ハズレを探せ!プレースメントレポート活用術

ハズレを探せ!プレースメントレポート活用術

Googleディスプレイネットワーク(以下、GDN)やYahoo!広告 ディスプレイ広告(以下、YDA)などのコンテンツ向け広告は検索連動型広告とは異なり、様々な配信先(プレースメント)に広告を出せるため、ビジネスを拡大するうえで今や重要な施策のひとつです。

しかしながら、非常に広い範囲に広告が配信されるため、配信先レポート(以下、プレースメントレポート)を確認して小まめにメンテンスを行わないと、意図しないサイトへ広告が配信され、思いもよらぬコストの消化やコンバージョン単価の高騰などで成果に見合わない、ということがよく起こりえます。

そこで今回はコンテンツ向け広告を改善するのに欠かせない、プレースメントレポートの活用方法についてお伝えします。


プレースメントレポートの活用シーン

コンテンツ向け広告の運用において、プレースメントレポートはどのようなシーンで活用できるでしょうか?

活用できるシーンは大きく分けて3つに分類できると考えています。

  1. コンバージョンに至った効果的な配信先の発見
  2. 効果的な配信先への指定配信
  3. コンバージョンや売上げに繋がらない効果の悪い配信先の発見

について説明します。

プレースメントレポートを確認する前に

Google 広告やYDAでプレースメントレポートを確認するにあたり、それぞれの媒体で注意点があります。

Google 広告の注意点

以下に各配信メニューとプレースメントレポートの確認可否をまとめます。

配信メニュープレースメントレポート確認可否
検索広告×
ショッピング広告×
ディスプレイ広告
ファインド広告×
YouTube広告
モバイルアプリインストール広告×
P-MAX〇 
※レポートページから作成する必要あり

Googleのパートナーサイトに表示されるような配信メニューが、プレースメントレポートの確認対象となります。

ファインド広告はGmail面やYouTube面などGoogleの配信面のみが対象となります。ディスプレイ広告とフォーマットは似ている側面がある一方、プレースメントレポートは確認できないため要注意です。

YDAの注意点

効果の高そうなプレースメントが見つかり、その配信面を指定する場合、別途プレイスメントリストを作成し、設定・紐づけを行う必要があります。

Google 広告の場合はリスト作成なしでも配信面指定ができるため、指定するための仕様が異なっている点を意識しましょう。

参考記事:

プレースメントレポートの確認方法

まずはGoogle 広告、YDAにおけるプレースメントレポートの確認方法をご紹介します。

GDN・YouTube広告の場合

① 管理画面にてプレースメントの配信レポートを確認したいキャンペーン、もしくは広告グループを選択。

② [コンテンツ]をクリック
③[広告が表示された場所]を選択するとプレースメントレポートが表示されます

④[編集]ボタンの隣にある[詳細を表示]から、選択したプレースメントのより詳細な単位(例: [https://anagrams.jp/]だけではなく、[https://anagrams.jp/blog/with-culture-of-an-anagrams-and-growthhack/]など)で、対象のドメインのどんなページが表示されているかも確認可能です。

P-MAXの場合

①[レポート]を選択し、事前定義レポート(ディメンション)の中にある「すべて表示」をクリック

②[その他]→[P-MAXキャンペーンのプレースメント]を選択します

③集計期間を決めて確認したい指標を列に追加しレポートを作成します。

YDAの場合

① 管理画面にて、[レポート]を選択したのちパフォーマンスレポートへ移動。

② 「レポート・テンプレート作成」を選択します。

③ 「配信先URLレポート」をクリックします
④ 「アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」の見たい粒度を選択。

⑤ 集計期間を決めて、確認したい数値項目を設定した後、「レポートのプレビューを表示する」をクリックします。

コンバージョンに至った効果的な配信先の発見

コンテンツ向け広告を配信していくとデータが蓄積されるので、プレースメントレポートを活用して成果の良し悪しの判断をしていきましょう。もしその中で成果の出ている効果的なプレースメントを見つけることが出来たら該当のプレースメントの入札を引き上げたり、手動プレースメントとして指定配信したりすることで、よりコンバージョンを伸ばせる可能性があります。

効果の出ているプレースメントをさらに伸ばすためにできること

前述で述べた通り、成果の出ている効果的なプレースメントを見つけることができれば、そこに広告を配信し続けることで更に成果を伸ばせられる可能性があります。

そういった特定のプレースメントがある場合は、手動プレースメントとして登録して配信していきましょう。

なお、P-MAXは手動プレースメントが不可のため、後述の除外対応のみしかできない点に注意です。

各媒体の手動プレースメントの設定方法は過去のブログポストで触れておりますので、そちらをお読み下さい。

・Google 広告:

・YDA:

コンバージョンや売上げに繋がらない効果の悪い配信先の発見

プレースメントレポートによって、「ビジネスの成果に直結しない配信先の広告表示およびクリック」が発生していないかを確認できます。

費用が多く掛かっているのにも関わらずコンバージョンに繋がっていないケースや目標コンバージョン単価を著しく上回っているような配信先がある場合は成果に直結しない可能性があります。

例えば、バイクのヘルメット通販のショップがコンテンツターゲットを使ってバナー広告を出したとします。

これがバイクに関するブログや交通情報関連のサイトに出ていたら想定内ですが、関連度の低い結婚情報系のサイトやゲームのサイトやアプリなどに出ていて、それらが結果的に成果に繋がらないクリックばかりで大きなコストが掛かっていた場合、適切な配信先でないと判断できます。

こういった成果の上がらないサイトに関しては広告が掲載されないようにプレースメントを除外することで無駄なクリックが減り無駄な広告費を掛けずに済むことができます。

除外すべきプレースメントはどのようにして見極めるか?

