Google広告の「広告カスタマイザ」の使い方|できることや設定方法を解説

Google広告の「広告カスタマイザ」の使い方|できることや設定方法を解説

広告カスタマイザとは、ユーザーの検索語句や場所、時間などに合わせて、広告見出しや広告の説明文などのテキストを動的に変更することができる機能です。

名前は聞いたことがあるけど本格的に活用できていない、という方も多いのではないでしょうか。広告カスタマイザは上手に活用することで、ユーザーの検索語句や検索している状況に応じて広告文を出し分けて配信できます。

この記事では、 広告カスタマイザをこれから利用してみたいという方や、既に広告カスタマイザを利用をしたことはあるもののレスポンシブ検索広告では利用したことがない方などに向けて、その使い方を分かりやすく解説していきます。まずは、広告カスタマイザでできることとどのようなアカウントに向いているかをご紹介します。



広告カスタマイザでできること

広告カスタマイザでできることは主に3つです。

  1. キーワードに応じて広告文をカスタマイズ
  2. 地域に応じて広告文をカスタマイズ
  3. ユーザーが検索する時間に応じて広告文をカスタマイズ

どのようなアカウントに向いているのか

広告カスタマイザは、在庫が日々変動したり、商材ごとに期間限定セールを頻繁に実施したりする広告アカウントに向いています。このようなアカウントの場合、数ある商材ごとに訴求を変更することやセールや期間に応じて広告文を更新することがとても大変です。

そういった広告アカウントにとって、セールや期間の情報を広告管理画面上にアップロードするのみで、毎日のように変更を手動で行う必要がなくなるという点で広告カスタマイザは非常に魅力的です。

また、ユーザーの検索に合わせて広告文を柔軟にカスタマイズできるため、ユーザーがいま求めているであろう正確な情報をより提供しやすくできるでしょう。

では続いて、どのような仕組みによって広告カスタマイザで広告文を出し分けることが可能なのか確認していきましょう。

広告カスタマイザの仕組み

まず、広告カスタマイザと一口に言っても、適用したい広告がレスポンシブ検索広告か拡張テキスト広告かで設定の仕方が異なるため、注意が必要です。

具体的には、拡張テキスト広告ではデータフィードを利用した設定方法のみに対応している一方で、レスポンシブ検索広告ではデータフィードを利用した設定方法に加え、Google 広告の管理画面上で直接設定する方法もあります。

参考:レスポンシブ検索広告について - Google 広告 ヘルプ

ただし、管理画面での直接の設定では必ずしもデータフィードと同じことができるわけではないので、場合によってはデータフィードや後述する関数を用いた広告カスタマイザの設定が必要です。詳細はこのブログ内で説明をします。

それでは、実際の広告カスタマイザの操作手順について確認していきましょう。

※2022年6月30日より、拡張テキスト広告の配信に伴い、拡張テキスト広告の広告カスタマイザの作成と編集はできなくなりました。

データフィードを用いた広告カスタマイザの設定方法

最初は、データフィードを用いた広告カスタマイザの設定方法を紹介します。

データフィードとは

そもそもデータフィードとは、特定のルールに則って整理・構造化されたデータ群のことです。

まずは広告を出し分ける対象や宣伝する商品情報について整理したデータフィードを作成します。このフィードを広告文へ設定することで、作成したフィードのルールに応じて広告文が動的に変化されるようになります。

データフィードの作成方法

データフィードでは、「誰に、いつ、どんな内容を表示するか」という情報を「属性」として記載する必要があります。具体的には以下の3つが必要です。

ターゲット属性

広告カスタマイザの適用対象とするキーワード・地域を指定

標準属性

適用デバイスや日時などのスケジュールを指定

カスタム属性

上記で指定したターゲットに表示する内容を指定

ターゲット属性一覧

広告カスタマイザが設定された広告を「誰に」表示するかを指定する設定です。それぞれのターゲット属性を組み合わせて、この「〇〇の地域で〇〇というキーワードで検索する人」など、より細かくターゲット属性を設定することも可能です。

※横へスクロールしてご覧ください

属性 機能 有効な値
Target
keyword
この行をトリガーするキーワード キーワードとマッチタイプ記号(例: 完全一致の場合は[花])。
マッチタイプの形式をご覧ください。
Target
keyword text
この行をトリガーするキーワード。キーワードの
マッチタイプは “Target keyword match type” 列で指定
マッチタイプ記号を付けないキーワード
Target
keyword match type
“Target keyword text” 列の対象キーワードに
適用するマッチタイプ
broad、 または phrase、 または exact
Target
ad group
この行のデータを使用する広告グループ 既存の広告グループ名
Target
campaign
この行のデータを使用するキャンペーン 既存のキャンペーン名
Target
location
ユーザーの現在地や関心のある地域にマッチ
した場合に、この行をトリガーする場所
地名(言語は自由)
Target
location restriction
“Target location” に記載されている地域に
適用されているターゲット設定の種類
Physical location または空のセル

