運用型広告のセンス

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※筆者:Keiji Abe
※以下はSEM-LABOの記事をリライトしたものです。
http://sem-labo.net/blog/2014/03/25/0927/

どのような物事においても、センスという一言で片付けてしまうのは無責任かもしれないし、時に無頓着だと罵倒されるかもしれないけれど、もし”運用型広告のセンス”というものが仮に存在するのであれば、きっとこの記事が役に立つかもしれません。

正直なビジネス」の著者であるマイケル・フィリップスとサリー・ラズベリーは商売のセンスを、次の四つの属性に分類しました。

第一に、粘り強さ。第二に、事実に向き合う能力。第三に、リスクを最小にできる力。第四に、現場で学ぶことのできる力。さらに「ビジネスを育てる」の著者、ポール・ホーケンは第五に、数字で考える力、を付け加えました。

これは運用型広告でも当てはまると思います。後者の書籍の一部をいただきながら、日々の運用型広告の運用(主にリスティング広告、Facebook広告、Twitterプロモ広告、DSPなど)の中で一喜一憂することに疲れてしまっている方々に、この投稿が少しでも希望になればそれ以上の喜びはありません。順に解説していきましょう。

粘り強さ

運用型広告の改善は今日の経済の成り立ちと同じように、一歩一歩階段を昇るのようなものです。足元を確認しながら階段を丁寧に踏みしめていけば、失敗という失敗はほとんど起こりようがない。「広告業界で一花咲かせたい!」などと血気盛んに飛び込んで来た人にとっては細かい作業も多いかもしれないけれど、近道をしようとして、段を飛ばしたりしてはいけません。最初の手抜きが、失敗の引き金になってしまうのですから。

小さな出来事への柔軟な対応、的確な分析、意思決定の連続、新しいアイデア、そして実行。それらの多くの積み重ねが素晴らしいアカウントを作るということを忘れてはいけません。

事実に向き合う能力

Sexyな運用型広告プレイヤーは昨日の真実は今日はもう使えないということもよくわかっています。経験豊かでSexyな運用型広告プレイヤーは事実に向き合う大切さをも理解しています。大きな問題が発生しても、ロジカルな要因分析(全てのリスティング広告プレイヤーは因数分解思考を手に入れよう)を行い、原因を突き止め、改善する。これを素早く、そして小刻みにくり返すでしょう。

長く運用型広告業界に携わっていれば自身の仮説が誤っていたり、時にクライアントと衝突することもあるでしょう。それによって落ち込むこともあるだろうけれど落ち込んでいる暇なんて実は無いのです。大事なのは間違いを認め、素早く進むことなのですから。

もしあなたが「CPAが高騰した」という事実だけに向き合っているのであれば、あなたはまた同じ過ちをくり返すでしょう。起こった事象・物事に対し、原因論で考えては根本的な問題解決になりません。全ての物事は目的論で考えるべきです。ここでの目的論は「今後、どうやったらCPA高騰を免れることが出来るか?」といった仕組みづくりのようなアプローチのことを指します。つまり、本当の意味での事実に向き合う勇気を持たなければ、その問題が発生した根本的な要因を解決することは出来ないということです。

リスクを最小にできる力

良い運用型広告アカウントというものは、不測の自体を前もって織り込んでおき、余裕を持たせている必要があります。アカウント構築時における仮説は1つだけではないはずです。複数を盛り込み、万が一の場合には次の仮説に早期にピボット出来る体制があることが理想です。考えうるリスクをつまびらかにし、リストにする。そしてあらゆる可能性を一つ一つ潰していくことが重要と言えます。二の矢、三の矢を常に思考の片隅に置いておくことの重要性は、皆さん自身が一番良くわかっているはずです。

そして、広義の意味で、リスクを最小にできる力こそが、運用型広告プレイヤーの中で最も重要であると僕は思います。

現場で学ぶこと

全ての物事が管理画面上で起こっていると思っているようでは決して良い結果に恵まれることはないでしょう。管理画面上の結果は2次的な要素でしかなく、あなたがデスクにかじりつき、クライアントのビジネスに対して密にコミュニケーションをとならないようであれば成功するはずもありません。ビジネスの本質は人対人であるように、運用型広告の本質も人対人なのですから。そういった意味でも運用型広告の本質はサービス業と言えます。

獲得単価が高騰したり、コンバージョン数が思ったよりも少ないのであれば、現場に足を向けましょう。本でもインターネットでも学べないようなことが現場には落ちているのですから。

数字で考える力

数字はロジックであり、言語です。時に数字は関係性を物語ります。運用型広告は2つのお金の流れで成り立っています。すなわち、入ってくるお金と、出て行くお金です。運用型広告を動かす場合、お金は入ってくる前に、まず出ていきます。この時こそ、どのようにお金が使われているのか、出費の隅々にまで目を光らせましょう。運用型広告における多くの失敗は、ずさんなお金の管理にあることはあまり語られることはありません。

急成長を遂げる中小企業の社長が運用しているアカウントがうまくいく傾向が強いのは、自身の財布と直結しているからです。もし優秀な運用型広告運用者をお探しなのであれば、「自分以上、もしくは自分と同等に自身のビジネスを理解してくれているか?」を一つの基準に検討することをお薦めします。多くの場合、そういった担当者はあなたにより多くのコミュニケーションを求めます。更には自分のことのようにあなたのビジネスについて語るはずです。

運用型広告の運用を始めたばかりのときは、お金は入ってくるよりも出て行く一方です。いかなるプロフェッショナルであろうと、コンバージョンが発生するまで、顧客が受け入れてくれるまでは正確につかみ得ないのが現状ですから、初心者の場合はお金はなるべく慎重に使うのがよいでしょう。急激な成長を目指すのではなく、徐々にでもよいのです。

運用型広告アカウントがどんなに大きくなろうと、運用型広告を支配する数字の法則は不変です。法則さえしっかり守れば、霧の中を航海していきなり氷山にぶつかる、なんていう心配もありません。

まとめ

「他人と過去は変えられない。変えられるのは自分と未来だけ。」

リスティング広告を筆頭とする運用型広告は、設定して全てが手離れすることは決してありません。だからこそ、時既に遅し、なんてこともないのです。大事なのは起きた事実と向き合い、未来につなげることだけなのですから。この記事が少しでもあなたのアカウント運用に役立てれば嬉しいです。