Yahoo!検索広告「オークションインサイト」とは?概要から使い方、活用方法までを解説

Yahoo!検索広告「オークションインサイト」とは?概要から使い方、活用方法までを解説

検索広告は、掲載面に他社の広告と並んで表示されるため、比較・検討がされやすく、他社の広告の訴求内容や掲載順位によって、自社(広告主)の広告の成果にも大きく影響ができてきます。そのため成果の要因を分析したり、施策を考えたりする上で、検索面における競合他社の掲載状況は考慮するべき大切な指標の一つです。

今回、ご紹介するオークションインサイトは、他社の広告と自社の広告の掲載状況を比較する際に使用します。

本記事では、Yahoo!検索広告のオークションインサイトの機能と活用方法について説明します。
※この記事では広告運用者が担当する広告主を「自社」としています


オークションインサイトとは

オークションインサイトとは、Yahoo!検索広告において、自社の広告の表示率や競合との入札状況など、同じオークションに参加している他社の広告と自社の広告の掲載状況を比較することができる機能です。

またオークションインサイトの機能に関しては、Yahoo!検索広告向けに提供が開始されている新しい広告管理画面で確認する事ができます。従来の旧広告管理画面では利用できないのでご注意ください。

オークションインサイトで確認できる指標

オークションインサイトでは、下記の6つの指標が確認可能です。

  • インプレッションシェア
  • ページ上部表示率
  • ページ最上部表示率
  • 自社との重複表示率
  • 他社の上位表示率
  • 自社の優位表示率

それぞれの指標でどのようなデータが分析できるか説明します。

インプレッションシェア

インプレッションシェアは、実際に広告が表示された回数(インプレッション数)を広告が表示される可能性があった回数で割った割合です。

インプレッションシェア = 実際に広告が表示された回数(インプレッション数) ÷ 広告が表示される可能性があった回数 ×100

1,000回広告が表示される可能性があったとして、実際は400回しか広告が表示されなかった場合、インプレッションシェアは40%となり、残り60%は広告表示のチャンスを失っていることになります。

たとえば、競合他社にくらべてインプレッションシェアが極端に少ない場合には、検索結果において自社の広告が表示されておらず、比較される機会すら得られていない可能性もあります。

もちろんシェアを高めれば広告主にとって、もっとも良いパフォーマンスが得られるとは限りませんが、現状の費用対効果がよく拡大の余地がある場合には、インプレッションシェアを高められるよう、入札の強化や予算の増額などを検討してもよいでしょう。

ページ上部表示率

ページ上部表示率は、自社の広告や競合他社の広告がオーガニック検索結果ページの上部に掲載された割合です。

たとえば1,000 回の表示回数のうち400回オーガニック検索結果ページの上部のいずれかの場所に表示された場合、ページ上部表示率は40%になります。

検索結果の上部は検索ユーザーの目に比較的触れやすい場所です。検索結果の上部と下部とでは広告に気がついてもらえる可能性や広告をクリックしてもらえる確率も大きく異なります。

「広告は表示されているけれどまったくクリックしてもらえない」「検索回数はあるはずなのに表示回数が極端に少ない」といった場合には検索広告がページの上部に表示されていない可能性がありますので、まずは上部に広告を掲載できるように入札価格を引き上げるなどが有効です。

ページ最上部表示率

ページ最上部表示率は、自社の広告が表示された回数のうち、検索結果画面の1番上に表示された回数の割合を表しています。

検索広告は、検索結果が1位の広告と2位の広告で、クリック率などの広告の成果が大幅に変わってきます。

たとえば、緊急性の高い商材(水道トラブル、鍵開けなど)の場合には、検索ユーザーは一刻も早く問題を解決したいため、1位の広告しか見られていないというケースもあります。

比較検討の余地が少ない商材やサービスの場合には、ページ最上部に広告を掲載することでパフォーマンスが大きく改善できるケースもありますので、ページ最上部表示率を一定期間高めてみる、といった施策も検討するのがおすすめです。

自社との重複表示率

自社との重複表示率は、自社の広告と競合他社の広告が同じオークションに参加した際に、同時に検索結果ページに表示された割合です。自社の広告に対する競合他社との比較の割合になるので、自社の項目には数字が表示されず、「‐」が表示されます。

