Google、商品構造化データの利用範囲を拡大。Merchant Center 無しでも Google 検索でリッチな商品表示が提供できるように

Google、商品構造化データの利用範囲を拡大。Merchant Center 無しでも Google 検索でリッチな商品表示が提供できるように

Google は現地時間2022年9月13日に、Webページのコンテンツを理解するために利用している構造化データのうち、「product」に関する構造化データで利用できる属性(property と type)の種類を拡大し、Google Merchant Center を利用しなくても Google 検索結果のリッチリザルト、人気商品、ショッピングナレッジパネルへの掲載資格が得られるようになったことを発表しました。

参考:New Search Console Merchant Listings report: expanding eligibility with Product structured data | Google Search Central Blog

これまでリッチリザルト、人気商品、ショッピングナレッジパネルへの掲載は、Google Merchant Center にアップロードされた商品のみ掲載資格が与えられていましたが、今後は Google Merchant Center なしに構造化データのマークアップのみでこれらのプレースに掲載できる資格が与えられるようになります。

従来も「product」に関する構造化データを利用することができていましたが、Google 検索の商品スニペットに利用されるにとどまっていました。

商品スニペットについての参考:How To Add Product Structured Data | Google Search Central | Documentation


構造化データの利用で掲載資格が与えられるようになったプレースの種類

今回、構造化データのマークアップのみでも掲載資格が得られるようになったプレースは「マーチャントリスティングエクスペリエンス」と呼ばれ、具体的な掲載場所としては次の通りになります。Google Merchant Center のヘルプページによれば、これらのプレースは Google Merchant Center における無料リスティングの掲載先としても挙げられています。

  • リッチリザルト
  • 人気商品
  • ショッピングナレッジパネル

参考及び画像引用元:Google で無料リスティングが掲載される場所 - Google Merchant Center ヘルプ

リッチリザルト

リッチリザルトは、Google 検索で商品などに関する情報を検索したときに検索結果の横に表示される情報で、価格、在庫状況、商品レビューを含む数行のテキストで構成されます。

人気商品(商品のカテゴリがファッション、アクセサリーのみ)

Google 検索でファッションやアクセサリーに関する検索を行った場合に表示される情報で、検索語句に関連性がある商品リスト カルーセルなど、より視覚的なリスティングが表示されます。

ショッピング ナレッジパネル

特定の商品に関する情報を整理して表示する検索ボックスで、検索語句に関連する商品情報の構造化データがマークアップされている場合に表示される可能性があります。ショッピング ナレッジパネルでは、商品の詳細、その商品を販売する小売店からの特典、商品レビューなどが表示されます。

マーチャントリスティングエクスペリエンスへの掲載資格を得るための構造化データのマークアップ方法

構造化データを使って無料リスティングへ商品を掲載する場合は、構造化データの「product」で提供されるクラスのうち「Merchant listing experiences」の仕様に沿ったマークアップが必要となります。

その「Merchant listing experiences」の仕様に沿ったマークアップ方法についてですが、技術的な話となるため本記事では解説をしません。下記、Google Search セントラル内の開発者向けドキュメントを参照ください。

参照:How To Add Product Structured Data | Google Search Central | Documentation

なお、同開発者向けドキュメントによると、マーチャントリスティングエクスペリエンスと従来の商品スニペットの使い分けについては下記のような説明があります。

  • マーチャントリスティングエクスペリエンス:顧客が商品を購入できるページの場合
  • 商品スニペット:顧客が商品を直接購入できない製品ページの場合

つまり、ケースによってどちらの形式でマークアップするかを選ぶ必要がでてくるということなので、マーチャントリスティングエクスペリエンスの仕様に沿って全てのページがマークアップできればOKという話でもないと言う点は注意です。

構造化データのマークアップでマーチャントリスティングエクスペリエンスに対応する場合の注意点

マークアップされた商品情報に対しては、Google Merchant Center の無料リスティングのポリシーが適用される

開発者向けドキュメントには、マーチャントリスティングエクスペリエンスに対応するための構造化データのマークアップを行う場合、対象となる商品が Google Merchant Center の無料リスティングのポリシーに準拠している必要があるとの記載があります。

