TikTok広告とは?特徴や配信面、ターゲティングの種類など

TikTok広告とは?特徴や配信面、ターゲティングの種類など

150の国と地域で配信され、全世界で30億ダウンロードを達成したTikTok(ティックトック)。これまで30億ダウンロードを達成したアプリはFacebook社の提供するアプリ以外で初の快挙です。日本でも2017年にリリースされてからユーザー数が伸びてきており、今やマーケティングやPR活動において無視できない存在になってきています。そのTikTokにも2018年から広告を配信できるようになっていたことをご存じでしょうか?

TikTok広告には事前に予約をして広告を配信する純広告と、リアルタイムで運用調整ができる運用型広告の2種類がありますが、今回は運用型広告に絞り、概要から運用のポイントを解説します。


TikTokとは?

画像引用元:https://apps.apple.com/jp/app/id1235601864

TikTokとは2016年に中国のByteDance(バイトダンス)株式会社からリリースされた ショートムービー などの動画の投稿や視聴が楽しめるアプリが主体のSNSです。

月間アクティブユーザー数は世界で約8億人、日本では2018年時点で約950万人となっており、直近のデータはないものの、国内のユーザー数も増加しています。

参考:TikTokが広告配信プラットフォームをリニューアル!日本法人副社長に聞く、広告主企業の活用価値

参考:The 8 Best Social Media Platforms to Market Your Business in 2021

国内ユーザーでは特に10代の利用率が31.1%と高く、次に多いのが20代と、若年層を中心に人気を集めています。

参考:【SNS】LINE利用率8割超え:10~30代は9割が利用(2021年5月20日)|レポート|NTTドコモ モバイル社会研究所

基本的に15秒、最長で60秒の動画をアプリ内で簡単に作成・投稿でき、アニメや旅行、料理、スポーツ、教育など、多彩なコンテンツが投稿されています。

TikTok広告を使うメリット

そんなTikTokですが、現在広告の出稿量が増えてきています。

2020年の世界で支払われた広告費では、上位5社に入る280億ドル(約3兆円)となっており、Amazonをも上回る広告費です。2018年では広告費は8億ドル(約880億円)だったようで、如何にその成長率が高いかがわかります。

ここからは急成長しているTikTok広告を使うメリットについてお伝えします。

①高精度のユーザー配信を可能にするAlアルゴリズム

ユーザーごとに最適化された動画のレコメンドを可能にしているのが、高度な機械学習の技術です。ユーザーがどの動画を長く見たか、どの動画に「いいね!」を押したか、あるいはどの動画をスキップしたかなどの情報から、ユーザーの動画視聴の嗜好や習慣を判断し、最適な動画をレコメンドしています

広告配信にもそのAIアルゴリズムは使用されており、高い精度のターゲティングを可能にしています。

②広告に興味を持ってもらいやすい

TikTokを利用するユーザーはなにか面白いものを探している、いわゆる無目的な状態であることがほとんどです。特定の目的がなく、無目的でアプリを回遊している場合、人は出会いや発見に敏感になり、興味を持たれやすくなりますよね。

例えば「何かについて知りたい」「この人の動画が観たい」と思っているユーザーに広告が表示されたらどうでしょう。おそらく多くの人が表示された広告を鬱陶しいと感じ、スキップしてしまうでしょう。それに対して特に目的がなく、何となく面白い動画を探しているユーザーは、広告にも興味を持ってもらえる可能性が高いのです。

③クリエイティブの制作が簡単

SNS広告を配信する中で大きな負担の1つになるのがクリエイティブの制作です。動画クリエイティブは更に難易度が高い印象を受けるかもしれません。

TikTok広告では動画テンプレートが多数用意されており、管理画面上で簡単に動画の制作を行うことができます。

TikTok広告の概要

ここからはTikTok広告の配信先やターゲティング、入札戦略の種類についてお伝えします。

TikTok広告の配信先

日本ではTikTokを含む2つのアプリとモバイル広告プラットフォームに配信することができます。

①TikTok

TikTokの配信面はインフィードのみです。「おすすめ投稿」という、自身の興味関心に基づいて動画がレコメンドされるフィードに表示されます。

画像引用元:誰でも簡単にTikTok For Business(TikTok広告)で広告配信

②Buzz Video

Buzz Videoとは、TikTokと同じくByteDance社が提供しているコンテンツプラットフォームで、ユーザーの興味・関心に合わせた動画を配信しています。

