
「広告配信中のランディングページの不具合でコンバージョンが計測できおらず、自動入札のパフォーマンスが悪化してしまった...」
そんなトラブルの経験はありませんか?
自動入札は、過去のデータをもとにコンバージョンの獲得見込みに合わせて入札価格を調整してくれる機能です。しかし、サイトの不具合やタグの設定ミスなどで正確なコンバージョンデータが取得できないと、誤ったデータを学習した自動入札により、パフォーマンスが落ちてしまうことがあります。
そんな問題を解決するために利用したいのが、今回ご紹介するYahoo!検索広告の「自動入札の学習データ除外(以降、学習データ除外)」です。
この記事では、学習データ除外の概要から活用シーン、設定方法や注意点まで詳しく解説していきます。


目次
自動入札の学習データ除外とは
Yahoo!検索広告の「学習データ除外」とは、自動入札の学習データから指定した特定の期間のコンバージョンデータを除外できる機能です。この機能を利用することで、問題のある期間のデータを学習から切り離し、自動入札のパフォーマンス低下を防ぐことができます。
なお、学習からのみデータが除外されるため、レポートなどにおけるコンバージョンの実績値に影響はありませんのでご安心ください。
どんなときに利用する?
具体的にどのような場合に利用するのが効果的でしょうか?ここでは活用が見込まれるケースをいくつかご紹介します。
- ウェブサイトのメンテナンスで、コンバージョン測定ができなかった場合
- コンバージョンタグの設定ミスにより、正しいデータが取得できなかった場合
- 不正クリックやスパムなどで、不正コンバージョンが記録されてしまった場合
このように、普段とは異なるコンバージョンデータの動きが見られた場合は、まず原因を解決し、その後「学習データ除外」を活用しましょう。これにより、正確なデータで自動入札が機能し、広告配信への悪影響を抑えられます。
学習データ除外が適用される自動入札タイプは?
「学習データ除外」はすべての自動入札で設定できるわけではありません。特に、以下の自動入札タイプでは効果がありません。
- クリック数の最大化
- ページ最上部掲載
これらの自動入札タイプでは、コンバージョンデータを基にした調整を行わないため、学習データ除外を設定しても入札には影響しません。設定自体は可能ですが、効果はありません。
また、アプリ訴求キャンペーンでは利用できないことにも注意しておきましょう。
学習データ除外の設定方法
ここからは、「学習データ除外」の具体的な設定方法を確認していきましょう。
Yahoo!検索広告にログイン後、右上の「ツール」から「自動入札の学習データ除外」を選択。
「+学習データ除外を作成」をクリックします。
必要事項入力の上、作成で自動入札の学習データ除外の設定が完了です。
以下は入力必須項目の詳細です。
1. 学習データ除外名
設定の名称を入力します。
後から名前を変更することは可能ですが、すでに存在する名称と同じものは設定できません。
2. 適用期間
コンバージョンデータを除外する開始日時と終了日時を指定します。
設定できる期間は最大14日間です。
3. 対象のキャンペーン
「キャンペーンを選択してください」をクリックし、学習データ除外を適用するキャンペーンを選びます。
複数のキャンペーンを選択することも可能です。
4. デバイス
デフォルトではすべてのデバイスが対象です。
除外したいデバイスがある場合は、対象外のデバイスのチェックを外しましょう。
作成した「自動入札の学習データ除外」は一覧に表示されます。該当の学習データ除外名をクリックすると編集ができ、チェックを入れて「学習データ除外を削除」で削除も可能です。
なお、以下のように設定できる上限数があるため闇雲に作成しないよう注意も必要です。
- 広告アカウントごとの上限:最大500件
- 1つの学習データ除外に関連付け可能なキャンペーン数:最大2,000件
今回はブラウザ上での設定方法を紹介しましたが、キャンペーンエディターでも学習データ除外の設定が可能です。詳細な手順は以下の公式ヘルプをご確認ください。
参考:学習データ除外の作成・編集・削除(キャンペーンエディター) - Yahoo!広告
学習データ除外を利用する上での注意点
ご紹介してきた通り、コンバージョンデータに何らかの不具合があった際には積極的に利用したい機能ですが、利用する際には次のことに注意が必要です。
①反映までに学習期間がかかる
学習データ除外の設定が自動入札に適用されるタイミングは、学習データ除外の適用期間により異なります。
適用期間が未来の場合
設定はすぐに自動入札に反映されます。
適用期間が過去の場合
反映されるまでに1週間程度かかるため、問題に気づいたら早めに学習データ除外を設定するようにしましょう。
また、学習期間中は一時的に入札価格やコストが減少する可能性がある点も注意が必要です。
②頻繫または長時間の利用は避ける
学習データ除外は便利な機能ですが、頻繁な利用や長期間にわたって利用し続けることは、学習データの不足につながり、自動入札の学習に悪影響を及ぼす場合があります。
③作成した学習データ除外の削除は避ける
一度作成した学習データ除外を削除してしまうと、自動入札のパフォーマンスを低下させる恐れがあります。誤って設定してしまったなどの理由がない限りは、削除しない方が安全です。
これらの注意点を意識して、学習データ除外を効果的に活用しましょう。
「学習データ除外」と「自動入札のスポット調整」の使い分け
「学習データ除外」と似ている機能に、「自動入札のスポット調整」があります。この機能は、コンバージョン率の変動が見込まれる期間に変動率を設定することで、入札方法や自動入札の設定を変更せずに、短期間の変動への調整を可能にします。たとえばセールやテレビ番組での露出などが挙げられます。
以下のように状況に応じて使い分けましょう。
- 一時的な変動に対応したい場合は、「自動入札のスポット調整」
- 学習データに誤った情報を反映させたくない場合は、「学習データ除外」
参考:Yahoo!検索広告「自動入札のスポット調整」の使い方|短期間のコンバージョン率の変化への対応方法
まとめ
サイトのエラーやコンバージョン測定で問題が起きた場合には、慌てずに「自動入札の学習データ除外」機能の利用を検討してみましょう。
ただし、この機能は問題の解消を保証するものではありません。設定するタイミングによっては自動入札への影響は完全には避けられないでしょう。
そのため、日々の広告運用では正確な設定や定期的な確認が最も重要なのは間違いありません。それでも、予期せぬ問題は起こり得ます。そんなときには「自動入札の学習データ除外」を思い出し、対策として取り入れてみてください。