参考および画像引用元:How To Add Product Structured Data | Google Search Central | Documentation

ポリシーの詳細については言及しませんが、法律で制限されているようなアルコールや成人向け商品、偽造品、危険度が高い商品などのショッピングコンテンツは制限されるうえ、法律の制限を受けないような一部の商品カテゴリでも掲載が制限される商品もあります。

つまり構造化データのマークアップを行っても、すべての商品で掲載資格が得られる訳ではないので、Google Merchant Center 無料商品リスティングのポリシーは事前に確認しておきましょう。

参考:無料リスティングに関するポリシー - Google Merchant Center ヘルプ

参考:無料リスティングの対象外のコンテンツ - Google Merchant Center ヘルプ

無料商品リスティングのポリシーに適合しているかどうか確認する術は恐らくない

Webサイトに実装された構造化データのマークアップエラー、警告、有効なページの確認などはサーチコンソールで新しく提供される「商品スニペット」「販売者のリスティング」レポートで確認することが可能です。

参考および画像引用元:https://developers.google.com/search/blog/2022/09/merchant-listings

ただし、この記事を執筆している2022年9月時点では商品自体が無料リスティングのポリシーに適合しているかは同レポートから確認できないようなので、マークアップは問題ないけれどもポリシー要因で一向に掲載されないというケースがあった場合には、トラブルシューティングの難易度が途端に跳ね上がると考えられます。

一方、Google Merchant Center ではポリシー違反が発生した場合にどのポリシーに違反しているかまでは知ることができるので、問題解決のためのあたりがつけやすいというメリットがあります。

マーチャントリスティングエクスペリエンスとして必ず表示されるとは限らない

構造化データのマークアップを行ったからといって必ずしもGoogle 検索に表示されるとは限りません。あくまでも掲載資格を得られるだけです。

つまり、構造化データのマークアップはスタートラインに着くための手段であり、結果として表示されるかどうかはマークアップされた商品に関する情報の質や競合する商品などに大きく左右されます。

「質の高いデータ」とは何を指すかについては、Google Merchant Center のヘルプで説明がされているので参考にしてみてください。

質の高いデータは主に「正確で包括的なデータ」「最新のデータ」「検証可能なデータ」から成り立っているのですが、その中でも「正確で包括的なデータ」は商品データの質を大きく左右する要素であると筆者個人は体感しているので、構造化データのマークアップ時にはできるだけ多くの要素を反映できるようにしておくと良いでしょう。

参考:質の高いデータを提供する - Google Merchant Center ヘルプ

商品のコンディションが頻繁に変わる商品は不向き

Google Merchant Center にアップロードされた商品データは、Content API for Shopping 経由であれば即時、テキストやスプレッドシートやXMLを用いたフィードであれば1日1回などの頻度で更新が可能です。

一方、構造化データのマークアップを用いた場合はクローラーによるクローリング、構造化データの処理、再インデックスといった手順を都度踏む必要がある上に、クローラーが訪問する頻度は不定期かつコントロールができません。つまり、仕組みの違いではあるのですが、マークアップされた構造化データが処理されて商品情報がGoogle 検索に反映されるまでには多少の日数がかかる事になります。

なので、在庫のありなしが頻繁に変わったり、セールなどで販売価格が頻繁に変わるような商品が多い場合は、Webサイトの情報とGoogle 検索に表示されている情報に乖離が発生する可能性もあるため、結果として顧客の体験を損ねてしまうことになりかねません。

在庫や価格などのコンディションが頻繁に変わる商品に関しては不向きと捉えておくのが良さそうです。

恐らく Google 検索結果のランキングを決定する要素への影響はない

前述の通り、マーチャントリスティングエクスペリエンスは Google Merchant Center でいう無料リスティングと同じプレースに掲載されます。

ゆえに「Merchant listing experiences」の仕様に沿ったマークアップを行った結果、マーチャントリスティングエクスペリエンスに掲載されることでWebサイトへのトラフィックを増やす可能性はあっても、従来のSERPsのランキング要素として直接的な影響を及ぼす可能性についてはないと考えられます。

