効果的な動画広告を制作する3つの手法とは?それぞれの特徴と目的に応じた選び方を解説

効果的な動画広告を制作する3つの手法とは?それぞれの特徴と目的に応じた選び方を解説
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YouTube、 TikTokなどの動画SNSが注目されるようになり、動画広告の制作に取り組む広告主や広告運用者の方が増えているのではないでしょうか。

ただ、「動画広告は制作費が高そう」「どんな表現をすれば効果的な動画広告になるのかわからない」といった悩みをお持ちの方も多いと思います。

商品、サービスの認知度や好感度アップであったり、購入やお申込みに繋げるなど……動画広告を用いるのにもさまざまな目的がありますが、目的が異なれば、動画広告の作り方・考え方も異なります。

そこで今回は代表的な3種類の制作手法と、目的に応じた制作手法の選び方をご紹介します。


3つの動画制作手法

動画広告でよく使われる制作手法は大きく分けてフルアニメーション、実写、モーショングラフィックスの3つに分類されます。各手法がどういったものなのか見ていきましょう。

フルアニメーション

引用元:Envato Elements

イラストやCGに動きを付け表現する動画の制作手法がフルアニメーションです。絵柄やタッチによって「かわいい」「クール」などの印象を伝えることができ、細かい表現を得意としています。内容や制作の体制によって費用も変動しますが、工数がかかるため比較的、費用感は高めです。

メリット

  • 「かわいい」「クール」などの感情の細かい表現に適している
  • 修正・変更が比較的しやすい
  • 実写では表現できない無形のサービスなどもビジュアル化できる

デメリット

  • 工数がかかり、高めの費用感となるケースが多い
  • 意図した動画に完成させることが難しい(ブランドイメージと合ったアニメーションを作成できる会社を探すのが大変)

実写

引用元:Envato Elements

実際にあるものをカメラで撮影した動画制作手法が実写です。

人物や風景、商品、サービス内容をそのまま映像として届けることができ、商品の見た目や使用感など、言葉では表現しにくいシズル感であったり臨場感を表現することができます。

プロによる専用機材を用いたハイクオリティな撮影から、スマートフォンを用いた臨場感のある撮影まで幅広い制作手法となります。プロによる撮影の場合は撮影モデルや撮影スタッフ、機材や撮影ロケーションなどの条件で大きく制作費は変動しますが、フルアニメーション以上に高い費用感となるケースが多くなっています。

メリット

  • 表現力が高く最もリアリティのある情報を伝えることができる
  • ターゲットとなるユーザーの意向と一致することで好感、共感が得やすい

デメリット

  • フルアニメーション以上に高い費用感での制作となる
  • 撮影までの準備や編集に多くの工数がかかる

モーショングラフィックス

引用元:Envato Elements

「モーション」は動きのこと、「グラフィックス」は画像や文字を使った視覚表現を意味し、TV番組やCMで見かける静止画が動く映像などに使われている技術です。普段から様々な場面で見かけることが多いと思います。

モーショングラフィックスは写真やイラスト、図形、テキストなどの素材に対して、横からスライドする動きをつけたり、急に拡大して画面に表示させるなどの視覚的な効果がメインの制作手法です。

メリット

  • 工夫して制作することで素材の数が少なくてもなめらかでリッチな表現ができ、情報をわかりやすく伝えることが可能
  • LPやサイトで使用している静止画を素材として企画構成を固めて、制作のみ外注するなどであれば費用を抑えて制作することも可能
  • 静止画や文字に視覚効果を加えて、具体的な情報をわかりやすく説明できる

デメリット

  • 人物の表情や細かい動きなどの細部の表現や臨場感を伝える表現には不向き

広告の目的に応じた制作手法の選び方

ここまで3つの制作手法を紹介しましたが、どういった動画を制作したいかによって相性の良い手法も変わってきます。

動画広告の目的に対してどの制作手法がふさわしいか、選び方を押さえておきましょう。

代表的なマーケティングファネルを用いて説明します。

商品、サービス、ブランドについて知る「認知」、認知した商品、サービス、ブランドに興味を持つ「興味関心」、代替サービスや競合商品と比べる「比較検討」、実際に行動を起こす「購入」。

この認知から購入のフェーズごとに、効果のある訴求や表現が変わってきます。

たとえばブランド認知向上を目的とした動画広告の配信を行う場合、「◯日間返金保証付き!」「初回限定〇〇円」と機能的な部分のみを訴求した動画広告では、視聴者はブランドを認知する可能性は低いです。

このような場合、ブランドのメッセージやコンセプト、商品、サービス名をビジュアルと共にアピールすることを目指し、実写の手法で表現を行うのが理想的です。無形商材やサービスが複雑な場合は実写を基本としつつ、図や静止画にモーショングラフィックスで動きをつけて補足するなど、組み合わせて使うことも効果があります。

購入を目的とした動画広告では、既に視聴者が商品やサービスをある程度認知していることを前提として、メリットや使い方、ユーザーの声などの情報で視聴者の購買意欲を高めます。

購入目的の動画広告では、モーショングラフィックスが多く使われています。

実写やフルアニメーションが不向きということではなく、費用や工数を抑えて制作できること、改善のサイクルも早く回すことができることを考慮すると、モーショングラフィックスを使用することのメリットが大きいためです。フルアニメーションは多くの面で実写とモーショングラフィックスの中間にあたる特徴を持っており、動画の目的や制作イメージによって使い分けると良いでしょう。

状況にもよりますが、認知や興味関心が目的の動画広告の場合は、制作手法に実写やフルアニメーションが選ばれるケースが多く、比較検討や購入を目的とした動画広告の場合は、モーショングラフィックスが選ばれることが多くなります。

まとめ

今回は動画広告の制作手法を紹介しましたが、それぞれ得意な表現が異なり、制作費や工数にも大きな幅があるため制作手法は目的に合わせて選びましょう。

ただ「いきなり実写やフルアニメーションなど予算をかけられない」「まずはスモールスタートしたい」といった場合はモーショングラフィックスを検討してみると良いでしょう。

施策の目的により費用が大きく変わってくることを踏まえた上で動画広告の制作に取り組んでいただければと思います。

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