Google 広告の「レポート」機能の使い方と3つの活用例

Google 広告の「レポート」機能の使い方と3つの活用例

運用型広告において、広告配信の結果から広告の効果を分析することは欠かせませんよね。しかしながら広告管理画面だけでは必要なデータが確認しづらいことも少なくありません。

そんなときGoogle 広告の「レポート」機能を活用すると、より効率よく広告管理画面では分かりづらいデータや必要なデータを確認したり、分析したりすることが可能です。

今回はGoogle 広告のレポート機能の概要から基本的な使い方、また便利な活用方法までご紹介します。


Google 広告の「レポート」機能とは

Google広告の「レポート」機能は、データの確認、分析などに役立ちます。次のようなことが可能です。

  • 見たいデータのレポートが柔軟に作成できる
  • グラフやチャートなど、簡単にデータを視覚化できる
  • 作成したレポートを保存し、いつでもアクセスできる
  • レポートを他のユーザーにメールで送信できる

たとえば定期的に確認したいデータをレポートとして保存しておくことで、必要なデータにすぐにアクセスできるため、レポートの作成時間を短縮し、効率よく分析できます。

「レポート」機能でできる3つのこと

Google 広告の「レポート」には3種類の機能があり、それぞれを使い分けることで様々なレポートを作成できます。

  • レポートエディタでカスタムレポートを作成
  • 「事前定義レポート」でテンプレートを選択し、レポートを作成
  • 「ダッシュボード」で視覚化された情報をまとめて表示

それぞれ特徴が異なりますので、おすすめの利用シーンと共に解説していきます。

①レポートエディタでカスタムレポートを作成

カスタムレポートでは表やグラフなど、作成するレポートの種類や必要な指標を選択して、掲載結果データを簡単に可視化できます。またフィルタや並び替えなどの機能を使い、より高度なレポート作成も可能な、もっとも自由度の高いレポート作成機能です。

たとえば期間、指標、レポートの種類が既に決まっている場合は「カスタムレポート」からの作成がおすすめです。

②「事前定義レポート」でテンプレートを選択し、レポートを作成

事前定義レポートを利用すると、あらかじめ用意された数多くのレポートのテンプレートから用途にあったものを選択することで、簡単にレポート作成できます。

いきなりどんなレポートを作成したらいいのか分からない、という場合にはまず「事前定義レポート」をのぞいてみるのがいいでしょう。また、カスタムレポートを作成している場合でも、こんな切り口のレポートがあったのか、という発見を得られることも少なくありません。

③「ダッシュボード」で視覚化された情報をまとめて表示

Google 広告の「ダッシュボード」とは、広告の掲載結果を直感的に分かりやすいグラフや表などにまとめて確認できる機能です。

広告アカウントの重要指標をグラフや表で視覚的に確認したい場合、おすすめです。

ダッシュボードについては以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

この記事では、①と②の機能について詳しく解説していきます。

「レポート」の基本的な使い方

「レポート」機能の基本的な使い方を見ていきましょう。複雑な手順はなく簡単に作成できます。

カスタムレポート

カスタムレポートには広告管理画面の右上メニューに用意されている「レポート」からアクセスします。

レポートエディタからカスタムレポートを利用すると、次のようなメリットがあります。

  • シンプルなドラッグ&ドロップ操作により、表とグラフを簡単に作成できる
  • 見たいデータを簡単に視覚化できる
  • フィルタ機能が利用できる
  • 条件付き書式機能が利用できる
  • 並べ替え機能が利用できる

では、具体的にどのように作成していくかみていきましょう。

レポートタブの「+カスタム」をクリックすると、作成したいレポートの形式が表示されます。ここではもっとも利用頻度が高いであろう「表」を例にみていきましょう。

するとExcelのピボットテーブルのような、カスタマイズ可能なレポートエディタが出てきます。ここでは自分の見たいデータのレポートを柔軟に作成できます。

シンプルなドラッグ&ドロップ操作により、表とグラフを簡単に作成できる

画面右側のパネルに並んでいる多様な項目を行と列それぞれに、ドラッグ&ドロップで振り分けることによって、簡単に表を作成できます。

たとえば「キャンペーン」を「行」に移動し、「クリック数」を「列」に移動すると、キャンペーンごとの数字を簡単に表にまとめることが可能です。ほかにも期間の「日」を「行」に移動して「表示回数」や「クリック数」などパフォーマンスに関する項目を列に設定すれば日別レポートを確認できます。

行・列にはそれぞれ複数の要素を追加できますので、キャンペーンごと日別のデータ(行に「キャンペーン」「日」を設定)などさらに詳細なレポートも自由度高く確認可能です。

