2021年11月に全アカウントでローンチされたP-MAX(パフォーマンス最大化) キャンペーン。2022年中にアップグレードされることが発表されていましたが、そのおおよそのスケジュールがアナウンスされました。
参考:スマート ショッピング キャンペーンとローカル キャンペーンの P-MAX キャンペーンへのアップグレードについて - Google 広告 ヘルプ
本記事ではこのアップデートの背景やスケジュール、移行にあたっての注意点を解説していきます。
目次
P-MAX キャンペーンとは
P-MAX キャンペーンとは、Googleの自動化機能を活用し、目標ベースで1つのキャンペーンから検索やディスプレイ、YouTube、Discover、GmailなどGoogleのあらゆるチャネルへ広告を配信できるキャンペーンタイプです。
1つのキャンペーンにデータを集めることで機械学習がされやすくなり、自動化機能で最適なユーザーに最適なタイミングや広告フォーマットでアプローチすることができるようになります。
今回、スマートショッピングキャンペーンとローカルキャンペーンをP-MAXキャンペーンへ移行するためのスケジュールが発表されました。
P-MAXへの移行スケジュール
現時点では詳細な日時までは不明ですが、おおよそのスケジュールは次のとおりです。
スケジュール | 内容 |
2022年4月 | スマート ショッピング キャンペーンをワンクリックでアップグレードできるツールの提供を開始 |
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2022年6月 | 上記ツールでローカル キャンペーンのアップグレードにも利用できるように |
2022年7月-9月 | 自動アップグレード:スマート ショッピング キャンペーン |
2022年8月-9月 | 自動アップグレード:ローカル キャンペーン |
2022年9月末 | アップグレードの完了 |
自動アップグレードに先駆けて、ワンクリックでアップグレードできるツールの提供が開始される予定です。P-MAX キャンペーンにアップグレードされる際には既存のキャンペーンでの学習内容が引き継がれるため、一貫したパフォーマンスが維持されるとのことです。
スマート ショッピング キャンペーンやローカルキャンペーンを利用して広告を掲載している場合には、パフォーマンスの観点から慌ててP-MAXキャンペーンを新規に作成して開始するよりも、アップグレードを待つほうが賢明そうですね。
アップグレードによる注意点
アップグレードにあたり、現時点でわかっている情報から以下の点には注意しておく必要がありそうです。
自動アップグレード後にはスマート ショッピングキャンペーンとローカルキャンペーンの新規作成は不可に
自動的にアップグレードされた後は、新しいスマート ショッピング キャンペーンおよびローカル キャンペーンの作成もできなくなります。
自動アップグレードがどのように行われるのかは現時点では定かではありませんが、仮にすぐに既存のキャンペーンに戻せるようにしたい場合には、新たにP-MAXキャンペーンを作成して掲載することも視野に入れておく必要がありそうです。
ターゲティングの重複は避けるのがよさそう
P-MAX キャンペーンは、同じ商品をターゲットとする既存のスマート ショッピング キャンペーン、通常のショッピング キャンペーン、動的リマーケティングを使用するディスプレイ キャンペーンよりも優先して配信されます。
そのため既存のターゲティングと重複してP-MAXキャンペーンを掲載する場合、パフォーマンスや掲載ボリュームの維持が難しくなる可能性があります。同じターゲティングを利用する場合には、これまでの学習データを引き継げるよう、ツールの提供を待ってアップグレードするのがよさそうです。
まとめ
今回のP-MAX キャンペーンでは配信面や広告フォーマットの選択も自動化され、広告運用の全自動化が現実味を帯びてきたのではないでしょうか。
現状では広告が表示された検索語句やクリエイティブごとのクリック数やコンバージョン数がわからないなど、確認できる指標が少なく、また調整できる余地もほとんどありません。
プレースメントレポートで広告が配信された場所は見れるようになりましたが、現状ではGoogleが保有する面の詳細は見られず、指標も表示回数が見られるのみです。
参考:P-MAX キャンペーンのプレースメント レポートを確認または作成する - Google 広告 ヘルプ
なお、現在はGoogleの担当者へ依頼する必要のある除外キーワードも、設定が今後広告アカウントからも可能となる予定があることが示されています。現状の完全おまかせの状態から、今後個々の状況に合わせてできることが増えてくる可能性もありそうです。
P-MAXの今後はいまのところ不透明な中ですが、移行は着々と進んでいきますので、まずは何ができて何ができないかを正しく把握し、上手く活用するために取れる手段を考えておきたいですね。