引用元:広告カスタマイザの設定 – Google 広告 ヘルプ

標準の属性一覧

標準の属性は、カスタマイザを使用した広告文を表示するデバイスや広告スケジュールなどを設定する機能です。

※横へスクロールしてご覧ください

属性 機能 有効な値
Device preference スマートフォン(タブレット、パソコン以外)で
表示する広告のデータ行を制限
mobile または all
Scheduling 広告カスタマイザを表示する曜日と時間 曜日、開始時間 – 終了時間。
例えば、月曜日の午前 9 時~午後 5 時までのスケジュールを指定する場合、
「Monday, 09:00 AM – 05:00 PM」と入力します。複数の曜日を設定する場合は、
曜日をセミコロンで区切ります。月曜日と火曜日の両方に設定する場合は、
「Monday, 09:00 AM – 05:00 PM; Tuesday, 09:00 AM – 05:00 PM」と入力します。
Start date フィード アイテムの掲載を開始する日 yyyy/mm/dd hh:mm:ss(24 時間表示)
End date フィード アイテムの掲載を停止する日 yyyy/mm/dd hh:mm:ss(24 時間表示)
Custom ID データ行を識別する一意の値。各行に自動的に
“Item ID”と呼ばれる値が指定されますが、独自の
custom ID 値を作成して Google 広告 から
認識させることもできます。
文字と数字の任意の組み合わせ

引用元:広告カスタマイザの設定 – Google 広告 ヘルプ

カスタム属性用

カスタム属性では、ターゲット属性・標準属性で設定したターゲットに、「どんな内容」を表示するかを指定します。カスタム属性は文字通り任意の属性を指定できますが、広告文に反映させる値は各属性のデータ型の仕様に沿ったものである必要があります。

属性のデータ型 一般的な用途 使用できる文字 値の例
text 商品名 文字、数字、記号 ハイキング靴
number 在庫数 整数 11
price 金額 数字(小数を含む)と
有効な通貨記号
$24.99
date タイムスタンプ yyyy/MM/dd hh:mm:ss 2014/8/14 17:01

引用元:広告カスタマイザの設定 – Google 広告 ヘルプ

広告カスタマイザのデータフィードの設定方法

続いて、広告カスタマイザのデータフィードをGoogle 広告の管理画面にアップロードする方法について解説します。

広告カスタマイザ データのアップロードの方法

まずはGoogle 広告の管理画面の右上にある「ツールと設定」の一括操作より「アップロード」の画面に遷移します。

「+」ボタンをクリックします。

「ダウンロード」よりテンプレートをダウンロードしましょう。

テンプレートをもとに広告カスタマイザデータを作成したらソースとファイルを選択します。

アップロード先は「このアカウント」を選択し、「適用」をクリックでアップロードができます。 

データフィードの定期更新の設定方法

データフィードの作成後、フィード内容が定期的に変化していく場合、フィードを都度手動アップロードし直さなくても、定期的に自動更新するように設定できます。ここではGoogle スプレッドシートで定期更新する方法をご紹介します。なお、対応しているファイルの形式は下記の通りです。

  • Google スプレッドシート
  • HTTP / HTTPS
  • FTP / SFTP

 ビジネスデータから、更新頻度の設定を適用したいデータフィードをクリックします。左に表示された「スケジュール」をクリック後、新しいスケジュールの欄が表示されるので、ソースの選択タブから「Googleスプレッドシート」のフォーマットを選択します。

アップロードするファイルを選択し、最後にタブから更新頻度を選択することで設定完了です。データフィードの中身の更新頻度に合わせて設定しておくことで、最新の情報を利用できるようになります。

データフィードを使用しない広告カスタマイザの設定

続いて、レスポンシブ検索広告のみで利用可能な、広告管理画面での広告カスタマイザの設定方法を紹介します。レスポンシブ検索広告は、登録した複数のアセットを基に、検索したユーザーに向けて最適な見出しと説明文の組み合わせを表示できますが、広告カスタマイザとの併用によってさらに関連性の高い広告文をユーザーに表示することが期待できます。レスポンシブ検索広告でデータフィードを使用せずに広告カスタマイザを設定する場合、「広告管理画面での属性設定」と「広告文での設定」の2つの手順が必要です。

