a2i ウェブアナリスト養成講座「運用型広告に取り組む基本的な考え方と実践方法」セミナーレビュー(前編)

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9月14日(水)にa2i様主催のウェブアナリスト養成講座「運用型広告に取り組む基本的な考え方と実践方法」に弊社竹内まさる・森野滋郎が登壇しましたのでその内容をまとめます。

会場はa2i会員の方中心に80名ほどの参加者がおり、広告主の方・代理店の方など様々な立場の方が参加されておりました。

竹内からは、「これからの運用型広告の立ち位置と経営に寄り添い本気でビジネスを伸ばすための考え方について」お話しました。森野からは、「実在するネットショップを仮想案件として取り上げ、商品やサービスに適した広告展開や、キーワードの広げ方」についてお話しました。

本セミナーのレビューについて2回に分けてそれぞれまとめていきたいと思います。今回は第一部の竹内が担当したパートについてお送りいたします。

参考:第二部「実在するネットショップを仮想案件として取り上げ、商品やサービスに適した広告展開や、キーワードの広げ方」セミナーレビュー

第一部:これからの運用型広告の立ち位置と経営に寄り添い本気でビジネスを伸ばす方法

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昨今運用型広告をとりまくビジネスは発展を続けており、新会社・新サービスの登場や媒体アップデートも非常に多く、全てを完璧に覚えておくことは困難です。選択肢が豊富な状況だからこそいろいろなことができるわけですが、整理整頓してシンプルに考えていくことがとても重要です。その話のあとで、健全に成長が見込める広告費の使い方、日々のKPI管理方法についてまとめていきました。現場の運用者というよりは、マネージャーさんや広告主の方向けにお話ししました。

内容は大きく3つ、

  1. 運用型広告の役割と必要性
  2. 攻めの広告投資と管理手法(今回最もお伝えしたかったこと)
  3. 相乗効果の見込める他手段

1. 運用型広告の役割と必要性

運用型広告の役割と必要性について考えるにあたり、ユーザー状況や環境はどのように変化しているか。

まずはユーザー状況からですが、スマートフォンの普及によって、可処分時間が細分化されたことやソーシャルメディアの普及で瞬間風速的に情報に出会い、共有・拡散されていく世の中になっています。Googleの統計データを見ると、1日に200回以上のスマートフォンを使っていて、利用時間の86%はアプリ上で時間を過ごしていて、15%の検索クエリは今までに検索されたことにない単語が生まれていると発表されています。(出典:Google Micro-Moments発表、2015年8月。)

市場の状況も、様々な業界で商品やサービスの消費が飽和状態となりヒット商品のライフサイクルがとても短くなってきている状況があります。
このように、企業がユーザーに情報を届けられる場は、細分化されておりライフサイクルも早いことから「いつ、どこで、誰に、何を、どのように」情報とユーザーをつなげる(=広告)の役割が非常に重要度を増しています。

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ユーザーの状況・デバイス環境・可処分時間の概念が大きく変化しているなかで、その流れに対応できていますか?成果が伸び悩んでいる場合は、上手く対応できていない可能性がありますので、管理方法を見直してみましょう。きっと、今実施されている管理方法で当てはまるものがあると思います。

2. 攻めの広告投資と管理手法

(1. 運用型広告の役割と必要性)でユーザーを取り巻いている環境は日々大きく変化している旨のお話をしました。それを踏まえて、どうすればその時に合った運用型広告の取り組みができるのか、そのポイントをいくつか小出しにします。

① 固定予算配分の弊害

予算を媒体ごとにきっちりと固定しすぎていませんか?例えば、Yahoo!で100万円、Googleで200万円、YDNで50万円…など、媒体・配信メニューごとに予算を区切っている場合、その予算を守ることが仕事になってしまい、思考が停止しがちになります。またユーザーの状況・デバイス環境や、可処分時間の変化が起きている中で、昨年と同じような、アカウント構成・ポートフォリオ・予算配分で運用を続けているのであれば、それはきっと大きな機会損失につながっています。運用型広告の特徴でもあるように、投資予算の配分変更・増減が柔軟に可能という点を存分に活かしていきましょう。

② 痛い機会損失を生んでいる可能性のある管理方法

固定予算の弊害もそれだけでかなり運用型広告の特徴を殺している点でもありますが、それ以外にも機会損失を生んでいる問題点はいくつかあります。
※組織や会計方針の都合上もあり管理手法をすぐには変えられないということも多々あります。そうであっても構造により引き起こされやすいリスクを知っておくことは大切です。

