Google 広告、2022年の主要アップデートまとめ

Google 広告、2022年の主要アップデートまとめ

今年はP-MAXキャンペーンで多くのアップデートもあり、キャンペーンの構築もこれまでのスタンダードとは大きく変わったアカウントも多かったのではないでしょうか。YouTubeショートでの広告表示も始まり、動画広告への注目度がさらに高まっていますね。

今年あった主要なアップデートをまとめてみました。ぜひ年末年始に復習がわりにこの記事を活用してみて下さい。


全体のアップデート

自動化による広告配信の効率化が進む中、これまで使えた機能がいくつか終了しています。これからもいろんな変化があると思いますが、そういった変化に抗うわけではなく利用できる機能をどのように活用し効果を最大限に発揮させるかという視点で考えられるようにしたいですね。

Google 広告「テスト」機能の管理がより簡単に

「下書きとテスト」という名称でしたが、今回「テスト」機能としてリニューアルされました。

以前はキャンペーンのテストを実施する際にキャンペーンの下書きを一度作成し、その下書きごとに個別でテストをする必要がありましたが、テスト機能のリニューアルにより実装までの手順もシンプルになり、より少ない工数でテストキャンペーンを使用できるようになっています。

マイアドセンター の提供を開始

Google検索結果、YouTubeやDiscoverに表示される広告を調整するための機能として、2022年10月20日より「マイアドセンター」が公開されました。

参考:Google Japan Blog: マイ アド センター の提供を開始

もっと見たい、または見たくないといった情報をGoogleへ送信することで、必要のない広告の表示を減らす設定が可能になっています。また、パーソナライズド広告を完全に表示させないように設定することや、興味のないトピックの広告表示に制限をかけることも可能です。

これまでも対象の広告が表示されないようにする機能はありましたが、ユーザー自身が広告を選択し、管理できるようになったことで、ネガティブなイメージの強い『広告』がユーザーにとってメリットのあるものだと感じやすくなる可能性もありますが、多くの人にとっては積極的に扱う機能ではない可能性も高いと考えています。

イヤならユーザー側で制限を掛けるだろうという前提での広告配信だけは避けたいですね。

参考:Google Japan Blog: マイ アド センター の提供を開始

2023年5月に類似ユーザーの利用制限がかかることが発表

多くの広告アカウントで利用されている類似ユーザーのオーディエンスリストですが、来年の5月から段階的に利用制限がかかるようになります。2023年5月には既存のキャンペーンに類似セグメントを追加することができなくなり、8月にはすべての広告グループとキャンペーンから類似セグメントが削除されます。

なお、類似セグメントが利用できなくなるにあたって、次のような自動化ソリューションをうまく活用することも案内されています。

  • 最適化されたターゲティング
  • オーディエンス拡張
  • スマート自動入札

今後、ターゲティングの自動化を活用していく機会がより一層増えていくことが予想されますね。

検索広告のアップデート

拡張テキスト広告はこれまで長い間お世話になっていた広告フォーマットだっただけに、入稿ができなくなって非常に困った広告アカウントも多かったのではないでしょうか。今後はレスポンシブ検索広告をどのように活用していくのかが求められますね。

拡張テキスト広告が終了

2022年6月30日に拡張テキスト広告の新規入稿が終了し編集もできなくなりました。入稿済みの拡張テキスト広告はまだ掲載可能ですが、今後はレスポンシブ検索広告がメインのフォーマットになります。

参考:レスポンシブ検索広告について - Google 広告 ヘルプ

レスポンシブ検索広告を利用する上でこれまでの拡張テキスト広告との違いや注意するべき点などはこちらのブログでも確認いただけますので、ぜひご確認ください。

検索広告の見た目がアップデート、ロゴやビジネス名が表示されるように

画像引用元:ビジネス情報を追加して、検索広告をさらに有用にする

モバイル検索広告向けのアップデートで、検索広告にロゴやビジネス名の表示がベータ版として開始されています。ランディングページのビジネス名とロゴが検出された場合、キャンペーンに追加され広告へも表示が行われます。

