運用型広告運用者の為のスキルアップセミナー Vol.3 セミナーレビュー

2016年11月26日にアナグラム主催で、運用型広告運用者の為のスキルアップセミナー Vol.3を開催しました。プログラム公開後、80名の枠が数日で満員になり、調整後90名に増員させて頂きましたが、それでも多くの希望者の方をお断りしなければいけない状態になってしまって申し訳なかったです。

今回のセミナーは2016年にアナグラムが各所でお話させていただいた内容をベースにしたオムニバス盤です。好評いただいた内容をぎゅっと凝縮した内容になっております。その内容を今回はお話させてもらいます。

Contents

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第1部:運用型広告の立ち位置と、経営に寄り沿い本気でビジネスを伸ばすための考え方

スピーカー:竹内 槙優 (たけうち まさる)

第1部でのお話は運用型広告の役割を再確認、健全な広告投資を阻害するKPI管理の落とし穴と、より経営に寄り添うためにという3点から話をしました。

運用型広告の成長とその背景

みなさまの生活を思い起こしてもらっても、何かを知りたい時に検索し、その情報がすぐに共有されるようという行動が無意識のうちに生活に馴染んでいると思います。Googleの調査によると1日に平均200回スマートフォン利用して、利用時間の86%はアプリ上で過ごしており、95%は初回訪問でCVしない(何らかの目的を達成するアクションはしない)状況になっています。(出典:Google Micro-Moments発表、2015年8月)

このように、生活者の行動が細分化され旧来のマーケティング手法では企業から情報を発信しても届きにくくなっていっています。スマートフォン普及などを背景に細分化してしまった可処分時間や、生活者と企業の間にある隙間をうまく埋めてくれているのが運用型広告といえるのではないでしょうか。

■健全な広告投資を阻害するKPI管理の落とし穴

次に、広告を開始する前に考えておくべき、KPIの設定の仕方についてのお話です。普段こんな管理をしていませんか?例えば、「月の予算を固定している」広告費を1ヶ月で厳密に決めているがゆえに、月末に予算調整で配信を絞る…なんてことありますよね。これは(業種・業界にもよりますが)とてももったいないことです。

世の中の流れとしては25日前後がお給料日になるのですが、25日からCV実績も伸びている(伸びそう)なのに上限予算があるがゆえ配信を抑制してしまう。お客様との貴重な接点を逃している可能性が高いです。解決策としては、次月の予算から今月に前倒しで持ってくる or 3ヶ月単位での予算組みをして毎月末に抑制がかかってしまう仕組みを防止するなどが考えられます。広告主さんが作ったKPIや予算管理の都合が、結果的に広告主さんを苦しめているかもしれないという幾つかの管理手法における落とし穴についてお話しました。

■商売感覚

最後に、経営に寄り添うための「商売感覚」についてです。

今まで何百のお客様と話をしてきて、多くの広告主の本音を代弁すると、「商売を理解している代理店が少なすぎる!」ということでした。そんな広告主の本音を聞いたところで、代理店という立場から何が出来るかというと、管理画面を離れて経営に寄り添うということです。例えば、クライアントサービス・商品を使ってみる、市場とクライアントのシェアを把握する、市場・風向き・景気の善し悪し、ビジネスモデル・歴史について理解するなど管理画面だけで知り得ない情報にも目を向けて見ると良いでしょう。

未来への健全な投資姿勢を取ることが、経営に寄り添い本気でビジネスを伸ばすための考え方につながってくると思いますので、今年中に自社のビジネスや、代理店さんであれば自分の広告主さんについて考える時間を作ってみて下さい。

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参考:a2i ウェブアナリスト養成講座「運用型広告に取り組む基本的な考え方と実践方法」セミナーレビュー(前編)

第2部:急加速するGoogleショッピング、知っておくべきトレンドと導入の進め方

スピーカー:田中 広樹 (たなか ひろき)

今回お話するのは、デジタル神無月やFeedTech2016でお話させていただいた内容を凝縮した内容になっています。ショッピング広告の現状把握から、今後、代理店の運用者に求められるスキルについて話しました。

■Googleのショッピング広告の現状

ショッピング広告とは、検索結果の上部や右側に出る商品画像付きの広告のことを指します。検索語句に対して、その検索語句に関連度が最も高い商品データを元にオークションが行われ、広告が配信されます。ショッピング広告自体は目新しいものではなく、2012年6月~日本でも開始されており、年々伸びておりましたが、特にここ1年は急成長しています。それゆえ、特にECでは欠かせないマーケティング手法になっています。

従来のテキスト広告のみを配信し続けていることは現状維持であり、その間に競合がショッピング広告を開始すれば、その時点からクリックシェアは奪われ始めて、いずれ淘汰されて衰退してしまいますので、攻めるためのショッピング広告という意味だけではなく、守るためにもショッピング広告を実施していくべきす。