動画コンテンツ中心のプラットフォームということで「TikTokと何が違うの?」と思われるかもしれませんが、TikTokとはユーザー層が大きく異なります。Buzz Videoでは男性ユーザーが89%、35歳以上のユーザーが82%とミドルの男性ユーザーが圧倒的に多いという特徴があります。

Buzz Videoではニュースフィードの他に、動画の詳細ページや、動画の最後に登場するポストロールの3箇所に表示されます。

画像引用元:誰でも簡単にTikTok For Business(TikTok広告)で広告配信

③Pangle(パングル)

Pangleとは、多様なジャンルのアプリに広告配信できるモバイル広告プラットフォームです。ゲームや漫画アプリを中心にトラフィックを増やしており、ネットワーク全体のDAU(1日当たりの利用者数)は5,100万以上に成長しています。独自プレイヤブル広告によるインストール・課金促進が可能で、アプリの広告配信に適しています。

AI技術を駆使するアドテクノロジーを搭載しており、モバイルアプリのオーディエンスネットワークを通じて、幅広いユーザーにリーチが可能です。

画像引用元:誰でも簡単にTikTok For Business(TikTok広告)で広告配信

ターゲティングの種類

TikTok広告では年齢、性別といったユーザー属性から、興味関心、行動などでターゲティングすることができます。また、ウェブサイトの閲覧者やカスタマーファイルなどをソースとした類似オーディエンスも作成可能です。

オーディエンス属性 詳細 備考
ユーザー属性 性別 無制限、男性、女性
年齢 無制限、13~17歳、18~24歳、25~34歳、35~44歳、45~54歳、55歳以上
地域 国または都道府県単位で選択します。
言語 アプリ言語設定に基づきターゲティングできます。
通信環境 OS iOS、Android
システムバージョン iPhoneやAndroidのシステムバージョンを選択できます。
デバイスモデル AppleのiPhone11など端末情報をターゲティングできます。
通信環境 無制限、WiFi、2G、3G。4G
キャリア au、NTT docomo、SoftBank
デバイス価格 配信される端末(iPhoneなど)の価格帯をターゲティングできます。
興味関心 興味関心カテゴリー 教育、旅行、交通、ペット、マタニティー/ベビー、アプリケーション、金融、ファッション/靴/帽子/カバン、メークアップ/スキンケア、ニュースデータ、携帯電話/パソコン、飲食/グルメ、デジタル家電、アウトドアスポーツ
行動 動画インタラクション 特定のカテゴリの動画に対し、いいねを押したユーザーや、共有を行ったユーザーなどをターゲティングできます。
クリエイターインタラクション 特定のカテゴリのクリエイターをフォローしているユーザーや、プロフィールを閲覧したユーザーなどをターゲティングできます。
カスタムオーディエンス カスタマーファイル 独自の顧客データ(カスタマーファイル)をアップロードして、広告配信に利用します。
広告エンゲージメント これまでに広告が配信されたユーザーを指し、その広告を〇秒間視聴した、クリックしたなどの条件をつけてリストを蓄積することができます。
アプリイベント アプリ内で支払い情報の追加やレベルの達成など、特定の行動を完了したユーザーを溜めることができます。
ウェブサイトの閲覧者 ウェブサイトを訪問、特定の行動を取ったユーザーを溜めることができます。
類似オーディエンス カスタムオーディエンスに基づいて学習を行い、それらと特徴が類似しているユーザーに広告を配信します。

参考:広告配信対象

また、興味関心と行動ターゲティングでは、ターゲティングに使用されるロジックや対象期間が異なります。興味関心カテゴリーは過去60日間の閲覧習慣から判断しているのに対し、行動ターゲティングは直近7~15日間と、比較的短い期間でのユーザー行動から判断しています。

興味関心カテゴリー 行動ターゲティング
ロジック AIがユーザー閲覧習慣に基づいて判断 ユーザーが自ら起こした行動
対象期間 過去60日間 直近7~15日間
コンテンツの種類 オーガニック、有料コンテンツ オーガニック

参考:行動ターゲティング

広告配信目的の種類

キャンペーンの目的は5つの中から選ぶことができ、選んだ目的によって選択可能な入札方式や入札戦略が変わってきます。

プロモーションの目的 目的 詳細
ブランド認知 リーチ できる限り多くのユーザーに広告を配信します。
購買意向 トラフィック 自社ウェブサイトのランディングページ、アプリなど各種URLへユーザーを誘導します。
アプリインストール アプリをダウンロードできるアプリストアへユーザーを誘導します。
動画視聴数 ユーザーが動画視聴するように誘導します。
コンバージョン コンバージョン ウェブサイトへのユーザー登録や製品の購入など、ユーザーがウェブサイト上で特定の行動を取るように誘導します。

