既存ユーザーだけでなく新規ユーザーにも継続的にアプローチをしていかないと、サイトリターゲティングのリストが枯渇し、コンバージョン数が頭打ちになることはよくあります。
コンバージョン数の頭打ちを打破したいときや、新規ユーザーに配信拡大したいときに利用を検討したいターゲットのひとつが、Yahoo!ディスプレイ広告の「オーディエンスリスト(類似ユーザー)」です。
「オーディエンスリスト(類似ユーザー)」を活用すれば、例えばコンバージョンしたユーザーと似たような行動履歴や属性情報を持つ新規のユーザーにアプローチができて効率良くコンバージョンが獲得できる可能性があります。
今回は、Yahoo!ディスプレイ広告の「オーディエンスリスト(類似ユーザー)」を使った広告配信のコツと設定方法をご紹介します。
※以下、「オーディエンスリスト(類似ユーザー)」を「類似ユーザー」とします
目次
類似ユーザーとは?
類似ユーザーとは、コンバージョンしたユーザーなど、抽出の元となるオーディエンスリストと、Yahoo!JAPAN内で似た行動履歴や属性を持つユーザーを束ねたリストです。キャンペーンや広告グループにターゲットとして設定することで、類似ユーザー内ユーザーに広告を配信できます。
また、ターゲットとする類似ユーザーのサイズは「類似度」を使用して調整も可能です。
類似度は、1から10までの10段階で指定できます。数字が1に近づくほど類似度が高く、リーチ可能なユーザー数は少くなります。対して、数字が10に近づくほど類似度は低くなりリーチできるユーザー数は多くなります。
類似ユーザーを使った広告配信のコツ
類似ユーザーを使った広告配信で効果を上げるには、抽出の元となるオーディエンスリストの質を意識したり、入札価格の調整をしたり、気にかけたいことがいくつかあります。
ここでは、類似ユーザーを最大限に活かすための運用のコツをお話します。
コンバージョンしたユーザーに基づくリストから配信開始する
まずは、成果が期待できるコンバージョンに基づく類似ユーザーのリストから試すことをおすすめします。
なぜなら、過去にコンバージョンに至ったユーザーと似た属性や、似た興味や関心事をもつユーザーは購入へのモチベーションが高い可能性があるからです。
例えば、ウェブサイトの「トップページ」や「カテゴリーページ」を訪れたユーザーよりも、サンクスページに訪れた人や、資料請求や購入をした人のようなより成果に近い行動をしたユーザーに基づく類似ユーザーの方が、購入へのモチベーションが高いオーディエンスリストになります。
まずは、コンバージョンに基づく類似ユーザーリストからチャレンジして、成果に応じ抽出元となるオーディエンスリストの種類を徐々に広げていくのが良いでしょう。
オーディエンスリスト同士で重複するユーザーを除外する
類似ユーザーには、抽出の元となったオーディエンスリストのユーザーも含まれる場合もあります。そのため、既存ユーザーと新規ユーザーで広告を出したわけたい場合は、類似ユーザーから抽出元となったオーディエンスリストを除外しておくと安心です。
また、オーディエンスリスト同士のユーザー重複を気にしないといけないのは、抽出元のオーディエンスリストだけではありません。類似度だけが異なる複数の類似ユーザーを同時に配信する場合も、重複ユーザーの除外が必要です。
例えば、類似度3の類似ユーザーには類似度2のユーザーが、類似度3の類似ユーザーには類似度1のユーザーが含まれます。
類似度の段階がひとつ前の類似ユーザーを除外することで、ユーザー重複を起こさずに配信できます。
例えば、次のように除外します。
類似度が高いリストから入札価格に傾斜をつける
類似度が高いほど、抽出元のオーディエンスリストに似たユーザーにアプローチができて成果につながる可能性が高いため、類似度が高いリストの入札価格は高めに設定することが多いです。
例えば、次のように入札価格に傾斜をかけます。
類似度が最も高い「類似度1」は入札価格を上げ、「類似度2」「類似度3」の順番で入札価格を抑えます。
類似度が高い類似ユーザーから入札価格に傾斜をつけることで、より成果につながる可能性の高いユーザーに優先的に広告配信が可能になります。
ただし、例外もあります。自動入札の場合は成果につながる可能性の高いユーザーに広告がより出るように自動で入札調整してくれるため、手動入札のように類似度ごとに入札価格を変える必要はありません。「類似度3」のみなど、類似度が1種類のリストでの配信がおすすめです。