■どのように導入・実施をしていけばいいの?代理店に求められるスキル

最も大きな壁は商品フィードの準備だと思います。いざ、ショッピング広告を始めようと思った時、広告主からは何が必要なの?どうやって作成すればいいの?お手本などはありますか?と様々な疑問や質問がでてきます。こうなってしまうと、広告運用者としては「ううう・・・」と指示できなくなってしまうのではないでしょうか。

せっかくショッピング広告ができる可能性があるのに、技術的に行き詰まってしまう・知識が追いつかないのはとてももったいないことだと思います。ですので、代理店の広告運用者の皆様は「指揮者」になれるようにしましょう。
指揮者に求められるものは仕組みやルールに関する知識だと思います。そしてその知識を得るには、商品フィードを読み書きできるようになること・まずは触る!ことです。

それ以外にも商品フィードを作るときのポイントがいくつかありますが、商品フィード学び・実際に作ってみるセミナー&ワークショップも定期的にやっているので、機会が合えばぜひご参加下さい。

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参考:FeedTech2016:いま取り組むべきショッピング広告&動的リマーケティング、成果を出し続けるために必要なポイントとは? セミナーレビュー

第3部:成果を出すアカウントができるまで

スピーカー:森野 滋郎 (もりの しげろう)

第3部は、成果の出るアカウントを作る方法についてお話しました。

アカウント構築には、さまざまなやり方がありますが、リサーチとプランニングが命です。目標の決定→3C分析→ターゲティングの洗い出し→ポートフォリオ作成→全体設計→細部構成→配信開始みたいな感じですね。このフロー例で言うと、全体設計までがリサーチとプランニングになります。

まずは、目標の決定から行っていきますが、これがある意味、最も大事なところになります。CPAなのか、ROASなのか、CVなのか、商材の特性と状況をしっかり把握して、適切な目標を設定してから、次の段階に移るようにしましょう。また、分析においても、3Cを可視化して把握することで、次のアクションや判断を素早く的確に行えるようになります。

実店舗がある場合、実際に訪問してみるなどはお勧めですね。目の前で実際に購入する人が見えるので、訴求のイメージがしやすくなります。実際に購入・利用してみるのもいいでしょう。誰に何を売っているのかを忘れずに、最適な戦い方ができるようなポートフォリオを組んでいきましょう。

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また、よく運用者の方から下記のような質問をいただきます。今回はそれを幾つかご紹介します。

Q:最適なアカウント構成はありますか?

A:広告対象の規模や特性によって最適なアカウント構成は変わってくるため決また構成はありません。

Q:アカウント構成は細かく分けたほうが良いですか?

A:ケースバイケースですが、自動化やコンバージョンオプティマイザーの適用を前提としているなら、まとめられるものは極力まとめましょう。ただ、入札を分ける・広告訴求を分けるなど分けたほうがいい理由があるものは、分けたほうがいいです。細かくしすぎると運用の判断スピードと確度が遅くなるため、ある程度数字が溜まりやすい構成にしてあげましょう。

構築はプランニングと使いやすさが命だと思います。最初に丁寧な構築をしてあげることで、運用が始まってからレポーティングや実績把握で苦労しなくなります。そうなると素早い改善ができるようになります。

参考:a2i ウェブアナリスト養成講座「運用型広告に取り組む基本的な考え方と実践方法」セミナーレビュー(後編)

第4部:もう悩まない!Facebook広告でビジネス成果を生む掟と向き合い方

スピーカー:鈴木 雄翔 (すずき ゆうか)

第4部は、Facebook広告との向き合い方や最大限に強みを活かす取組み方、広告クリエイティブとその運用心得について話しました。

Facebook広告との向き合い方

Facebook広告は、他のデジタル広告とは視点を変えた取り組みが大切です。要点さえおさえれば頻繁なアップデートにも迷わないようになります。(なぜこのアップデートが必要なのかなど意図を知ることができます。)Facebook広告と向き合う上で大切なことは、ターゲットとするオーディエンスにとって価値ある広告を届けられているかにつきます。Facebookはあくまでもオ-ディエンス体験を尊重しますので、オーディエンスからの反応が広告パフォーマンスに反映されるという訳です。

Facebookの強みを最大限活かす。

Facebookの強みは、高精度なオーディエンスデータが使えることです。使えるオーディエンスデータの例は、年齢性別・地域・属性・興味関心・オーディエンスリストなどなどあり、Facebook広告のターゲティング精度は、非常に高い精度を誇ります。高精度なFacebookオーディエンス情報は類似拡張でも活かされます

また、コンバージョン最適化も強力な機能です。ただ、挙動に癖が強く質問いただく事が最も多い機能です。コンバージョン最適化を上手く機能させるためのポイントは、以下の3つです。