参考:キャンペーンの目的の選択方法

まずは広告を配信する目的を考え、それに合った目的を選択するようにしましょう。

入札方式

入札方式は次の4種類があります。広告配信の目的によって選択できる入札方式が変わってくるため、注意が必要がです。

入札方式 課金ポイント 詳細 配信可能な広告配信の目的
インプレッション課金型(CPM) インプレッション発生ごと 設定した予算に応じて、可能な限り多くのユーザー数にリーチします。 リーチ
最適化インプレッション課金型(oCPM) インプレッション発生ごと アプリインストールまたはコンバージョンする可能性が高いと判断したユーザーに広告を配信します。 アプリインストール、コンバージョン
クリック課金型(CPC) クリック1件ごと クリックする可能性の高いユーザーに広告を配信します。 トラフィック、アプリインストール、コンバージョン
再生課金型(CPV) 2秒/6秒/最後まで視聴ごと 動画の再生回数を最大限に高める際に適しています。 動画視聴数

参考:入札方式

入札戦略の種類

使用できる入札タイプは3種類です。

入札戦略 詳細 使用可能な広告配信の目的 使用可能な入札方法
最大入札単価 目標CPAを設定し、それと同程度かそれ以下に抑えることができます。 アプリインストール、コンバージョン 最適化インプレッション課金型
最小単価入札 入札価格の設定はせず、予算内で最も低い単価で多くの結果を獲得を目指します。 トラフィック、リーチ、動画視聴数、アプリインストール クリック課金型、インプレッション課金型、最適化インプレッション課金型、再生課金型
入札上限 設定した目標CPAを上回らないように調整します。 トラフィック、リーチ、動画視聴数、アプリインストール、コンバージョン クリック課金型、インプレッション課金型、再生課金型

参考:入札戦略

「目標とするCPAが明確でない」場合などは、入札価格の設定が不要で、設定した予算内で可能な限り単価を抑えながら獲得を目指してくれる「最小単価入札」がおすすめです。最大入札単価や入札上限は、CPAを一定に保ってくれるメリットがある一方で、入札した単価での獲得が難しいと媒体が判断した場合は、配信量が減少することがあるので注意が必要です。

TikTok広告の運用ポイント

ここからはTikTok広告で成果を出すために重要なポイントを、設定面、クリエイティブ面に分けてお伝えします。今回はTikTok広告のTikTok面で、ダイレクトレスポンスを目的とする場合を中心に考えています。

設定のポイント

1広告セットで週に50件のコンバージョンが必要

学習は広告セットの階層で行われ、1広告セットで1週間にコンバージョン数50件を溜める必要があります。そのため、ターゲティングごとに細かく広告セットを分けてしまうと、必要なコンバージョン数が獲得できず、学習できないといった事態になりかねません。

そのため、必要以上に広告セットを分けないようにしたり、コンバージョンのハードルが高い商材であれば、マイクロコンバージョンを設定するなど、必要なコンバージョン数が獲得できる設定を心掛けましょう。

また、コンバージョンが50件溜まるまでは学習期間となっており、その期間に入札や予算、ターゲット層などを大きく変更してしまうと、学習フェーズが中断される可能性があります。そのため、学習期間はむやみな変更は行わず、変更が必要な場合も1日1回以上の変更や、入札や予算の10%以上の変更は避けるようにしましょう。

ターゲティングを絞りすぎない

年齢や興味関心など、細かくターゲティングを分けすぎてしまうと配信量が減少してしまうことがあります。ご予算があまり多くない場合などは特に、年齢や興味関心などの縛りをなくしたブロード配信をし、「オーディエンス分析」の結果からターゲティングの細分化をしていくことが推奨されています。

クリエイティブの入れ替え頻度

継続的に成果を出し続けるためには、新鮮で良質なクリエイティブが常に追加されていることが重要です。入れ替えの頻度は1週間に1回で、2~3個の新規追加が推奨とされています。

クリエイティブのポイント

TikTok広告で成果を出すためにはクリエイティブが最も重要だと言っても過言ではありません。TikTokの投稿に馴染む動画を制作することが、広告成果向上のカギになります。

