
Googleディスプレイネットワーク(以下、GDN)やYahoo!ディスプレイアドネットワーク広告(以下、YDN)などのコンテンツ向け広告は検索連動型広告とは異なり、様々な配信先(プレースメント)に広告を出すことができるため、ビジネスを拡大するうえで今や重要な施策のひとつです。
しかしながら、非常に広い範囲に広告が配信されるため、配信先レポート(以下、プレースメントレポート)を確認して小まめにメンテンスを行わないと、意図しないサイトへ広告が配信され、思いもよらぬコストの消化やコンバージョン単価の高騰などで成果に見合わない、ということがよく起こりえます。
そこで今回はコンテンツ向け広告を改善するのに欠かせない、プレースメントレポートの活用方法についてお伝えします。


Contents
プレースメントレポートの活用シーン
コンテンツ向け広告の運用において、プレースメントレポートはどのようなシーンで活用できるでしょうか?
活用できるシーンは大きく分けて3つに分類できると考えています。
- コンバージョンに至った効果的な配信先の発見
- 効果的な配信先への指定配信
- コンバージョンや売上げに繋がらない効果の悪い配信先の発見
では、さっそくプレースメントレポートを確認してみましょう。事項よりプレースメントレポートの作成方法、その活用方法について説明します。
プレースメントレポートの確認方法
まずはGDN、YDNにおけるプレースメントレポートの確認方法をご紹介します。
次にご紹介する方法は各管理画面上で確認する方法ですが、配信先が多い場合はCSVファイルなどに出力した上で確認すると実際の作業が進めやすくなります。
GDNの場合
① 管理画面にてプレースメントの配信レポートを確認したいキャンペーン、もしくは広告グループを選択。
② [ディスプレイネットワーク]タブを選択します。
③ [ディスプレイネットワーク]タブに移動したらその下のタブの [プレースメント]を選択すると
④プレースメントレポートが表示されます。
YDNの場合
① 管理画面にて、レポートタブを選択したのちパフォーマンスレポートへ移動。
② 「新規レポートを作成」もしくは「新規テンプレートを作成」を選択します。
③ レポートの種類を「広告配信レポート」にします。
④ 表示切替は、「アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」のいずれかを選択。
⑤ 集計期間決めてレポートを作成します。
コンバージョンに至った効果的な配信先の発見
コンテンツ向け広告を配信していくとデータが蓄積されるので、プレースメントレポートを活用して成果の良し悪しの判断をしていきましょう。もしその中で成果の出ている効果的なプレースメントを見つけることが出来たら該当のプレースメントの入札を引き上げたり、手動プレースメントとして指定配信したりすることで、よりコンバージョンを伸ばせる可能性があります。
効果の出ているプレースメントをさらに伸ばすためにできること
前述で述べた通り、成果の出ている効果的なプレースメントを見つけることができれば、そこに広告を配信し続けることで更に成果を伸ばせられる可能性があります。
そういった特定のプレースメントがある場合は、手動プレースメントとして登録して配信していきましょう。
手動プレースメントの設定方法は過去のブログポスト「プレースメントターゲットの仕組みと設定、考え方までのスベテ」で触れておりますので、そちらをお読み下さい。
コンバージョンや売上げに繋がらない効果の悪い配信先の発見
プレースメントレポートによって、「ビジネスの成果に直結しない配信先の広告表示およびクリック」が発生していないかを確認できます。
費用が多く掛かっているのにも関わらずコンバージョンに繋がっていないケースや目標CPAを著しく上回っているような配信先がある場合は成果に直結しない可能性あります。
例えば、バイクのヘルメット通販のショップがコンテンツターゲットを使ってバナー広告を出したとします。
これがバイクに関するブログや交通情報関連のサイトに出ていたら想定内ですが、関連度の低い結婚情報系のサイトやゲームのサイトやアプリなどに出ていて、それらが結果的に成果に繋がらないクリックばかりで大きなコストが掛かっていた場合、適切な配信先でないと判断できます。
.
こういった成果の上がらないサイトに関しては広告が掲載されないようにプレースメントを除外することで無駄なクリックが減り無駄な広告費を掛けずに済むことができます。
除外すべきプレースメントはどのようにして見極めるか?
