Twitter広告のターゲティングには、Googleなどの広告媒体でもおなじみの年齢や地域によるターゲティングもあれば、Twitter広告独自のシグナルを用いたターゲティングもあります。
Twitter広告独自のシグナルを用いたターゲティング手法の中でも、「キーワードターゲティング」や「フォロワーターゲティング」は比較的に理解しやすいメニューですが、「会話ターゲティング」と聞いてすんなりと理解できる方は多くないのではないでしょうか?
今回はその「会話ターゲティング」について、仕組みや特徴はもちろんのこと、他のターゲティング手法とどう違うのか、といった部分にも触れながら解説していきます。
※Twitter広告のターゲティングについて詳しくはこちらをご確認ください。
会話ターゲティングとは?
Twitterでは、ユーザーたちの間で毎日様々な会話が繰り広げられています。それらの会話トピックをもとにターゲティングできる機能が「会話ターゲティング」です。
Twitterが定めるアカウントが「会話」に参加している状態というのは、直近28日間で下記のいずれかの行動をしたことを指します。
- トピックをツイートしたことがある
- トピックに言及するツイートにエンゲージメント(※)したことがある
- トピックに関するツイートを一定時間表示したことがある
※エンゲージメントには、いいね・リツイート・返信・メディアのエンゲージメント・各種クリックが含まれます。
参考:会話ターゲティング
「会話」というと、ツイートやツイートに対する返信を思い浮かべてしまいがちですが、実際にはツイートを長時間表示したり、いいねしたりするという行為も「会話」としてみなされます。
また、会話ターゲティングは、オーディエンスを抽出するルールが人間の手によって調整されているのが特徴です。つまり、どのキーワードを対象とし、どのキーワードを除外するのかといった調整を、発信者や言語なども考慮しながら行っているということです。
例えばキーワードターゲティングだと、「アナグラム」という会社名でターゲティングしたかったのに、言葉遊びの一種としての一般名詞である「アナグラム」も含まれてしまう、などの問題が起こり得ます。その点、会話ターゲティングであればそのあたりを考慮されたトピックが用意されています。
また、オーディエンスの規模もトピックごとに調整されているので、ターゲティングしてみたはいいものの全然配信されない、といった問題も起こりにくいです。
会話ターゲティング独自の特徴
ここまで、会話ターゲティングとはどのようなものなのか確認してきました。その内容を踏まえると、会話ターゲティング独自の特徴は、おもに3つあります。
①ターゲティングを精査する時間を節約できる
キーワードターゲティングを使おうとする場合、実際にユーザーの投稿を大量に分析し、ターゲットとしたい層とマッチするかどうか精査しますよね。
キーワードに複数の意味がある場合など、配信にあたって注意を払わなければならないポイントもあるため、時間がかかると敬遠されている方も多いのではないでしょうか。
時間をかけて精査したのにもかかわらず、配信ボリュームを十分に確保できず、思ったほど成果を生めなかった、という経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。
会話ターゲティングであれば、手作業で精度と規模が調整されているため、時間をかけず、精度の高いターゲティングを選ぶことが可能です。
②実際に会話に参加している人を豊富なトピックから選択できる
会話ターゲティングではトピックとして、ライフスタイルやブランド、スポーツやTV番組、ビデオゲームなど、様々なものが用意されています。
いくつか例を挙げると、下記の通りです。
- ライフスタイル - スキンケア
- ライフスタイル - ワイン
- スポーツ - サッカー
- スポーツ - 野球
興味関心の項目と似たトピックもありますが、より細かいトピックも用意されているので、実際にキーワードを入力して、適したものがあるか見てみてください。
※逆に、会話トピックとして用意されていなくても、興味関心にある項目もあります。
興味関心が、フォローしているアカウントなども含めた総合的な判断に基づいているのに対して、会話ターゲティングは、直近のアクションとして会話に参加したかどうかで判断されます。
似たようなトピックでも、オーディエンスの中身やサイズは異なるので、それぞれのシグナルを理解したうえで、適したものを設定しましょう。
③ほかに比べて長めな参照期間(28日間)
たとえばキーワードターゲティングの参照期間は7日であるため、キーワードによっては広告配信の対象が十分に集まらない場合もあります。
一方、会話ターゲティングの参照期間は28日間となっています。他のターゲティングに比べて参照期間が長いため、対象となるユーザーを広くターゲティングできます。
逆に言えば、該当のトピックに関する会話から時間が経ち、熱量が下がっているタイミングでも広告が配信される可能性があります。そのため、検討期間の短い商材や、その商品やサービスが必要となるタイミングが限定的なイベントなどの場合は、キーワードターゲティングが向いているでしょう。
ほかのターゲティングとの違い
今度は具体的な例を挙げて、ほかのターゲティングとの違いを見ていきましょう。
例えば、「サッカー」という語句のキーワードターゲティングと、興味関心の「スポーツ-サッカー」、そして会話ターゲティングの「スポーツ-サッカー」ではどのように違ってくるのでしょうか?
