Google は、類似オーディエンス(類似セグメント)機能のサポートを2023年5月より終了し、最適化されたターゲティング、オーディエンス拡張機能、スマート自動入札などの、自動化ソリューションにアップグレードすることを発表しました。
参考:オーディエンス ターゲティングに関する変更: Google 広告の類似ユーザー機能(別称「類似セグメント」)がサポートされなくなります - Google 広告 ヘルプ
類似セグメント機能は、ウェブサイトを訪問したユーザーや既存の顧客と共通する特徴を持ったユーザーをターゲティングし、新規ユーザーへ効果的にアプローチできる手法として、活用していた方も多いのではないでしょうか。
今回は、なぜ類似セグメント機能の提供終了へ至ったのか、その理由と終了後に向けてどのように対応していくのがよさそうなのか紹介していきます。
なぜ類似オーディエンスのサポートを終了するのか
サードパーティ Cookie の段階的な廃止に伴い、類似ユーザー 機能も影響を受けるため廃止へ向かうことになったと公式のヘルプで説明されています。また代わりに、関連するオーディエンスにリーチし、プライバシーの保護を中心に据えた手法である、「最適化されたターゲティング」、「オーディエンス拡張」、「スマート自動入札」などのソリューションに焦点が当てられていく方針も提示されています。
今回の変更で、ターゲティングもさらに自動化へ重きが置かれていることがよくわかりますよね。
サポート終了のスケジュール
自動化ソリューションへの代替対応を踏まえて、段階的なサポート終了がアナウンスされており、最初の変更までには約6ヶ月の猶予がもたれています。まずは変更のスケジュールを押さえておきましょう。
2023年5月1日
- 類似オーディエンスの自動作成が停止
- キャンペーンまたは広告グループへの類似オーディエンスの追加が不可に
- 類似オーディエンスに基づくコンバージョン値のルールが利用不可に
新しい類似オーディエンスの生成が停止し、既存の類似オーディエンスセグメントは、Google広告とディスプレイ&ビデオ360のキャンペーンや広告グループに追加されなくなります。
なお、すでに類似オーディエンスが設定されている広告グループやキャンペーン、既存の類似オーディエンスに基づくコンバージョン値のルールは引き続き機能します。また、レポート作成にも利用可能です。
2023年8月1日
- ターゲティング設定とレポート作成への使用が不可に
- 設定済みの類似オーディエンスはすべての広告グループとキャンペーンから削除
- 類似オーディエンスはオーディエンス マネージャーでも確認不可に
- 類似オーディエンスを使用するコンバージョン値のルールの適用が終了
同様のオーディエンスセグメントがすべての広告グループとキャンペーンから削除されます。なお、過去のレポートでは引き続き確認ができるとのことです。
変更への対応方法
類似ユーザー機能のサポート終了に伴い、「最適化されたターゲティング」を始めとする自動化ソリューションの活用が推奨されています。
「最適化されたターゲティング」および「オーディエンス拡張(ターゲットの拡張)」については以下の記事も合わせてご覧いただければと思います。
ディスプレイ キャンペーン、ファインド キャンペーン、動画アクション キャンペーンでは新規ユーザーへのアプローチを行いたい場合には「最適化されたターゲティング」が利用できます。認知が目的の動画キャンペーンなどでは「オーディエンス拡張」が利用可能です。
検索広告やショッピング広告においては、機械学習に基づいてコンバージョン数重視またはコンバージョン値重視の最適化をオークションごとに実施できる「スマート自動入札」の活用がおすすめです。
なお、 最適化されたターゲティング やスマート自動入札においては、キャンペーンや広告グループに設定しているか否かに関わらず「カスタマーマッチ(広告アカウントにアップロード既存顧客の情報)」がシグナルとして自動的に組み込まれるため、もし利用していない場合には検討するのがよいでしょう。
また、現在P-MAXキャンペーンに向けて提供されている「新規顧客の獲得」目標も有効に利用できる選択肢のひとつです。過去の購入状況やアップロードした既存顧客リストに基づいて新規顧客に対してのみアプローチしたり、新規顧客のコンバージョンにより重きを置くように新規顧客からのコンバージョン値に値を加算できます。
公式のヘルプページによれば 2022 年末までに検索向けに「新規顧客の獲得」目標をリリース予定とのことです。
まとめ
サードパーティ Cookie の段階的な廃止、プライバシー保護の強化が相まって、自動化ソリューションへの移行はよりいっそう推進されていますね。
すでにこれらの自動化ソリューションを上手に活用することで、類似オーディエンス機能よりも高い成果を挙げているケースは少なくありません。
猶予期間を待たずとも、ぜひ早いうちから取り組んでおきたいですね。