除外すべきプレースメントの見極め方としては、以下の3点が基本です。
- 自社のブランドイメージに合わない
- 自分のビジネスとの関連性が低い
- コンバージョンや売上げに繋がらない
プレースメントを除外する際は、実際にどのようなプレースメントに配信されているのかを一度確認して、ペルソナとして最適な配信先かを見極めていきましょう。ただ全てを確認していくとあまりにも時間がかかってしまいますので、まずは費用が掛かっていて成果が出ていないプレースメントに絞って確認していく方がスムーズです。分析の基本はビジネスインパクトが大きな順から対処するのが王道だと言えるでしょう。
GDNのプレースメントレポートは数時間もあれば配信先の実績を見ることができますので、明らかに相性の悪そうな配信先は先延ばしにせずに早めに除外する判断をしていきましょう。
しっかりと見極めるには充分なデータが蓄積されたうえで確認していくとパフォーマンスの傾向がつかみやすくなります。
プレースメントの除外方法
成果の上がらないプレースメントがある場合はプレースメント除外を行いましょう。これはディスプレイ広告を運用するうえで欠かせない基本的な作業のひとつです。コンバージョンにつながらないサイトやCPAの高騰しているサイトなどを除外登録することで効果の期待できないプレースメントの広告掲載を停止することができます。
GDNの場合
GDNの除外プレースメントの設定方法は以下の通りです。
① プレースメントレポートから除外したいプレースメントを選定します。
② 除外したいプレースメントが見つかったらチェックボタンにチェックを入れます。
③ 編集ボタンの中から、④グループ単位もしくはキャンペーン単位を選択して除外プレースメントを設定します。(チェックボタンの隣にある緑のボタンからも直接グループ単位の除外設定が可能です。)
上記はドメイン単位の除外設定になりますが、[編集]ボタンの隣にある[詳細を表示]からより詳細な単位(例: [https://anagrams.jp/]だけではなく、[https://anagrams.jp/blog/with-culture-of-an-anagrams-and-growthhack/]など)でも除外設定が可能です。
尚、上記の方法とは別に直接URLを入力してプレースメントの除外設定をすることも可能です。設定方法は過去のブログポスト「Google アドワーズの配信先で謎に満ちた“anonymous.google”の正体と付き合い方」で触れておりますので、そちらをお読み下さい。
YDNの場合
YDNのプレイスメントの除外方法は、まず初めに除外したい配信先をプレイスメントリストに登録します。その後、該当の広告グループのプレイスメントターゲティングに配信対象外として設定します。※YDNではプレイスメントと呼びます。
詳しい設定方法は過去のブログポスト「YDNのプレイスメントターゲティングの仕組みと設定、考え方までのスベテ」で触れておりますので、そちらをお読み下さい。
除外プレースメントを行う上での注意
リマーケティング(リターゲティング)の除外プレースメントを行う場合は注意が必要です。
リマーケティングは「配信面」をターゲットとしているコンテンツターゲットやトピックターゲットなどとは違い、原則的に一度サイトに訪問したことのある「人」をターゲティングしているため、関連性が低いサイトという理由で除外プレースメントを設定してしまうと機械損失になってしまう可能性があります。そのため、よほど成果が出ていないプレースメント以外は必要以上に除外する必要は無いでしょう。
また、リマーケティング(リターゲティング)を平行して行っていると、コンテンツターゲットやトピックターゲットなの成果が悪く見えるケースが有ります。
これは、最初の起点となったクリックがコンテンツターゲットであった場合でも、その後リマーケティングでコンバージョンするようなケースだと、仕組み上、コンテンツターゲット側にはコンバージョンが付かないので効果の良し悪しが判断しにくくなってしまうからですね。
こういった場合の良し悪しの判断はなかなか難しくなりますが、Googleアナリティクスのマルチチャネルを活用することでヒントが得られる可能性があります。
まとめ
コンテンツ向け広告が表示されるサイトが非常に多いため、プレースメントをメンテナンスするのは大変ではありますが、小まめにプレースメントの状況を確認し“ハズレ”を探すことで無駄なっていた広告費は削減につながり、成果の出ているところに予算を投資することができるようになります。
コンテンツ向け広告を運用していて成果が上がらない、コンバージョン単価が高い、と思った際には今一度広告の配信先を疑ってみてはどうでしょうか?