ターゲティング方法 | 参照期間 | 対象となるオーディエンス |
---|---|---|
キーワードターゲティング | 7日 | キーワードをツイートした、もしくはエンゲージメントした人 |
興味関心 | 常時更新 | キーワードのみではなく、フォローしているアカウントなどを総合的に見て、サッカーに興味関心がある、とみなされたオーディエンス |
会話ターゲティング | 28日間 | 任意のトピックに関すること(キーワードに限らない)をツイートした、エンゲージメントした、もしくは一定時間表示した人(オーディエンスの規模などは調整されている) |
例えば、「サッカー」という語句のキーワードターゲティングと、興味関心の「スポーツ-サッカー」、そして会話ターゲティングの「スポーツ-サッカー」でのオーディエンスボリュームは次の通りです。
例)「サッカー」のターゲティング別のオーディエンスサイズ
キーワード:1,056.9万
興味関心:9,163.3万
会話ターゲティング:2.4億
※2021年11月現在、広告管理画面でのグローバルオーディエンスサイズ
「サッカー」のように、さまざまなターゲティング手法が考えられる場合、どれを使えばいいのか迷ってしまうかもしれません。しかし、このように整理してみると、それぞれ似ているようでいてターゲティングされる人や規模は変わってくることが分かります。
会話ターゲティングの注意点は?
現在、日本語の会話ターゲティングは限定的なサポートとされています。よって、日本で機能するトピックの範囲は、英語圏に比べて狭くなっています。
配信対象地域を日本にしている場合は、日本以外のターゲットには配信されませんが、それによりオーディエンスサイズが足りない場合は、会話ターゲティング以外のターゲティングも検討する必要があります。
オーディエンスサイズはしっかり確認してから配信するようにしましょう。
また、オーディエンスが手作業で調整されているとはいっても、成果はしっかり確認する必要があります。
会話ターゲティングを設定すると、管理画面のオーディエンスのタブの中に「会話」という項目が出てくるので、こちらから各オーディエンスの成果を確認することができます。
カテゴリー等は予告なく変更されることもあるようなので、問題なく配信できているかは定期的に確認したほうがよいでしょう。
会話ターゲティングの設定方法は?
会話ターゲティングの特徴や注意点について理解したところで、最後に設定方法についても記載します。
他のターゲティング手法同様、管理画面の「ターゲティング機能」から設定できます。
会話トピック(オプション)部分の検索窓にキーワードを入力すると、それに即した会話トピックの候補が表示されるため、候補の中から適したものをクリックして設定します。
特徴を理解して積極的に使ってみよう
Twitterでは多くの人があらゆるトピックについて日々会話を繰り広げています。みなさんの中にも、好きなことについてつぶやいたり、気になったツイートにいいねを押したりしているという方は多いのではないでしょうか。このTwitter特有のシグナルを活かした配信を行うには、会話ターゲティングがぴったりです。
配信したい内容に合うトピックが存在することが前提とはなりますが、なかなか運用に時間を多く割けない方やTwitter広告を初めて使う方でも気軽に使えるターゲティング手法なので、特徴を理解したうえで、まだ使ったことがない方はぜひ使ってみてください。