広告管理画面の「広告とアセット」の「アセット」から手動で追加することも可能です。より視覚的に訴えることができるようになりますので、まだ設定されていないアカウントは是非設定したいですね。設定していない場合はロゴに青い地球のアイコン、ビジネス名を含めることができない場合は表示URLのドメインが表示されるようになります。

また、2023年にはパソコンへの拡大も見込まれています。

ショッピング広告のアップデート

これまでセキュリティなどの問題点によりショッピング広告が利用できなかった広告主もMarchant Centerなしでリッチリザルトといったマーチャント リスティング エクスペリエンスが利用できるようになったのは、嬉しいアップデートでしたね。

Merchant Center 無しでも Google 検索でリッチな商品表示が提供できるように

Google は現地時間2022年9月13日に、Webページのコンテンツを理解するために利用している構造化データのうち、「product」に関する構造化データで利用できる属性(property と type)の種類を拡大し、Google Merchant Center を利用しなくても Google 検索結果のリッチリザルト、人気商品、ショッピングナレッジパネルへの掲載資格が得られるようになりました。

今後は Google Merchant Centerなしに構造化データのマークアップのみでこれらのプレースに掲載できる資格が与えられるようになります。

画期的なアップデートで便利になったと思う一方、すでにGoogle Merchant Centerを利用している広告主の方が大半だと思うので、恩恵を受ける事業者さんは少ないかもしれませんね。

動画広告のアップデート

YouTubeショートへの配信が可能になりました。また、Discover面への配信に変化がありましたね。縦型動画への注目は近年更に高まっているのを感じるので、YouTubeショートへ配信可能になったのは非常に大きいアップデートでした。

YouTubeショートへの広告配信が可能に

画像引用元:Recap of product announcements from Google Marketing Live 2022 - Google Ads Help

今年からYouTubeショートへの広告配信が開始されましたね。トレンドである短い動画がYouTubeでも専用のプロダクトとして登場し、大きく注目を集めていました。当初は広告枠はなかったですが、動画アクション キャンペーンとアプリ キャンペーンでYouTubeショートへの動画配信が可能になっています。

ショッピングフィードも接続することができ、EC事業者の方にとっても非常に有用性が高いメニューになっているといえます。

Google 広告とディスプレイ&ビデオ 360 にて「オーディオ広告」がリリース

▲オーディオ広告例

オーディオ広告はYouTubeで音楽やポッドキャスト、またはその他のオーディオ コンテンツを聴取しているユーザーへ配信が行われます。なかなか動画広告が動画作成コストの関係上、手が出せなかった広告主の方は比較的安価でクリエイティブが制作できると思いますので、利用してみてはいかがでしょうか。

動画広告に新しいテキスト読み上げ機能を追加

この機能はGoogle 広告のアセット ライブラリから直接利用可能です。スクリプトを入力し、好みの音声を選択するだけで、ワンクリックで動画にナレーションを重ねることができます。

YouTubeでは殆どのユーザーが音声をオンにして動画を視聴しているため、広告においても音声要素を加えることでパフォーマンスを引き出すことができるため、動画を作ったがナレーションを入れる予算がなかった、キャスティングが間に合わなかった等の場合には重宝される機能でしょう。

まだ日本語の導入はされていませんが、今後新しい言語と音声の追加予定とのことなので今後のアップデートに期待しましょう。

参考:Google 広告の新しいテキスト読み上げ機能を使って動画広告にナレーションを追加しましょう - Google 広告 ヘルプ

ファインド広告で動画広告のテストが開始

ファインド広告で商品フィードを使用している UGG の例
画像引用元:Engage your audience in every season with Discovery ads - Google Ads Help

新しい広告体験への取り組みとして、Google Discover面への動画広告配信のテストが開始されています。

小売業やEC事業者向けにストーリー仕立ての広告レイアウトもアップデートされるようです。見た目が変わることでクリック率や成果にも良い影響があるでしょう。また、Gmailでの配信面では商品の画像や価格などの情報をより豊富に掲載することで、広告で伝えられるメッセージをよりわかりやすく、見やすく伝えられるよう改善するようです。