参考:レスポンシブ検索広告の広告カスタマイザを作成する– Google 広告 ヘルプ

広告管理画面での設定方法

データフィードを利用しない広告カスタマイザで設定可能なのは、先述のターゲット属性と、カスタム属性のみです。 以下では、これらの属性を広告管理画面上で設定する方法を紹介します。

※広告管理画面での設定のみでは、デバイス・広告のスケジュール毎に広告文を出し分けることはできません。レスポンシブ検索広告を使用してデバイス別で広告文を出し分けたい場合はデータフィードを利用し、広告スケジュール別で広告文を出し分けたい場合には、後述するカウントダウン関数を利用する必要があります。

広管理画面の「ビジネスデータ」を開きます。

「広告カスタマイザの属性」をクリック後、「+」を選択します。

ここで、「データの種類」のタブからカスタム属性の設定をしていきます。レスポンシブ検索広告の広告カスタマイザのカスタム属性では、「テキスト(Text)」、「価格(Price)」、「数値(Number)」および「割合(Percent)」を設定できます。

レスポンシブ検索広告で入稿可能なカスタム属性のデータ型

属性のデータ型 一般的な用途 使用できる文字 値の例
テキスト 商品名 文字、数字、記号 ハイキング靴
数値 在庫数 整数 11 or 11.5
価格 金額 数字(小数を含む)と
有効な通貨記号
$24.99
割合 割引率 数字(小数を含む)と
パーセント記号
35%

参考:レスポンシブ検索広告で利用可能なカスタム属性– Google 広告 ヘルプ

ここでは、例として家電の通販サイトの広告カスタマイザ設定を想定して、以下の各属性の設定方法を解説します。

設定したいカスタム属性の項目

広告カスタマイザで表示したいこと
(属性名)
使用するデータ型 値の例
商品カテゴリ テキスト テレビ、洗濯機、掃除機
送料無料が適用される金額 価格 5,000円
取り扱いモデルの数 数値 5、4、3
初回購入の割引率 割合 10%、15%、20%

広告管理画面の「ビジネスデータ」を開き、広告カスタマイザの属性よりデータ型を作成します。

属性と、データの種類を設定します。「属性を追加」より任意の項目を追加していきましょう。

上記は、先ほど例として取り上げた4つの属性の値を設定した画面です。

レスポンシブ検索広告の広告カスタマイザの設定にあたっては、アカウント、キャンペーン、広告グループ、キーワード単位で、カスタム属性の値が設定可能です。ビジネスデータ上では、アカウント単位の値のみ入力可能ですが、今回の例ではキーワードごとの適用方法を紹介します。

キャンペーン、広告グループ、キーワード単位で属性を適用する場合は、広告管理画面の各階層にて、列アイコンの「表示項目の変更」を開き、広告カスタマイザ属性から作成したデータ属性を表示させます。広告文に入れたい属性にチェックし「適用」をクリックすると、カスタマイザ属性の列表示が完了します。

項目として表示させた各属性の鉛筆マークをクリックすると、2種類の形式から値の設定が可能です。「継承された値を使用する」では、先ほどのビジネスデータ上で設定したアカウント単位の値を適用することができる一方で、「カスタム値を使用する」では文字通り任意の値を適用することが可能です。

上記は、キーワード「洗濯機(フレーズ一致)」に、先ほど作成した4つの属性を設定した例です。

それでは次に、広告文での設定方法について説明していきます。

広告カスタマイザを用いる広告文での設定

データフィードや管理画面上で広告カスタマイザ用のデータを設定した後は、そのデータを広告文に呼び出すために、広告のテキストに「構文」とよばれる形式での記述を行います。具体的には、広告カスタマイザを適用したい広告文内の箇所に”{フィード名.属性名}“という形式での記述が必要です。構文の設定によって、ターゲット属性が一致するデータが構文に代入されて広告テキストに反映されます。

参考:構文の記述(フィード名「洗濯機」内で、属性「商品名」を広告カスタマイザを使って動的に変化させたい場合)

それでは、広告カスタマイザを利用してどのように広告文を動的に変更できるのか見ていきましょう。データフィードを使った場合とデータフィードを使わない場合をぞれぞれ紹介していきます。

