「キャンペーンを作成」をクリックすることで、「キャンペーン作成ぺージ」へと移ることが可能です。
2.キャンペーンの目的を選択する画面が出てきますので、広告配信の目的に合わせて選択します。
3.キャンペーンの目的選択後、上記の「キャンペーンの詳細」項目が表示されます。必須項目のキャンペーン名や日別予算を設定、お支払い方法を選択し、キャンペーンの作成は完了です。
広告グループ設定
広告グループでは、広告の配信最適化対象、入札額、ターゲティング、クリエイティブなどの設定を行います。具体的な設定項目は、以下の7つです。
- 広告グループの詳細
- オーディエンスの特性
- 端末
- カスタムオーディエンス
- ターゲティング機能
- プレースメント
- TAP(Twitterオーディエンスプラットフォーム)
以降では、広告グループの詳細・配信で設定が必須となる、「目標の設定」と「入札戦略の設定」を確認していきましょう。
目標の設定
目標は、プルダウンリストから希望の目標を設定しましょう。なお、目標に「コンバージョン」を選択した場合は、広告遷移先のウェブサイトへの「Twitter ウェブサイトタグ」の設置が必要です。
入札戦略の設定
Twitter広告で利用することのできる入札戦略は以下の3つです。各入札戦略の特性を踏まえて選択しましょう。
入札戦略の種類 | 詳細 |
自動入札 | 最小限の費用で最大の結果が得られるように入札額が自動的に最適化されます。予算は決まっているけれど入札金額をいくらにすればいいか分からない、といった場合に導入しやすい入札タイプです。 |
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上限入札単価 | 支払対象となるアクションごとに、支払っても良い上限の単価を設定します。入札単価の上限が決まっていて成果をより細かくコントロールしたい場合に向いています。 |
目標入札単価 | 「フォロワー」、「ウェブサイトへの訪問数またはコンバージョン」を目的とするキャンペーンで利用できます。上限入札単価とは異なり、1日あたりの平均額が目標値に近づくように調整がなされます。 |
プロモ広告のクリエイティブ
次に配信する広告クリエイティブを作成します。
利用できる広告フォーマットの種類
Twitterプロモ広告で利用できる広告フォーマットは次の5つです。
- 画像広告
- 動画広告
- カルーセル広告
- モーメント広告
ファイルサイズなどを以下の公式ヘルプであらかじめ確認したうえで、広告素材を用意してください。
どの広告クリエイティブを使用すれば、ターゲットとするユーザーが意図するアクションをしてくれるのか?といった仮説をもって広告フォーマットを選択しましょう。
作成方法
実際の設定方法を「ツイート作成画面」でご紹介していきます。
広告グループのクリエイティブ設定欄にある羽根ペンのマークをクリックするか、Twitter広告管理画面の左上の「クリエイティブ」のタブから、「ツイート作成画面」を選択することで、広告用ツイートの作成画面へ移ることができます。
通常のツイートと同様、すべての文字を全角の日本語で入力した場合の文字数制限は140文字以内です。(ツイート内にリンクを含める場合は12文字分がリンクに使われるため、ツイート本文に使える文字数は128文字)
なお、広告へコメントできるユーザー範囲を指定することも可能です。詳しくはこちらの記事もご覧ください。
項目名 | 詳細 | |
① | ツイート本文 | 最大全角140字まで使用できます(すべて全角の日本語の想定)。※12文字はリンク分に使用されるためツイート本文に使える文字数は128文字 |
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② | リプライ制限設定 | ツイートに返信できるアカウントの権限設定を次の3つから選択できます 1.すべてのアカウントが返信可能 2.フォローしているアカウント 3.@ツイートしたアカウントのみ |
③ | メディアの掲載方式 | 任意の静止画・動画を設定可能です。複数枚の画像素材を入稿することで、カルーセル広告の配信ができます。 |
④ | カードタイプ | 以下の3つから選択可能。 1.ウェブサイト 2.アプリ 3.カードなし ※カードなしはリンクを設定せず画像のみ掲載 |
⑤ | カード名 | 管理用の名称を設定できます |
⑥ | ヘッドライン | ウェブサイトのカードを使用するときにタイトルとして表示 |
⑦ | ウェブサイトの URL | ウェブサイトのカードクリックした際の遷移先URL を設定 |
⑧ | メディアの追加 | 掲載する画像または動画をアップロード |
ツイート公開時の注意ポイント
必要な項目を入力していざツイート、とする場合には次のような注意点がありますので、こちらもあわせて確認しておきましょう。
「広告用」として公開する
ツイート作成画面の下には「広告用」というチェックボックスがあります。こちらにチェックが入っていることを確認しましょう。
チェックを入れることで、キャンペーン作成画面でクリエイティブとして選択が可能となります。
公開のタイミング
また、公開のタイミングにも注意が必要です。
画面右上の「ツイート」ボタンを押して公開すると、その時点で公開されたツイートとしてタイムスタンプが押されます。
たとえば、キャンペーンの開始がツイート作成日より先の場合、キャンペーン開始時に過去の日付のツイートが広告として掲載されてしまいます。
また、Twitterアカウントを@ツイートした場合には、メンション(@で指定されている)されたアカウントはツイートのリンクが記載された通知を受け取ってしまうため、非公開にも関わらず情報が流出してしまうリスクも出てきます。
キャンペーンの開始日とツイートの公開日を揃えたい場合は、キャンペーンの開始に合わせて予約設定をしてくことをおすすめします。予約状態のツイートでも広告としてあらかじめ設定できますのでご安心ください。
最後に広告グループ設定画面で、作成した広告クリエイティブにチェックを入れて、画面右下の「次」をクリックすれば広告配信準備完了です。
まとめ
Twitter広告にはこの他にも広告メニューが用意されていますが、はじめに取り組むのであればプロモ広告がおすすめです。
他のSNSにくらべて話題がリアルタイムで素早く拡散される傾向があります。広告においてもこの拡散力をうまく活用することで費用対効果を高めた広告運用が可能となります。
ユニークなターゲティング手法もあるため、他の広告プラットフォームで思うようにターゲティングができなかったというケースでも、プロモ広告を使うことで意図したユーザーに広告を届けることも可能です。
できることが多い分、何からすればいいのか迷ってしまうかもしれませんが、ひとつずつ機能や仕様をしっかりと把握してぜひ取り組んでみてくださいね。