P-MAX広告のアップデート

昨年末に全アカウントでローンチされたP-MAXキャンペーン。今年はかなりの数のアップデートが入っています。

スマート ショッピング キャンペーンとローカル キャンペーンの新規作成終了、P-MAX キャンペーンへ統合

2021年11月に全アカウントでローンチされたP-MAX(パフォーマンス最大化) キャンペーンにスマートショッピングキャンペーンとローカルキャンペーンが統合することで、新規作成が終了しています。

アセット分析の改善、新規顧客獲得のための機能追加などが追加

分析情報(インサイトページ)でアセットオーディエンスの分析が可能になりました。どういったアセット(画像・テキスト)が、様々なオーディエンスに有効なのかを具体的にインデックスされた数値とともに表示してくれるため、より成果を出しやすいクリエイティブの作成につながります。

参考:New Performance Max features to win new customers - Google Ads Help

そして、「新規顧客の獲得目標」が追加されています。

  • 既存顧客より新規顧客に対する入札単価を高くする(「新規顧客値」モード)
  • 新規顧客に対してのみ入札単価を設定する(「新規顧客のみ」モード)

どちらも新規顧客を重視したモードですが、内容は変わっています。「新規顧客値」モードでは新規顧客に対してコンバージョン値に新規顧客にのみ+αの金額を上乗せして、管理画面へ反映します。また、「新規顧客のみ」モードであれば、過去の購入状況とアップロードした既存顧客リストにも基づいて判断した新規ユーザーにのみ広告を表示するため、見込み顧客や新規ユーザーを重視するキャンペーンであれば適しているでしょう。

また、この2種類のモードは先日検索広告のキャンペーンにも追加されました。

その他細かなアップデート

  • P-MAX キャンペーンで最適化スコアが提供開始
    ・これまで利用できなかった最適化スコアが導入され、改善幅がわかりやすく
  • 「季節性の調整」導入
    ・短期間のイベント(通常 1 ~ 7 日間、たとえば 1 週間にわたるプロモーションやセールなど)がある場合に
  • 「データの除外」導入
    ・CV計測に問題があるような場合に、入札戦略に影響が出ないよう対象の期間のデータを除外するように指定できます。
  • P-MAX の新しい地域の詳細設定が追加
    ・物理的な「所在地」か「所在地や興味・関心」に基づいてターゲティングする機能が追加
  • 説明機能の導入
    ・すべての P-MAX キャンペーンに導入
    ・説明機能を参照することでパフォーマンス変化の原因を特定し、解決に繋げやすくなります。
    ・また、パフォーマンス向上に役立つ最適化案が表示される場合も。
  • 診断に関する分析情報
    ・広告ポリシー、お支払いとご請求、予算などに関する潜在的な問題を確認でき、発生する恐れがある問題があれば、その解決に役立つカスタマイズされた最適化案も表示
  • P-MAX で最終ページURL機能が有効の場合、広告文も動的に生成されるように
    ・キャンペーンのパフォーマンス改善が見込まれる場合に、広告内の説明文および他のアセットが動的に生成されるようになりました。
  • パフォーマンス プランナーが利用可能に
  • 自動化ルールが追加
  • 見出しの最大数を5から15へ
  • 説明機能の追加
  • オーディエンス分析機能の追加

まとめ

昨年からはじまったP-MAXキャンペーン周りでのアップデートがかなり多く、内容も活用する上での足回りを整えるのに有用な機能が目立っている印象でした。

もちろん、すべてのアップデートをご紹介したわけではないですが、今年はP-MAX中心のアップデートが多かったことは伝わったのではないでしょうか。

これからも様々な機能の「スクラップ・アンド・ビルド」は引き続き行われると思いますので、変化に取り残されないようアップデートの情報など定期的にキャッチアップしていきましょう!

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