データフィードを使った広告カスタマイザの構文設定

1. キーワードに応じて広告文を変更

キーワード毎に広告文を動的に変えたい場合は、データフィードと広告文で下記のような設定をします。

キーワード挿入機能との違い

なお、Google広告にはユーザーが検索した語句に一致したキーワードを広告文に動的に挿入する機能である「キーワード挿入機能」というものがあります。広告カスタマイザのキーワードに応じて広告文を変更する機能は、このキーワード挿入機能と似ている部分がありますが、これら2つの機能には決定的な違いがあります。

キーワード挿入機能はユーザーが検索した語句に一致した設定しているキーワードそのものしか挿入できませんが、広告カスタマイザはユーザーが検索した語句に一致したキーワード以外の文言も挿入できます。

そのため、設定したキーワードに対してより柔軟に広告文を変更したい場合には、広告カスタマイザを使用することをおすすめします。

参考:「キーワード挿入機能」とは?設定方法から注意すべきポイントまで

2. 地域に応じて広告文を変更

ユーザーの現在地や関心のある場所に応じて、広告文を変化させることもできます。

例えば特定の地域限定のセールや店舗ごとに、割引率や商品ラインナップが異なる場合に有効です。地域ごとの広告文を用意したり広告キャンペーンを細分化したりすることが非効率な場合には検討してみるのがおすすめです。

データフィードを使用しない広告カスタマイザの構文設定

キーワードに応じて広告文を変更(レスポンシブ検索広告)

続いて、レスポンシブ検索広告のみで利用可能なデータフィードを使わない広告カスタマイザの構文の記述方法を紹介します。 (「データフィードを使用しない広告カスタマイザの設定」の章段で設定した内容を、広告文で適用する際の構文の例です。)

構文の記述は、広告文の見出し位置で「{」を入力し、プルダウンメニューから「広告カスタマイザ」を選択することで簡単に入力することが可能です。

構文の記述のみで利用できる広告カスタマイザの設定方法

広告カスタマイザでは、ここまで紹介した方法以外にも、広告文内の構文の記述変更のみで利用できるカスタマイザ機能も存在します。

広告文の構文の記述変更のみで利用可能な広告カスタマイザ機能

構文名 詳細
カウントダウン関数 ユーザーが検索する日時に応じて、指定の日時までの締め切りを広告文に表示する
IF関数 デバイス、オーディエンスリストに応じて広告文を変更できる
地域挿入機能 ユーザーの所在地や関心のある地域に合わせて、地域名を変更する

また、この機能は拡張テキスト広告かレスポンシブ検索広告で扱える機能が異なります。以下がそれぞれで利用できる機能です。

※2023年6月時点、IF 関数はレスポンシブ検索広告ではサポートされていません。

3機能について以下で詳しく紹介します。

1. ユーザーが検索する日時に応じて、指定の日時までの締め切りを広告文に表示(カウントダウン関数)

イベントの開催までの期限の告知を行いたい場合は、「カウントダウン関数」を利用することによって、ユーザーが検索した日時に応じてイベントの締切日時を広告文に反映できます。構文には、{=COUNTDOWN("yyyy/MM/dd HH:mm:ss","言語",残り日数)}を記載します。

※デフォルトでは、言語は日本語、残り日数は5日で設定されていますが、任意の日数に変更可能です。

例えば、2021年10月31日までのセール締め切り日までの日数を表示させたい場合は、登録広告文と表示広告文の関係性は以下の通りです。

カウントダウン関数を用いてイベントまでの期限を告知

データフィードと関数の記述のみの機能を組み合わせた広告カスタマイザの設定方法

データフィードと関数のみの記述を組み合わせることも可能です。例えば、講演会を定期開催していて、その都度講師が変更する場合などは、データフィードを用いた広告カスタマイザとカウントダウン関数を組み合わせることで、イベント毎に広告文を変更することも可能です。

以下ではキッチン用品店での講演会イベントを、ユーザーの検索日時で出し分ける場合の例で説明をします。

この例では、イベントの開催日時と講師をデータフィード上に一括に登録したうえでカウントダウン関数を利用することで、ユーザーが検索した日にちと時間に応じて開催までの日時と講師名を変更できるようにしています。

2. デバイス、オーディエンスリストに応じて広告文を変更できる(IF関数)

デバイスとオーディエンスリストどちらかの条件に応じて広告テキストを変更することができます。構文は、 {=IF(デバイス or オーディエンス名,値):デフォルトの値}を挿入します。

※デフォルト値とは、例えば挿入するキーワードが広告文の上限を超えてしまった場合などに、代替として挿入される値のことです。詳しくは後述します。

例えば、モバイルユーザー向けに広告文のテキストを変更したい場合は、登録広告文と表示広告文の関係性は以下の通りです。

3. ユーザーの所在地や関心のある地域に合わせて、広告文の地域名を変更する(地域挿入機能)

