2121年6月9日、データフィード管理ツール「dfplus.io」を提供するフィードフォース社と共同セミナーを開催しました。
【6/9開催】Googleショッピング広告 成果最大化のためのチェックリスト|dfplus.io マーケターのためのデータフィード管理ツール
本セミナーは、Google ショッピング広告の成果最大化のために押さえておくべきポイントを弊社の田中が話し、それらのポイントをクリアするための具体的な改善方法をフィードフォース社の上岡さんが解説いたしました。
本レポートでは、Google ショッピング広告の仕組みと具体的な改善方法、質疑への回答をご紹介します。
Google ショッピング広告について次のような課題感がある方に、ぜひご一読いただきたい内容となっています。
- ショッピング広告の仕組みが知りたい
- 具体的な改善方法が知りたい
- 現在の成果に伸びしろがあるかチェックしたい
イベント登壇者のプロフィール
アナグラム株式会社 シニア テクニカルアカウントマネージャー/Google 広告 ヘルプコミュニティ プラチナ プロダクト エキスパート(※)/株式会社フィードフォース EC Booster アドバイザー。「データフィード構築ワークショップ」の開催や、Google Merchant Center活用におけるブログ執筆など、日本のデータフィード業界を牽引。データフィードとタグマネージャと水樹奈々が好き。
※プロダクト エキスパートとは、Google 広告のヘルプコミュニティでユーザーのサポートに積極的に取り組んだ、経験豊富なエキスパートを認定するステータスです。
株式会社フィードフォース dfplus.io セールス。データフィード管理ツール「dfplus.io」のセールスを担当。年間200社以上のお客様それぞれに最適なデータフィード施策や、中長期を見据えたデータフィード管理環境の導入を提案。
目次
第1部:Google ショッピング広告の成果最大化のために押さえておくべきポイント(アナグラム株式会社 田中 広樹)
使える情報はできるだけ使うことが大切
販売条件の表示が、「販売価格」から「まとめ買いによる割引」まであるA店と、「販売価格」と「ポイント」しかないB店。どちらのお店で買っても手元に届く商品は同じです。みなさんはどちらのお店で購入しますか?おそらく9割の方がA店を選ぶのではないでしょうか。
その根拠は信頼性です。たとえ同じ商品であっても、B店の商品は情報が少なすぎて買うのが怖い・・・となりそうですよね。詳しい情報が分かるほうが人は安心して選べますし、買う側は比較できる情報が多いほうが嬉しいという話です。
つまりは、情報が多いほうがクリックしてもらいやすく、Googleもそちらを贔屓したいはずなので、ショッピング広告の上位に表示させる商品はできるだけ多くの情報を登録してほしいとGoogleも思っているはずです。だから、使える情報はできるだけ使いたいですね。
では、どんな情報を登録できるの?
ショッピング広告に登録できる情報は、次の2種類があります。
「消費者向けの情報」は商品購入時の判断基準になります。「商品データの管理に必要な情報」はGoogleやモールなどのプラットフォーム側での商品識別に必要な情報になります。これらの情報が多ければ多いほど、様々な検索語句で商品を表示できる機会が増えます。
成果最大化のために押さえておくべきポイント
必ず入力しておくべき情報はコレ
固有商品ID(gtin属性、mpn属性、brand属性)の値がある商品は、必ず入力しときたいです。というのも、固有商品IDが存在するはずなのに入れていないと表示機会が制限されたり、あるはずのものをないとした虚偽の設定(例え意図的ではなかったとしても)だとGoogleに判断された場合は商品アイテム自体が不承認になることがあるからです。固有商品IDの抜け漏れによって表示機会が左右されるケースはとても多いです。
Google 商品カテゴリ、Googleに任せますか?
Google 商品カテゴリ属性を空欄のまま登録すると、Googleが自動的に商品情報からカテゴリを推定してくれるのですが、まれに間違ったりもします。実際に確認された例が次です。
この例では、「もつ鍋セット 4人前」という商品名のうち「鍋セット」という部分を読み取って、これは食器のセットであるという誤った判断をされた可能性があります。
これによって属性値の正確さという観点からみると、商品データの品質がやや下がるのではと思います。ですのでGoogle 商品カテゴリは、できるだけ手動で設定しときたいです。
重要な情報はできるだけ前方へ
商品名はだいたい表示しきれないので、重要な情報はできるだけ前方へもっていきましょう。では、どんな情報を前方へもっていけば良いのか。その商品がどのような点で選別されるのかというのをぜひ考えていただきたいです。たとえばアパレルであれば、以下のような重要度で、商品が選ばれるときのポイントを商品情報に盛り込むと良いでしょう。
商品名の変更で検索語句が変わる?
