Yahoo!ディスプレイ広告(以下YDA)のターゲティング方法の一つに「プレイスメントターゲティング」があります。
今回はYahoo!ディスプレイ広告のプレイスメントターゲティングの仕組みから設定方法、考え方まで解説していきます。
目次
プレイスメントターゲティングとは
プレイスメントターゲティングとは、広告を配信したい特定のサイトを配信先に指定できるターゲティング機能です。逆に配信したくないサイトを指定することも可能です。
どのような場合にプレイスメントターゲティングは効果的?
プレイスメントターゲティングは広告主の商材やサービスと関連性の高いコンテンツを提供しているサイトや、顧客となりうるターゲットユーザーが閲覧しているであろうサイトがある場合に効果的です。
たとえばバスケットボール関連商品を扱っているECサイトが「スポーツナビ」のバスケットボールのページを見ているユーザーに向けて広告を配信したい場合は、配信先となるURL「sports.yahoo.co.jp/basket」を設定することで、「スポーツナビ」のバスケットボールのページに広告を配信できる可能性があります。
他にも、金融系商品を扱っている場合にYahoo!ファイナンス(finance.yahoo.co.jp)を指定するなどの活用法が考えられます。
プレイスメントターゲティングの設定方法
YDAでプレイスメントターゲティングを行うには、まずは「プレイスメントリスト」の作成が必要になります。
プレイスメントターゲティングの設定の流れは以下になります。
1.プレイスメントリストを作成する
2.プレイスメントターゲティングを行うキャンペーンを用意して広告グループにプレイスメントリストを設定
1.プレイスメントリストを作成する
右上の「ツール」から「プレイスメントリスト」を選択し、プレイスメントリスト管理画面を開きます。
「プレイスメントリストを作成」を選択し、作成するリストの種類を選びます。
標準リストと除外専用リストは下記の違いがあります。
種類 | 標準リスト | 除外専用リスト |
用途 | 配信対象または配信対象外として広告グループに設定できます。 | 広告グループには配信対象外としてのみ設定できます。 |
---|---|---|
1アカウントあたりのリスト作成可能数 | 最大100件※除外専用リストとあわせて | 1件のみ |
1リストあたりのURL登録上限数 | 最大1,000件 | 最大10,000件 |
引用元:プレイスメントリストの作成 - ヘルプ - Yahoo!広告
プレイスメントリスト作成画面に変わったら、次にプレイスメントリストの登録に進みます。ここで、広告の配信対象(または配信対象外)とするURLを「プレイスメントリスト」として登録していきます。
配信対象(または配信対象外)となるプレイスメントは「候補を検索して選択」、または「手動で入力」の2つの方法で登録が可能です。
「候補を検索して選択」から登録する場合は、URLで検索して配信先を選択します。
検索するURLを入れて結果からチェックボックスを選択します。
また、「その他の絞り込み」を選択するとサイトのカテゴリーや広告タイプで検索することができます。
「手動でURLを入力」から直接URLを入力して登録することもできます。登録する際は、「http://」「https://」を抜いた状態で貼り付けて登録していきます。
ただし、YDAの配信枠がないサイトもURLが登録できてしまいます。当然ですがYDAの配信枠がないサイトを登録しても配信は行われませんので注意しましょう。
最後にプレイスメントリスト名を入力後、「保存」を選択して完了です。
プレイスメントリスト作成のポイントは、1つのリストにプレイスメントを詰め過ぎないことです。配信先のURLやテーマ別に分ける等のわかりやすい方法でプレイスメントリストを分け、配信先の良し悪しを判断できるようにしておきましょう。
プレイスメントリストの作成が完了したら、広告グループにプレイスメントターゲティングの設定をおこないます。
2.広告グループにプレイスメントリストを設定する
続いて、広告グループにプレイスメントターゲティングの設定をおこないます。
設定したい広告グループを開き、「プレイスメント」「編集」を選択します。
「プレイスメントリストを指定して配信」を選択し、先程作成したプレイスメントリストを選択、最後に設定をクリックします。
以上でプレイスメントターゲティングの設定は完了です。
広告配信レポートの使い方
プレイスメントターゲティングの配信結果は広告管理画面上ではリストごとの結果しか確認することができません。
URLごとの結果を確認するにはレポートを確認する必要があります。
「レポート」「+レポート・テンプレート作成」を選択します。
「配信先URLレポート」を開き出力したいセグメントを選択します。
設定画面になるので必要に応じて項目を編集し、右上の保存をクリックします。
作成が完了したらダウンロードして数値を確認しましょう。
GDNのプレースメントターゲティングとの違い
よく似ているGoogleのディスプレイ広告のプレースメントターゲティングとYDAのプレイスメントターゲティングですが、いくつか異なる点があります。