  • 最適化対象を、毎日、一定数以上発生するコンバージョンに設定
  • まずはFacebookニュースフィードだけで配信する
  • ターゲティング設定をちょこちょこ変えない

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広告メッセージとクリエイティブ、その運用心得

Facebook広告で効果を上げるためにはFacebookがどう使われているか、考えてみましょう。みなさんもそうだと思うのですが、電車の移動時間などスマホでスキマ時間にちょこっと見ることが多いと思います。スキマ時間に使われていることの多いFacebookではあまり深く考えることなく行動できるコンバージョンが適しています。(例:いきなり1万円の化粧品を買ってくださいといっても、スキマ時間だけでは判断できません。例えば無料サンプルであれば気軽に申し込めるでしょう。)

広告はオーディエンスの状況に寄り添った訴求にしてください。オーディエンスに寄り添うという点において、キャンバス広告ではオーディエンスに最大限寄り添った広告メッセージングを実現することができます。複数の切り口・訴求の広告クリエイティブを2~4種配信しましょう。また、出来る限り広告とランディングページとの整合性を保てるようにしましょう。

参考:「事業主の為のFacebook広告攻略セミナー」レビュー

第5部:運用型広告運用者に伝えたい、教科書や社内マニュアルには載っていない18のこと

スピーカー:阿部 圭司 (あべ けいじ)

以前、「リスティング広告運用者に伝えたい、教科書や社内マニュアルには載っていない12のこと」について書きました。これは厳選した12に絞ったのですが、社外に出していないものも多々あります。それをセミナーでは18個紹介しました。その中で幾つか紹介します。

テクノロジーと共存しなさい

第2部で田中の話にもありましたが、ショッピング広告をやるかやらないかを考えた時に、やるという選択肢しかありません。今までテクノロジーが激変したタイミングで対応できない人は消えていきました。新しい物が来た時に新しいものを受け入れられる人になりましょう。

もっといい方法があるはずだ

皆さんが見ている広告主のアカウントで、一年前と同じことをしていませんか。もしずっと同じなのであれば衰退していくはずです。常に、「もっといい方法がある」と思えるようにしましょう。

最高のチーム・最高の人と一緒に働くのが自己成長にもつながります。アナグラムの逆組織ピラミッドは、現場に決済権があり仕事することができます。正しい、正直な仕事をしましょう。

参考:組織ピラミッドを逆さまに

第6部:質疑応答

セミナーの最後に質疑応答のコーナーを設け、たくさんの質問に答えさせていただきました。その中からいくつかご紹介します。

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Q:(森野に質問)アカウント構築の時間はどのくらいかかるのですか?出稿金額による差はありますか?

A:出稿金額の大小はあまり関係ありません。通常時であれば1ヶ月~1ヶ月半くらいお時間いただく場合が多いです。しっかりと作り込めるようなスケジュールをとっています。

Q:(森野に質問)GDNの広告フォーマットはレスポンシブだけで良い、というのは極端ですか?

A:極端ではありません。実際に効果が良いアカウントが出てきています。ただ最初からレスポンシブ1本ではなく、複数のクリエイティブフォーマットでテストしましょう。

Q:(鈴木に質問)Facebook広告セットの最適なオーディエンス数は?(コンバージョン最適化の場合)

A:一定数のコンバージョンがあれば対象ターゲット数が5万人でも大丈夫ですが、できれば20~30万くらいが望ましいです。

Q:(田中に質問)単品通販でデータフィード使えますか?

A:ショッピング広告として掲載できる商品であれば、1行の商品フィードでも広告の掲載はできます。チャレンジしてみてください。

Q:(阿部に質問)18の中で話の中で何が1番おすすめですか?

A:未経験者の方には「仕組みとルールを知ろう」をオススメします。経験者の方は「もっといい方法があるはずだ」と思うことも大事です。

最後に

キャンセルもほとんどなく、当日は関係者やゲストも含め90名超の方にお越しいただき、長時間ではありましたが、集中して聞いていただきありがとうございました。今回のオムニバス盤は各所でお話した中でも厳選した内容になっていましたので、濃い内容になっていたのではと思います。質問タイムについても約1時間で約60問!の質問をいただき、すべてその場で回答させて頂きました。

セミナーを聞いていただいた方のこれからのお仕事に、何かひとつでも役に立っているようであればいいなと思ってます。来年もやります^^

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Nodoka Furuta

Nodoka Furuta

アナグラム株式会社 クルー。広告代理店に入社後、運用型広告のコンサルタントとして、複数社を担当。経験業界は、教育・旅行・美容・人材・EC・アパレルなど。2015年より現職にて、運用型広告の全般の運用。新規提案などに携わっています。クライアントさんにとって頼りになる存在になれるように日々精進です。