見たいデータを簡単に視覚化できる

レポート画面の右上にある「表」からグラフの種類を選択できます。この機能を使うとグラフやチャートなど、見たいデータのパターンや傾向を簡単に視覚化できます。

作成できるグラフの種類は以下の6つです。

  • 機関
  • 円グラフ
  • 散布図

たとえば、作成した表のデータを「折れ線グラフ」や「棒グラフ」でビジュアル化したりも非常に簡単です。

※データはアナグラム自社広告の掲載結果を利用

フィルタ機能でデータを絞り込める

フィルタ機能を利用すると、表示するデータを絞りこむことができます。特定のキャンペーンのみを表示したいときなどに便利です。

以下の手順で利用できます。

右上にある「フィルタ」を選択、次に「フィルタを追加」を選択します。すると、フィルタをかけられる選択肢が出てきます。

フィルタは次の5つの方法から選択可能です。

  • 等しくない
  • 次を含む
  • 次を含まない
  • 次から始まる

たとえばキャンペーンを「同じ文字列を含む」という条件でフィルタリングするときなどに便利ですね。

なお、項目ごとにフィルタ機能を利用することも可能です。

たとえばキャンペーン名でフィルタをかけたい場合、行列に表示されている「キャンペーン」の「▼」をクリックします。その後「フィルタ」をクリックします。

すると、アカウント内のキャンペーンが表示されるため、表示したいキャンペーンを選択し「適用」をクリックすると完了です。

条件付き書式機能が利用できる

この機能では条件付き書式を追加し、条件に合致するセルをハイライト表示することができます。たとえばクリック数1,000回以上のセルをハイライト表示する、といった具合です。

条件付き書式機能は、クリック数、コンバージョン数、インプレッション数などの数値を含む指標でのみ使用可能です。

たとえば「クリック数」が1,000以上のものをハイライト表示したい場合は以下の手順で利用できます。

「クリック数」の右側にある「▼」をクリックし、「条件付き書式」をクリックします。

ハイライト表示の基準を「値」に入力すると、条件に合致する数値がハイライト表示されます。

ハイライトの色は緑、黄色、赤、青の4色から選べます。

また条件付き書式機能もフィルタ機能と同様、列にある「▼」から利用することが可能です。

並べ替え機能が利用できる

たとえばクリック数の多いものから見たい場合には「クリック数」を降順で並び替えるといったように、データの並び替えができます。

列にある「クリック数」の「▼」をクリックすると「降順」「昇順」の選択肢が出てきます。並べ替えたい順番を選択すると完了です。

ここまでご紹介してきたように、広告管理画面から離れることなくさまざまなデータを確認できますので、柔軟にレポートを作成したり、データを使った分析が可能です。

カスタムレポートは自由度が高く便利ですが、最初はどんなレポートが作成できるか分からず、迷ってしまうかもしれません。そんなときに利用してほしいのが「事前定義レポート」です。

事前定義レポート

事前定義レポートは、あらかじめ用意された、数多くのレポートのテンプレートから用途にあったものを選択することで簡単にレポート作成が可能な機能です。

事前定義レポートを確認するには、管理画面の上にあるレポート アイコンをクリックします。このレポートアイコンは2箇所あります。

広告管理画面のヘッダー部分右上、あるいは数値データ上にある「レポート」アイコンからアクセスできます。

たとえばキャンペーンごとのレポートは「基本」「キャンペーン」の順に選択すると確認できます。

「レポート」の便利な機能とその使い方

ここからはGoogle 広告のレポートにはどのような機能があるのか、またその使い方をご紹介いたします。

①レポートのダウンロード

たとえば外部のデータとレポートの数値を付け合わせる場合など、一度レポートをダウンロードして加工する必要がありますよね。そんなときはダウンロード機能を使いましょう。

レポート画面の右上にある「ダウンロード」から利用できます。ダウンロード可能な形式は以下の通りです。

  • csv
  • Excel .csv
  • .tsv
  • .xml
  • .csv.gz
  • .xml.gz
  • .pdf
  • .png
  • Google スプレッドシート