9:16の縦長フルスクリーンサイズで制作する

TikTokの最大の特徴の1つである縦長全画面を活用することで、広告効果を最大化することができます。

TikTokは広告接触者と広告非接触者を比較し、広告認知率と購入・利用意向率に差があるかを調査しました。横型画面の場合の広告認知率は、広告非接触者に対し、広告接触者が平均+18%だったのに対し、縦長全画面の場合は平均+63%の効果があることがわかりました。購入・利用意向率に関しても、横型画面の場合は広告非接触者に対し、広告接触者が平均+13%だったのに対し、縦長全画面では平均+34%と、高い効果が得られることが分かっています。

ただし毎回縦型全画面のクリエイティブを用意するのは大変ですよね。その場合は、1:1のスクエア型が良いとされています。

画像引用元:TikTok For Business初のクリエイティブリサーチ 高い広告効果を生む、4つの法則とは!?

テンポの速い音楽が好まれやすい

TikTokでは、音声をオンにして視聴しているユーザーが、主要プラットフォーム3社平均比で160%と、音声をオンにして視聴しているユーザーが多いことが分かっています。そのため、動画クリエイティブに音楽をつけることが推奨されています。

TikTokではテンポの速い曲の人気が高く、BPM120以上の曲が推奨されています。BPM120以上の曲はBPM120以下の曲と比較すると、3秒再生率、10秒再生率、再生完了率のいずれも高くなることが調査によって明らかになっています。

ただし必ずしも速いテンポの音楽をつける必要はなく、配信面や動画の雰囲気に合った音楽を設定できるといいでしょう。

画像引用元:TikTok For Business初のクリエイティブリサーチ 高い広告効果を生む、4つの法則とは!?

・明確なアクションを提示する

動画を視聴して楽しんでもらうだけでは広告を配信する意味がありません。「まずは1分で無料診断」や「商品をチェック」など、ユーザーに求めるアクションを動画内で提示することで、クリック率やコンバージョン率の向上につながりやすくなります。

TikTok広告では、広告管理画面にて「TikTok動画エディター」というクリエイティブ編集ツールが提供されています。このツールでは約100種類の動画テンプレートが用意されており、画像とテキストを設定するだけでオリジナル動画を制作できます。

その他、動画に著作権保護されている無料の音楽を付けることができるなど、動画編集の経験がなくても簡単に制作することができます。

また、TikTokビジネスクリエイティブセンターでは、国や業界を指定すると、その条件での人気の広告クリエイティブを確認することができます。クリエイティブの制作に行き詰ったら覗いてみると、ヒントが得られるかもしれません。

参考:TikTokビジネスクリエイティブセンター

TikTok広告の注意点

ここでは私が実際に運用した中で、注意する必要があると感じたポイントをお伝えします。

①カスタムオーディエンスの利用条件

リターゲティングや購入者の類似など、カスタムオーディエンスを使用する広告を配信する場合、ユーザーサイズは1,000件必要です。ただしピクセルを設定し、イベントを設定すればユーザーサイズが増えるわけではなく、そのイベントをコンバージョンとして設定した広告セットを追加し、実際に広告配信をする必要があります。

つまり初手でカスタムオーディエンスを使用した広告配信はできず、まずは年齢、性別といったユーザー属性を使用したターゲティング、または興味関心などのターゲティングを使用し、その広告経由でイベントを1,000件溜めなくてはいけないため、注意しましょう。

②地域(都道府県ごと)のパフォーマンスが確認できない

配信地域に複数の都道府県を設定した場合に、都道府県ごとの配信データを確認することができません。そのため、地域ごとで成果が異なるなど、地域が重要な商材の場合は、都道府県ごとに広告セットを分ける必要があります。

まとめ

若年層向けの商材だけでなく、30~40代向けの商材などでも広告配信の事例が増えているTikTok広告。

TikTok広告は直近で新しい入札戦略や広告フォーマットが増えていたりなど、広告配信機能がこれから更に充実していきそうです。

また、芸能人やインフルエンサーといった有力な発信者がTikTokを活用するケースも増えており、ますます盛り上がりを見せています。ぜひみなさんもTikTok広告を活用してみてはいかがでしょうか?

この記事のURLをコピーする
Nozomi Matsuda

Nozomi Matsuda

アナグラム株式会社 クルー。学生時代よりインターネット広告に興味を持ち、士業の集客支援を行う事業会社で広告運用を経験。クライアントワークから運用まで一気通貫して行える点に惹かれ、2020年4月からアナグラムに参画。

最近書いた記事