除外すべきプレースメントの見極め方としては、以下の3点が基本です。

  • 自社のブランドイメージに合わない
  • 自分のビジネスとの関連性が低い
  • コンバージョンや売上げに繋がらない

プレースメントを除外する際は、実際にどのようなプレースメントに配信されているのかを一度確認して、ペルソナとして最適な配信先かを見極めていきましょう。ただ全てを確認していくとあまりにも時間がかかってしまいますので、まずは費用が掛かっていて成果が出ていないプレースメントに絞って確認していく方がスムーズです。分析の基本はビジネスインパクトが大きな順から対処するのが王道だと言えるでしょう。

GDNのプレースメントレポートは数時間もあれば配信先の実績を見ることができますので、明らかに相性の悪そうな配信先は先延ばしにせずに早めに除外する判断をしていきましょう。

しっかりと見極めるには充分なデータが蓄積されたうえで確認していくとパフォーマンスの傾向がつかみやすくなります。

プレースメントの除外方法

成果の上がらないプレースメントがある場合はプレースメント除外を行いましょう。これはディスプレイ広告を運用するうえで欠かせない基本的な作業のひとつです。コンバージョンにつながらないサイトやCPAの高騰しているサイトなどを除外登録することで効果の期待できないプレースメントの広告掲載を停止することができます。

GDN・YouTube広告の場合

除外プレースメントの設定方法は以下の通りです。

① [コンテンツ]→[広告が表示された場所]から除外したいプレースメントを選定します。
② 除外したいプレースメントが見つかったらチェックボタンにチェックを入れます。
③ 編集ボタンの中から、④グループ単位もしくはキャンペーン単位を選択して除外プレースメントを設定します。

各ページごとなどの詳細な単位でプレースメント除外を行う場合、直接URLを入力してプレースメントの除外設定をすることで対応可能です。設定方法は過去のブログポスト「Google アドワーズの配信先で謎に満ちた“anonymous.google”の正体と付き合い方」で触れておりますので、そちらをお読み下さい。

YDAの場合

プレイスメントリストは事前に作成してある前提で、除外方法を説明します。

①除外したい配信先をプレイスメントリストに登録します。「手動でURLを入力する」を選択すると、任意のURLを一括で追加することが可能です。

②プレースメントリストを追加したい広告グループを選択肢、[プレイスメント]→[編集]をクリックします。

③対象のプレイスメントリストを配信対象外として設定します。

※YDAではプレイスメントと呼びます。

詳しい設定方法は過去のブログポスト「Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)のプレイスメントターゲティングの仕組みと設定、考え方まで」で触れておりますので、そちらをお読み下さい。

除外プレースメントを行う上での注意

リマーケティング(リターゲティング)の除外プレースメントを行う場合は注意が必要です。

リマーケティングは「配信面」をターゲットとしているコンテンツターゲットやトピックターゲットなどとは違い、原則的に一度サイトに訪問したことのある「人」をターゲティングしているため、関連性が低いサイトという理由で除外プレースメントを設定してしまうと機会損失になってしまう可能性があります。そのため、よほど成果が出ていないプレースメント以外は必要以上に除外する必要は無いでしょう。

また、リマーケティング(リターゲティング)を平行して行っていると、コンテンツターゲットやトピックターゲットなどの成果が悪く見えるケースが有ります。

これは、最初の起点となったクリックがコンテンツターゲットであった場合でも、その後リマーケティングでコンバージョンするようなケースだと、仕組み上、コンテンツターゲット側にはコンバージョンが付かないので効果の良し悪しが判断しにくくなってしまうからですね。

こういった場合の良し悪しの判断はなかなか難しくなりますが、GoogleアナリティクスのマルチチャネルやGoogle 広告のアトリビューションを活用することでヒントが得られる可能性があります。

参考記事:

まとめ

コンテンツ向け広告が表示されるサイトが非常に多いため、プレースメントをメンテナンスするのは大変ではありますが、小まめにプレースメントの状況を確認し“ハズレ”を探すことで無駄なっていた広告費は削減につながり、成果の出ているところに予算を投資することができるようになります。

また、当初の仮説とはいい意味で異なる配信先で獲得に繋がっていることがプレースメントのメンテナンスで把握できるため、新たな訴求やインサイトを発見できるかもしれません。

コンテンツ向け広告を運用していて成果が上がらない、コンバージョン単価が高い、と思った際には今一度広告の配信先を疑ってみてはどうでしょうか?

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