たとえば、他社との重複表示率が60%だった場合、自社の広告と60%の割合で一緒に表示されている事になります。

検索広告は一緒に表示されている広告と比較されやすいため、他社の広告に比べて自社の広告がユーザーにとって魅力的かは定期的に確認するのをおすすめします。他社との重複表示率が高まり、比較された結果、自社の広告のクリック率が大きく下がってしまったというケースも少なくありません。

他社の上位表示率

他社の上位表示率は、自社の広告よりも競合他社の広告が上位に掲載された割合を表します。

たとえば、比較検討の余地が少ない商材やサービスでは、ひとつ順位が入れ替わるだけでもパフォーマンスに大きく影響するケースがあります。他社の入札状況によって変動する指標ですので、特定のキーワードやターゲティングで、ベンチマークしている競合が入札を強化していないかなど、パフォーマンスに変動があった際には確認しておいたほうがいい指標でしょう。

自社の優位表示率

自社の優位表示率は、競合他社の広告よりも自社の広告が上位に表示された場合か、自社の広告のみ表示された割合です。

「他社の上位表示率」と同様にパフォーマンスの変動に繫がる指標のひとつです。競合他社の入札状況や自社の予算やパフォーマンスの都合により、自社の広告のほうが優位に表示されている割合が下がったことで想定以上にパフォーマンスが下がってしまうということも少なくありません。

予算や入札価格を引き下げた際などにはパフォーマンスと合わせて確認しておくのをおすすめします。

オークションインサイトの使い方

それでは実際の操作方法を見ていきましょう。

オークションインサイトの数値は、キャンペーン、広告グループ、キーワードの3つの階層で確認できます。

①広告管理画面の左側のナビゲーションから、「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」のいずれかを選択します。
②次に分析したい項目をチェックして選択します。
③最後に「オークションインサイトを表示」をクリックすると下記のように、オークションインサイトの各指標を確認できます。

オークションインサイトの活用方法

これまでオークションインサイトの見方や指標について説明してきました。ここから下記のケースを想定して、オークションインサイトの活用方法を紹介します。

設定や広告での訴求内容を変更していないのに、広告成果が悪化してしまった

繰り返しになりますが、検索広告は他社の広告と比較検討される広告です。自社ではとくに変更を行っておらずとも常にパフォーマンスが変動する可能性があります。

広告の掲載結果とともに、オークションの結果を時系列で追うのが有効な分析方法のひとつです。オークションの状況変化を時系列で追うには次のようにオークションインサイトを活用しましょう。

時系列でオークションの状況を分析する

まず最初に悪化しているキャンペーンのオークションインサイトを確認します。

「分割」のボタンから、「月」の項目を選択すると下記の画像のように月ごとの指標の変化を確認できます。変化の状況によって「週」「日」などでも確認できます。


画像のオークションインサイトから2022年1月から3月にかけて、「インプレションシェア」「ページ上部表示率」「ページ最上部表示率」の全ての指標が下がっている事がわかります。

上記の内容から、競合の入札強化や新規参入などが要因として推測できるので、他社の数値に関してもオークションインサイトで確認していきます。

今回のケースでは、aaa.comというURLのドメインのサービスが、2022年1月から3月にかけて「インプレションシェア」「ページ上部表示率」「ページ最上部表示率」の全ての指標で数値を上昇させており、それに伴って「自社との重複率」も上がっている事から、競合の入札価格の強化や予算の増加、広告訴求の変更などが、広告成果が悪化した一つの要因である可能性が予想できますよね。

単純に入札価格を引き上げてインプレッションシェアを高めることで対抗できるケースもありますが、他社とくらべて魅力的な訴求ができているかなど、検索結果も確認してパフォーマンス低下に対してどうしたら回復が見込めるのか仮説を立てて対策していきましょう。

最後に

オークションインサイトを使うことで、実際の検索結果だけではなく、時系列に沿って、自社の広告のパフォーマンスや他社の出稿状況などを確認できます。

オークションインサイトをうまく活用して、自社(広告主)にとって最善な施策を考え、広告のパフォーマンスを改善していきましょう。

場合によっては、無理に対抗することで自社の費用対効果が割に合わないケースもでてきます。その場合には、別のキーワードでの露出を検討するなどの対策が必要な可能性もでてきます。常に比較される広告であるという意識を持って普段から対策を検討しておくことも大切です。

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