ユーザーの所在地や関心のある地域に合わせて、レスポンシブ検索広告の広告文に該当する地域名を挿入できる機能です。構文で、{LOCATION(地域レベル):デフォルトのテキスト} を入力することで、地域挿入機能を利用できます。なお、テキスト広告文内ではこの構文は使用できないため、地域名の挿入はデータフィード上で設定する必要があります。

以下は、渋谷区向けの求人情報を表示させる場合の設定です。

地域挿入機能の注意点は以下です。

  • 参照する地域の範囲はキャンペーンの地域ターゲティングで設定している内容による
  • 地域を含んだ広告見出し文を固定したい場合は広告見出しが3つ以上必要
  • 地域を含んだ場合の文字数がオーバーすると地域名の一部が表示されないことがある

住所の形式は「市区郡、都道府県、国名」の3種類から選択可能ですが、ここで設定する地域は、地域ターゲティングで設定している内容が参照される点に注意が必要です。例えば、キャンペーンに設定しているターゲット地域が「都道府県」単位である場合、地域の挿入機能では「都道府県」またはそれ以下の粒度の地域を選択する必要があります。つまり、逆にキャンペーンに設定しているターゲット地域の粒度が「市区郡」の場合は、地域の挿入機能で「都道府県」「国名」を設定しても機能しませんのでご注意ください。

地域挿入機能については以下のレスポンシブ検索広告のブログでも紹介していますので、併せて参照してください。

参考:Google レスポンシブ検索広告に「地域の挿入」や「カウントダウン」など4つの新機能が追加

動的テキストそれぞれに代替値を設定できる「デフォルト値」の設定

広告カスタマイザや広告文内での構文記述を利用した場合おいては、デフォルトのテキストを指定することができます。デフォルト値を利用することによって、データフィードに適合しないような場合でも、代替されるテキストが挿入され掲載が可能な状態となります。例えば、広告文に挿入される値によって広告文の文字数上限を超えてしまう場合などにデフォルト値が使用されます。

デフォルト値を設定する際は以下のような構文を使用します。

{=データ名.属性名:デフォルトの値}

家電の通販サイトのアカウントを例にとると、以下のような設定で商品名を動的に変更させたい場合、商品名の長さによって広告文の文字数制限を超えてしまうと、広告カスタマイザを適用する広告文の表示ができなくなります。こういった場合に備えて、「家電」というデフォルト値を設定しておくことで、広告カスタマイザの広告文を表示することが可能です。

デフォルト値設定についての詳細はこちらの記事も参照してください。

参考:Google アドワーズに「IF関数」・「広告カスタマイザのデフォルト値設定」機能が追加

広告カスタマイザの注意点

広告カスタマイザを利用するにあたって、いくつか注意点もあります。

1.デフォルト値の設定もしくは広告カスタマイザを使用していない広告が広告グループ内に最低1つ必要

表示できる広告が何もない状態とならないよう、このような仕様となっています。広告本数を増やしたくない場合には、デフォルト値を利用して表現を固定にした広告文の設定がおすすめです。

2.文法や綴りに誤りがあると表示されない

句読点や大文字表記、スペースが入っていたり、同じ文字が反復していないか注意しましょう。

3.文字数制限に抵触していると表示されない

属性データが入力された結果の文字数が、あらかじめ決められた通常の広告文の文字数制限を超えてしまうと、該当の広告文は表示されず、デフォルトのテキストが適用されるか他の広告が表示されます。適用後に文字数がオーバーしないよう、余裕をもった文字数で設計をしておきましょう。

4.リンク先URLは変えられない

動的に変更できるのはテキストのみであり、リンク先のURLを変更することはできません。リンク先を変更する必要がある場合は、リンク先ごとに広告を用意しておきましょう。

通常の広告文と違い動的に広告文が変化するため、はじめは広告管理画面のプレビューを見て、どのように表示されているか確認することをおすすめします。

まとめ

今回は広告カスタマイザの「できること」と「具体的な設定方法」について解説をしました。データフィードでの設定を躊躇していた人も、レスポンシブ検索広告では管理画面上で直接設定が可能になったことで、広告カスタマイザを利用するハードルが低くなったかと思います。

一見難しそうに見える広告カスタマイザですが、仕組みと設定方法は意外と簡単です。しっかりと理解し使いこなせるようになれば、ユーザーの状況ごとに広告文を変えるなど、今まではできていなかった訴求方法ができるようになり、広告文を作成する際の幅が広がるので、ぜひ活用してみてください。

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