いくつか例をあげます。

  • 1日あたりの上限予算を厳格に決めている
    予算管理が主な仕事になってしまいます。
  • 1ヶ月の上限予算を厳格に決めている
    1日あたりの予算管理と通ずるところがあります。また、月末に成果が良かった場合に予算が足りず追加投資できなかったり、予算に合わせて月末に不本意な運用調整がなされがちです。
  • アカウント全体で一律固定のCPAで管理している
    CPAは高くとも、重要度が高い投資をすべきお客様にアプローチできていない可能性があります。CVごとの価値を運用者が意識しにくくなります。
  • 管理すべき指標で管理できていない。(CPAとROAS・ROI)
  • アカウント全体のCVR・CTRに執着
    数字が改善しても全体が縮小するケースです。一般的に広告配信を絞れば改善する指標のため、CVRが上がったからと言って両手を上げて喜んでいい状況なのか、またCVR・CTRは与える変数が多すぎるため、公平なジャッジが出来ていない可能性があります。

極端な例をいくつか考えてみて、本当に現行の管理手法・KPIが適切に機能するかどうかを見極めていくことが重要です。

③ 投資の姿勢と攻めの予算確保

弊社で運用型広告を通して様々なクライアントさんを見てきて、良い投資を出来る社風(人)の特徴は、「分析がクイック&ダーティー」→普段からシンプルなKPIを追うに尽きます。また、今日の利益を確保する「守りの予算」と、来月、来年の利益を期待する「攻めの予算」という2つの予算をしっかり使い分けている会社さんはやはり持続的に成長している感覚があります。

攻めの予算確保をし、将来の可能性に投資するには、広告アカウント内で余剰を作る(目標CPA¥3,000のところを、¥2,500で運用し、余ったコストを投資する)ですとか、特別予算を作ったり、予算が余っている他部門から予算を持ってきたりと、方法は様々です。

④ 攻めの予算を組む時に気をつけたい「外部要因」

せっかくの攻めの予算を用意できても、投資のタイミングにより費用対効果が悪くなる時期が少なからず存在するはずです。注意しておきたい外部要因がいくつかあります。下記は一例です。

  • ビジネス(広告主サイド)
    •  決算月、余剰決算利益(3月・9月・12月要注意)
    •  在庫処分(アパレル系はセール、在庫入れ替えなど)
    •  競合の参入
    •  業界の大きなニュースにより潮目が変わる
  • カスタマー(お客様)サイド
    •  帰省、連休など人が普段と違う動きをするスケジュール
    •  給料日、カード決済日、ペルソナごとの時間帯
    •  事件・災害など突発的な事象
    •  その他国民総出レベルの大きなイベント

外部要因こそ視座・視野を広げて考えることが重要ですが、外部要因はじめとした問題には直接的にコントロール可能な問題と間接的にコントロール可能な問題、コントロールがそもそも不可能な問題の3つがあります。自分たちではどうしようもできない外部要因について時間を投資するのはもったいないことなので、時には諦めも大事です。

参考:運用型広告の数値に影響を及ぼす意外な外部要因5選

⑤ コミュニケーションの仕組み化のコツ

広告主サイド・代理店サイドでズレが起きている状態はお互いに健全な状態ではなく、同じ目線が持てるように歩み寄ることが必要です。何より、広告費というビジネスの血液を扱う広告運用者こそ、経営の当事者意識を持つ必要があり、当事者意識は仕組み化により強いものにできるという趣旨でお話ししました。(この章はまた別の機会にお話ししたり、ブログで書ける内容に関してはいつか書きたいと思ってます!)

3. 相乗効果の見込める他手段

ここでは、広告だけでは解決できない根本的に変えていく必要がある問題を、解決してくれるようなツールをいくつか紹介いたしました。

総括すると、技術の発達によって出来ることや選択肢が増えても、すべきことはシンプルに整理し、未来への健全な投資を行っていくことで、ビジネスが持続的に成長する運用型広告ポートフォリオが組めるはずです。そして経営の当事者意識を持てる仕組みを作り広告運用者に任せていきましょう。

セミナー登壇後の竹内にインタビュー

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私としても全く初めての内容で登壇をさせていただきました。とはいえ最も話したかった内容を広告主・ビジネスの責任者サイドの方にも、運用者・代理店サイドの方にもまとめて話せる機会で非常に有意義でした。セミナー終了後、示唆に富む質問を多数いただけたのも個人的に勉強になりました。


次回は第二部、森野から「実在するネットショップを仮想案件として取り上げ、商品やサービスに適した広告展開や、キーワードの広げ方」についてご紹介しますのでお楽しみに!

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