Google 広告(旧 アドワーズ)の配信先で謎に満ちた“anonymous.google”の正体と付き合い方

Google 広告(旧 アドワーズ)の配信先で謎に満ちた“anonymous.google”の正体と付き合い方

「anonymous.google」いわゆる匿名URLのサポートは終了しており、表示されませんのでご留意ください。
プレースメント レポートの「anonymous.google」について - Google 広告 ヘルプ

Google 広告(旧 アドワーズ)のGoogleディスプレイネットワーク(以下、GDN)を利用していればかなりの確率で“anonymous.google”と表示されるプレースメントを目の当たりにしているかと思います。

アカウントによっては配信先プレースメントが”anonymous.google”で埋め尽くされるケースもあり、“anonymous.google”について正しい知識を持って運用することは重要です。

今回は “anonymous.google”の正体とその付き合い方についてご紹介します。

そもそも“anonymous.google”って?

“anonymous.google”とは、媒体側(Google AdSense)からGoogle 広告の広告主に対してドメイン情報を非公開にしているメディアです(※"anonymous"は「匿名」を意味します)。一般的にAdSenseではドメイン情報を非公開にできないことから、ドメイン情報の非公開にしているメディアは、Google AdSenseを利用している媒体主の中でもGoogleが特別な提携をしているものと考えられます。

では、彼らはなぜドメイン情報を非公開にしているのでしょうか?

様々な事情があると思いますが、理由の一つに、「自社で純広告などの広告メニューを販売しているから」があるでしょう。広告配信側にドメイン情報を公開すると、自社販売広告とAdSense枠に出すGDNとの価格・効果の違いを計測されてしまいます。これが自社の広告販売に悪影響が与えると考える場合、そういったメディアはドメイン情報を非公開にすると考えられます。

上記の情報は非公開であるため断言はできません。ただ、Googleが特別な提携するメディアはPV数が多く、影響力のあるメディアが多いことが推測されます。“anonymous.google”への広告配信は、ユーザーへのリーチを大きく広げる可能性を秘めているのです。

 

では、どうして“anonymous.google”は成果が悪く感じがちなの?

賛否有るのを承知のうえで申し上げると、“anonymous.google”はGoogleと特別な提携をしている影響力のあるメディアなのに、私たちはどうして成果が悪く感じてしまうことがあるのでしょうか?

理由1、複数のドメインの合計値だから

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管理画面①[ディスプレイネットワーク] > ②[プレースメント]で見れる “anonymous.google”の配信結果は、全ての匿名ドメインプレースメントの合計値で複数のドメインを含みます。一方、記名ドメインプレースメントはそれぞれのドメイン単位でレポーティングされます。成果の良い記名ドメインプレースメントと比べると“anonymous.google”は成果が悪く見えがちですが、“anonymous.google”に玉石混交の多数のドメインが含まれているということを理解しておかなければなりません。

 

理由2、正体を隠していることによる心証の悪さ

“anonymous.google”に対して広告費を使い成果が上がらなかったとき、ただただ理不尽に広告費が浪費されたような感覚に陥るでしょう。なぜなら、どういうコンテンツのどういう枠に広告配信されたのか全く開示されずフィードバックが殆どないからです。また、その度に「またアノニマスか!」と"anonymous.google"全体に対して「悪い」イメージが蓄積されていくことになります。

つまり、“anonymous.google”の成果は、データがまとまってしまうために実際以上に悪く見えているのです。

 

“anonymous.google”から成果を引き出す方法

上記の2つの理由により、“anonymous.google”にあまりよいイメージを持たれていない方々も多いかもしれませんが、実際に“anonymous.google”で大きな成果を上げているアカウントもあります。その為、必ずしも“anonymous.google”は成果が悪いとは言い切れません。

実際以上に成果が悪く見えている “anonymous.google”ですが、成果を正しく評価する方法は単純で「ドメイン毎に、“anonymous.google”への広告配信結果を確認すること」です。ドメイン毎の成果を確認し特定の匿名ドメインを除外するだけで、“anonymous.google”の成果はぐっと良くなるケースが多々有りますのでご紹介します。

ドメイン毎の成果の確認方法は以下です。

“anonymous.google”ドメイン毎の成果の確認方法

管理画面上での確認方法

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①[ディスプレイネットワーク] > ②[プレースメント] > ③[詳細を表示] を開きます。

 

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すると、ドメイン毎に”xxx. anonymous.google” のように区別され、それぞれの数値を確認することができます。この”xxx”は、Google 広告上でそれぞれの匿名ドメインを区別するために割り振られた任意の英数字で、全てのアカウントで同じ”xxx”で 区別されます。

 

Googleアナリティクス上での確認方法

先に管理画面上での見方をご紹介しましたが、可能であればGoogleアナリティクスからプレースメントの詳細を見ることをおすすめいたします。匿名ドメインの場合は、配信先のコンテンツが分からない分、「直帰率」「セッション時間」などの指標も合せて確認し情報量を増やすことが重要だからです。

また、管理画面だと広告グループ単位でしかプレースメントの詳細が見れないですが、Google アナリティクスであればキャンペーン単位や広告単位での数値も見れて使い勝手が良いです。一例としてキャンペーン単位でのプレースメントの詳細の確認方法をご紹介いたします。

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①[レポート] > ②[集客] >③ [キャンペーン] > [すべてのキャンペーン]からレポート画面を開く。

 

 

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④[プライマリディメンション]:[キャンペーン]、⑤[セカンダリディメンション]:[広告] > [プレースメントURL]に設定する。

 

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⑥レポート上の検索欄右[アドバンス]、⑦[ディメンション] > [キャンペーン]:(分析したいキャンペーン名)を含む、⑧[ディメンション] > [プレースメントURL]:「anonymous.google」を含むに設定し、[適用]を押す。

 

これで、Google アナリティクス上で”anonymous.google”のドメイン毎の成果を確認することができます。分析すると、匿名ドメインプレースメントの間にも成果に違いがあることが分かります。成果の悪い”xxx. anonymous.google”は除外してしまいましょう。以下の方法で除外できます。

 

匿名プレースメントの除外方法

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①[ディスプレイネットワーク] > [+ターゲティング方法]を開きます。

 

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②該当キャンペーン(広告グループ)を選択し、[除外設定] > [プレースメント] を選択します。

 

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③入力欄にそのまま”xxx.anonymous.google”を入力しプレースメントを追加、保存を押せば登録完了です。

 

”anonymous.google”に広告配信するリスク

以上見てきたように”anonymous.google”はある程度は管理・チューニングすることが可能ですが、”anonymous.google”への広告配信には難しい面もあります。配信先の情報が開示されず全くのブラックボックスの中を広告が走ることになるため、以下の2つのリスクがあるのです。

  • 仮説が立てられず、成果が出るか否か予想がつかない
  • どのように失敗(成功)したのか説明しづらい

これらのリスクを考慮したうえで、チャレンジしていただきたいと思います。

 

おわりに

”anonymous.google”への広告配信でリーチできるユーザー数は膨大であり、肥沃な大地が広がっている可能性があることは間違いありません。ぜひ一度、”anonymous.google”のドメイン毎の成果を確認されることをおすすめいたします。

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