拡張テキスト広告からレスポンシブ検索広告に移行する際に留意しておきたいこと

拡張テキスト広告からレスポンシブ検索広告に移行する際に留意しておきたいこと
この記事は最終更新日から約2年が経過しています。

いよいよ今月末(2022年6月末)を過ぎるとGoogle 広告の拡張テキスト広告の新規追加や編集ができなくなり、通常の検索キャンペーンではレスポンシブ検索広告がメインの広告フォーマットとなります。

この移行についてのアナウンス自体は昨年夏にはありましたが、今回は直前ということで改めて単純に拡張テキスト広告を新規作成・編集できなくなるといったこと以外に留意しておきたいポイントをいくつか紹介したいと思います。

参考:Google 検索で適切なメッセージをより簡単に表示できるようにする



レスポンシブ検索広告は1つの広告グループに3つまで

レスポンシブ検索広告には見出し・説明文それぞれを特定の位置に固定する機能があります。この機能を用いれば疑似拡張テキスト広告として運用できるのでは?と考えている方もいるかもしれません。

しかし、現状1つの広告グループに有効なレスポンシブ検索広告は3個までといった制限があります。本来Googleが意図している使い方の(多数のアセットの組み合わせで最適化させていく)レスポンシブ検索広告が広告グループ内に1個ある場合、位置固定レスポンシブ検索広告(疑似拡張テキスト広告)は2個までしか使えません。

拡張テキスト広告のように各アセットが位置固定された広告を同時に何パターンも試すようなことはできないので注意しましょう。

有効なレスポンシブ検索広告の数は、広告グループごとに 3 個までに制限されています。

引用元:レスポンシブ検索広告について

拡張テキスト広告とレスポンシブ検索の広告カスタマイザの違いに注意

拡張テキスト広告の新規追加・編集ができなくなると同時に、拡張テキスト広告に関係する各機能も新規追加・編集ができなくなります。そのため、拡張テキスト広告の広告カスタマイザで使用しているビジネスデータのデータフィードもアップロード・編集ができなくなります。

  • 2022 年 6 月 30 日より、拡張テキスト広告の広告カスタマイザの作成と編集はできなくなります。これは、新しい拡張テキスト広告の作成がサポートされていないためです。
  • また、拡張テキスト広告のビジネスデータのアップロードと編集もできなくなります。
  • 拡張テキスト広告の既存の広告カスタマイザは引き続き配信され、パフォーマンス データもレポートに表示されます。
引用元:ビジネスデータとデータフィードについて

拡張テキスト広告はそのままで、このデータフィードを更新することで訴求内容を変えていた方は注意しましょう。

また、拡張テキスト広告とレスポンシブ検索広告では使うデータフィードが変更になり、使える属性も変わります。そのため拡張テキスト広告では可能だった訴求のコントロールがレスポンシブ検索広告では不可になるケースもあります。

注意するべき点をそれぞれ見ていきましょう。

データフィードの移行が必要

拡張テキスト広告はビジネスデータ内の「テキスト広告の広告カスタマイザ データ」といったデータフィードを用いて広告カスタマイザを設定しているのに対し、レスポンシブ検索広告は「広告カスタマイザ属性(https://support.google.com/google-ads/answer/10711524 )」という別の箱のデータフィードを用いています。

そのためレスポンシブ検索広告用に新規でデータフィードを作成するか、適宜 形式に合わせ拡張テキスト広告のデータフィードを変換する必要があります。

詳細:テキスト広告の広告カスタマイザをレスポンシブ検索広告に変換する

[Target location]など一部の属性は利用不可に

キャンペーンや広告グループ、キーワードの属性での訴求の出し分けは引き続き使えるのですが、いくつかの属性は現状レスポンシブ検索広告ではサポートされていません。

たとえばユーザーのターゲット地域によって訴求を出し分ける[Target location]の属性や、特定の期間のみに訴求を使えるようにする[StartTime][EndTime]など、商材によってはとても重宝されていた属性がレスポンシブ検索広告では使えなくなるので注意が必要です。

テキスト広告カスタマイザの既存のスプレッドシートには、レスポンシブ検索広告で使用できない属性が含まれている可能性があります。

レスポンシブ検索広告カスタマイザのビジネスデータで現在サポートされていないテキスト広告の属性:

  • Target location
  • Target location restriction
  • Device preferences
  • Scheduling
  • StartTime
  • EndTime
  • Daypart
  • MobilePreferred
  • Countdown within the business data
引用元:テキスト広告の広告カスタマイザをレスポンシブ検索広告に変換する

新規追加の地域の挿入機能

レスポンシブ検索広告では新たに地域の挿入機能という広告カスタマイザが登場しております。データフィードの広告カスタマイザでサポートされなくなる[Target location]属性の一部代替となりうる機能ですが、使い勝手が若干異なるので注意が必要です。

拡張テキスト広告ではユーザーのターゲット地域によって任意の値を出し分けることが可能でしたが(例 ターゲット地域が[八王子市]だった際に、保有している近くの店舗[立川店](text)を訴求することなどが可能)、レスポンシブ検索広告の地域の挿入機能ではユーザーのターゲット地域を指定した粒度にてそのまま挿入することになります(例 ターゲット地域が[八王子市]なら、広告文にはそのまま[八王子市]を挿入する)。

参考:レスポンシブ検索広告の地域の挿入機能について

IF関数は拡張テキスト広告のみ

デバイスやオーディエンスリストをキーに訴求を出し分ける広告カスタマイザは拡張テキスト広告では使用できましたが、現状レスポンシブ検索広告では使用できません。

参考:IF 関数について

いずれも今後利用できるようになる可能性はゼロではありませんが、6月末まで僅かな期間しか残されていない状況では、利用できないものとして進めておくのがよいでしょう。

共通して使えるカウントダウン

一方でカウントダウンは拡張テキスト広告と同様にレスポンシブ検索広告でも使用できる広告カスタマイザの機能です。

参考: カウントダウンでイベントへの期待を高める

地域の挿入機能とカウントダウンの詳細な使い方に関しては、以下のブログも参考にどうぞ。

変化に抗うよりも適応しよう

現状、拡張テキスト広告ではできていたのにレスポンシブ検索広告ではサポートされていない機能がいくつかあるため、6月末までに拡張テキスト広告を作り溜めしておくといった発想も一理あるかと思います。

しかし運用型広告は、最初に決めた設定でパフォーマンスを出し続けられるケースは多くなく、クリエイティブやアカウント構造など常に変化していく(させていく)ものです。新たなランディングページを作成したり、配信方針の転換でキャンペーンや広告グループの組み換えが必要となったタイミングで、レスポンシブ検索広告のみで運用していく未来が訪れることは想像に難くないでしょう。

そのため“どうやって拡張テキスト広告を生き残らせるか?”といった思考よりも”レスポンシブ検索広告でパフォーマンスを改善させていくにはどうしたらいいか”といった思考に早めに切り替えていくのが良さそうですね。

また、Yahoo! 検索広告においても2022年9月28日に拡張テキスト広告の入稿が終了する予定となっておりますので、Google広告での結果を反映できるようにレスポンシブ検索広告のパフォーマンスを引き上げられるよう試行錯誤していきましょう。

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