Webサイトへのトラフィックを増やす目的であればぜひ取り組みを検討いただきたい機能ですが、特定の検索語句で従来のSERPs上位(マーチャントリスティングエクスペリエンスを含まないプレースにおいて)を狙うという目的であれば恐らくこの機能は有用に働くことはないでしょう。

Google Merchant Center を利用していれば対応の必要は無し

Google Merchant Center で無料リスティングの機能をオプトインしていれば、自動的にマーチャントリスティングエクスペリエンスの掲載資格を得ることができるので、基本的に何か追加で対応する必要はありません。

参考:無料商品リスティングを設定してください - Google Merchant Center ヘルプ

マークアップされた構造化データから Google Merchant Center 用の商品フィードも生成可能

もし、構造化データのマークアップのみ対応していたサイトがショッピング広告の掲載をしたいと考えたとき、改めて Google Merchant Center 用のフィードを生成しなくても大丈夫。

Google Merchant Center では構造化データのマークアップからフィードを自動で生成する機能も備えているので、改めてフィードを生成するのはちょっと厳しいなと思ったら「自動フィード」機能を試してみましょう。

参考:自動フィードを使用して商品データを作成する - Google Merchant Center ヘルプ

この画期的なアップデートは誰のため?何のため?

Google 広告のプロダクトである Google Merchant Center を介すことなく、マーチャントリスティングエクスペリエンスに商品情報を提供できるようになったと言う点はとても画期的であると筆者は考えています。Google の内部では検索チームと広告チームで役割が分かれている中、今回のように検索側で集めた商品データと広告側で集めた商品データを統合して1つのプレース(本件ではマーチャントリスティングエクスペリエンス)に表示させるというコラボレーションが実現したのは非常に大きな動きです。

画期的なアップデートだと思う一方で、このアップデートは誰のためか?何のためか?を考えてみます。

例えば、セキュリティなどの理由で Google Merchant Center が利用できない企業にとって、構造化データのマークアップだけで対応できるようになるのは朗報である一方で、中小規模のEC事業者であれば多くの場合で Google Merchant Center と連携できるASPカートを既に利用していると考えられるので、このアップデートに関する恩恵は少ないとも言えます。

また、多くの情報をマークアップしようとしたときに、それに対応するためのシステム開発が必要になります。どのようにマークアップのデータを出力するかにもよりますが、実装難易度を考えたときに商品データベースからフィードを生成し Content API for Shopping 経由で Google Merchant Center に送ってしまった方が総合的には楽で効果的であるというパターンもあるかもしれません。

さらに言えば、構造化データのマークアップができたとしても掲載資格が得られるだけであって表示が保証されるという機能ではありません。そのため、構造化データのマークアップをする事自体が目的になってしまうと、本来の目的を見失ってしまうことにもなりかねません。

なので、そのように考えたときに、このアップデートは画期的である一方で、恩恵を受けることができるEC事業者はどのくらいあるのかを考えたときに疑問符が残ります。

EC事業者それぞれが導入を検討するというのではなく、ASPカートなど中間システムを提供する側がこの構造化データマークアップを機能として提供するというのはアリなのかなとは思いました。そうすれば Google Merchant Center アカウントを管理することなくマーチャントリスティングエクスペリエンスに対応できそうです。

広告側の視点から考察すると課題はいくつかありそうだなという点は感じつつも、検索側から見れば Google に対する商品情報の提供手段が増えたので対応する意義はありますし、Google 側から見ればより商品情報が集めやすくなったので今後のプロダクト展開にも役立てそうという点では多方にメリットはありますね。

今後も検索とのコラボレーションが実現したことをきっかけに、今後も Google Merchant Center の機能がハブとなってYouTubeや他のプロダクトとの連携が進んでいくのだろうなと思うと個人的にはワクワクが止まりません。

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