②レポートの保存、開く方法

定期的に確認するデータが決まっている場合、毎回設定するのは手間ですよね。そんなとき自分が作成したレポートを保存することが可能です。

そして保存されたレポートは広告アカウントにアクセスできるユーザーなら誰でも確認できます。

レポート画面の右上にある「名前を付けて保存」から保存可能です。

保存済みレポートの一覧はレポート画面を開くと表示されます。

③レポートのメール送信

たとえば、定期的に特定の数値をクライアント側で確認したいといった場合、そのたびに広告管理画面にログインし、確認することは手間ですよね。

そんなときレポートのメール送信機能を利用すると、アカウントのアクセス権を持つユーザーにレポートをファイル形式でメール送信できます。

送信相手、頻度、ファイル形式の選択が可能です。

右上のスケジュールをクリックします。

すると、スケジュールの設定画面が出てくるので、レポートを共有する相手のメールアドレスを入力します。

次に頻度を選択します。

デフォルトでは「1回限り」の作成となっていますが、以下のように定期的なスケジュールを設定できます。

  • 日別
  • 週別
  • 月別
  • 平日(月曜~金曜)
  • 毎月一日

たとえば「週別」を選択した場合、1時間ごとの「時刻」と「曜日」の選択が可能です。

最後にレポート形式を選択します。

送信可能な形式は以下の通りです。

  • csv
  • Excel .csv
  • .tsv
  • .xml
  • .pdf
  • .png

3つの便利な活用例

具体的なレポートの活用例を3つご紹介します。主に管理画面上では確認できない、もしくは確認しづらいものをレポートで見やすくするという活用方法です。

「カスタムレポート」の章で紹介したドラッグ&ドロップのやり方で作成してみましょう。

①検索語句×広告

これは広告のABテストなどで使う事ができます。

広告ごとにどのような検索語句からクリック、またコンバージョンに至っているのかを確認することで、広告の優劣だけでなく、より深い考察が可能です。

たとえば化粧水を販売する際に「安価」「肌荒れを防ぐ」のような異なる訴求の広告でABテストを実施したとします。

訴求軸クリック率コンバージョン率コンバージョン単価
安価2.0%1.0%2,500
肌荒れを防ぐ1.5%0.5%3,000

仮に、広告管理画面で確認すると「安価」訴求の広告に優位性が見えたとします。

訴求軸検索語句クリック率コンバージョン率コンバージョン単価
安価化粧水

敏感肌
1.0%1.0%4,000
肌荒れを防ぐ2.0%1.5%3,000

しかし検索語句ごとのレポートを見ると、検索語句「化粧水 敏感肌」においては「肌荒れを防ぐ」の広告の方が良好な場合、この商品において敏感肌で化粧水を探しているユーザーは「安価」ではなく、肌が荒れない事を求めている事が分かります。

このように、広告の優劣の判断だけでなく、検索語句からユーザーの細かいニーズまで汲み取る事で成果改善の糸口が見つかる事があります。

検索意図を考慮し、広告グループを分けている場合は良いですが、もし分けられていない場合はぜひ活用してみてください。

②カスタム列の活用

レポート機能では「カスタム列」も利用できます。

カスタム列とは、Google 広告のデータを計算式や関数と組み合わせることで確認したい指標をカスタマイズして表示できる機能です。

詳しくは以下の記事で紹介しております。

広告管理画面でカスタム列を利用する場合、使いたい階層などいちいち表示項目から追加しないといけません。しかしレポートエディタだと、たとえばキャンペーン別で確認していた指標を広告グループ別でみる際にも、行を入れ替えるだけで確認でき、分析もスムーズです。

③ラベル機能の活用

最後に、ラベル機能を活用した方法です。

ラベル機能とは、キャンペーンや広告グループなど、既存のアカウントを構成する要素以外の単位で数字をまとめたり、管理できる機能です。

ラベル機能について、詳しくは以下の記事で紹介しております。

たとえば前述の「①検索語句×広告」の例で、「安価」「肌荒れを防ぐ」の訴求軸の広告がそれぞれ複数ある場合を考えてみましょう。

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広告訴求軸検索語句クリック率コンバージョン率コンバージョン単価
広告①安価化粧水

ニキビ
1.0%1.0%4,000
広告②安価1.5%1.5%3,500
広告③肌荒れを防ぐ2.0%1.5%3,000
広告④肌荒れを防ぐ1.5%1.5%3,500

上記の表のように「訴求軸×検索語句」の数値がまとまっておらず、分かりづらいですよね。

ラベル検索語句クリック率コンバージョン率コンバージョン単価
安価化粧水

ニキビ
1.0%1.0%4,000
肌荒れを防ぐ2.0%1.5%3,000

そこで訴求軸ごとにラベル機能を利用すれば「検索語句×ラベル」にて、より簡単に見たいデータを確認することができます。

今回の場合では行に「ラベル(広告)」「検索語句」、列にみたい指標を選択することで確認可能です。

このラベル機能を使うと、レポート機能のカスタマイズ性は更に高まり、分析の幅も広がるでしょう。

まとめ

たしかにレポート機能を使わずとも、管理画面上ではさまざまな分析が可能です。しかし今回紹介したGoogle 広告の「レポート」機能を利用すると、より効率的に見たいデータにアクセスできます。

また、広告の効果やパフォーマンスの不調の原因を探る際には、さまざまな切り口から分析を行うことで突破口が見えてくることも多々あり、多面的な分析にもレポート機能は役に立ちます。

これまでレポートの作成に必要以上に時間がかかっていたり、広告管理画面だけで分析を行っていて分析が十分でないと感じている方は、ぜひレポート機能を試してみてくださいね。

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