1.配信対象サイトと配信対象外サイトの設定にはリストの作成が必要
YDAのプレイスメントターゲティングでは上記で解説したとおり、プレイスメントターゲティングを行う際は、事前にプレイスメントリストの作成が必須となります。
2.配信面の違い
YDAの広告配信先はYahoo!JAPAN内の各ページ、および提携しているパートナーサイトに配信されます。
3.配信フォーマットの種類が限定的
YDAは画像のサイズがGDNに比べて限定されます。PC/タブレットは計6種類、スマートフォンは計8種類に加え、それぞれのレスポンシブサイズが2種類となっています。
【対応するバナーサイズ一覧(以下、横×縦:単位ピクセル)】
全デバイス
- 300×250
- 600×600
- 468×60
- 728×90
- 160×600
PC・タブレット
- 300×600
スマートフォン
- 320×50
- 320×100
- 640x360
レスポンシブ(PC・スマートフォン双方対応)
- 300×300
- 1200×628
詳細は下記記事をご覧ください。
PCユーザーかスマートフォンユーザーどちらを対象にしたいか(またはどちらも)によって必要な素材が変わってきます。上記を参考に必要な素材を用意しましょう。
プレイスメントターゲティングをさらに効果的に使うには
プレイスメントターゲティングは配信先の指定に加え、様々なターゲティングとの組み合わせを行うことで本来のポテンシャルを発揮します。
例えば、「Yahoo!ニュース」を筆頭とするニュースサイトや「Yahoo!知恵袋」などのQAサイトなど、カテゴリーが複数分かれているような大規模サイトへプレイスメントターゲティングを配信すると、配信対象となるウェブサイトが広すぎて関連性が低くなってしまうことが考えられますよね。
そこでおすすめなのがプレイスメントターゲティングとコンテンツキーワードの組み合わせです。プレイスメントターゲティングに加えてキーワードの組み合わせを行うことにより掲載対象ユーザーを絞り込むことが可能になります。
コンテンツキーワードターゲティングについては下記も参考にしてください。
指定したプレースメント全体を捉えるイメージとなります。そのため、仮にダイエット関連の商材を扱っている場合に、バスケットボールに関するコンテンツを見ている特定のユーザーだけに広告を届けるのは難しくなります。
※例:「Yahoo!ニュース」の中で、更に「バスケットボールの要素」を含んだページへ配信
プレイスメントターゲティングにコンテンツキーワードターゲティングを組み合わせることで、より配信対象となる要素を絞り込んだ配信が可能になります。これにより、余分な配信を抑える効果が期待できるので、より的を絞った配信が可能になります。
注意
コンテンツキーワードターゲティングの対象掲載面はYahoo! JAPANの一部サービスのみです。そのため、対象外のサイトをプレイスメント指定すると配信がされなくなります。
また、プレイスメントターゲティングとコンテンツキーワードターゲティングを掛け合わせることで配信機会が減る可能性もあるため、設定後の配信量はしっかりチェックしましょう。
キーワード以外にも組み合わせられるターゲティングがあります。
※例:「Yahoo!ニュース」のページを見ている特定のユーザーだけに配信
これはプレイスメントターゲティングに性別や年齢などのユーザー属性(例:女性、年齢は25~34歳)を組み合わせた配信方法で、商品のターゲット層が明確な場合に有効な手法です。
また、さらにユーザーを絞って配信機会が減ってしまう可能性もありますが、「プレイスメントターゲティング+コンテンツキーワードターゲティング+ユーザー属性」といった形で絞り込むことも可能です。
このようにプレイスメントターゲティングは様々なターゲティングとの組み合わせによって、さらに掲載対象を絞り込んだ配信も可能になり、より効果的に利用することができます。
まとめ
プレイスメントターゲティングは、広告主の商品やサービスに興味があるであろうユーザーが見ているサイトやコンテンツをピンポイントで指定することが可能です。
取り扱っている商品やサービスに親和性の高いテーマのサイトは、ユーザーが興味をもってくれる可能性も高く、良いパフォーマンスも期待できます。
また、YDAはYahoo!JAPANという日本最大級のポータルサイトへの広告配信が行えることが大きな特徴です。特定のテーマを扱っているサイトなどがなくとも、たとえばYahoo!ニュースには多様なニュースが流れ、多くの方が記事を読みに来ています。
ご紹介したように、プレイスメントターゲティング単体を配信に利用するだけでなく、他のターゲティングを組み合わせて使用することで、配信面をより柔軟にターゲティングすることも可能です。
広告主の商品やサービスに興味があるであろうユーザーがどのようなサイトを使っているか、どのようなコンテンツに接しているかを想像したりあるいはヒアリングしたりして、プレイスメントターゲティングを有効に使えると、広告運用の幅も広がるのではないでしょうか。