類似ユーザーの設定方法
ここからは、類似ユーザーの作成方法と、キャンペーンや広告グループに類似ユーザーをターゲット設定する方法を説明します。
類似ユーザーを作成する
類似ユーザーは、広告管理ツールより作成します。
①広告管理ツール右上にある「ツール」を選択
②ライブラリー内の「オーディエンスリスト」を選択
③「オーディエンスリストを作成」をクリックして「類似ユーザー」を選択
④「オーディエンスリスト名」にわかりやすい名前を入力
⑤「基にするオーディエンスリスト」より、抽出元にしたい類似ユーザーを検索して選択
⑥「類似ユーザーの拡張範囲」を選択
最後に「作成」ボタンをクリックすれば、類似ユーザーの作成は完了です。
重複ユーザーを除外する
前でも述べましたが、既存ユーザーと新規ユーザーで広告を出したわけたい場合は抽出元となるオーディエンスリストを、類似度だけが異なる複数の類似ユーザーを同時に配信する場合は類似度の段階がひとつ前の類似ユーザーを除外しないとターゲットユーザーが重複する可能性があります。
ここでは、「組み合わせ」条件を使用して、オーディエンスリスト同士で重複するユーザーを除外する方法を紹介します。
今回は例として、「コンバージョンしたユーザーに基づく類似度3の類似ユーザー」から、重複ユーザーを除外する方法を説明します。
「類似ユーザーを作成する」の手順①②を踏み、ライブラリーを開きます。
⑦「オーディエンスリストを作成」をクリックして、「組み合わせ」を選択
⑧「いずれかのターゲットリストに一致(OR)」では先ほど作成した類似ユーザーを検索して選択、「選択したターゲットリスト以外に一致」では次のオーディエンスリストを検索して選択
- コンバージョンしたユーザー:抽出元のオーディエンスリスト
- 類似度2の類似ユーザー:類似度の段階がひとつ前の類似ユーザー
作成ボタンをクリックで、重複ユーザーの除外設定ができます。
類似ユーザーをターゲットに設定する
類似ユーザーを作成したら、次はキャンペーンや広告グループに類似ユーザーをターゲット設定します。
設定方法は2種類あります。
- キャンペーンや広告グループの作成と一緒に設定する
- 既存のキャンペーンや広告グループに設定する
まずは、キャンペーンや広告グループの作成と一緒に設定する方法を紹介します。
※今回は、類似ユーザーのターゲット設定に特化した手順のみ解説します。
キャンペーンや広告グループの作成と一緒に設定する
今回は例として、キャンペーンの作成と一緒に類似ユーザーをターゲット設定する方法を紹介します。
⑨広告管理画面を開き、メニューより「キャンペーン」を選択して「+キャンペーン作成」を選択
⑩キャンペーンの目的を選択
※今回は例として「コンバージョン」を選択して「決定して進む」をクリックします
⑪オーディエンスリストの選択項目で「オーディエンスリストを指定して配信」を選択し、先ほど作成した類似ユーザーを検索して選択
これで類似ユーザーが、作成したキャンペーンのターゲットに設定できます。
既存のキャンペーンや広告グループに設定する
続いて、すでにあるキャンペーンや広告グループに類似ユーザーをターゲットとして設定する方法を紹介します。
⑨メニューより「オーディエンスリスト」を選択し、「編集」をクリック
⑩類似ユーザーを設定したいキャンペーンと広告グループを選択し、「決定して進む」をクリック
⑪「オーディエンスリストを指定して配信」を選択し、先ほど作成した類似ユーザーを検索し、「配信」にチェック
類似ユーザーが意図通りに選択されているのを確認し、「設定」をクリックすれば設定完了です。
必要に応じて、入札価格調整率の設定を行います。なお、入札価格調整率はキャンペーンや広告グループの作成後も変更可能です。
まとめ
類似ユーザーを使った広告配信は、成果につながりやすい新規ユーザーへのアプローチに有効な手段のひとつです。
例えば、高血圧などの特定の症状を緩和させるサブリメントや、医療機関向けシステムや美容室用POSレジなどの業界・業種に特化したSaaSサービスなど、顧客の属性や悩み(課題)がある程度絞れるサービスでは、効率良くコンバージョンが獲得できる可能性があります。
ビジネスの更なる拡大を目指して、既存ユーザーから新規ユーザーへの配信へと拡大していきたいときは、ぜひチャレンジしてみてくださいね。