商品名の変更は、広告が表示されるキーワードに影響を及ぼします。特定の検索語句で表示させたい場合は、商品名を変えることで表示させる可能性を上げやすいです。ただし「父の日」など、何らかの意図をもって検索している語句については、商品ページでギフトラッピングに対応の旨を記載するなどの対応がないと、クリックしても購入に至らないケースもあり、使い方は注意しないといけない部分でもあります。
広告運用を考慮した商品分類を設計しよう
商品分類は、ショッピング広告の入札の括りを考えて設計しましょう。Googleでは、次のような分類が可能です。
商品によって入力される値が決まっている項目
- Google 商品カテゴリ
- ブランド
- 商品ID
- 状態(condition)
広告運用しやすくするために柔軟に変更できる項目
- 商品カテゴリ
- カスタムラベル0~4
ここでは、広告運用しやすくするために柔軟に変更できる項目の使い方について解説します。まず商品カテゴリの使い方です。
たとえばサイズの異なるテレビの入札に金額差をつけたい場合、「Google 商品カテゴリ」ではテレビサイズごとのカテゴリがないため「商品カテゴリ」を使って区分します。
もしカテゴライズの方法に迷ったら、サイトの商品カテゴリ構造(パンくずリストなど)を使用すると1番シンプルで分かりやすいのでおすすめです。
次に、カスタムラベルの使い方を説明します。
カスタムラベルでは、0~4までの任意のラベルを設定し、その値として付加情報を与えることができます。
たとえばアパレルならサイズごとに、その値のついた商品だけ入札単価を変えるなどの調整ができるようになるため、戦略に応じた調整が可能となります。
ただし、サイトの商品カテゴリ構造を使う場合に注意したい点もあります。サイトや商品マスター上で細やかにカテゴライズされているか、またはカテゴライズに誤りがないかの確認は必須です。たとえば、TシャツなのにYシャツのカテゴリに入ってないかなど、気をつかってみる必要はあります。
まとめ:ショッピング広告の商品フィードで重要なこと
「商品フィードは常に最新のものを提供する」「正確で包括的なデータを提供する」の2点に関しては、Googleが公表している「品の高い商品データ」の定義でも触れられている項目になります。くわしくは次をご参考ください。
参考:質の高いデータを提供する - Google 広告 ヘルプ
第2部:フィードフォース社パート(株式会社フィードフォース 上岡 遼大)
「データフィードの改善が大切とよく聞くが、どう改善していくのかイメージしにくいです」という悩みをお客さまからよく聞きます、と話すのはフィードフォース社の上岡さんです。
今回は、実際にデータフィード管理ツール「dfplus.io」を使って、「商品タイトルを最適化する方法」と「Google商品カテゴリを設定する方法」を解説してくれました。
データフィードの改善の効果は?
データフィードの改善による効果はどのくらいなのか。なかにはタイトルの変更とカテゴリ追加のデータフィードの改善で、2ヵ月半という短期間で流入数が約4.5倍になった事例もあるそうです。その際、行った施策は次のとおりです。
- 商品をSKU単位に変更
- サイズや色、素材などのバリエーション情報を追加
- GTINを追加して有効商品を増やす
- 日本語ブランド名やカテゴリの追加
ほかにも、データフィードの改善によりROAS200%から510%になり広告経由の売上が約8倍に。その当時の流入元1位がGoogle ショッピング広告だったということからも、データフィードの改善による影響度がかなり大きかったことが伺えます。また、このときの広告担当者は1名。Google ショッピング広告やダイナミック広告は、少ないリソースでも成果を出すことができると言えますね。
最適なデータフィード環境とは?
手元で管理でき、チームの誰でもデータフィードの状況を把握できる。つまりは、属人化しない環境を整えることが大切です。システム開発にかかわるやりとりやExcelにくわしい人、くわしくない人という属人化に陥ってしまうと、担当者への負荷が高まってしまうため、手元で管理しチームで把握できれば担当者の負荷は下がり、結果として継続的に改善できます。
また、管理環境によって間違いなく「配信開始までの速さ」と「改善スピード」に差がついてきます。たとえば、タイトルにいれるキーワードの順番を並び変えたいとか、要素を追加したいときに、システム担当者の方にお願いをすると、時間がかかってしまうケースもあるためツールで管理してフットワーク軽くやりたい施策を実行していくということが、成果を最大化するためにも重要ですね。
成果を最大化するためには?
Googleショッピング広告に限らずデータフィードを使った施策全体に言えますが、成果を最大化するためには、やはりデータフィードを定期的に改善していくことが重要と言われています。ただ、管理環境によってはやりたくてもできないこともあると思います。ですので、無理なくフィードを運用できる環境をまず用意し、定期的にチューニング・カスタマイズしていくという流れが重要かと思います。
質疑応答
Q. 品質の計算はどのくらいの頻度で行われているのか?
品質は、マーチャントセンター上にアップロードされた商品データの品質と広告オークション時に計算される品質があります。広告に使われる品質は、マーチャントセンターに反映された商品データをもとにして、検索されるたびに計算が行われます。
Q. dfplus.ioに興味があります。月額料金はおいくらになりますか?
作成されているデータフィードの媒体数や管理されている商品数によってお値段は変わってきます。ミニマムプランは月額30,000円で2媒体分のフィードを作成できます。
(料金プランの詳細についてはこちらをご覧ください)
Q. Googleの商品フィードを更新してから、実際の検索結果に反映されるまでリードタイムはありますか?また、昔のFetch as Googleのようなリードタイムを早くする方法はありますか?
何段階かありまして、はじめて商品フィードをアップロードした場合の最初の審査は数営業日ほどかかると言われています。
商品情報は、半日~1日あれば更新されます。ただ商品画像を更新した場合は、画像とURLが変更になっている場合は3日ほど更新にかかります。URLが同じで画像だけ変わっている場合は最大6週間かかると言われています。
早く商品情報を更新してもらうためには、サーチコンソールのURL検索ツールで再クロールを申請するのがおすすめです。ただしURL検索ツールを使ってどのくらいかかるかはその時々により明確な時間はお伝えしづらいです。
まとめ
Googleショッピング広告は、商品情報の数と正確さを定期的にチューチングしていくことで、より多くのその商品を求めているだろう人に継続的に情報を届けることができます。
そのためには、できる限り多くの情報を用いて、広告運用を考慮したフィードの設計が大切です。しかし、なかにはフットワーク軽く施策を実行していくことが難しい環境もあると思いますので、まずは改善インパクトの大きい、「商品タイトル」と「Google商品カテゴリ」の見直しからおこなっていきたいですね。
本セミナーをとおして、ショッピング広告への理解が深まり、成果最大化への道筋が少しでも見えてきたなら嬉しく思います。